JP5454072B2 - 光ファイバケーブル、風速センサ及び風速測定システム - Google Patents

光ファイバケーブル、風速センサ及び風速測定システム Download PDF

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Description

本発明は、光ファイバケーブル、並びにその光ファイバケーブルを使用した風速センサ及び風速測定システムに関する。
近年、顧客の情報を管理・運用するデータセンターや自社の多量のジョブ(JOB)を扱う計算機センターなど(以下、これらをまとめて「データセンター」という)のように、多数の計算機(サーバー等)を同一室内に設置して一括管理することが多くなっている。
データセンターでは、室内に多数のラックを設置し、各ラックにそれぞれ複数の計算機を収納している。このような状況下では、計算機から多量の熱が発生してラック内の温度が上昇し、誤動作や故障の原因となる。このため、ファン等により室内の冷気をラック内に取り込んで計算機を冷却しつつ、ラックから排出される熱により室内の温度が上昇しないように空調機を用いて室内の温度を管理している。
ところで、データセンターで処理するデータ量は年々上昇する傾向がある一方、地球温暖化を防止する観点から、データセンターで消費する電力を削減することが要求されている。データセンターでは空調機で消費する電力が大きく、空調機を効率的に運転することが望まれる。
一般的なデータセンターの室内は、計算機を収納したラックが配置される機器設置エリアと、機器設置エリアの床下に設けられたフリーアクセルフロアとに分割されている。フリーアクセスフロアには、電源ケーブルや通信ケーブルが配置される。また、空調機からフリーアクセスフロアに冷風が供給され、機器設置エリアとフリーアクセスフロアとの間を連絡するグリル(通風口)を介して各ラックの吸気口の近傍に冷風が供給される。
通常、空調機の近傍では風速が速いためグリルから機器設置エリア方向への圧力が小さくなり、グリルを介して機器設置エリアに供給される冷気の風量は少ない。一方、空調機からある程度離れた位置では風速が遅くなり、グリルを介して機器設置エリアに供給される冷気の風量が多くなる。従って、グリルから供給される冷気の風量が少ないところには負荷が軽いジョブを処理する計算機を収納したラックを配置し、グリルから供給される冷気の風量が多いところには負荷が重いジョブを処理する計算機を収納したラックを配置することが考えられる。
しかし、ラック内では各計算機で処理するデータ量に応じて発熱量が変化し、発熱量の変化に応じて各計算機の冷却ファンの回転数が変化してラック内に取り込まれる冷気の風量が変化する。ラック内に取り込まれる冷気の風量とラック近傍のグリルを通過する冷気の風量とはプッシュプルの関係があり、ラック内に取り込まれる冷気の風量が変化するとグリルを通過する冷気の風量も変化する。また、データセンターでは、必要に応じてラックの配置が随時変更される。
従って、例えばグリルを通る冷気の風量を測定し、その風量が予め設定された設定値よりも小さくならないように空調機を制御することが重要となる。
従来から、例えば光ファイバの周囲に電熱線(発熱コイル)を巻き付けた風速計が知られている。このような風速計を使用し、グリルを通る冷気の風速を測定して、その積分値から風量を算出することができる。
特開平5−107121号公報 特開平6−174561号公報 特開2008−191077号公報 特開2001−153879号公報
しかしながら、上述した風速計では、光ファイバに電熱線を巻き付けているため、光ファイバの敷設とは別に電熱線に電力を供給する給電線を敷設する必要がある。このため、測定箇所が多くなると敷設作業が極めて煩雑になる。
以上から、測定箇所が多くても敷設作業が容易な光ファイバケーブル、並びにその光ファイバケーブルを使用した風速センサ及び風速測定システムを提供することを目的とする。
