JP5136429B2 - 温度測定システム - Google Patents

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Description

本発明は、光ファイバを用いて温度を測定する温度測定システムに関する。
近年、顧客の情報を管理・運用するデータセンターや自社の多量のジョブ(JOB)を扱う計算機センターなど(以下、これらをまとめて「データセンター」という)のように、多数の計算機(サーバ等)を同一室内に設置して一括管理することが多くなっている。データセンターでは、室内に多数のラックを設置し、各ラックにそれぞれ複数の計算機を収納している。このような状況下では、計算機から多量の熱が発生してラック内の温度が上昇し、誤動作や故障の原因となる。このため、ラック内の計算機を冷却する手段が必要となる。
計算機の稼働状態によって計算機から発生する熱量は大幅に変動する。熱による計算機の誤動作や故障を防止するためには、計算機から発生する熱の最大量に応じた冷却能力を有する冷却装置(空調機及びファン等)を使用する必要がある。この場合、冷却能力が大きい冷却装置をその最大能力で常時稼働させることは、ランニングコストが高くなるというだけでなく、省エネルギー及びCO2削減の観点からも好ましくない。従って、データセンター内に設置された各ラックの温度をリアルタイムで測定し、その測定結果に応じて冷却装置を適切に制御することが必要となる。
従来から、データセンターのように複数の熱放出部を有するエリアの温度分布を測定する際に、温度センサとして光ファイバを用いることが提案されている。
特開平11−262117号公報 特開平9−288016号公報 特開2006−71532号公報
株式会社富士通研究所 PRESS RELEASE 「データセンター向けリアルタイム多点温度測定技術を開発」 2008年4月4日
光ファイバを用いた温度測定では、広い範囲の温度を高い精度で測定することは比較的容易であるものの、狭い範囲の温度を高い精度で測定する方法は確立されていない。
以上から、複数の熱放出部を有する場所の温度分布を光ファイバを用いて良好な精度で測定できる温度測定システムを提供することを目的とする。
一観点によれば、相互に離隔して配置された複数の熱放出部の温度を光ファイバを用いて測定する温度測定システムにおいて、前記光ファイバに光信号を供給し、前記光ファイバ内で後方散乱した光信号を入力して前記光ファイバの長さ方向に沿った温度分布を測定する温度測定装置と、前記温度測定装置に接続された光ファイバが敷設されてなる導入導出部と、前記導入導出部の光ファイバに連続する光ファイバを熱放出部のない第1のエリアから前記複数の熱放出部までそれぞれ往復するように敷設してなる温度測定部と、前記温度測定部の光ファイバに連続する光ファイバを第2のエリアに敷設してなる第1の基準温度取得部と、前記第1の基準温度取得部の光ファイバに連続する光ファイバを前記第1のエリアを通って前記導入導出部まで敷設してなる第2の基準温度取得部とを有し、前記第1の基準温度取得部には、前記温度測定装置から前記光ファイバに供給される光信号のパルス幅により決まる最小加熱長の1/2以上の長さの光ファイバが敷設されている温度測定システムが提供される。
上記一観点によれば、光ファイバに供給される光信号のパルス幅により決まる最小加熱長の1/2以上の長さの光ファイバにより第1の基準温度取得部が形成されている。これにより、第1の基準温度取得部が配置されたエリア(第2のエリア)の温度を、熱放出部の影響を受けることなく測定することができる。また、第2の基準温度取得部は熱放出部のない第1のエリアに敷設されている。そのため、光ファイバをプローブとする温度測定装置の特性から、第2の基準温度取得部では第1のエリアの温度を高精度で測定することができると考えられる。
温度測定装置により取得した温度分布をこれらの真の温度に近いと考えられる温度を基準にして補正することにより、熱放出部の温度を良好な精度で検出することができる。
図1は、ラック内に収納されるサーバ(計算機)の筺体を示す正面図である。 図2は、ラック内の温度分布を測定するための光ファイバの敷設例を示す模式図である。 図3は、光ファイバ温度測定装置の構成を示す模式図である。 図4は、後方散乱光のスペクトルを示す図である。 図5は、光検出器で検出されるラマン散乱光の強度の時系列分布を示す図である。 図6は、図5のラマン散乱光の強度の時系列分布を基にI1/I2比を時間毎に計算し、且つ横軸(時間)を距離に、縦軸(信号強度)を温度に換算した結果を示す図である。 図7は、最小加熱長を説明するための図(その1)である。 図8は、最小加熱長を説明するための図(その2)である。 図9は、光源から5mの位置を中心に80℃の熱をステップ型温度分布となるように印加した場合の計測温度分布を示す図である。 図10は、光ファイバの一部をステップ状温度分布で加熱したときの加熱長と出力感度との関係を示す図である。 図11は、光ファイバ温度測定装置における伝達関数の一例を示す図である。 