JP2004028748A - 温度測定方法及び温度測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】誤差が少なく自動校正が可能な温度測定方法及び温度測定装置を提供する。
【解決手段】被測定対象12の温度と、基準温度用恒温槽11内の温度との差が小さいので、測定温度誤差が少ない。また、被測定対象12と温度測定装置との間の温度測定用光ファイバ9及び延長された光ファイバ延長部が共に基準温度用恒温槽11内に収容されており、基準温度用恒温槽内の温度は既知の温度であるので、その既知の温度に基づいて自動温度校正が可能となる。
【選択図】 図1
【解決手段】被測定対象12の温度と、基準温度用恒温槽11内の温度との差が小さいので、測定温度誤差が少ない。また、被測定対象12と温度測定装置との間の温度測定用光ファイバ9及び延長された光ファイバ延長部が共に基準温度用恒温槽11内に収容されており、基準温度用恒温槽内の温度は既知の温度であるので、その既知の温度に基づいて自動温度校正が可能となる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、温度測定方法及び温度測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
凍結工法(地中のトンネル工事等で凍結管に冷却液を流して−20℃程度にして周囲の地中を凍らすことにより、遮水壁、耐力壁として工事を行う工法)などでは高精度の温度測定が要求される。
【0003】
図4は従来の温度測定方法を適用した温度測定装置の概念図である。
【0004】
この温度測定装置は、光ファイバ式温度計本体1と、一端が光ファイバ式温度計本体1に光コネクタ8を介して接続され被測定対象12に配置された温度測定用光ファイバ9と、被測定対象12に配置された熱電対13と、熱電対13及び光ファイバ式温度計本体1に接続された制御・表示用計算機(例えばパーソナルコンピュータ)10とで構成されたものである。
【0005】
光ファイバ式温度計本体1は、光を発生する光源出力部(例えばレーザダイオード)3と、入力端に光源出力部3からの光が入力する光分波器7と、熱遮断器本体5と、熱遮断器本体5内に収容され、一端が光分波器7の入出力端に接続され、他端が光コネクタ8に接続された基準温度用光ファイバ6と、熱遮断器本体5内に収容され熱遮断器本体5内の温度を測定する基準温度計2と、光分波器7からの光を受光し、基準温度計2からの温度情報を受け、制御・表示用計算機10に温度測定用光ファイバ9からの散乱光の情報と基準温度計2からの情報を送る受光計算・制御部4とで構成されている。
【0006】
この温度測定装置が作動すると、光ファイバ式温度計本体1から出力した光は、被測定対象12に配置された温度測定用光ファイバ9を通って終端部16に到達する。この間、温度測定用光ファイバ9内で発生した温度信号である散乱光は、同じ光路を辿って光ファイバ式温度計本体1に戻る。このとき、光ファイバ式温度計本体1は、温度測定用光ファイバ9の温度信号を、基準温度用光ファイバ6の温度信号から制御・表示用計算機10で導き出す。また、熱電対13による被測定対象12の温度信号も制御・表示用計算機10に送られ、精度の決定と校正とを行うようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図4に示した従来の温度測定装置は、基準温度若しくは校正用の熱電対の温度である周囲温度と、実際の温度を測定している温度測定用光ファイバの温度差に比例して誤差が大きくなるという構造的な問題がある。
【0008】
校正用の熱電対が被測定対象の測定部位に極めて接近して配置された場合、周囲温度が安定した状態のときは精度が向上するが、周囲温度が不安定な状態のときは熱電対と温度測定用光ファイバの熱時定数が異なっているため、熱電対の温度と温度測定用光ファイバの温度との間に差が生じ、精度が向上しないという問題がある。
【0009】
光ファイバ式温度計において、温度を校正する場合、ロスを考慮して手動で温度を校正する必要があり、専門の知識を有する者が温度を校正する必要があるという問題がある。
【0010】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、誤差が少なく自動校正が可能な温度測定方法及び温度測定装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、光源からの光が光分波器を介して一端から入力される光ファイバを被測定対象に配置し、光ファイバからの散乱光を光分波器を介して受光し、受光計算制御部により被測定対象の温度を測定し、得られた温度情報及び基準温度計からの温度情報より制御・表示用計算機を用いて温度情報を校正し、被測定対象の温度を求める温度測定方法において、被測定対象の近傍に基準温度用恒温槽を配置し、光ファイバを基準温度用恒温槽と被測定対象との間で往復するように配置して被測定対象の温度の測定及び校正を行うものである。
