JP3110119B2 - 分布型光ファイバーセンサー - Google Patents

分布型光ファイバーセンサー

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JP3110119B2
JP3110119B2 JP03356314A JP35631491A JP3110119B2 JP 3110119 B2 JP3110119 B2 JP 3110119B2 JP 03356314 A JP03356314 A JP 03356314A JP 35631491 A JP35631491 A JP 35631491A JP 3110119 B2 JP3110119 B2 JP 3110119B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ファイバーに沿った
温度等の物理量分布を測定するための分布型光ファイバ
ーセンサーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】分布型光ファイバーセンサーは、レーザ
ーパルスを光ファイバーに入射し、光ファイバーからの
戻り光を検出してこの光ファイバーに沿った物理量を測
定するものである。ステップ状の温度分布を光ファイバ
ーに与えると、出力は温度変化点を中心に前後に遷移領
域を有するものとなる。この遷移領域の長さ(正確には
温度変化の10%から90%までの長さ)を距離分解能
と呼ぶ。距離分解能が高いほど光ファイバーに沿ってよ
り精密に物理量分布を検出することができる。
【0003】このような分布型光ファイバーセンサーに
おいて、光ファイバーに沿った距離分解能を高めるため
には、入射レーザーパルス幅の狭小化が必要とされてい
た。しかしながら、入射レーザーパルス幅を狭小化すれ
ば、極めて高速なスイッチング素子が必要となり複雑な
回路技術を要しコストアップの要因になるとともに、レ
ーザーパルスの入射パワーが実質上低下し、S/Nが
化するという問題があった。
【0004】このような問題を解決するため、本出願人
は既に先願(特願平2−151605号)において、入
レーザーパルスの劣化特性信号系列を求め、この劣化
特性信号系列を装置内に記憶し、この記憶した一定の劣
化特性信号系列と測定された温度分布とに基づき、真の
温度分布を仮定し、仮定温度分布の測定温度分布に対す
る最小二乗法による評価値の最小値を最適解として真の
温度分布を算出する分布型光ファイバーセンサーを提案
している。
【0005】さらに詳しくいえば、この先願に係る分布
型光ファイバーセンサーにおいては、既知の温度分布信
号系列のz変換T’(z)と、測定された温度分布信号
系列のz変換R’(z)とから算出される伝達特性H’
(z)=R’(z)/T’(z)を、逆z変換して劣化
特性信号系列h(p)を求め、予め信号処理装置内に記
憶しておく。
【0006】次に、真の温度分布信号系列t”(p)を
仮定し、上記劣化特性信号系列h(p)とこの仮定した
真の温度分布信号系列t”(p)のコンボリューション
積分を行なう。このコンボリューション積分結果と実際
に測定された温度分布信号系列r”(p)との非線形最
小二乗法による評価値をとり、その評価値を最小にする
t”(p)を最適解とする。
【0007】即ち、従来の分布型光ファイバー温度セン
サーにおける信号処理方法においては、劣化特性信号系
列を予め求めて記憶しておき、この劣化特性信号系列を
一定のものとして、複数回の測定に対し常にこの記憶し
た一定の劣化特性信号系列を用いて前記演算を行なって
温度分布を算出していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、劣化特
性信号系列は、主に入射レーザーパルスの波形および検
出系のパルス応答特性によって定まるため、一定ではな
い。即ち、レーザーパルス波形は、レーザー駆動電流波
形や、レーザーダイオードのしきい値電流の経時変化あ
るいは温度ドリフトによって変化する。図2は、レーザ
ーダイオードのしきい値電流が5%変化したときの、劣
化特性信号系列の変化を示す。図中(a)の8は変化前
の劣化特性信号系列を示し、図中(b)の9は変化後の
劣化特性信号系列を示す。曲線8と9は、各距離におい
て信号強度が微妙に異なり、各曲線の頂点位置、高さ、
広がり、形状等の点で異なっている。
【0009】このように、劣化特性信号系列は入射レー
ザーパルスごとに変化するにも拘らず、従来はこれを一
定のものとして記憶し繰り返し演算処理に用いていた。