一観点によれば、光ファイバと、前記光ファイバを挟んで配置された電力供給線及び前記電力供給線よりも高抵抗の抵抗発熱線と、前記光ファイバ、前記電力供給線及び前記抵抗発熱線を被覆する絶縁性被覆材とを有する光ファイバケーブルが提供される。
上記一観点に係る光ファイバケーブルは、簡単な加工によりその長さ方向の任意の位置を風速センサとすることができる。その場合、光ファイバケーブル内に電力供給線が設けられているので、別個に電力供給線を敷設する必要がなく、敷設作業が容易である。また、光ファイバと抵抗発熱線との距離が近いため、熱効率が高い。
図1(a)は実施形態に係る光ファイバケーブルを示す平面図、図1(b)は同じくその断面図である。 図2(a)〜(c)は、実施形態に係る光ファイバケーブルを用いた風速センサの形成方法を工程順に示す模式図である。 図3は、風速測定システムの構成を示す模式図である。 図4は、ラマン散乱光の強度の経時変化の一例を示す図である。 図5は、図4のラマン散乱光の強度の経時変化を基にI1/I2比を時間毎に計算し、且つ図4の横軸を距離に換算し、縦軸を温度に換算した結果を示す図である。 図6は、風速センサの高抵抗金属線に供給するパルス状の電圧と、光検出器の出力に基づいてデータ処理部で検出される温度との関係を示すタイミングチャートである。 図7は、データ処理部で検出される温度分布を示す図である。 図8は、グリルに敷設した光ファイバケーブルを示す模式図である。 図9は、図8のように敷設された光ファイバケーブルの風速センサの抵抗発熱体にパルス状の電圧を印加したときの光ファイバケーブルの長さ方向の温度分布の変化を経時的に示す図である。 図10は、実施形態に係る光ファイバケーブルを用いてデータセンターの空調機を制御するシステムの一例を示す模式図である。
以下、実施形態について、添付の図面を参照して説明する。
図1(a)は実施形態に係る光ファイバケーブルを示す平面図、図1(b)は同じくその断面図である。
本実施形態に係る光ファイバケーブル10は、光ファイバ11と、該光ファイバ11を挟んで光ファイバ11と平行に配置された低抵抗金属線(電力供給線)12及び高抵抗金属線(抵抗発熱線)13と、それらを被覆する絶縁性樹脂からなる被覆材14とを有する。また、この光ファイバケーブル10は、例えば厚さ(最厚部の厚さ)が0.4mm、幅が0.9mmのテープ状に形成されている。
光ファイバ11の直径は例えば0.25mmであり、コア11aとその周囲を被覆するクラッド11bとを有する。低抵抗金属線12は抵抗率が3×10-7Ωm以下(室温20℃)の低抵抗金属(例えば、銅)により形成されており、その直径は例えば0.2mmである。高抵抗金属線13は抵抗率が1×10-6Ωm以上(室温20℃)の高抵抗金属又は金属化合物(例えば酸化銅)により形成されており、その直径は例えば0.2mmである。
光ファイバ11を挟んで配置された低抵抗金属線12及び高抵抗金属線13は、光ファイバケーブル10を敷設する際にテンションメンバーとして機能する。これにより、光ファイバケーブル10を敷設する際に光ファイバ11にかかる応力が軽減され、光ファイバ11の破損や特性の劣化等が抑制される。
以下、本実施形態に係る光ファイバケーブル10を用いた風速センサについて、図2(a)〜(c)を参照して説明する。
まず、図2(a)に示すように、光ファイバケーブル10のうち風速センサとする領域Aの両端にそれぞれ幅方向の両側から切れ込みを入れ、低抵抗金属線12及び高抵抗金属線13を切断する。このとき、光ファイバ11を疵付けないように注意することが重要であり、専用の工具を使用することが好ましい。