【0012】
請求項2の発明は、光源と、光源からの光が一端から入力され、被測定対象に配置される光ファイバと、光ファイバに挿入された光分波器と、光分波器に接続され光ファイバからの散乱光を受光して被測定対象の温度を測定する受光計算・制御部と、基準温度を測定するための基準温度計と、基準温度計からの温度情報に基づいて光ファイバからの温度情報を校正する制御・表示用計算機とを備えた温度測定装置において、被測定対象の近傍に基準温度用恒温槽を配置し、光ファイバを被測定対象との間で往復するように配置したものである。
【0013】
請求項3の発明は、請求項2に記載の校正に加え、光ファイバは基準温度用恒温槽と被測定対象との間を複数回往復するように配置されると共に、被測定対象に配置される部分の光ファイバが複数の温度測定用パイプ内に挿入されているのが好ましい。
【0014】
本発明によれば、被測定対象の温度と、基準温度用恒温槽内の温度との差が小さいので、測定温度誤差が少ない。また、被測定対象と光分波器との間の光ファイバ及び延長された光ファイバ延長部が共に基準温度用恒温槽内に収容されており、基準温度用恒温槽内の温度は既知の温度であるので、その既知の温度に基づいて自動温度校正が可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0016】
図1は本発明の温度測定方法を適用した温度測定装置の一実施の形態を示す概念図である。尚、図4に示した従来例と同様の部材には共通の符号を用いた。
【0017】
本温度測定装置は、被測定対象12の温度を測定する光ファイバ式温度計本体1と、被測定対象12の近傍に配置された基準温度用恒温槽11と、一端が光ファイバ式温度計本体1に接続され、基準温度用恒温槽11と被測定対象12との間で往復するように配置された温度測定用光ファイバ9と、光ファイバ式温度計本体1からの温度情報と基準温度情報とに基づいて温度情報を校正する制御・表示用計算機10とで構成されたものである。
【0018】
光ファイバ式温度計本体1は、光を発生する光源出力部3と、入力端に光源出力部3からの光が入力する光分波器7と、熱遮断器本体5と、熱遮断器本体5内に収容され、一端が光分波器7の入出力端に接続され、他端が光コネクタ8に接続された基準温度用光ファイバ6と、熱遮断器本体5内に収容され熱遮断器本体5内の温度を測定する基準温度計2と、光分波器7から出力する光を受光し、基準温度計2からの温度情報を受け、制御・表示用計算機10に温度測定用光ファイバ9からの散乱光の情報と基準温度計2からの情報を送る受光計算・制御部4とで構成されている。
【0019】
次にこの温度測定装置の動作について図1を参照して説明する。
【0020】
光ファイバ式温度計は、制御・表示用計算機10から受光計算・制御部4にデータを送り、受光計算・制御部4から光源出力部3に信号を送る。光源出力部3から出力された光信号は、光分波器7を通り、基準温度用光ファイバ6を経て温度測定用光ファイバ9に入力する。この入力された光は、基準温度用恒温槽11及び被測定対象12を通過した後、再度基準温度用恒温槽11を通って終端部16へ進む。このとき、温度測定用光ファイバ9の各部位で発生した温度信号である散乱光は、光ファイバ式温度計本体1へ戻り、基準温度用光ファイバ6及び光分波器7を通過して受光計算・制御部4に入射し、データ処理されて制御・表示用計算機10に電気信号として送られる。このとき、温度測定用光ファイバ9の温度データは、基準温度用恒温槽11の温度データと近似しているため、誤差の小さい正確な温度表示を行うことができる。
【0021】
また、基準温度用恒温槽11により、温度測定用光ファイバ9の光コネクタ8側及び終端部16側、すなわち、温度測定用光ファイバ9の両端の温度が既知であるため、その既知の温度に基づいて被測定対象12の温度を自動で校正することができる。
【0022】
図2は本発明の温度測定器の他の実施の形態を示す概念図である。
【0023】
図1に示した実施の形態との相違点は、温度測定用光ファイバ9が基準温度用恒温槽11と被測定対象12との間を複数回往復するように配置されている点である。
【0024】
基準温度用恒温槽11と複数(図では6本であるが限定されない。)の温度測定用パイプ15との間に、温度測定用光ファイバ9が複数回(この場合6回であるが限定されない。)往復するように配置されている。