図12は、図11に示す伝達関数の逆関数を示す図である。 図13は、実温度分布と、計測温度分布と、計測温度分布に対し逆補正関数を用いて求めた温度分布(補正後の温度分布)との一例を示す図である。 図14は、ラックを側方から見た模式図である。 図15は、ラックを排気側から見た模式図である。 図16は、ラック内の光ファイバの敷設状態、及び光ファイバの長さ方向に沿ったラック内の各部の温度を示す図である。 図17は、実温度分布と、初期計測温度分布と、第1の補正後の計測温度分布とを示す図である。 図18は、実温度分布と、初期計測温度分布と、第2の補正後の計測温度分布とを示す図である。 図19は、実温度分布と、初期計測温度分布と、第2の補正後の計測温度分布と、第3の補正後の計測温度分布とを示す図である。 図20は、基準線の設定方法を示す図である。 図21は、実温度分布と、初期計測温度分布と、第2の補正後の計測温度分布と、第4の補正後の計測温度分布とを示す図である。 図22は、温度測定方法を示すフローチャートである。
以下、実施形態について説明する前に、実施形態の理解を容易にするための予備的事項について説明する。
図1は、ラック内に収納されるサーバ(計算機)の筺体を示す正面図である。サーバ15内にはファンが設けられており、計算機室内の冷気が取り込まれ、排気口16から温風が排出される。従って、ラック内の温度分布を測定する場合、排気口16から排出されるエアーの温度を監視することが重要である。
ラック内の温度分布を測定するために、例えば図2に示すように光ファイバ24を敷設することが考えられる。この図2に示す例では、光ファイバ24をラック11の下部からラック11内に導入し、各サーバ15の筺体面に沿って水平方向に敷設した後、ラック11の下部からラック11の外に出して次のラック11に導入している。
光ファイバをプローブとする温度測定装置(以下、「光ファイバ温度測定装置」ともいう)では、広い範囲の温度を高い精度で測定することは比較的容易である。しかし、光ファイバ温度測定装置では、後述するように狭い範囲の温度を高い精度で測定することは困難であり、単に図2に示すように光ファイバ24を敷設しただけではサーバ15から排出されるエアーの温度を精度よく測定することはできない。
図3は光ファイバ温度測定装置の構成を示す模式図である。また、図4は後方散乱光のスペクトルを示す図、図5は光検出器26で検出されるラマン散乱光の強度の時系列分布を示す図である。
図3に示すように、光ファイバ温度測定装置は、レーザ光源21と、レンズ22a,22bと、ビームスプリッタ23と、光ファイバ24と、波長分離部25と、光検出器26とを有している。
レーザ光源21からは、所定のパルス幅のレーザ光が一定の周期で出力される。このレーザ光は、レンズ22a、ビームスプリッタ23及びレンズ22bを通って光ファイバ24の光源側端部から光ファイバ24内に進入する。なお、図3において、24aは光ファイバ24のコアを示し、24bは光ファイバ24のクラッドを示している。
光ファイバ24内に侵入した光の一部は、光ファイバ24を構成する分子により後方散乱される。後方散乱光には、図4に示すように、レイリー(Rayleigh)散乱光と、ブリルアン(Brillouin)散乱光と、ラマン(Raman)散乱光とが含まれる。レイリー散乱光は入射光と同一波長の光であり、ブリルアン散乱光及びラマン散乱光は入射波長からシフトした波長の光である。
ラマン散乱光には、入射光よりも長波長側にシフトしたストークス光と、入射光よりも短波長側にシフトした反ストークス光とがある。ストークス光及び反ストークス光のシフト量はレーザ光の波長や光ファイバ24を構成する物質等に依存するが、通常50nm程度である。また、ストークス光及び反ストークス光の強度はいずれも温度により変化するが、ストークス光は温度による変化量が小さく、反ストークス光は温度による変化量が大きい。すなわち、ストークス光は温度依存性が小さく、反ストークス光は温度依存性が大きいということができる。
これらの後方散乱光は、図3に示すように、光ファイバ24を戻って光源側端部から出射する。そして、レンズ22bを透過し、ビームスプリッタ23により反射されて、波長分離部25に進入する。
波長分離部25は、波長に応じて光を透過又は反射するビームスプリッタ31a,31b,31cと、特定の波長の光のみを透過する光学フィルタ33a,33b,33cと、光学フィルタ33a,33b,33cを透過した光をそれぞれ光検出器26の受光部26a,26b,26cに集光する集光レンズ34a,34b,34cとを有している。
波長分離部25に入射した光は、ビームスプリッタ31a,31b,31c及び光学フィルタ33a,33b,33cによりレイリー散乱光、ストークス光及び反ストークス光に分離され、光検出器26の受光部26a,26b,26cに入力される。その結果、受光部26a,26b,26cからはレイリー散乱光、ストークス光及び反ストークス光の強度に応じた信号が出力される。光検出器26はその内部にマイクロコンピュータを有しており、プログラムに従い受光部26a,26b,26cから出力された信号を処理して、光ファイバ24の所望の位置の温度を算出する。