次に、図2(b)に示すように、風速センサとする領域Aの両側において、例えば専用の接続金具15を使用して領域Aの外側の低抵抗金属線12と領域Aの内側の高抵抗金属線13とをそれぞれ電気的に接続する。なお、この接続金具15は両端部に接続ピン15aが設けられており、専用の工具を用いて接続ピン15aをケーブル10に押し込んで低抵抗金属線12及び高抵抗金属線13に圧着し、低抵抗金属線12と高抵抗金属線13とを電気的に接続するものである。本実施形態では専用の接続金具15を使用するものとしたが、導線とはんだとを用いて低抵抗金属線12と高抵抗金属線13とを電気的に接続してもよい。
次いで、図2(c)に示すように、領域Aの両側の切れ込み箇所を例えば絶縁テープ16で覆う。このようにして、光ファイバ11と、その近傍に配置された抵抗発熱体(高抵抗金属線13)とを有する風速センサ19が得られる。
本実施形態の光ファイバケーブル10は、光ファイバケーブル10の長さ方向の任意の位置を風速センサ19とすることができる。なお、必要に応じて、光ファイバケーブル10の長さ方向に風速センサ19を複数設けてもよい。この場合、複数の風速センサ19は、各風速センサ19間の低抵抗金属線12を介して直列接続された構造となる。
以下、上述の風速センサ19を用いた風速及び風量の測定について説明する。
図3は、風速測定システムの構成を示す模式図である。この図3に示すように、風速測定システムは、温度測定装置20と、温度測定装置20の出力から風速を計算するコンピュータ(制御装置)25と、コンピュータ25により制御される電力供給部26とを有している。また、温度測定装置20は、レーザ光源21と、ビームスプリッタ22と、光検出器23と、データ処理部24とを有している。光ファイバケーブル10の光ファイバ11はレーザ光源21及びビームスプリッタ22と光学的に接続され、低抵抗金属線12の両側は電力供給部26に電気的に接続される。
レーザ光源21から出射されたレーザ光は、ビームスプリッタ22を透過して光ファイバ11内に進入し、光ファイバ11内を長さ方向に伝搬する。光ファイバ11内を伝搬する光の一部は、光ファイバ11を構成する分子により後方散乱される。後方散乱された光は、光ファイバ11を戻って光源側端部から出射し、ビームスプリッタ22により反射されて光検出器23に入力される。
光ファイバ11内で発生する後方散乱光には、ラマン散乱光が含まれている。ラマン散乱光には、入射光よりも長波長側にシフトしたストークス光と、入射光よりも短波長側にシフトした反ストークス光とがある。ストークス光及び反ストークス光の強度は温度により変化するが、ストークス光は温度による変化量が小さく、反ストークス光は温度による変化量が大きい。光検出器23は、後方散乱光からストークス光及び反ストークス光を分離してそれぞれの光量を検出する。
図4は、横軸に時間をとり、縦軸に光検出器23で検出される信号強度をとって、ラマン散乱光の強度の経時変化の一例を示す図である。光ファイバ11にレーザパルスを入射した直後から一定の間、光検出器23にはストークス光及び反ストークス光が検出される。光ファイバ11の全長にわたって温度が均一の場合、レーザパルスが光ファイバ11に入射した時点を基準とすると、信号強度は時間の経過とともに減少する。この場合、横軸の時間は光ファイバ11の光源側端部から後方散乱が発生した位置までの距離を示しており、信号強度の経時的な減少は光ファイバ11による光の減衰を示している。
光ファイバ11の長さ方向にわたって温度が均一でない場合、例えば長さ方向に沿って高温部及び低温部が存在する場合は、ストークス光及び反ストークス光の信号強度は一様に減衰するのではなく、図4に示すように信号強度の経時変化を示す曲線に山及び谷が現れる。図4において、ある時間tにおける反ストークス光の強度をI1、ストークス光の強度をI2とする。
図5は、図4のラマン散乱光の強度の経時変化を基にI1/I2比を時間毎に計算し、且つ図4の横軸(時間)を距離に換算し、縦軸(信号強度)を温度に換算した結果を示す図である。この図5に示すように、反ストークス光とストークス光との強度比(I1/I2)を計算することにより、光ファイバ11の長さ方向における温度分布を検出することができる。データ処理部24は、光検出器23で検出されたストークス光と反ストークス光との強度比から、後方散乱が発生した位置の温度を算出する。これにより、光ファイバ11の長さ方向の温度分布が得られる。データ処理部24による温度分布の算出結果は、コンピュータ25に伝達される。