【0025】
この温度測定装置が作動すると、光ファイバ式温度計本体1からの光は、基準温度用恒温槽11内にある基準用光ファイバ(温度測定用光ファイバが兼ねている)9a、常温状態の温度測定用光ファイバ9b及び温度測定用パイプ15内の温度測定用光ファイバ9cを通って終端部16に到達する。この間、温度測定用用光ファイバ9(9a〜9c)内で発生した温度信号である散乱光は、同じ光路を辿って光ファイバ式温度計本体1に戻る。このとき、相対温度計である光ファイバ式温度計本体1は、温度測定用パイプ15内の温度測定用光ファイバ9の温度信号を基準用光ファイバ9aの温度と基準温度用恒温槽11の温度とから制御・表示用計算機10で導き出す。基準温度用恒温槽11内の温度は、温度信号線14で制御・表示用計算機10に送られ、精度の決定と自動校正に用いるための情報を基準温度用恒温槽11から受け取ることにより、高精度で自動校正の可能なシステムを実現することが可能となる。つまり、このとき制御・表示用計算機10から出力される温度データの一部は図3に示すようになっている。
【0026】
図3は図2に示した温度測定装置における光ファイバの距離と温度との関係を示す図であり、横軸が距離を示し、縦軸が温度を示している。
【0027】
光ファイバ式温度計本体1から基準温度用恒温槽11の間、または基準温度用恒温槽11から温度測定用パイプ15の間である区間d1〜d4は常温であるt[℃]に近い温度になっている。
【0028】
次に基準温度恒温槽11に入っている基準光ファイバ9aである区間d5の温度は基準温度恒温槽11により設定されたtb[℃]になっている。この区間d5の基準光ファイバ9aの温度はtb[℃]であるが、この温度tb[℃]と実際の温度との誤差分は温度信号線14から高精度な温度データを得ることができる。温度測定用パイプ15での温度、区間d6、d8がts[℃]であるときに、基準温度用恒温槽11の温度tb[℃]を温度ts[℃]に近づけることにより、相対温度計で問題となるそれぞれの温度差による測定誤差を小さくすることができる。さらに光ファイバ式温度測定器本体1から温度測定用光ファイバ9を伝搬する光が基準温度用恒温槽11と温度測定用パイプ15との間を往復して、再び光ファイバ式温度測定器本体1に戻ってくる間、一本の光ファイバでシステムを構成した場合、光ファイバの損失は一定である。
【0029】
そこで、区間d5、d7の温度はtb[℃]と一定であり、その点での光の散乱する量は同じであるので、区間d5、d7での光の量の差は、光ファイバの損失差である距離のみに依存することになり、それぞれの位置で発生する光強度をP1、P2とすると、その損失Lは数1式で表される。
【0030】
【数1】
このとき、区間d6における求めたい温度Tsは数2式で表される。
【0031】
【数2】
【0032】
ここで、測定対象内に熱電対やサーミスタ等の温度計を追加し、自動校正の簡素化やさらなる温度測定精度の向上を行ってもよい。
【0033】
以上において、本発明により、被測定対象の光ファイバにおける温度と基準温度用恒温槽内の光ファイバにおける温度との差が小さいため、これらに対する温度誤差が少なく、またその部分での光ファイバの両端が既知の温度であるため、その既知の温度に基づいて自動温度校正が可能なシステムを提供することができる。
【0034】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、誤差が少なく自動校正が可能な温度測定方法及び温度測定装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の温度測定方法を適用した温度測定装置の一実施の形態を示す概念図である。
【図2】本発明の温度測定器の他の実施の形態を示す概念図である。
【図3】図2に示した温度測定装置における光ファイバの距離と温度との関係を示す図である。
【図4】従来の温度測定方法を適用した温度測定装置の概念図である。
【符号の説明】
1 光ファイバ式温度計本体
2 基準温度計
3 光源出力部
4 受光計算・制御部
5 熱遮断器本体
6 基準温度用光ファイバ
7 光分波器
8 光コネクタ
9 光ファイバ(温度測定用光ファイバ)
10 制御・表示用計算機
11 基準温度用恒温槽
12 被測定対象
15 温度測定用パイプ
16 終端部
【発明の属する技術分野】
本発明は、温度測定方法及び温度測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