なお、光検出器26に入力される後方散乱光のパルス幅は光ファイバ24の長さに関係する。このため、レーザ光源21から出力されるレーザパルスの間隔は、各レーザパルスによる後方散乱光が重ならないように設定される。また、レーザ光のパワーが高すぎると誘導ラマン散乱状態になって正しい計測ができなくなる。このため、誘導ラマン散乱状態にならないようにレーザ光源21のパワーを制御することが重要である。
前述したように、ストークス光は温度依存性が小さく、反ストークス光は温度依存性が大きいので、両者の比により後方散乱が発生した位置の温度を評価することができる。ストークス光及び反ストークス光の強度比は、光ファイバ中のオプティカルフォノンの角周波数をωk、入射光の角周波数をω0、プランク定数をh、ボルツマン定数をk、温度をTとしたときに、以下の(1)式により表わされる。
Figure 0005136429
すなわち、ストークス光及び反ストークス光の強度比がわかれば、(1)式から後方散乱が発生した位置の温度を算出することができる。
ところで、光ファイバ24内で発生した後方散乱光は、光ファイバ24を戻る間に減衰する。そのため、後方散乱が発生した位置における温度を正しく評価するためには、光の減衰を考慮することが必要である。
図5は、横軸に時間をとり、縦軸に光検出器の受光部から出力される信号強度をとって、ラマン散乱光の強度の時系列分布の一例を示す図である。光ファイバにレーザパルスを入射した直後から一定の間、光検出器にはストークス光及び反ストークス光が検出される。光ファイバの全長にわたって温度が均一の場合、レーザパルスが光ファイバに入射した時点を基準とすると、信号強度は時間の経過とともに減少する。この場合、横軸の時間は光ファイバの光源側端部から後方散乱が発生した位置までの距離を示しており、信号強度の経時的な減少は光ファイバによる光の減衰を示している。
光ファイバの長さ方向にわたって温度が均一でない場合、例えば長さ方向に沿って高温部及び低温部が存在する場合は、ストークス光及び反ストークス光の信号強度は一様に減衰するのではなく、図5に示すように信号強度の経時変化を示す曲線に山及び谷が現れる。図5において、ある時間tにおける反ストークス光の強度をI1、ストークス光の強度をI2とする。
図6は、図5のラマン散乱光の強度の時系列分布を基にI1/I2比を時間毎に計算し、且つ図5の横軸(時間)を距離に換算し、縦軸(信号強度)を温度に換算した結果を示す図である。この図6に示すように、反ストークス光とストークス光との強度比(I1/I2)を計算することにより、光ファイバの長さ方向における温度分布を測定することができる。
なお、後方散乱が発生した位置におけるラマン散乱光(ストークス光及び反ストークス光)の強度は温度により変化するが、レイリー散乱光の強度の温度依存性は無視することができるほど小さい。従って、レイリー散乱光の強度から後方散乱が発生した位置を特定し、その位置に応じて光検出器で検出したストークス光及び反ストークス光の強度を補正することが好ましい。
以下、図7,図8を参照して最小加熱長について説明する。
レーザ光源21から出力されるレーザ光のパルス幅(ON時間)t0を10nsec、真空中の光の速度cを3×108m/sec、光ファイバ24のコア24bの屈折率nを1.5とすると、光ファイバ24内におけるレーザ光のパルス幅Wは、下記(2)式に示すように約2mとなる。
W=t0・c/n=10(nsec)・3×108(m/sec)/1.5≒2(m) …(2)
このパルス幅分のレーザ光の後方散乱光は光検出器26に1つの信号として取り込まれ、光検出器26はこのパルス幅分の信号の積算値から温度を検出する。そのため、光ファイバのうちパルス幅Wに相当する長さに均一に熱を加えないと正確な温度計測ができない。以下、正確な温度計測に必要な最小加熱長をLminという。
図7(a)に示す実温度分布で光ファイバを加熱した場合、すなわち光ファイバのうち長さLの部分のみを均一に加熱した場合(以下、このような温度分布をステップ型温度分布という)、光ファイバ温度測定装置で得られる温度分布(以下、「計測温度分布」という)は、図7(b)に示すようにガウシアン分布(正規分布)状の曲線を描く。図8に示すように加熱部の長さLが最小加熱長Lminよりも短い場合は、計測温度分布のピークが低くなり、加熱部の長さLが長くなれば計測温度分布のピークは高くなる。計測温度と加熱温度との差を±5%以内とするためは、加熱部の長さLを最小加熱長Lmin以上とすることが必要になる。
また、図8に示すように、加熱部の長さLが短い場合には、2つの加熱部が近接していても計測温度分布は重ならない。しかし、加熱部の長さLが最小加熱長Lmin以上の場合は、2つの加熱部の間の距離が最小加熱長Lmin以上離れていなければ、各加熱部の計測温度分布が重なってしまう。
