JP2010250147A - 光ファイバプリロールアセンブリ、光ファイバプリロールカセット及び温度測定方法 - Google Patents

光ファイバプリロールアセンブリ、光ファイバプリロールカセット及び温度測定方法 Download PDF

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【課題】設備の変更等に容易に対応することができる光ファイバプリロールアセンブリ、光ファイバプリロールカセット、及び光ファイバプリロールアセンブリを用いた温度測定方法を提供する。
【解決手段】光ファイバ20の長さ方向に沿って複数の光ファイバプリロールカセット10を取り付ける。カセット10はカセット本体と蓋部とからなり、カセット本体には導入口14a及び導出口14bと、巻取部12とが設けられている。導入口14a及び導出口14bに光ファイバ20を固定し、それらの間の光ファイバ20を導入口14a及び導出口14bに近い側から巻取部12に同一方向に巻き付けている。蓋部には、導入口14aと導出口14bとの間の光ファイバ20をその折り返し部側から引き出す開口部(引出口18)が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、温度測定に用いる光ファイバプリロールアセンブリ、光ファイバプリロールカセット、及び光ファイバプリロールアセンブリを用いた温度測定方法に関する。
近年、顧客の情報を管理・運用するデータセンターや自社の多量のジョブ(JOB)を扱う計算機センターなど(以下、これらをまとめて「データセンター」という)のように、多数の計算機(サーバ等)を同一室内に設置して一括管理することが多くなっている。
データセンターでは、室内に多数のラックを設置し、各ラックにそれぞれ複数の計算機を収納している。このような状況下では、計算機から多量の熱が発生してラック内の温度が上昇し、誤動作や故障の原因となる。このため、ファン等により室内の冷気をラック内に取り込んで計算機を冷却しつつ、ラックから排出される熱により室内の温度が上昇しないように空調機を用いて室内の温度を管理している。
ところで、計算機の稼働状態によって計算機から発生する熱量は大幅に変動する。熱による計算機の誤動作や故障を確実に防止するためには、計算機から発生する熱の最大量に応じた冷却能力を有する冷却装置(空調機及びファン等)を使用する必要がある。
この場合、冷却能力が大きい冷却装置をその最大能力で常時稼働させることは、ランニングコストが高くなるというだけでなく、省エネルギー及びCO2削減の観点からも好ましくない。従って、データセンター内に設置された各ラックの温度をリアルタイムで測定し、その測定結果に基づいて冷却を最適化することが必要となる。
従来から、データセンター、工場及びオフィス等において多数の箇所の温度を測定する際に、温度センサとして光ファイバを用いることが提案されている。
特開2003−14554号公報 特開2003−57126号公報 特開昭62−110160号公報 特開平7−12655号公報 特開平2−123304号公報 特開2002−267242号公報 特開平8−247859号公報 特開平6−43040号公報
株式会社富士通研究所 PRESS RELEASE 「データセンター向けリアルタイム多点温度測定技術を開発」 2008年4月4日
ところで、データセンターでは、その時々の需要に応じて設備の変更が行われる。そして、例えばラックを増設したときには、増設したラックにも温度管理のために光ファイバを敷設することが必要になる。しかし、ラックの増設にともなって光ファイバの敷設を始めからやり直すことは極めて煩雑であり、コストも高くなる。そのため、既設の光ファイバの一部を切断し、増設したラックに敷設した光ファイバと接続することが考えられる。
しかしながら、既設の光ファイバを切断して新たな光ファイバを接続すると、光ファイバ測定装置(光ファイバを温度センサとして用いる温度測定装置)で認識される温度測定ポイント(以下、単に「測定ポイント」という)の位置と実際の測定ポイントの位置とがずれてしまう。そのため、光ファイバを増設した後に、例えば複数の測定ポイントで実際に光ファイバを加熱し、光ファイバ測定装置で認識される測定ポイントと実際の測定ポイントの位置とを一致させる煩雑な作業が必要となる。
以上から、設備の変更等に容易に対応することができる光ファイバプリロールアセンブリ、光ファイバプリロールカセット、及び光ファイバプリロールアセンブリを用いた温度測定方法を提供することを目的とする。