凍結工法(地中のトンネル工事等で凍結管に冷却液を流して−20℃程度にして周囲の地中を凍らすことにより、遮水壁、耐力壁として工事を行う工法)などでは高精度の温度測定が要求される。
【0003】
図4は従来の温度測定方法を適用した温度測定装置の概念図である。
【0004】
この温度測定装置は、光ファイバ式温度計本体1と、一端が光ファイバ式温度計本体1に光コネクタ8を介して接続され被測定対象12に配置された温度測定用光ファイバ9と、被測定対象12に配置された熱電対13と、熱電対13及び光ファイバ式温度計本体1に接続された制御・表示用計算機(例えばパーソナルコンピュータ)10とで構成されたものである。
【0005】
光ファイバ式温度計本体1は、光を発生する光源出力部(例えばレーザダイオード)3と、入力端に光源出力部3からの光が入力する光分波器7と、熱遮断器本体5と、熱遮断器本体5内に収容され、一端が光分波器7の入出力端に接続され、他端が光コネクタ8に接続された基準温度用光ファイバ6と、熱遮断器本体5内に収容され熱遮断器本体5内の温度を測定する基準温度計2と、光分波器7からの光を受光し、基準温度計2からの温度情報を受け、制御・表示用計算機10に温度測定用光ファイバ9からの散乱光の情報と基準温度計2からの情報を送る受光計算・制御部4とで構成されている。
【0006】
この温度測定装置が作動すると、光ファイバ式温度計本体1から出力した光は、被測定対象12に配置された温度測定用光ファイバ9を通って終端部16に到達する。この間、温度測定用光ファイバ9内で発生した温度信号である散乱光は、同じ光路を辿って光ファイバ式温度計本体1に戻る。このとき、光ファイバ式温度計本体1は、温度測定用光ファイバ9の温度信号を、基準温度用光ファイバ6の温度信号から制御・表示用計算機10で導き出す。また、熱電対13による被測定対象12の温度信号も制御・表示用計算機10に送られ、精度の決定と校正とを行うようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図4に示した従来の温度測定装置は、基準温度若しくは校正用の熱電対の温度である周囲温度と、実際の温度を測定している温度測定用光ファイバの温度差に比例して誤差が大きくなるという構造的な問題がある。
【0008】
校正用の熱電対が被測定対象の測定部位に極めて接近して配置された場合、周囲温度が安定した状態のときは精度が向上するが、周囲温度が不安定な状態のときは熱電対と温度測定用光ファイバの熱時定数が異なっているため、熱電対の温度と温度測定用光ファイバの温度との間に差が生じ、精度が向上しないという問題がある。
【0009】
光ファイバ式温度計において、温度を校正する場合、ロスを考慮して手動で温度を校正する必要があり、専門の知識を有する者が温度を校正する必要があるという問題がある。
【0010】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、誤差が少なく自動校正が可能な温度測定方法及び温度測定装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、光源からの光が光分波器を介して一端から入力される光ファイバを被測定対象に配置し、光ファイバからの散乱光を光分波器を介して受光し、受光計算制御部により被測定対象の温度を測定し、得られた温度情報及び基準温度計からの温度情報より制御・表示用計算機を用いて温度情報を校正し、被測定対象の温度を求める温度測定方法において、被測定対象の近傍に基準温度用恒温槽を配置し、光ファイバを基準温度用恒温槽と被測定対象との間で往復するように配置して被測定対象の温度の測定及び校正を行うものである。
【0012】
請求項2の発明は、光源と、光源からの光が一端から入力され、被測定対象に配置される光ファイバと、光ファイバに挿入された光分波器と、光分波器に接続され光ファイバからの散乱光を受光して被測定対象の温度を測定する受光計算・制御部と、基準温度を測定するための基準温度計と、基準温度計からの温度情報に基づいて光ファイバからの温度情報を校正する制御・表示用計算機とを備えた温度測定装置において、被測定対象の近傍に基準温度用恒温槽を配置し、光ファイバを被測定対象との間で往復するように配置したものである。
【0013】
請求項3の発明は、請求項2に記載の校正に加え、光ファイバは基準温度用恒温槽と被測定対象との間を複数回往復するように配置されると共に、被測定対象に配置される部分の光ファイバが複数の温度測定用パイプ内に挿入されているのが好ましい。
【0014】