図9は、横軸に光ファイバの長さ方向の位置をとり、縦軸に温度をとって、温度が25℃の環境に光ファイバを配置し、光源から5mの位置を中心に80℃の熱をステップ型温度分布となるように印加した場合の計測温度分布を示す図である。ここでは、加熱部の長さを、それぞれ40cm、1m、1.6m、2.2mとしている。この図9からもわかるように、加熱部の長さが2m(最小加熱長Lmin)よりも短い場合は計測温度分布のピークは実温度よりも低く観測され、加熱部の長さが2m以上の場合は計測温度分布のピークと実温度とがほぼ一致する。
また、上述したように、加熱部の長さLにより計測温度分布のピーク高さは変化するが、ある加熱長Lのときのステップ型温度分布の面積(積分値)と計測温度分布の面積とに着目すると、両者はほぼ等しいことがわかる。このことから、加熱長が既知であれば、計測温度分布の面積から加熱部の真の温度を推定できることがわかる。
図10は、横軸に加熱長をとり、縦軸に出力感度をとって、光ファイバの一部をステップ状温度分布で加熱したときの加熱長と出力感度との関係を示す図である。ここでは、加熱長が2m(最小加熱長Lmin)のときの出力感度を100%としている。
この図10からわかるように、加熱長が最小加熱長Lminよりも短い場合は、加熱長が短くなるほど出力感度は減少する。例えば、加熱長が最小加熱長Lminの1/2(1m)のときには出力感度が約70%となり、加熱長が最小加熱長の1/4(50cm)のときは出力感度が約42%となり、加熱長が最小加熱長Lminの1/10(20cm)のときには出力感度が約23%となる。
なお、温度計測ポイント(以下、単に「計測ポイント」という)は、最小加熱長と関係なく、光ファイバ温度測定装置のサンプリング周波数に基づいて決定される。光ファイバ温度測定装置において平均化に要する時間等の実用的な計測時間を考慮すると、計測ポイントの間隔は25〜50cm程度にすることが可能である。
図11は、横軸に加熱中心からの距離をとり、縦軸に相対強度をとって、光ファイバ温度測定装置における伝達関数の一例を示す図である。伝達関数は、光ファイバ温度測定装置のインパルス応答特性にほぼ等しいものとなる。図11に示す伝達関数を例えば図9のステップ型温度分布に対し畳み込み(コンボリューション)すると、図9のガウシアン曲線形状の計測温度分布となる。これと同様に、ラック内の実温度分布に伝達関数を畳み込みすると、光ファイバ温度測定装置で計測したときの計測温度分布が得られる。
伝達関数は、光ファイバが群遅延特性を有しているため、距離に応じて変化する。そのため、光ファイバの全長にわたって伝達関数を一義的に定義することはできない。しかし、短い距離範囲であれば、光信号の損失や遅延は一様であるとみなして伝達関数を定義することができる。伝達関数は、光源からの距離だけでなく光ファイバの種類によっても異なる。
後述するように、本実施形態では、光ファイバ温度測定装置により得られた温度分布を、伝達関数の逆関数を用いて補正する。図12は図11に示す伝達関数の逆関数を示している。この図12において、横軸は距離を示し、縦軸は係数を示している。以下、伝達関数の逆関数を、逆補正関数と呼ぶ。
図13に、実温度分布(ステップ型温度分布)と、計測温度分布と、計測温度分布に対し逆補正関数(逆フィルタ)を用いて求めた温度分布(補正後の温度分布)とを示す。この図13に示すように、光ファイバ温度測定装置では、ステップ型温度分布(実温度分布)に対しガウシアン曲線形状の計測温度分布が得られる。この計測温度分布に対し逆補正関数を用いて補正(デコンボリューション)すると、実温度分布に近似の温度分布(補正後の温度分布)が得られる。この場合、補正後の温度分布にはピークの両側(図13中に破線の円で囲んだ部分)にアンダーシュートが発生する。このアンダーシュートは、デコンボリューションによる産物として考えることができる。
以下、実施形態について説明する。
図14はラックを側方から見た模式図である。なお、ここでは説明の便宜上、ラック11の排気側を正面、吸気側を裏面としている。
ラック11はいわゆる19インチラックであり、例えば高さが2m、幅が0.6m、奥行きが0.95mである。また、ラック11の正面側及び裏面側には開閉扉12a,12bが設けられており、サーバ15の脱着やメンテナンスが容易にできるようになっている。これらの開閉扉12a,12bには、空気が通流可能なように格子状の開口部が設けられている。
ラック11内に収納された各サーバ15内にはファン19が内蔵されており、空調機によりデータセンター(計算機室)内に供給された冷気(低温のエアー)はサーバ15内に導入される。そして、サーバ15内に導入された冷気は、サーバ15内のCPU等を冷却して温風となり、正面側(排気側)の開閉扉12aの開口部を通ってラック11の外に排出される。
ラック11内に収納されるサーバ15の幅は約482.6mm(19インチ)であり、高さは約44.45mm(1U)である。ラック11内には、複数のサーバ15が高さ方向にほぼ1Uピッチで収納できるようになっている。