一観点によれば、光ファイバと、前記光ファイバの長さ方向に相互に離隔して配置された複数の光ファイバプリロールカセットとを具備し、前記光ファイバプリロールカセットはいずれも、カセット本体と、前記カセット本体に被せる蓋部とを有し、前記カセット本体は、巻取部と、ファイバ導入口及びファイバ導出口とを備え、前記ファイバ導入口及び前記ファイバ導出口にはそれぞれ前記光ファイバの所定の部分が配置され、前記巻取部には前記ファイバ導入口と前記ファイバ導出口との間の前記光ファイバが前記ファイバ導入口及び前記ファイバ導出口に近い側から順に同一方向に巻き付けられ、前記蓋部には前記ファイバ導入口と前記ファイバ導出口との間の前記光ファイバをその折り返し点側から引き出し可能な開口部を備える光ファイバプリロールアセンブリが提供される。
上記一観点による光ファイバプリロールアセンブリは、光ファイバの長さ方向に相互に離隔して配置された複数の光ファイバプリロールカセットを有している。そして、光ファイバプリロールカセットはいずれも、カセット本体と、該カセット本体に被せる蓋部とを有している。カセット本体は、巻取部と、ファイバ導入口及びファイバ導出口とを備え、前記ファイバ導入口及び前記ファイバ導出口にはそれぞれ光ファイバの所定の部分が配置される。そして、巻取部にはファイバ導入口とファイバ導出口との間の光ファイバがファイバ導入口及びファイバ導出口に近い側から順に同一方向に巻き付けられる。また、蓋部には、ファイバ導入口とファイバ導入口との間の光ファイバをその折り返し点側から引き出し可能な開口部が設けられている。
例えば光ファイバプリロールカセットから必要な長さの光ファイバを引き出してラック内に敷設する。予めラックの数よりも多くの光ファイバプリロールカセットを用意しておけば、ラックの増設等に容易に対応することができる。また、余分な光ファイバを光ファイバプリロールカセット内に収納しておくことにより、光ファイバが絡まったり邪魔になったりすることが回避できる。
図1(a)は第1の実施形態に係る光ファイバプリロールカセットを示す上面図、図1(b)は同じくその光ファイバプリロールカセットの蓋部を外した状態を示す模式図である。 図2は、光ファイバプリロールカセットの構造を示す断面図である。 図3は、カセット本体を示す上面図である。 図4は、光ファイバプリロールアセンブリを示す模式図である。 図5は、中・大規模計算機ルームの一例を示す模式図である。 図6は、光ファイバ測定装置の構成を示す模式図である。 図7は、後方散乱光のスペクトルを示す図である。 図8は、ラマン散乱光の強度の時系列分布の一例を示す図である。 図9は、図8のラマン散乱光の強度の時系列分布を基にI1/I2比を時間毎に計算し、且つ図8の横軸(時間)を距離に換算し、縦軸(信号強度)を温度に換算した結果を示す図である。 図10は、最小加熱長を説明する図(その1)である。 図11は、最小加熱長を説明する図(その2)である。 図12は、温度が25℃の環境に光ファイバを配置し、光源から5mの位置を中心に80℃の熱をステップ型温度分布となるように印加した場合の計測温度分布を示す図である。 図13は、光ファイバ測定装置における伝達関数の一例を示す図である。 図14は、第1の実施形態の光ファイバプリロールアセンブリを用いた光ファイバの敷設例を示す模式図である。 図15は、光ファイバ測定装置による温度分布の測定結果の例を示す図である。 図16は、光ファイバ測定装置による計測温度(補正前)、補正後の計測温度、及び熱電対により計測した温度の例を示す図である。 図17は、光ファイバの増設を示す模式図である。 図18は、光ファイバ増設時の処理を示すフローチャートである。 図19は、光ファイバの長さ方向の位置と反射光の強度との関係を示す図である。 図20は、第1の実施形態の変形例を示す模式図である。 図21は、第1番目から第9番目までの位置マークの例を示す図である。 図22は、バーコードに付与された情報の例を示す図である。 図23(a),(b)は、第2の実施形態に係る光ファイバプリロールカセットを上から見た状態を示す模式図である。 図24(a),(b)は、第2の実施形態に係る光ファイバプリロールカセットの断面図である。
以下、実施形態について、添付の図面を参照して説明する。
1.第1の実施形態
(光ファイバプリロールカセット)
図1(a)は第1の実施形態に係る光ファイバプリロールカセットを示す上面図、図1(b)は同じくその光ファイバプリロールカセットの蓋部を外した状態を示す模式図である。また、図2は光ファイバプリロールカセットの構造を示す断面図、図3は、カセット本体を示す上面図である。