図3および図4は演算処理結果を示す。図3は変化前の
データによる処理結果であり、図4は変化後のデータに
よる処理結果を示す。曲線10は変化前の観測信号、
11は変化前の処理結果、曲線12は変化後の観測信
号、曲線13は変化後の処理結果を示す。
【0010】これらの曲線は、劣化特性信号系列の変化
により、演算処理結果が変動し、ピーク温度誤差や平坦
部の振動が大きくなることを示している。このように光
ファイバーからの戻り信号による演算処理は、劣化特性
信号系列の変化に対し感度が非常に高く、個々の入射パ
ルス波形等に応じて常に変化する。従って、従来のよう
に劣化特性信号系列を一定のものとして繰り返し演算処
理に使用した場合には、正確な温度分布が算出できず、
信頼性の高い計測結果が得られない。
【0011】一方、このような劣化特性信号系列を校正
するために、レーザーパルス波形を観測して劣化特性信
号系列の記憶値を時々変えることは、校正用パルス波形
観測装置等が必要になりまたメンテナンス上の時間や手
間がかかり不便である。本発明は上記従来技術の欠点に
鑑みなされたものであって、入射レーザーパルスの劣化
特性信号系列を用いて物理量分布を算出する光ファイバ
ーセンサーにおいて、簡単な構成で手間を要さずに精度
の高い物理量分布を算出可能とすることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明では、レーザーパルスを光ファイバーに入射
し、該光ファイバーからの戻り光を検出して該光ファイ
バーに沿った物理量変化を測定するセンサーであって
した前記レーザーパルスの劣化特性信号系列と、前
記戻り光により検出された物理量分布の測定結果とに基
づいて真の物理量分布を演算する分布型光ファイバーセ
ンサーにおいて、演算処理する戻り光の測定ごとにその
測定に用いた入射レーザーパルスの前記劣化特性信号系
列を算出して前記物理量分布を求めることを特徴とする
分布型光ファイバーセンサーを提供する。
【0013】好ましい実施例においては、入射レーザー
パルスごとに前記劣化特性信号系列を算出するために、
前記光ファイバーの一部を常に一定の物理量に保つ恒物
理量手段を設けている。
【0014】さらに好ましい実施例においては、前記物
理量は温度であり、前記恒物理量手段として恒温槽を前
記光ファイバーの一部に設けている。
【0015】さらに好ましい実施例においては、真の物
理量分布を仮定し、該仮定物理量分布と前記劣化特性信
号系列とのコンボリューション積分により物理量分布を
演算し、該演算物理量分布の前記測定結果に対する最小
二乗法による最適近似解を選択し、該近似解を以て真の
分布として真の物理量分布を求める。
【0016】
【作用】図1に基づいて本発明の作用原理について説明
する。1は被測定用の光ファイバーであり、この光ファ
イバー1の一部に測定すべき物理量(例えば温度)を一
定にするための恒温槽2が設けられる。光ファイバー1
の内、この恒温槽2の部分が後述のように劣化特性測定
領域3となる。4は温度分布測定領域を示す。5は光フ
ァイバー1に沿った温度分布を示す。恒温槽2の内部で
は微小区間で光ファイバー1に対し一定のインパルス温
度が付与される。このような温度分布を有する光ファイ
バー1に入射レーザーパルス7を入射し、その戻り光に
より温度分布を検出する。6は入射レーザーパルス7を
この光ファイバー1に入射した場合の劣化特性信号系列
を示す。
【0017】戻り光の信号は、光ファイバーの減衰を無
視すると、レーザーパルス波形と、光ファイバー周辺の
真の温度分布とのコンボリューションに検出系のパルス
応答が加えられた形で検出される。そこでレーザーパル
ス波形とこれにパルス応答を加えた特性が予めれば、
観測信号とこれとのデコンボリューションをとることに
より、真の温度分布が求まる。この原理に基づいた信号
処理方法について、既に前述のように、本出願人により
出願がなされている(特願平2−151605号)。
【0018】この劣化特性信号系列は、真の温度分布が
予めっていれば、同様の原理で求めることができる。
そこで、光ファイバー1の一部分を恒温槽2により一定
の温度に保持して、その部分の真の温度分布と観測信号
から求めた劣化特性信号系列が図1の曲線6である。こ
のように光ファイバー1のある特定の微小区間を一定温
度に保持することにより、劣化特性信号系列とこの一定
の真の温度(インパルス温度)とのコンボリューション
をとることになり、そのまま劣化特性信号系列が観測さ
れることになる。
【0019】この恒温槽の温度は、周囲の温度と異なれ
ば、何度でもよい。また、温度分布形状は、図1のよう