図15は、ラック11を排気側から見た模式図である。本実施形態では、図15に示すように、排気側開閉扉12aの内側に光ファイバ24を敷設して、ラック11内に収納されたサーバ15に対向するエリア(測定エリア)の温度を測定する。ここでは、高さ方向に相互に離隔して配置された3つのサーバ15a,15b,15cの排気温度を測定するものとする。
ラック11に導入前及びラック11から導出後の光ファイバ24は、ラック11の下部近傍の導入導出部17において同一の冶具(図示せず)に一定長さ(最小加熱長の1/2以上の長さ)分だけ巻回されている。そして、光ファイバ24は、ラック11の下側からラック本体内に導入され、ラック11の下部において開閉扉12aの回転軸14の近傍をラック本体側から開閉扉12a側に張り渡される。開閉扉12a側に渡った光ファイバ24は、開閉扉12bの内側の面を開閉扉12bの回転軸14に沿って下から上に向かって順に敷設される。但し、サーバ15a,15b,15cに対応する位置では、光ファイバ24が開閉扉12bを幅方向に往復するように、且つ往路と復路とが交差(クロス)するように敷設される。
本実施形態では、光ファイバ24のうちサーバ15a,15b,15cに対応する位置において開閉扉12bの幅方向を往復するように敷設された部分を、プローブ240と呼ぶ。プローブ240の先端部は、サーバ15a,15b,15cの排気口16に対応する位置に配置される。なお、プローブ240は、熱放出部(排気口16)の部分を中心として往路と復路とが対称となるように形成することが好ましい。また、各プローブ240は同一長さの光ファイバ24により形成することが好ましく、各プローブ240間の光ファイバ24の長さも同一にすることが好ましい。これにより、計測温度分布をより高精度に補正することができる。
なお、ラックの吸気側であっても隣接ラックや排気側からの熱放出の回り込みにより等価的に熱放出部とみなせることがある。本実施形態では、これらの部分を含めて熱放出部と呼んでいる。
プローブ240の先端部において光ファイバ24をサーバ15の排気口16の部分で2重又はそれ以上に巻回してもよい。また、サーバ15a,15b,15cから排出される熱は上側に移動するので、プローブ240の先端部をサーバ15a,15b,15cの排気口16の中心よりも若干上側に配置してもよい。
プローブ240の幅Wは、上下方向に隣接するサーバの温度の影響を受けないように、サーバ15a,15b,15cの高さ(1U:約44.45mm)よりも短くすることが好ましい。本実施形態では、プローブ240の幅Wを1U以下としている。但し、光ファイバ24をその最小曲げ半径(通常、メーカーにより規定されている)よりも小さい径で曲げると、破損したり光学特性が著しく劣化したりする。従って、プローブ240の先端部における光ファイバ24の曲げ半径は、光ファイバ24の最小曲げ半径よりも大きくすることが好ましい。
上述したように、本実施形態では光ファイバ24を所定の形状に敷設することによりプローブ240を形成している。最上部のプローブ240から導出した光ファイバ24は、更にラック11の上部に向けて敷設され、その後最上部のプローブ240の位置まで戻る。以下、最上部のプローブ240よりも上に配置された部分の光ファイバ24を、折り返し部18という。
本実施形態では、最小加熱長(上記の例では2m)以上の光ファイバ24を冶具に巻回してラック11の上部に配置し、折り返し部18としている。従って、最上部のプローブ240から折り返し部18の中点(折り返し点)までの光ファイバの長さは最小加熱長の1/2(1m)以上となる。
折り返し部18から導出した光ファイバ24は、開閉扉12aの回転軸14に沿って上から下に向けて垂直に敷設される。そして、ラック11の下部において回転軸14の近傍を開閉扉12b側からラック本体側に張り渡され、ラック本体側からラック11の下方に導出する。ラック11から導出した光ファイバ24は、前述したように導入導出部17においてラック導入側の光ファイバ24とともに冶具に巻回された後、次のラックに向けて敷設される。
なお、本実施形態では光ファイバ24を開閉扉12aの内側に敷設しているが、光ファイバ24を開閉扉12aの外側に敷設してもよい。
ところで、本実施形態では、導入導出部17においてラック11に導入前及びラック11から導出後の光ファイバ24をそれぞれ最小加熱長の1/2以上の長さ(約1m以上)にわたって同一の冶具に巻回している。また、折り返し部18では、折り返し点(中点)まで最小加熱長の1/2以上の長さの光ファイバ24を冶具に巻回している。以下にその理由について説明する。
図9から、加熱部の長さLが長くなるほど計測温度分布のピークは高くなるが、加熱部のエッジよりも1m(最小加熱長の1/2)以上離れたところの計測温度は、加熱部の影響を殆ど受けていないことがわかる。従って、光ファイバ24を最小加熱長の1/2以上の長さにわたって冶具に巻回した場合、加熱部の影響を受けることなく、巻回部(導入導出部17及び折り返し部18)の真の温度を測定することができる。本実施形態では、後述するように光ファイバ測定装置により得られた温度分布(計測温度分布)を、導入導出部17で測定した温度、及び折り返し部18で測定した温度を用いて補正する。