本実施形態の光ファイバプリロールカセット(以下、単に「カセット」ともいう)10は、カセット本体11と、該カセット本体11に被せる蓋部16とを有している。これらのカセット本体11及び蓋部16は、いずれも透明又は半透明の樹脂(プラスチック)の薄板により形成されている。光ファイバプリロールカセット10の外形寸法は例えば13cmである。
カセット本体11には、図1〜図3に示すように、その周面に光ファイバを巻き取る巻取部12と、該巻取部12の周囲に配置されて蓋部16を回転可能に係止する係止部13とを有している。巻取部12の直径は光ファイバ20の最小曲げ半径の2倍以上であることが好ましく、本実施形態では巻取部12の直径を8cmとしている。光ファイバの最小曲げ半径はメーカー等により規定されており、一般的な光ファイバの最小曲げ半径は15mm程度である。係止部13の上部には、図2に示すように、外側(水平方向)に突出する凸部13aが設けられている。
また、カセット本体11には、図1,図3に示すように、光ファイバ20を巻取部12の周面に導くファイバ導入口14aと、光ファイバ20を巻取部12の周面から当該カセット10の外に導出するファイバ導出口14bとが設けられている。これらのファイバ導入口14a及びファイバ導出口14bにそれぞれ保護材(図示せず)を介して光ファイバ20の所定の部分を配置し、図1に示すように、これらのファイバ導入口14a及びファイバ導出口14b間の光ファイバ20をファイバ導入口14a及びファイバ導出口14bに近い側からそれぞれ巻取部12に同一方向に巻き付けて収納する。
本実施形態では、ファイバ導入口14aからファイバ導出口14bまでの光ファイバ20の長さが10mに設定されている。なお、ファイバ導入口14aからファイバ導出口14bまでの光ファイバ20の長さは、例えばラックへの敷設に必要な長さと最小加熱長との合計よりも長くすることが好ましい。最小加熱長については後述する。
図2に示すように、蓋部16の下端には外側(水平方向)に突出する凸部17が設けられている。この凸部17の内側(凹部)がカセット本体11の係止部13の凸部13aに引っかかって、蓋部16がカセット本体11に回転可能な状態で係止される。但し、蓋部16を強く引き上げると弾性変形して凸部17が係止部13から外れ、蓋部16とカセット本体11とを容易に分離することができる。
蓋部16の上部には、当該カセット10に収納した光ファイバ20をその折り返し点側から引き出すための開口部が設けられている。以下、この開口部を、光ファイバ引出口18という。図1に示すように、光ファイバ20が右巻きに巻かれている場合、蓋部16を左方向に回転すると、カセット本体11(巻取部12)から光ファイバ20が巻き解かれて、光ファイバ引出口18から光ファイバ20が引き出される。逆に、蓋部16を右方向に回転すると、光ファイバ20が巻取部12の周面に巻き取られ、光ファイバ引出口18から導出している光ファイバ20の長さが短くなる。
(光ファイバプリロールアセンブリ)
図4は、光ファイバプリロールアセンブリを示す模式図である。この図4に示すように、光ファイバプリロールアセンブリは、1本の光ファイバ20に複数の光ファイバプリロールカセット10を取り付けたものである。光ファイバ20の両端にはそれぞれ光コネクタ21が取り付けられており、光ファイバ20はこれらの光コネクタ21を介して光ファイバ測定装置や他の光ファイバと接続される。光コネクタ21からカセット10までの間、及び各カセット10間の距離は予め設定された値に調整されている。
また、各カセット10にはそれぞれ10m分の光ファイバ20が収納され、ラック内に敷設するのに必要な長さの光ファイバ20が光ファイバ引出口から引き出されている。なお、光ファイバ20には、基準点(例えば光コネクタ21の位置)からの距離を示すメーターマークが一定のピッチで設けられている。
以下、上述の光ファイバプリロールアセンブリを使用した温度測定について説明する前に、実施形態の理解を容易にするための予備的事項について説明する。
(計算機ルーム)
図5は、中・大規模計算機ルームの一例を示す模式図である。この図5に示すように、計算機ルームの室内は、機器設置エリア30と、フリーアクセスフロア35とに分離されている。機器設置エリア30には複数のラック(サーバラック)31が配置されており、各ラック31にはそれぞれ複数の計算機(ブレードサーバ等)が収納されている。また、機器設置エリア30には、管理者が通行するための通路や計算機の管理に必要な管理スペースが設けられている。