にインパルス状に限らず、一定区間のステップ変化形状
であってもよい。この場合、観測信号波形の差分値、す
なわち観測信号波形を形成している複数の点の隣接する
2点の差分値が劣化特性信号系列となる。また、被測定
用の光ファイバーに加えられた光学的特異点、例えばス
プライス、コネクター等の挿入、屈曲等による局所的な
ロスによっても、インパルス温度を与えたことと同様の
効果がある。
【0020】これらの操作は、1本の光ファイバーを、
劣化特性信号系列を求めるための劣化特性測定領域3
と、温度分布測定領域4に分けることにより、測定と平
行して行なうことができる。従って、劣化特性信号系列
の変動は各測定レーザーパルスの入射ごとにリアルタ
イムで考慮されることになり、劣化特性信号系列の変動
による測定精度への影響は全くなくなる。
【0021】以上のことを式で表せば、次のようにな
る。 (観測信号)=((レーザーパルス波形)*(真の温度
分布))*(検出系のパルス応答)≒(劣化特性信号系
列)*(真の温度分布)・・・(1) 式中、*はコンボリューションを表す。(1)式より、
真の温度分布微小区間で既知のインパルス波形かステ
ップ波形とステップ波形の場合は、上記のような
測信号波形の差分値が劣化特性信号系列となる。従っ
て、測定ごとの劣化特性信号系列が求まり、これを基に
最適な温度分布を測定ごとにリアルタイムに求めること
ができる。
【0022】
【実施例】本発明が適用される分布型光ファイバー温度
センサーのブロック図を図5に示す。温度分布を測定す
べき光ファイバー22の一部に前述のように温度を一定
に保つための恒温槽が設けられる。光源部のレーザーパ
ルサー2から発振したレーザーパルスは、被測定用の
光ファイバー22へ入射され、光ファイバー22中で発
生したラマン散乱光が入射端へ戻ってくる。
【0023】該ラマン散乱光は光方向性結合器21によ
り測定装置へ導光され、まずフィルター23によりラマ
ン散乱光中のストークス光と反ストークス光が分離検出
され、各々光電変換部24A、24Bでその強度に比例
した電気信号に変換される。該電気信号は各々プリアン
プ25A、25Bにより増幅され、アベレージャー26
にて所定回数平均化処理がなされる。平均化処理された
信号は信号処理部27へ伝送され、ストークス光と反ス
トークス光の信号の比をとり、温度分布への換算等の処
理がなされる。
【0024】前述のように、光ファイバーからの戻り光
の出力に遷移領域が生じる現象を図7に沿って説明す
る。簡単のため、この図7のモデルでは光ファイバーの
損失による減衰や、温度へ換算する過程は省かれてい
る。レーザーパルスが理想インパルスでないため、レー
ザーパルスの前縁が温度変化点を通過してから、後縁が
通過するまでの時間Tが必ず存在する。
【0025】このT時間内に温度変化に伴う信号の変化
が起こるはずであり、これが遷移領域に相当している。
T時間はレーザーパルス巾であるから、距離分解能は
ーザーパルス巾に比例する。これをより厳密にみると、
観測温度分布31は真の温度分布38とレーザーパルス
波形39、40のコンボリューションとなっている。従
って予めレーザーパルス波形を知っておけば、観測温度
分布を復元して真の温度分布に近づくことができる。
【0026】本発明における信号処理は、ラマン散乱検
出信号に適用後温度信号に変換してもよいし、温度信号
に変換後に適用してもよい。
【0027】ここでは、説明を簡単にするために、温度
信号変換後の信号処理として説明する。観測される温度
分布信号系列をr(n)、求めたい真の温度分布信号系
列をt(n)、それらのz変換をR(z)、T(z)、
レーザーパルス波形が主要因であるそれらの伝達特性を
H(z)とする。ノイズが無い場合、真の温度分布信号
系列はT(z)=R(z)/H(z)を逆z変換して求
めることができるが、ノイズがある場合実際の信号と異
なる不安定な信号系列しか得られない。
【0028】そこで、本発明においては以下に述べる2
段階の信号処理を行なっている。まず、既知の温度分布
信号系列のz変換T’(z)、その時観測された温度分
布信号系列のz変換R’(z)より、伝達特性H’
(z)=R’(z)/T’(z)を算出し、その逆z変
換により劣化特性信号系列h(p)が求められる。既知
の温度分布信号系列は、恒温槽を使用した場合は設定温
度とすればよいし、熱電対等による測定値を使用しても
よい。また、上記で使用する観測信号系列は劣化特性信
号系列推定の精度向上のため時間平均値を使用した方が
よい。
【0029】この操作により得られた劣化特性信号系列