また、本実施形態では、折り返し部18で折り返した光ファイバ24を、開閉扉12aの回転軸14に沿ってラック11の上部から下部まで敷設している。この折り返し部18からラック11の下部までの間は熱放出部となるものがなく、光ファイバ24の長さ方向に沿った温度分布の急激な変化はないと考えられる。
光ファイバ温度測定装置では、低い空間周波数しかもたないため、隣接する計測ポイント間の温度差が大きいと計測誤差が大きくなる。しかし、隣接する計測ポイント間の温度差が小さい場合は、比較的良好な精度で温度を測定することができる。図15に示すように光ファイバ24を敷設した場合は、折り返し部18からラック11の下部までの間は熱放出部となるものがなく温度変化がなだらかであるため、この間の計測ポイントの温度を比較的精度よく測定することができる。これらの計測ポイントの計測温度も、後述するように計測温度分布の補正に使用する。
なお、図15において、開閉扉12aの回転軸14に沿って光ファイバ24を配置した領域が第1のエリアに対応し、各プローブ240が温度測定部に対応し、折り返し部18の光ファイバ24が第1の基準温度取得部に対応している。また、折り返し部18を配置した領域が第2のエリアに対応し、折り返し部18からラック11の下部まで回転軸14に沿って垂直に配置した光ファイバ24が第2の基準温度取得部に対応している。
図16は、ラック11内の光ファイバ24の敷設状態を示す模式図であり、光ファイバ24の長さ方向に沿ったラック11内の各部の温度(設定値:単位℃)を併せて示している。また、図17〜図21は、横軸に光ファイバの長さ方向の位置をとり、縦軸に温度をとって、実温度分布(設定値:実線で示す)と、光ファイバ温度測定装置により計測された温度分布(予測値:破線で示す)と、補正(第1補正)後の温度分布とを示す図である。更に、図22は、本実施形態に係る温度測定方法を示すフローチャートである。なお、図17〜図21において、実温度分布はラック11内の各部の温度が図16に示す値のときの温度分布である。
まず、光ファイバ温度測定装置によりラック11内の温度分布を測定する(ステップS11)。図17中に破線で示すように、光ファイバ温度測定装置により計測された温度分布(以下、「初期計測温度分布」という)では、サーバ15a,15b,15cの排気口部分の計測温度と実温度(実線)との差が大きい。
次に、逆補正関数(逆フィルタ)を用いて初期計測温度分布を補正(デコンボリューション)する(ステップS12)。図17中に*印で示す曲線は、逆補正関数を用いて初期計測温度分布を補正(第1の補正)した後の計測温度分布を示している。初期計測温度分布に対し逆補正関数で補正しただけでは、サーバ15a,15b,15cの排気口部分の実温度と補正後の計測温度(第1の補正後の計測温度)との差は小さくなるものの、十分でない。また、導入導出部17に対応する部分ではアンダーシュートが発生しており、実温度よりも第1の補正後の温度のほうが低くなっている。
次に、導入導出部17及び折り返し部18の計測温度を用いて第1の補正後の計測温度分布を補正(第2の補正)する(ステップS13)。図18は、第2の補正後の計測温度分布(*印で示す曲線)を、実温度分布(実線)及び初期計測温度分布(破線)と併せて示す図である。
前述したように、導入導出部17(ラック11から光ファイバ24の長さ方向に沿って1m以上離れた位置)の計測温度、及び折り返し部18の中点(折り返し点)の計測温度は真の温度を示していると考えられる。第2の補正では、図18に示すように、第1の補正後の温度分布のうち導入導出部17及び折り返し部18に対応する部分(図中、楕円で示す部分)の温度を、導入導出部17の計測温度及び折り返し部18の計測温度に置き換えている。但し、折り返し部18では、中点を境にして前半の部分ではサーバ15cの熱の影響を受けていると考えられるので、折り返し部18の後半の部分のみを折り返し部18の中点の計測温度に置き換えている。ここでは、導入導出部17の温度を25℃とし、折り返し部18の温度を30℃としている。
なお、前述したように折り返し部18から導入導出部17までの間の計測温度は比較的精度が高いと考えられる。そのため、第1の補正後の導入導出部17の温度を、初期計測温度分布から抽出した導入導出部17の温度に置き換えてアンダーシュートの影響を排除してもよい。
次に、折り返し部18からラック11の下部まで垂直に敷設された部分の計測温度分布を用いて第2の補正後の計測温度分布を補正(第3の補正)する(ステップS14)。図19は、第3の補正後の計測温度分布(*印で示す曲線)を、第2の補正後の温度分布(太い破線)、実温度分布(実線)及び初期計測温度分布(細い破線)と併せて示す図である。
光ファイバ24のうち、回転軸14に沿って折り返し部18からラック11の下部まで垂直に敷設された部分では、前述したように隣接する測定ポイントの温度差が比較的小さく、初期計測温度分布のうちこの部分の計測温度の測定精度は高いと考えられる。本実施形態では、第3の補正として、この部分の計測温度を用いて各プローブ240の基端部の温度を補正する。その後、更に各プローブ240の基端部とその近傍の極小点との間の温度分布がなだらかな曲線となるように温度分布を補正する。