フリーアクセスフロア35は、機器設置エリア30の床下に設けられている。このフリーアクセスフロア35には、各ラック31に接続される電力ケーブルや通信ケーブル等の各種ケーブル36がケーブルダクト37に収納されて配置されている。
フリーアクセスフロア35には空調機39から冷風が供給され、温度がほぼ一定に維持される。機器設置エリア30の床下には通風口(グリル)32が設けられており、この通風口32を介してフリーアクセスフロア35からラック31の吸気口近傍に冷風を供給し、ラック31内の計算機を冷却するようになっている。
(光ファイバ測定装置)
図6は光ファイバ測定装置(Distributed Temperature Sensor:DTS)の構成を示す模式図である。また、図7は後方散乱光のスペクトルを示す図である。
図6に示すように、光ファイバ測定装置は、レーザ光源41と、レンズ42a,42bと、ビームスプリッタ43と、光ファイバ44と、波長分離部45と、光検出器46とを有している。
レーザ光源41からは、所定のパルス幅のレーザ光が一定の周期で出力される。このレーザ光は、レンズ42a、ビームスプリッタ43及びレンズ42bを通って光ファイバ44の光源側端部から光ファイバ44内に進入する。なお、図6において、44aは光ファイバ44のコアを示し、44bは光ファイバ44のクラッドを示している。
光ファイバ44内に進入した光の一部は、光ファイバ44を構成する分子により後方散乱される。後方散乱光には、図7に示すように、レイリー(Rayleigh)散乱光と、ブリルアン(Brillouin)散乱光と、ラマン(Raman)散乱光とが含まれる。レイリー散乱光は入射光と同一波長の光であり、ブリルアン散乱光及びラマン散乱光は入射波長からシフトした波長の光である。
ラマン散乱光には、入射光よりも長波長側にシフトしたストークス光と、入射光よりも短波長側にシフトした反ストークス光とがある。ストークス光及び反ストークス光のシフト量はレーザ光の波長や光ファイバ44を構成する物質等に依存するが、通常50nm程度である。また、ストークス光及び反ストークス光の強度はいずれも温度により変化するが、ストークス光は温度による変化量が小さく、反ストークス光は温度による変化量が大きい。すなわち、ストークス光は温度依存性が小さく、反ストークス光は温度依存性が大きいということができる。
これらの後方散乱光は、図6に示すように、光ファイバ44を戻って光源側端部から出射する。そして、レンズ42bを透過し、ビームスプリッタ43により反射されて、波長分離部45に進入する。
波長分離部45は、波長に応じて光を透過又は反射するビームスプリッタ51a,51b,51cと、特定の波長の光のみを透過する光学フィルタ53a,53b,53cと、光学フィルタ53a,53b,53cを透過した光をそれぞれ光検出器46の受光部46a,46b,46cに集光する集光レンズ54a,54b,54cとにより構成されている。
波長分離部45に入射した光は、ビームスプリッタ51a,51b,51c及び光学フィルタ53a,53b,53cによりレイリー散乱光、ストークス光及び反ストークス光に分離され、光検出器46の受光部46a,46b,46cに入力される。その結果、受光部46a,46b,46cからはレイリー散乱光、ストークス光及び反ストークス光の強度に応じた信号が出力される。前述したように、ストークス光は温度依存性が小さく、反ストークス光は温度依存性が大きいので、両者の比により後方散乱が発生した位置の温度を評価することができる。
なお、光検出器46に入力される後方散乱光のパルス幅は光ファイバ44の長さに関係する。このため、レーザ光源41から出力されるレーザパルスの間隔は、各レーザパルスによる後方散乱光が重ならないように設定される。また、レーザ光のパワーが高すぎると誘導ラマン散乱状態になって正しい計測ができなくなる。このため、誘導ラマン散乱状態にならないようにレーザ光源41のパワーを制御することが重要である。
ところで、光ファイバ44内で発生した後方散乱光は、光ファイバ44を戻る間に減衰する。そのため、後方散乱が発生した位置における温度を正しく評価するためには、光の減衰を考慮することが必要である。