h(p)を図9の曲線43に示す。また、既知の温度分
布t’(p)および観測温度分布r’(p)をそれぞれ
図10のステップ波形44および曲線45に示す。
【0030】第2段階は、温度分布を知りたい領域と温
度プロファイル条件を指定すると、第1段階で求めた劣
化特性信号系列を用いて指定領域内で温度プロファイル
を満足する温度信号系列の集合の中より最良近似となる
真の温度信号系列の推定解を、非線形最小二乗法により
求めるものである。領域の指定については、任意の範囲
を人間が指定してもよいし、予め設定した基準によって
自動領域分割してもよい。また、入射端から一定の基準
で順番に処理していってもい。
【0031】ここで指定する温度プロファイル条件と
は、図11に示すように、領域内を予め記憶されている
n次曲線をm本つないだ分布として表現することを意味
する。mの許容最大値はサンプル点数−1であり、大き
い方が多くの温度パターンを表現できる反面、ノイズ成
分が求める信号成分に入り込んでしまう。また、nはm
が小さい場合に重要であり、nが大きいほど滑らかに信
号を表現できる反面、処理時間がかかりすぎてしまう。
実際には求めたい情報、設置状況、処理時間を勘案して
n、mを決めている。
【0032】さらに、ここでう最良近似の評価基準と
しては、観測温度分布系列をr”(p)、求める温度分
布系列をt”(p)、パルス波形信号系列を(h
(p)、p= 1 2 )、指定する領域範囲をi 1
2 とすると、以下の数式を評価関数として採用してい
る。
【0033】
【数1】
【0034】すなわち、観測空間上で、求める温度分布
信号系列とパルス波形信号系列のコンボリューションと
観測信号系列が最小二乗の意味で最良近似となるように
している。実際の演算手順としてはn次曲線m本の(m
+1)個の交点座標(x座標は距離、y座標は温度を示
す)を求めればよく、最初に適当な(m+1)個の交点
座標の初期値を与え、上式の評価基準を比較しながら、
最小値となる交点座標を反復法により収束させている。
【0035】今まで述べた手順を図12のフローチャー
トとしてまとめる。温度プロファイル設定の際における
n次曲線の設定は、求めるべき温度分布の形状に最も適
した曲線を選択すればよく、双曲線、楕円曲線、三角関
数曲線、指数関数曲線等の曲線を用いてもよい。また、
m+1個の交点座標の初期値の近傍のk種類の交点座標
について、評価関数を算出する場合、前記kは最大32m
種類とする。
【0036】図11を例にとると、m本の曲線の場合、
m+1個の交点が存在するが、但し両端は横軸に対して
固定点である。各々の点について、横軸方向に前後に±
1の2個とその点そのまま1個の計3個の探索点を選
び、同様に縦軸方向に上下に±1の2個とその点そのま
ま1個の計3個の探索点を選ぶと、横軸方向の合計の探
索すべき交点の種類は3m-1 種類で縦軸方向の合計の探
索すべき交点の種類は3m+1 種類であり、従って計3
m-1 ×3m+1 =32m種類となる。この値は曲線の形状等
を考慮して32m 未満としてもよい。また32m としても
よいが、計算時間が増加するという問題が生ずる。
【0037】恒温槽によりステップ状の温度分布を設定
した場合、観測される温度分布信号系列37と上記手順
により復元される温度分布信号系列36を実施例として
図6に示す。レーザーパルス波形信号系列としては第1
段階で得られた図9の波形を用いた。図9の横軸は距離
(m)としているが、240nsecのパルス巾を有す
るレーザーパルスを入射した例であり、1mが10ns
ecの計測時間に対応する(光ファイバー中で光は1m
を10nsecで往復する)ため、みかけ上パルスの端
から端までを24mとすることができる。即ち、L
(m)の光ファイバーの計測に要する時間t q は以下の
数式で表されることになる。
【0038】
【数2】
【0039】従って、この変換は1(m)10(ns
ec)として起き、光ファイバー中を光が1mを10n
secで往復することに対応する。これはレーザーパル
ス巾によって生じる遷移距離と同じであり、10nse
cのパルス巾によって1mの遷移距離が生じる。従っ
て、距離軸に換算したレーザーパルスの劣化特性は10
nsecを1mとして規定できる。縦軸はパルスの全光
量を1とした場合の強度分布を示したものである。図6
において処理領域はファイバーの250mから350m
まで、n=1、m=3と指定した。
【0040】ノイズ信号のため通常の逆変換操作R’
(z)/H’(z)では安定な解が得られなかったが、
上記の手順では安定な解が得られた。さらに設定温度分