次いで、各ピークの積分範囲を決定し、各加熱部(測定エリア)の計測温度を補正(第4の補正)する(ステップS15)。図20は、各加熱部の温度に対し第4の補正を行うための準備を示す図である。
前述したように、加熱部の長さが既知の場合、計測温度分布の面積(積分値)から真の温度を推定することができる。ここでは、各プローブ240を構成する光ファイバの長さが既知であるので、これを加熱部の長さとする。また、前述したように加熱部の実温度分布の面積と計測温度分布の面積とはほぼ一致するので、計測温度分布のうち加熱部の部分の前後の面積(積分値)を加熱部の面積に加えることにより、加熱部の真の温度を推定することができる。
計測温度分布の面積から加熱部の実温度分布を推定するためには、各ピークの積分範囲を決定する必要がある。ここでは、ラック11の導入部と、第1のピーク(サーバ15aに対応)と第2のピーク(サーバ15bに対応)との間の極小点との間を、第1のピークの積分範囲としている。また、第1のピークと第2のピークとの間の極小点と、第2のピークと第3のピーク(サーバ15cに対応)との間の極小点との間を、第2のピークの積分範囲としている。更に、第2のピークと第3のピークとの間の極小点と、折り返し部18の中点との間を、第3のピークの積分範囲としている。
各ピークの積分範囲を決定した後、次に各ピークの面積を計算するときの基準線を設定する。ここでは、図20に示すようにラック11の導入部、第1のピークと第2のピークとの間の極小点、第2のピークと第3のピークとの間の極小点、及び折り返し部18の中点を直線で結び、基準線(図20中に太線で示す)としている。
図21は、第4の補正後の計測温度分布(*印で示す曲線)を、第3の補正後の計測温度分布(太い破線)、実温度分布(実線)及び初期計測温度分布(細い破線)と併せて示す図である。
第4の補正では、各積分範囲において、加熱部の外側であって基準線と第2の補正後の計測温度分布とで囲まれる領域の面積を算出する。そして、その面積を加熱部の各計測ポイントの温度(基準線を基準にした温度)の比に応じて割り振り、加熱部の各計測ポイントの温度を補正する。
図21に示すように、第4の補正後の計測温度分布では、各加熱部における計測温度(ピーク値)と実温度分布の温度との差がほぼ±1℃以内と小さい。特に、最も温度が高い部分では補正後の温度と実温度との差が極めて小さい。
すなわち、光ファイバ温度測定装置を用いて取得した温度分布に対し上述したように第1〜第4の補正を順次行うことにより、複数のサーバ(計算機)が収納されたラック内の温度分布を精度よく、且つリアルタイムで測定することができる。そして、この温度測定結果を用いてデータデンター(計算機室)の空調機を制御することにより、熱によるサーバ等の故障や誤動作を防止しつつ、データセンターで消費する電力を削減することができる。
なお、上記実施形態ではデータセンター(計算機室)に配置されたラック内の温度分布の測定を行う場合について説明したが、上記実施形態において開示した技術を工場内又はオフィス内などの温度分布測定に適用してもよい。
以下、本発明の諸態様を、付記としてまとめて記載する。
(付記1)相互に離隔して配置された複数の熱放出部の温度を光ファイバを用いて測定する温度測定システムにおいて、
前記光ファイバに光信号を供給し、前記光ファイバ内で後方散乱した光信号を入力して前記光ファイバの長さ方向に沿った温度分布を測定する温度測定装置と、
前記温度測定装置に接続された光ファイバが敷設されてなる導入導出部と、
前記導入導出部の光ファイバに連続する光ファイバを熱放出部のない第1のエリアから前記複数の熱放出部までそれぞれ往復するように敷設してなる温度測定部と、
前記温度測定部の光ファイバに連続する光ファイバを第2のエリアに敷設してなる第1の基準温度取得部と、
前記第1の基準温度取得部の光ファイバに連続する光ファイバを前記第1のエリアを通って前記導入導出部まで敷設してなる第2の基準温度取得部とを有し、
前記第1の基準温度取得部には、前記温度測定装置から前記光ファイバに供給される光信号のパルス幅により決まる最小加熱長の1/2以上の長さの光ファイバが敷設されていることを特徴とする温度測定システム。
(付記2)前記温度測定装置は、前記後方散乱した光信号により取得した温度分布を、前記第1の基準温度取得部及び前記第2の基準温度取得部により取得した温度に基づいて補正することを特徴とする付記1に記載の温度測定システム。
(付記3)前記補正は、
前記温度分布測定装置により取得した前記光ファイバの長さ方向の温度分布を伝達関数の逆関数を用いて補正する第1の補正工程と、
前記第1の補正工程後の温度分布を前記第1の基準温度取得部で取得した温度を用いて補正する第2の補正工程と、
前記第2の補正工程後の温度分布を前記第2の基準温度取得部で測定した温度を用いて補正する第3の補正工程と、