一方、コンピュータ25は、電力供給部26を制御して、所定のタイミングで光ファイバケーブル10の低抵抗金属線12の両端に所定の電圧を供給する。これにより、光ファイバケーブル10の風速センサ19において、高抵抗金属線13が抵抗発熱し、光ファイバ11が加熱される。データ処理部24では、光検出器23の出力から風速センサ19の位置における温度の変化を検出し、その結果をコンピュータ25に伝達する。
図6は、風速センサ19の高抵抗金属線13に供給するパルス状の電圧と、光検出器23の出力に基づいてデータ処理部24で検出される温度との関係を示すタイミングチャートである。この図6に示すように、時間t1において風速センサ19の高抵抗金属線13に電圧の供給を開始すると、時間の経過にともなって検出温度は上昇する。このとき、空気の温度が一定であるとすると、風速センサ19の位置における風速が速いほどピーク温度は低くなる。また、時間t2において電圧の供給を停止すると、時間の経過にともなって検出温度は低下する。このときも、空気の温度が一定であるとすると、風速センサ19の位置における風速が速いほど常温に戻るまでの時間t3が短くなる。
これらのことから、ピーク温度や常温に戻るまでの時間t3により、風速センサ19の位置の風速を検出できることがわかる。コンピュータ25は、データ処理部24から入力された風速センサ19の位置の温度変化に基づき、風速センサ19に位置における風速を算出することができる。本実施形態に係る風速センサ19は、抵抗発熱体(高抵抗金属線13)が光ファイバ11の近傍に配置されているので、熱効率が高く、抵抗発熱体に供給する電力が少なくてよい。
図7は、横軸に光ファイバの長さ方向の位置をとり、縦軸に温度をとって、データ処理部24で検出される温度分布を示す図である。ここでは、光ファイバの端部から5mの位置を中心として±20cmの範囲を80℃の温度に加熱したときのデータ処理部24で検出される温度分布を示している。
この図7に示すように、光ファイバの一部を部分的に加熱した場合、データ処理部24で検出される温度分布(計測温度分布)は実際の温度分布(実温度分布)よりも低く且つ広くなる。計測温度分布の形状は光ファイバ温度計測系の伝達関数により決まる。すなわち、実温度分布に対し伝達関数を畳み込み(コンボリューション)すると、計測温度分布が得られる。逆に、計測温度分布に対して伝達関数から得られる逆補正関数を用いて逆補正を行うと、実温度分布に近い分布が得られる。伝達関数は、光ファイバ温度計測系のインパルス応答特性にほぼ等しいものとなる
以下、上述の風速センサを用いた風量測定について、データセンターを例にとって説明する。
データセンターの室内は、計算機を収納したラックが配置される機器設置エリアと、機器設置エリアの床下に設けられて空調機により温度が一定に維持されるフリーアクセスフロアとに分割されている。この場合、空調機を効率的に運転するために、機器設置エリアとフリーアクセスフロアとの間を連絡するグリル(通風口)を通る冷気の風量を測定することが求められる。
グリルを通る冷気の風量は、グリルの面積と、グリルを通る冷気の風速とから算出できる。但し、データセンターでは空調機から出力された冷気が各グリルを通って機器設置エリアに供給されるので、各グリルの相対的な風量がわかればよい。