布と復元された温度分布を比較すると、サンプリング間
隔(1m)で立ち下がりが検出できた(距離分解能1
m)上に、0.5℃以内の誤差で推定することができ
た。
【0041】本発明における信号処理は、OTDR法で
観測できるあらゆる物理量(破断点、損傷点、圧力等)
分布に適用できる。即ち、レーリー散乱やラマン散乱等
の後方散乱検出信号の信号からどのような物理量分布を
導く方法に対しても適用できる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
、光ファイバーへ測定用レーザーパルスを入射するご
に戻り光を用いてレーザーパルスの劣化特性信号系列
を算出し、測定ごとにその測定に用いた入射レーザー
ルスの劣化特性信号系列を用いて温度分布を算出してい
る。
【0043】従って、入射レーザーパルスの歪等により
劣化特性信号系列が個々のレーザーパルスごとに変動し
ても、測定結果に影響を与えることはなく、常に高精度
の物理量分布が算出できる。また、従来技術の説明で述
べたような劣化特性信号系列を時々校正するための手
間、労力および校正用の波形観察装置等のメンテナンス
コストが不要となり、簡単な構成で信頼性の高い物理量
分布が計測される。また、光ファイバーの一部を常に一
定の既知温度(物理量)に保持しておき、光ファイバー
へ測定用レーザーパルスを入射するごとにこの一定温度
部分からの戻り光を用いる場合には、さらに高精度の物
理量分布が算出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の作用原理の説明図。
【図2】劣化特性信号系列を示すグラフ。
【図3】劣化特性信号系列変動前の観測信号と演算処理
結果のグラフ。
【図4】劣化特性信号系列変動後の観測信号と演算処理
結果のグラフ。
【図5】本発明が適用される分布型光ファイバー温度セ
ンサーのブロック図。
【図6】ステップ状温度変化部分の観測信号と演算した
温度分布解のグラフ。
【図7】遷移領域を説明するための波形図。
【図8】レーザーパルス波形とステップ状温度変化部の
最適分布解の波形図。
【図9】レーザーパルスの劣化特性信号系列のグラフ。
【図10】劣化特性信号系列固定データのグラフ。
【図11】予め指定するプロファイル条件の1例を示す
グラフ。
【図12】本発明に係る信号処理の1例のフローチャー
ト。
【符号の説明】
1 光ファイバー 2 恒温槽 6 劣化特性信号系列 7 入射レーザーパルス 8 劣化特性信号系列 9 劣化特性信号系列 22 光ファイバー 41 入射レーザーパルス 43 劣化特性信号系列
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01K 11/12

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーザーパルスを光ファイバーに入射し、
    該光ファイバーからの戻り光を検出して該光ファイバー
    に沿った物理量変化を測定するセンサーであって、入
    した前記レーザーパルスの劣化特性信号系列と、前記戻
    り光により検出された物理量分布の測定結果とに基づい
    て真の物理量分布を演算する分布型光ファイバーセンサ
    ーにおいて、演算処理する戻り光の測定ごとにその測定
    に用いた入射レーザーパルスの前記劣化特性信号系列を
    算出して前記物理量分布を求めることを特徴とする分布
    型光ファイバーセンサー。
  2. 【請求項2】入射レーザーパルスごとに前記劣化特性信
    号系列を算出するために、前記光ファイバーの一部を常
    に一定の物理量に保つ恒物理量手段を設けたことを特徴
    とする請求項1に記載の分布型光ファイバーセンサー。
  3. 【請求項3】前記物理量は温度であり、前記恒物理量手
    段として恒温槽を前記光ファイバーの一部に設けたこと
    を特徴とする請求項2に記載の分布型光ファイバー温度
    センサー。
  4. 【請求項4】真の物理量分布を仮定し、該仮定物理量分
    布と前記劣化特性信号系列とのコンボリューション積分
    により物理量分布を演算し、該演算物理量分布の前記測
    定結果に対する最小二乗法による最適近似解を選択し、
    該近似解を以て真の分布として真の物理量分布を求める
    ことを特徴とする請求項1、2または3に記載の分布型
    光ファイバーセンサー。
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