図8は、横軸に時間をとり、縦軸に光検出器の受光部から出力される信号強度をとって、ラマン散乱光の強度の時系列分布の一例を示す図である。光ファイバにレーザパルスを入射した直後から一定の間、光検出器にはストークス光及び反ストークス光が検出される。光ファイバの全長にわたって温度が均一の場合、レーザパルスが光ファイバに入射した時点を基準とすると、信号強度は時間の経過とともに減少する。この場合、横軸の時間は光ファイバの光源側端部から後方散乱が発生した位置までの距離を示しており、信号強度の経時的な減少は光ファイバによる光の減衰を示している。
光ファイバの長さ方向にわたって温度が均一でない場合、例えば長さ方向に沿って高温部及び低温部が存在する場合は、ストークス光及び反ストークス光の信号強度は一様に減衰するのではなく、図8に示すように信号強度の経時変化を示す曲線に山及び谷が現れる。図8において、ある時間tにおける反ストークス光の強度をI1、ストークス光の強度をI2とする。
図9は、図8のラマン散乱光の強度の時系列分布を基にI1/I2比を時間毎に計算し、且つ図8の横軸(時間)を距離に換算し、縦軸(信号強度)を温度に換算した結果を示す図である。この図9に示すように、反ストークス光とストークス光との強度比(I1/I2)を計算することにより、光ファイバの長さ方向における温度分布を測定することができる。
なお、後方散乱が発生した位置におけるラマン散乱光(ストークス光及び反ストークス光)の強度は温度により変化するが、レイリー散乱光の強度は温度に依存しないと考えられる。従って、レイリー散乱光の強度から後方散乱が発生した位置を特定し、その位置に応じて光検出器で検出したストークス光及び反ストークス光の強度を補正することが好ましい。
(最小加熱長)
以下、図10,図11を参照して最小加熱長について説明する。
レーザ光源41から出力されるレーザ光のパルス幅(ON時間)t0を10nsec、真空中の光の速度cを3×108m/sec、光ファイバ44のコア44bの屈折率nを1.5とすると、光ファイバ44内におけるレーザ光のパルス幅Wは、下記(1)式に示すように約2mとなる。
W=t0・c/n=10(nsec)・3×108(m/sec)/1.5≒2(m) …(1)
このパルス幅分のレーザ光の後方散乱光は光検出器46に1つの信号として取り込まれ、光検出器46はこのパルス幅分の信号の積算値から温度を検出する。そのため、光ファイバのうちパルス幅Wに相当する長さに均一に熱を加えないと正確な温度計測ができない。以下、正確な温度計測に必要な最小加熱長をLminという。
図10(a)に示す実温度分布で光ファイバを加熱した場合、すなわち光ファイバのうち長さLの部分のみを均一に加熱した場合(以下、このような温度分布をステップ型温度分布という)、光ファイバ測定装置で得られる温度分布(以下、「計測温度分布」という)は、図10(b)に示すようにガウシアン分布(正規分布)状の曲線を描く。図11に示すように加熱部の長さLが最小加熱長Lminよりも短い場合は、計測温度分布のピークが低くなり、加熱部の長さLが長くなれば計測温度分布のピークは高くなる。計測温度と加熱温度との差を小さく(例えば±5%以内)するためは、加熱部の長さLを最小加熱長Lmin以上とすることが必要になる。
また、図11に示すように、加熱部の長さLが短い場合には、2つの加熱部が近接していても計測温度分布は重ならない。しかし、加熱部の長さLが最小加熱長Lmin以上の場合は、2つの加熱部の間の距離が最小加熱長Lmin以上離れていなければ、各加熱部の計測温度分布が重なってしまう。
図12は、横軸に光ファイバの長さ方向の位置をとり、縦軸に温度をとって、温度が25℃の環境に光ファイバを配置し、光源から5mの位置を中心に80℃の熱をステップ型温度分布となるように印加した場合の計測温度分布を示す図である。ここでは、加熱部の長さを、それぞれ40cm、1m、1.6m、2.2mとしている。この図12からもわかるように、加熱部の長さが2m(最小加熱長Lmin)よりも短い場合は計測温度分布のピークは実温度よりも低く観測され、加熱部の長さが2m以上の場合は計測温度分布のピークと実温度とがほぼ一致する。また、図12から、加熱部のエッジから約1m(最小加熱長Lminの約1/2)以上離れた位置では、加熱部の影響をほとんど受けないこともわかる。
なお、加熱部の長さが最小加熱長Lmin以下の場合や加熱部間の距離が最小加熱長Lmin以下の場合は、後述の伝達関数を用いた補正を行うことにより、実際の温度を比較的良好な精度で推定することができる。また、測定ポイントは最小加熱長と関係なく、光ファイバ測定装置のサンプリング周波数に基づいて決定される。光ファイバ測定装置において平均化に要する時間等の実用的な計測時間を考慮すると、測定ポイントの間隔は25〜50cm程度にすることが可能である。
(伝達関数)