光ファイバを用いた風速測定では、前述したように光ファイバを用いて検出した温度に基づいて風速を測定する。しかし、光ファイバを用いた温度測定では、図6,図7からわかるように時間軸方向及び光ファイバの長さ方向にブロードな応答特性となる。ブロードの状態は、エクセルギー(熱力学第2法則)からわかるように、風速センサ19の抵抗発熱体(高抵抗金属線13)に供給する電力が等しくても基準温度により変化する。そのため、基準温度を係数にして得られた温度分布の経時変化を示す曲面形状を解析すれば、光ファイバケーブルを敷設した場所の風速の積分値、つまり相対的な風量を算出することができる。
図8は、グリルに敷設した光ファイバケーブルを示す模式図である。本実施形態では、図8に示すように、所定の長さ分の光ファイバケーブル10をリング状に巻いて巻回部10aを設け、この巻回部10aをグリル33内に配置している。また、グリル33の縁部から巻回部10aまでの往路と、巻回部10aからグリル33の縁部までの復路とが重なるように光ファイバケーブル10を敷設し、光ファイバケーブル10の一部に設けた風速センサ19を巻回部10aとグリル33の縁部との間の復路に配置している。
なお、ここでは、巻回部10aを境にしてレーザ光源に近い側の光ファイバケーブル10を往路と呼び、レーザ光源から遠い側の光ファイバケーブル10を復路と呼んでいる。また、巻回部10aの直径は、光ファイバ11の特性を劣化させることがない最小許容曲げ半径の2倍程度(例えば、45mm程度)とすることが好ましい。更に、本実施形態では復路側に風速センサ19を配置しているが、風速センサ19は往路側又は復路側のいずれか一方に配置すればよい。
図9は、図8のように敷設された光ファイバケーブル10の風速センサ19の抵抗発熱体(高抵抗金属線13)にパルス状の電圧を印加したときの光ファイバケーブル10の長さ方向の温度分布の変化を経時的に示す図である。ここでは、時間t1からt2まで所定の電圧を印加して風速センサ19の抵抗発熱体を発熱させている。また、風速センサ19は、光ファイバケーブル10の長さ方向におけるL1からL2までの位置にあるとしている。更に、ここでは、グリル33を通る空気の温度をT1、無風状態のときに風速センサ19の抵抗発熱体に前記パルス状の電圧を印加したときに検出されるピーク温度をT2としている。
前述したように、光ファイバ温度測定では光ファイバの長さ方向にブロードな応答特性を示し、風速センサ19の近傍では抵抗発熱体の発熱の影響により温度計測の精度が劣化することが考えられる。しかし、本実施形態では巻回部10aに所定長さの光ファイバケーブル10を巻いているので、風速センサ19から往路の光ファイバまでの距離(光ファイバケーブル10の長さ方向に沿った距離)が離れている。このため、風速センサ19の抵抗発熱体の発熱の影響が往路の光ファイバによる温度計測に影響を与えるおそれが少ない。つまり、往路の光ファイバで計測した温度の平均値は、グリル33を通る空気の温度T1を精度よく示していると考えられる。本実施形態では、この温度T1を基準温度とする。
一方、復路の光ファイバケーブル10は、風速センサ19の抵抗発熱体に印加される電圧により温度が上昇する。この場合、光ファイバ温度測定では時間軸方向及び光ファイバの長さ方向にブロードな応答特性となるので、図9の右側(復路)に示すような曲面の立体的な凸状の温度分布が得られる。この凸状の温度分布において、各時間毎に基準温度T1よりも高い部分を積分し、且つそれらの値を時間軸方向に積算することにより、凸状の部分の体積が求まる。この凸状の部分の体積はグリル33を通る空気の風量に関係し、風量が大きいほど凸状の部分の体積は小さくなる。
例えば、図9中に示す幅が(L2−L1)、奥行きが(t2−t1)、高さが(T2−T1)の直方体の体積V0を基準値とし、この直方体の体積V0と凸状の部分の体積V1とを比較して相対的風量を算出する。これにより、グリル33を通る空気の相対的風量を精度よく求めることができる。データセンターにおいて、予めグリル33の相対的風量の適正範囲を設定しておき、光ファイバケーブル10を用いて測定したグリル33の相対的風量が前記適正範囲を外れないように空気の流れを制御することが好ましい。