本発明によれば、被測定対象の温度と、基準温度用恒温槽内の温度との差が小さいので、測定温度誤差が少ない。また、被測定対象と光分波器との間の光ファイバ及び延長された光ファイバ延長部が共に基準温度用恒温槽内に収容されており、基準温度用恒温槽内の温度は既知の温度であるので、その既知の温度に基づいて自動温度校正が可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0016】
図1は本発明の温度測定方法を適用した温度測定装置の一実施の形態を示す概念図である。尚、図4に示した従来例と同様の部材には共通の符号を用いた。
【0017】
本温度測定装置は、被測定対象12の温度を測定する光ファイバ式温度計本体1と、被測定対象12の近傍に配置された基準温度用恒温槽11と、一端が光ファイバ式温度計本体1に接続され、基準温度用恒温槽11と被測定対象12との間で往復するように配置された温度測定用光ファイバ9と、光ファイバ式温度計本体1からの温度情報と基準温度情報とに基づいて温度情報を校正する制御・表示用計算機10とで構成されたものである。
【0018】
光ファイバ式温度計本体1は、光を発生する光源出力部3と、入力端に光源出力部3からの光が入力する光分波器7と、熱遮断器本体5と、熱遮断器本体5内に収容され、一端が光分波器7の入出力端に接続され、他端が光コネクタ8に接続された基準温度用光ファイバ6と、熱遮断器本体5内に収容され熱遮断器本体5内の温度を測定する基準温度計2と、光分波器7から出力する光を受光し、基準温度計2からの温度情報を受け、制御・表示用計算機10に温度測定用光ファイバ9からの散乱光の情報と基準温度計2からの情報を送る受光計算・制御部4とで構成されている。
【0019】
次にこの温度測定装置の動作について図1を参照して説明する。
【0020】
光ファイバ式温度計は、制御・表示用計算機10から受光計算・制御部4にデータを送り、受光計算・制御部4から光源出力部3に信号を送る。光源出力部3から出力された光信号は、光分波器7を通り、基準温度用光ファイバ6を経て温度測定用光ファイバ9に入力する。この入力された光は、基準温度用恒温槽11及び被測定対象12を通過した後、再度基準温度用恒温槽11を通って終端部16へ進む。このとき、温度測定用光ファイバ9の各部位で発生した温度信号である散乱光は、光ファイバ式温度計本体1へ戻り、基準温度用光ファイバ6及び光分波器7を通過して受光計算・制御部4に入射し、データ処理されて制御・表示用計算機10に電気信号として送られる。このとき、温度測定用光ファイバ9の温度データは、基準温度用恒温槽11の温度データと近似しているため、誤差の小さい正確な温度表示を行うことができる。
【0021】
また、基準温度用恒温槽11により、温度測定用光ファイバ9の光コネクタ8側及び終端部16側、すなわち、温度測定用光ファイバ9の両端の温度が既知であるため、その既知の温度に基づいて被測定対象12の温度を自動で校正することができる。
【0022】
図2は本発明の温度測定器の他の実施の形態を示す概念図である。
【0023】
図1に示した実施の形態との相違点は、温度測定用光ファイバ9が基準温度用恒温槽11と被測定対象12との間を複数回往復するように配置されている点である。
【0024】
基準温度用恒温槽11と複数(図では6本であるが限定されない。)の温度測定用パイプ15との間に、温度測定用光ファイバ9が複数回(この場合6回であるが限定されない。)往復するように配置されている。
【0025】
この温度測定装置が作動すると、光ファイバ式温度計本体1からの光は、基準温度用恒温槽11内にある基準用光ファイバ(温度測定用光ファイバが兼ねている)9a、常温状態の温度測定用光ファイバ9b及び温度測定用パイプ15内の温度測定用光ファイバ9cを通って終端部16に到達する。この間、温度測定用用光ファイバ9(9a〜9c)内で発生した温度信号である散乱光は、同じ光路を辿って光ファイバ式温度計本体1に戻る。このとき、相対温度計である光ファイバ式温度計本体1は、温度測定用パイプ15内の温度測定用光ファイバ9の温度信号を基準用光ファイバ9aの温度と基準温度用恒温槽11の温度とから制御・表示用計算機10で導き出す。基準温度用恒温槽11内の温度は、温度信号線14で制御・表示用計算機10に送られ、精度の決定と自動校正に用いるための情報を基準温度用恒温槽11から受け取ることにより、高精度で自動校正の可能なシステムを実現することが可能となる。つまり、このとき制御・表示用計算機10から出力される温度データの一部は図3に示すようになっている。
【0026】
図3は図2に示した温度測定装置における光ファイバの距離と温度との関係を示す図であり、横軸が距離を示し、縦軸が温度を示している。
【0027】