図13は、横軸に加熱中心からの距離をとり、縦軸に相対強度をとって、光ファイバ測定装置における伝達関数の一例を示す図である。伝達関数は、光ファイバ測定装置のインパルス応答特性にほぼ等しいものとなる。図13に示す伝達関数を例えば図12のステップ型温度分布に対し畳み込み(コンボリューション)すると、図12のガウシアン曲線形状の計測温度分布となる。これと同様に、ラック内の実温度分布に伝達関数を畳み込みすると、光ファイバ測定装置で計測したときの計測温度分布が得られる。また、計測温度分布に対し伝達関数の逆関数(逆補正関数)を用いて補正(デコンボリューション)を行うと、実温度分布に近似の温度分布(補正後の計測温度分布)が得られる。
伝達関数は、光ファイバが群遅延特性を有しているため、距離に応じて変化する。そのため、光ファイバの全長にわたって伝達関数を一義的に定義することはできない。しかし、短い距離範囲であれば、光信号の損失や遅延は一様であるとみなして伝達関数を定義することができる。伝達関数は、光源からの距離だけでなく光ファイバの種類によっても異なる。
(温度測定方法)
図14は、第1の実施形態の光ファイバプリロールアセンブリを用いた光ファイバの敷設例を示す模式図である。
図14に示す例では、空調機により温度がほぼ一定に維持されるフリーアクセスフロア35に光ファイバプリロールカセット10を配置し、そこから光ファイバ20を引き出して機器設置エリア30のラック(温度測定対象)31内に光ファイバ20を敷設している。図4に示すように、1本の光ファイバ20には複数のカセット10が取り付けられている。この例では1つのラック31に1つのカセット10が対応するが、ラック31の増設を考慮してカセット10を余分に設けておくことが好ましい。
各ラック31にはそれぞれ複数の計算機33が格納されている。ここでは、図示した2つのラック31のうちの一方(右側のラック)には全ての計算機収納スペースに計算機33が収納されており、他方(左側のラック)には一部の計算機収納スペースに計算機33が収納されていないものとする。カセット10から引き出された光ファイバ20は、各計算機33の排気ファンの近傍を通るように、且つラック31を下から上まで往復するように配置される。
カセット10からラック31までの距離が約0.5m、ラック31の高さが約2mとすると、カセット10から引き出される光ファイバ20の長さは約5mである。従って、カセット10内には、ラック導入側及びラック導出側の光ファイバ20がそれぞれ2.5mづつ収納されていることになる。なお、カセット10間の光ファイバ20の長さは各ラック間の距離に応じて設定される。ここでは、カセット10間の光ファイバ20の長さは1mとする。
前述したように、最小加熱長Lminが2mであるとすると、熱源から1m(Lminの1/2)以上離れていれば、熱源の影響を受けることなく温度を高精度に測定することができる(図12参照)。本実施形態では、カセット10内にラック導入側及びラック導出側の光ファイバ20をそれぞれ2.5m(Lminの1/2以上)づつ収納しているので、ラック31内の温度の影響を受けることなく、カセット10が配置された位置の温度(フリーアクセスフロア35の温度)を精度よく測定することができる。また、カセット10内に収納された光ファイバ20により、隣接するラック31の影響(クロストーク)を受けることなく、個々のラック31の温度を測定することができる。
図15は、横軸に光ファイバの長さ方向の位置をとり、縦軸に温度をとって、光ファイバ測定装置による温度分布の測定結果の例を示す図である。本実施形態では、ラック導入側及びラック導出側の光ファイバが同一のカセット10内に最小加熱長Lminの1/2以上の長さにわたって収納されているので、図15に示すように、各ラック31の温度分布の両側(図中丸で示す部分)の温度が同一になり、且つ温度の測定精度も高い。この温度を基準にしてラック31内の温度分布(計測温度分布)に対し逆補正(デコンボリューション)を行うことにより、実温度に近似の温度分布(補正後の温度分布)が得られる。
図16は、横軸に光ファイバの長さ方向の位置をとり、縦軸に温度をとって、光ファイバ測定装置による計測温度(補正前)、補正後の計測温度、及び熱電対により計測した温度の例を示す図である。この図16に示すように、補正後の温度は熱電対により測定した温度とほぼ一致している。このことから、本実施形態によれば、ラック内の温度分布を良好な精度で測定できることがわかる。
(光ファイバの増設)