図10は、本実施形態に係る光ファイバケーブルを用いてデータセンターの空調機を制御するシステムの一例を示す模式図である。図10において、一点鎖線で囲んだ部分にはラック31、空調機32及びグリル33の配置を示す上面図を示しており、その下側には機器設置エリアに配置された複数のラック31を模式的に示している。
データセンターの機器設置エリアには、列毎に複数のラック31が並んで、且つ吸気面側をグリル33に向けて配置される。各ラック31にはそれぞれ複数の計算機(図示せず)が収納されている。それらの計算機には、計算機内のCPU等の発熱量に応じて回転数が変化する冷却ファンが設けられている。それらの冷却ファンの回転数に応じて、ラック31内に取り込まれる冷気の風量、ひいてはそのラック31の近傍のグリル33を通過する冷気の風量が変化する。
温度分布計測用光ファイバ40は、その両端が多チャンネル温度測定装置30に接続され、各ラック31を順番に通るように、且つ各ラック31の吸気面及び排気面の温度分布を測定できるように敷設される。温度計測装置30には、図3に示すレーザ光源21、ビームスプリッタ22、光検出器23及びデータ処理部24と、レーザ光の入出力を切り替える光スイッチとが設けられている。温度計測装置30で計測された光ファイバ40の長さ方向の温度分布は、制御用コンピュータ(制御装置)35に伝達される。
また、データセンターには、フリーアクセスフロアに冷気を供給する空調機32が配置されている。この空調機32は、フリーアクセスフロアの温度が一定となるように制御用コンピュータ35により制御される。空調機32からフリーアクセスフロアに供給された冷気は、グリル33を介してラック31が配置された機器設置エリアに供給される。
本実施形態においては、グリル33のうちのいくつかに、図8に示すように巻回部10aと風速センサ19とが設けられた光ファイバケーブル10を配置している。図10では、光ファイバケーブル10のうちグリル33に敷設されて風量を検出する部分を、風量検出部39として示している。
なお、全てのグリル33に風量検出部39を配置してもよい。しかし、一般的に、相互に隣接するグリル33同士では風量が大きく異なることはないので、本例のように全てのグリル33に風量検出部39を配置しなくても、フリーアクセスフロアから機器設置エリアへの冷気の流れを把握することが可能である。
風量測定用光ファイバーケーブル10の光ファイバ11(図3参照)は、温度分布計測用光ファイバ40と同様に温度計測装置30に接続される。一方、風量測定用光ファイバーケーブル10の低抵抗金属線12は、電力供給部36に接続される。
制御用コンピュータ35は、温度測定装置30で計測された光ファイバ40の長さ方向の温度分布から、各ラック31内の温度分布を把握する。また、制御用コンピュータ35は、電力供給部36を制御して所定のタイミングで光ファイバケーブル10の低抵抗金属線12に加熱用電力(パルス電圧)を供給する。そして、制御用コンピュータ35は、温度測定装置30で計測された光ファイバケーブル10の長さ方向の温度分布の経時変化から、各風量検出部39が配置されたグリル33における相対的風量を算出し、それらの結果に基づいて空調機32を制御する。
以下、上述のシステムを使用した空調機32の風量設定方法の一例について説明する。
まず、空調機32を設定風量が十分大きな状態で稼働させる。この状態で、光ファイバ40により各ラック31内の温度分布を測定し、各ラック31内の計算機が十分に冷却されていることを確認する。そして、このときの空調機32の設定風量と、光ファイバケーブル10により計測した各グリル33の風量(グリルを通る冷気の相対的風量)とを記録しておく。
次に、空調機32の設定風量を徐々に小さくし、設定風量を変更する毎に、設定風量と、光ファイバ40により測定した各ラック31内の温度分布と、光ファイバケーブル10により計測した各グリル33の風量とを記録する。空調機32から出力される風量が不足すると、ラック31の吸気面の上部の温度が上昇したり、排気面の温度が上昇したりする。このような現象が確認されたら、空調機32から出力される風量が不足していると判断できる。