光ファイバ式温度計本体1から基準温度用恒温槽11の間、または基準温度用恒温槽11から温度測定用パイプ15の間である区間d1〜d4は常温であるt[℃]に近い温度になっている。
【0028】
次に基準温度恒温槽11に入っている基準光ファイバ9aである区間d5の温度は基準温度恒温槽11により設定されたtb[℃]になっている。この区間d5の基準光ファイバ9aの温度はtb[℃]であるが、この温度tb[℃]と実際の温度との誤差分は温度信号線14から高精度な温度データを得ることができる。温度測定用パイプ15での温度、区間d6、d8がts[℃]であるときに、基準温度用恒温槽11の温度tb[℃]を温度ts[℃]に近づけることにより、相対温度計で問題となるそれぞれの温度差による測定誤差を小さくすることができる。さらに光ファイバ式温度測定器本体1から温度測定用光ファイバ9を伝搬する光が基準温度用恒温槽11と温度測定用パイプ15との間を往復して、再び光ファイバ式温度測定器本体1に戻ってくる間、一本の光ファイバでシステムを構成した場合、光ファイバの損失は一定である。
【0029】
そこで、区間d5、d7の温度はtb[℃]と一定であり、その点での光の散乱する量は同じであるので、区間d5、d7での光の量の差は、光ファイバの損失差である距離のみに依存することになり、それぞれの位置で発生する光強度をP1、P2とすると、その損失Lは数1式で表される。
【0030】
【数1】
このとき、区間d6における求めたい温度Tsは数2式で表される。
【0031】
【数2】
【0032】
ここで、測定対象内に熱電対やサーミスタ等の温度計を追加し、自動校正の簡素化やさらなる温度測定精度の向上を行ってもよい。
【0033】
以上において、本発明により、被測定対象の光ファイバにおける温度と基準温度用恒温槽内の光ファイバにおける温度との差が小さいため、これらに対する温度誤差が少なく、またその部分での光ファイバの両端が既知の温度であるため、その既知の温度に基づいて自動温度校正が可能なシステムを提供することができる。
【0034】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、誤差が少なく自動校正が可能な温度測定方法及び温度測定装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の温度測定方法を適用した温度測定装置の一実施の形態を示す概念図である。
【図2】本発明の温度測定器の他の実施の形態を示す概念図である。
【図3】図2に示した温度測定装置における光ファイバの距離と温度との関係を示す図である。
【図4】従来の温度測定方法を適用した温度測定装置の概念図である。
【符号の説明】
1 光ファイバ式温度計本体
2 基準温度計
3 光源出力部
4 受光計算・制御部
5 熱遮断器本体
6 基準温度用光ファイバ
7 光分波器
8 光コネクタ
9 光ファイバ(温度測定用光ファイバ)
10 制御・表示用計算機
11 基準温度用恒温槽
12 被測定対象
15 温度測定用パイプ
16 終端部
Claims (3)
- 光源からの光が光分波器を介して一端から入力される光ファイバを被測定対象に配置し、上記光ファイバからの散乱光を上記光分波器を介して受光し、受光計算制御部により上記被測定対象の温度を測定し、得られた温度情報及び基準温度計からの温度情報より制御・表示用計算機を用いて上記温度情報を校正し、上記被測定対象の温度を求める温度測定方法において、上記被測定対象の近傍に基準温度用恒温槽を配置し、上記光ファイバを該基準温度用恒温槽と上記被測定対象との間で往復するように配置して上記被測定対象の温度の測定及び校正を行うことを特徴とする温度測定方法。
- 光源と、該光源からの光が一端から入力され、被測定対象に配置される光ファイバと、上記光ファイバに挿入された光分波器と、該光分波器に接続され上記光ファイバからの散乱光を受光して上記被測定対象の温度を測定する受光計算・制御部と、基準温度を測定するための基準温度計と、該基準温度計からの温度情報に基づいて上記光ファイバからの温度情報を校正する制御・表示用計算機とを備えた温度測定装置において、上記被測定対象の近傍に基準温度用恒温槽を配置し、上記光ファイバを上記被測定対象との間で往復するように配置したことを特徴とする温度測定装置。
- 上記光ファイバは上記基準温度用恒温槽と上記被測定対象との間を複数回往復するように配置されると共に、上記測定対象に配置される部分の光ファイバが複数の温度測定用パイプ内に挿入されている請求項2に記載の温度測定装置。
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