増設するラックの数が少ない場合は、前述したように予めカセット10を余分に設けておくことにより対応できる。しかし、増設するラックの数が多い場合は、光ファイバ(光ファイバプリロールアセンブリ)を増設する必要がある。
図17は光ファイバの増設を示す模式図、図18は光ファイバ増設時の処理を示すフローチャートである。ここでは、既設の光ファイバ20aと光ファイバ20bとの間に光ファイバ20cを増設するものとする。各光ファイバ20a〜20cには、それぞれ複数のカセット10が取り付けられている。また、ここでは説明を簡単にするために、各光ファイバ20a〜20cの屈折率は同じであるとする。更に、各光ファイバ20a〜20cの長さは既知であるとする。
なお、光ファイバ測定装置40は図6に示す光ファイバ測定装置と基本的に同一の構造を有し、一定時間毎に入力と出力とを切り替える光スイッチ40aを介して光ファイバ20a,20bと接続されている。
まず、ステップS11において、オペレータはコネクタ21を介して光ファイバ20aと光ファイバ20bとの間に光ファイバ20cを接続(増設)する。その後、ステップS12において、オペレータは光ファイバ測定装置40に各光ファイバ20a〜20cの接続状態や各光ファイバ20a〜20cの長さなどの情報を入力する。各光ファイバ20a〜20cにはそれぞれ基準点(例えばコネクタの位置)からの距離を示すメーターマークが一定のピッチで設けられており、その情報も光ファイバ測定装置40に入力される。
次に、ステップS13において、光ファイバ測定装置40から光ファイバ20a〜20cにレーザ光を出力し、反射光(後方散乱光)を検出する。図19は、横軸に光ファイバの長さ方向の位置をとり、縦軸に反射光の強度をとって、それらの関係を示す図である。レーザ光の伝播にともなってレーザ光の強度が減衰するため、光源から遠い場所で後方散乱した光ほど光ファイバ測定装置40で検出される光量は小さくなる。但し、各光ファイバ20a〜20c間をコネクタ21により接続した場合は、図19に示すように光量の変化が一様ではなく、接続部での光反射により光量の変化を示す曲線に段差が発生する。光ファイバ測定装置40は、段差が発生した箇所を検出し、その結果と予め入力された情報とに基づいて光ファイバ20a〜20cを認識する。
次に、ステップS14において、光ファイバ測定装置40は、反射光の到達時間から段差が発生した箇所間の距離を算出し、その結果と予め入力された光ファイバ20a〜20cの長さを比較する。そして、光ファイバ測定装置40は、反射光の到達時間から算出した光ファイバ20a〜20cの長さ(算出値)と実際の光ファイバ20a〜20cの長さ(入力値)とが一致するように、時間と距離との変換データを校正する。
次いで、ステップS15に移行し、光ファイバ測定装置40は、サンプリング周波数により決定される測定ポイントの位置と光ファイバ20a〜20cに設けられたメーターマークとを対応させて記憶する。
このようにして、光ファイバ増設後に光ファイバ測定装置の校正処理を実行して測定ポイントとメーターマークとを対応させておくことにより、光ファイバ測定装置により認識される測定ポイントと実際の測定ポイントとのずれを少なくすることができる。その結果、温度分布の測定精度が向上するという効果が得られる。
(変形例)
図20は、第1の実施形態の変形例を示す模式図である。この図20に示す例では、1本の光ファイバ20に複数の光ファイバプリロールカセット10が取り付けられている。また、光ファイバ20の両端にはそれぞれ光コネクタ21が設けられており、これらの光コネクタ21を介して光ファイバ20を光ファイバ測定装置又は他の光ファイバに接続するようになっている。
各光ファイバプリロールカセット10に収納される光ファイバ20には、メーターマーク(第1のマーク)とは別に、位置マーク(第2のマーク)23が一定のピッチで設けられている。例えば、メーターマークは20cm毎に設けられており、位置マーク23は50cm毎に設けられている。なお、カセット10間の光ファイバ20には位置マーク23は設けられていない。
位置マーク23は例えばシアン、マゼンダ及びイエロー等の複数の色を組み合わせて構成されており、カセット10のファイバ導入口からの距離と、光ファイバ20の向き(位置マーク23のどちら側がファイバ導入口側か)とを示している。同一カセット10内では同一の色の組み合わせはないが、各カセット10にはファイバ導入口からの距離に応じた色の組み合わせの位置マーク23が配置されている。