このようにして、空調機32の風量が十分な場合と不足した場合とにおける各ラック31内の温度分布と各グリル33の相対的風量とを記録し、それらのデータを基にマージンを見込んだ空調機32の設定風量を決定する。このようにして、空調機32の設定風量を最適な値にすることができる。なお、空調機32の設定風量の決定は適宜行えばよく、グリル33の風量を常時測定する必要はない。
以上の諸実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)光ファイバと、
前記光ファイバを挟んで配置された電力供給線及び前記電力供給線よりも高抵抗の抵抗発熱線と、
前記光ファイバ、前記電力供給線及び前記抵抗発熱線を被覆する絶縁性被覆材と
を有することを特徴とする光ファイバケーブル。
(付記2)前記電力供給線の抵抗率が3×10-7Ωm以下(室温20℃)であり、前記抵抗発熱線の抵抗率が1×10-6Ωm以上(室温20℃)であることを特徴とする付記1に記載の光ファイバケーブル。
(付記3)光ファイバと、前記光ファイバを挟んで配置された電力供給線及び前記電力供給線よりも高抵抗の抵抗発熱線と、前記光ファイバ、前記電力供給線及び前記抵抗発熱線を被覆する絶縁性被覆材とを有する光ファイバケーブルを用いた風速センサであって、
前記光ファイバケーブルの長さ方向の所定領域の両端において前記電力供給線及び前記抵抗発熱線をそれぞれ切断する切れ込みと、
前記所定領域の両端において前記所定領域の外側の前記電力供給線と前記所定領域の内側の前記抵抗発熱線とをそれぞれ電気的に接続する接続部材と
を有することを特徴とする風速センサ。
(付記4)光ファイバと、前記光ファイバを挟んで配置された電力供給線及び前記電力供給線よりも高抵抗の抵抗発熱線と、前記光ファイバ、前記電力供給線及び前記抵抗発熱線を被覆する絶縁性被覆材とを有する光ファイバケーブルを用いた風速測定システムであって、
前記光ファイバケーブルの前記光ファイバに光信号を供給し、前記光ファイバ内で後方散乱した光信号を入力して前記光ファイバの長さ方向に沿った温度分布を測定する温度測定装置と、
前記電力供給線に電力を供給する電力供給部と、
前記電力供給部を制御するとともに、前記温度測定装置で測定した前記温度分布の測定結果をデータ処理する制御装置とを有し、
前記光ファイバには、前記光ファイバケーブルの長さ方向の所定領域の両端において前記電力供給線及び前記抵抗発熱線をそれぞれ切断する切れ込みと、前記所定領域の両端において前記所定領域の外側の前記電力供給線と前記所定領域の内側の前記抵抗発熱線とをそれぞれ電気的に接続する接続部材とを有する風速センサが設けられていることを特徴とする風速測定システム。
(付記5)前記制御部は、前記電力供給部を介して前記光ファイバケーブルの前記電力供給線に電力を供給し、前記温度測定装置により測定した前記風速センサが配置された位置近傍の温度の経時変化から前記風速センサが配置された位置の風速を検出することを特徴とする付記4に記載の風速測定システム。
(付記6)前記制御装置は、前記風速センサで検出された風速の積分値から風量を算出することを特徴とする付記4又は5に記載の風速測定システム。
(付記7)前記光ファイバケーブルには、前記光ファイバケーブルの所定領域を巻回してなる巻回部と、前記巻回部までの往路と、前記巻回部から前記往路に沿って敷設された復路とを有する風量検出部を備え、前記風速センサは、前記往路及び復路のいずれか一方に配置されていることを特徴とする付記6に記載の風速測定システム。
(付記8)前記光ファイバケーブルには、前記風速センサが複数設けられていることを特徴とする付記4に記載の風速測定システム。