前記第3の補正工程後の温度分布のうち各熱放出部に対応する部分の面積と前記第2の補正工程後の温度分布のうち各熱放出部に対応する部分の面積とに応じて前記第3の補正工程後の温度分布を補正する第4の補正工程とを経て行われることを特徴とする付記2に記載の温度測定システム。
(付記4)前記第4の補正工程では、前記第3の補正工程後の温度分布における各ピーク間の極小点を結ぶ線を基準に前記面積を計算することを特徴とする付記3に記載の温度測定システム。
(付記5)前記導入導出部には、前記温度測定部に導入前の光ファイバ及び前記第2の基準温度取得部から導出後の光ファイバがそれぞれ、前記温度測定装置から前記光ファイバに出力される光信号のパルス幅により決まる最小加熱長の1/2以上の長さにわたって敷設されていることを特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載の温度測定システム。
(付記6)前記第1のエリアから各熱放出部まで往復する光ファイバの長さが同一であることを特徴とする付記1に記載の温度測定システム。
(付記7)前記熱放出部が、ラック内に収納された計算機の排気口であることを特徴とする付記1に記載の温度測定システム。
(付記8)前記光ファイバが、前記ラックの開閉扉の内側又は外側に敷設されていることを特徴とする付記7に記載の温度測定システム。
(付記9)前記第1の基準温度取得部では、前記光ファイバを巻回して配置していることを特徴とする付記1に記載の温度測定システム。
(付記10)前記導入導出部では、前記温度測定部に導入前の光ファイバ及び前記第2の基準温度取得部から導出後の光ファイバが同一冶具に巻回して配置していることを特徴とする付記1に記載の温度測定システム。
11…ラック、12a,12b…開閉扉、14…回転軸、15,15,15b,15c…サーバ、16…排気口、17…導入導出部、18…折り返し部、19…ファン、21…レーザ光源、22a,22b,34a,34b,34c…レンズ、23,31a,31b,31c…ビームスプリッタ、24…光ファイバ、24a…クラッド、24b…コア、240…プローブ、25…波長分離部、26…光検出器、26a,26b,26c…受光部、33a,33b,33c…光学フィルタ。

Claims (5)

  1. 相互に離隔して配置された複数の熱放出部の温度を光ファイバを用いて測定する温度測定システムにおいて、
    前記光ファイバに光信号を供給し、前記光ファイバ内で後方散乱した光信号を入力して前記光ファイバの長さ方向に沿った温度分布を測定する温度測定装置と、
    前記温度測定装置に接続された光ファイバが敷設されてなる導入導出部と、
    前記導入導出部の光ファイバに連続する光ファイバを熱放出部のない第1のエリアから前記複数の熱放出部までそれぞれ往復するように敷設してなる温度測定部と、
    前記温度測定部の光ファイバに連続する光ファイバを第2のエリアに敷設してなる第1の基準温度取得部と、
    前記第1の基準温度取得部の光ファイバに連続する光ファイバを前記第1のエリアを通って前記導入導出部まで敷設してなる第2の基準温度取得部とを有し、
    前記第1の基準温度取得部には、前記温度測定装置から前記光ファイバに供給される光信号のパルス幅により決まる最小加熱長の1/2以上の長さの光ファイバが敷設されていることを特徴とする温度測定システム。
  2. 前記温度測定装置は、前記後方散乱した光信号により取得した温度分布を、前記第1の基準温度取得部及び前記第2の基準温度取得部により取得した温度に基づいて補正することを特徴とする請求項1に記載の温度測定システム。
  3. 前記補正は、
    前記温度分布測定装置により取得した前記光ファイバの長さ方向の温度分布を伝達関数の逆関数を用いて補正する第1の補正工程と、
    前記第1の補正工程後の温度分布を前記第1の基準温度取得部で取得した温度を用いて補正する第2の補正工程と、
    前記第2の補正工程後の温度分布を前記第2の基準温度取得部で測定した温度を用いて補正する第3の補正工程と、
    前記第3の補正工程後の温度分布のうち各熱放出部に対応する部分の面積と前記第2の補正工程後の温度分布のうち各熱放出部に対応する部分の面積とに応じて前記第3の補正工程後の温度分布を補正する第4の補正工程とを経て行われることを特徴とする請求項2に記載の温度測定システム。
  4. 前記第4の補正工程では、前記第3の補正工程後の温度分布における各ピーク間の極小点を結ぶ線を基準に前記面積を計算することを特徴とする請求項3に記載の温度測定システム。
  5. 前記導入導出部には、前記温度測定部に導入前の光ファイバ及び前記第2の基準温度取得部から導出後の光ファイバがそれぞれ、前記温度測定装置から前記光ファイバに出力される光信号のパルス幅により決まる最小加熱長の1/2以上の長さにわたって敷設されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の温度測定システム。
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