10…光ファイバケーブル、10a…巻回部、11…光ファイバ、11a…コア、11b…クラッド、12…低抵抗金属線(電力供給線)、13…高抵抗金属線(抵抗発熱線)、14…被覆材、15…接続金具、19…風速センサ、20…温度測定装置、21…レーザ光源、22…ビームスプリッタ、23…光検出器、24…データ処理部、25…コンピュータ、26…電力供給部、30…温度計測装置、31…ラック、32…空調機、33…グリル、35…制御用コンピュータ、36…電力供給部、39…風量検出部、40…温度分布計測用光ファイバ。

Claims (7)

  1. 光ファイバと、
    前記光ファイバを挟んで配置された電力供給線及び前記電力供給線よりも高抵抗の抵抗発熱線と、
    前記光ファイバ、前記電力供給線及び前記抵抗発熱線を被覆する絶縁性被覆材と
    を有することを特徴とする光ファイバケーブル。
  2. 前記電力供給線の抵抗率が3×10-7Ωm以下(室温20℃)であり、前記抵抗発熱線の抵抗率が1×10-6Ωm以上(室温20℃)であることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバケーブル。
  3. 光ファイバと、前記光ファイバを挟んで配置された電力供給線及び前記電力供給線よりも高抵抗の抵抗発熱線と、前記光ファイバ、前記電力供給線及び前記抵抗発熱線を被覆する絶縁性被覆材とを有する光ファイバケーブルを用いた風速センサであって、
    前記光ファイバケーブルの長さ方向の所定領域の両端において前記電力供給線及び前記抵抗発熱線をそれぞれ切断する切れ込みと、
    前記所定領域の両端において前記所定領域の外側の前記電力供給線と前記所定領域の内側の前記抵抗発熱線とをそれぞれ電気的に接続する接続部材と
    を有することを特徴とする風速センサ。
  4. 光ファイバと、前記光ファイバを挟んで配置された電力供給線及び前記電力供給線よりも高抵抗の抵抗発熱線と、前記光ファイバ、前記電力供給線及び前記抵抗発熱線を被覆する絶縁性被覆材とを有する光ファイバケーブルを用いた風速測定システムであって、
    前記光ファイバケーブルの前記光ファイバに光信号を供給し、前記光ファイバ内で後方散乱した光信号を入力して前記光ファイバの長さ方向に沿った温度分布を測定する温度測定装置と、
    前記電力供給線に電力を供給する電力供給部と、
    前記電力供給部を制御するとともに、前記温度測定装置で測定した前記温度分布の測定結果をデータ処理する制御装置とを有し、
    前記光ファイバには、前記光ファイバケーブルの長さ方向の所定領域の両端において前記電力供給線及び前記抵抗発熱線をそれぞれ切断する切れ込みと、前記所定領域の両端において前記所定領域の外側の前記電力供給線と前記所定領域の内側の前記抵抗発熱線とをそれぞれ電気的に接続する接続部材とを有する風速センサが設けられていることを特徴とする風速測定システム。
  5. 前記制御部は、前記電力供給部を介して前記光ファイバケーブルの前記電力供給線に電力を供給し、前記温度測定装置により測定した前記風速センサが配置された位置近傍の温度の経時変化から前記風速センサが配置された位置の風速を検出することを特徴とする請求項4に記載の風速測定システム。
  6. 前記制御装置は、前記風速センサで検出された風速の積分値から風量を算出することを特徴とする請求項4又は5に記載の風速測定システム。
  7. 前記光ファイバケーブルには、前記光ファイバケーブルの所定領域を巻回してなる巻回部と、前記巻回部までの往路と、前記巻回部から前記往路に沿って敷設された復路とを有する風量検出部を備え、前記風速センサは、前記往路及び復路のいずれか一方に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の風速測定システム。
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