図21には、一例として第1番目から第9番目までの位置マーク23を示している。この図21において、Cはシアン、Mはマゼンダ、Yはイエローを示している。また、図の右側がファイバ導入口側であることを示している。光ファイバ20にはカセット10のファイバ導入口から例えば50cm毎に、これらの位置マーク23が順番に配置されている。
また、図20に示す例では、各カセット10にバーコード(識別子)25が表示されている。このバーコード25には、例えば図22に示すように、商品コード、製造年月日、入口位置(ファイバ導入口)及び出口位置(ファイバ導出口)における光ファイバの長さ(例えばコネクタの位置からファイバ導入口及びファイバ導出口までの長さ)、1つ前のカセット出口位置、1つ後のカセット入口位置などの情報が記録されている。
この変形例の光ファイバプリロールカセット10では、各カセット10に表示されたバーコード25により光ファイバ20のどの位置に配置されたカセット10であるのかを容易に把握することができる。また、ラック内に敷設される光ファイバ20には色彩による位置マーク23が設けられているので、ラック内の光ファイバ20の敷設状態を容易に把握することができる。例えば、カメラによりラック内に敷設された光ファイバ20を撮影してその画像を画像認識処理することにより、ラック内の光ファイバ20の敷設状態を自動的に解析することも可能である。
2.第2の実施形態
図23(a),(b)は第2の実施形態に係る光ファイバプリロールカセットを上から見た状態を示す模式図であり、図24(a),(b)は同じくその光ファイバプリロールカセットの断面図である。
本実施形態の光ファイバプリロールカセット60は、カセット本体61と、該カセット本体61に被せる蓋部66とを有している。カセット本体61は、第1の実施形態と同様にその周面に光ファイバ20を巻き取る円筒状の巻取部62と、巻取部62の周囲に配置されて蓋部66を回転可能に係止する係止部63とを有している。但し、係止部63には上下方向に離隔して2つの凸部63a,63bが設けられている点が第1の実施形態と異なる。
また、カセット61には、第1の実施形態と同様に、ファイバ導入口及びファイバ導出口(いずれも図示せず)が設けられており、これらのファイバ導入口及びファイバ導出口に光ファイバ20の所定の部分を配置するようになっている。ファイバ導入口及びファイバ導出口間の光ファイバ20は、ファイバ導入口及びファイバ導出口に近い側からそれぞれ巻取部62に同一方向(図23では左巻き)に巻き付けて収納される。
一方、蓋部66の上面には、当該カセット60に収納した光ファイバ20をその折り返し点側から引き出すための円形の開口部67と、開口部67に接続する“U”字状の切り欠き部67aとが設けられている。また、蓋部66の下端には、外側(水平方向)に突出する凸部68が設けられている。この凸部68の内側(凹部)がカセット本体61の係止部63の凸部63a,63bに引っかかって、蓋部66がカセット本体61に回転可能な状態で係止される。
本実施形態においてカセット60から光ファイバ20を引き出すときには、図24(b)に示すように、蓋部66の凸部68がカセット本体61の凸部63aに引っかかるまで蓋部66を持ち上げて、カセット本体61と蓋部66との隙間を大きくする。これにより、蓋部66を回転することなく、開口部67を介して光ファイバ20を簡単に引き出すことができる。
一方、カセット10に光ファイバ20を巻き取るときには、図24(a)に示すように蓋部66の凸部68がカセット本体61の凸部63bに引っかかるまで押し下げた状態で、図23(b)に示すように蓋部66を左方向に回転させる。これにより、光ファイバ20が“U”字状の切り欠き部67aに案内されて、巻取部62の周面に巻き取られる。
本実施形態の光ファイバプリロールカセット60も、第1の実施形態と同様にして使用する。本実施形態の光ファイバプリロールカセット60は、第1の実施形態と同様の効果を得ることができるのに加えて、光ファイバ20の引き出しが容易であるという利点がある。
以下、本発明の諸態様を、付記としてまとめて記載する。
(付記1)光ファイバと、前記光ファイバの長さ方向に相互に離隔して配置された複数の光ファイバプリロールカセットとを具備し、
前記光ファイバプリロールカセットはいずれも、カセット本体と、前記カセット本体に被せる蓋部とを有し、
前記カセット本体は、巻取部と、ファイバ導入口及びファイバ導出口とを備え、
前記ファイバ導入口及び前記ファイバ導出口にはそれぞれ前記光ファイバの所定の部分が配置され、
前記巻取部には前記ファイバ導入口と前記ファイバ導出口との間の前記光ファイバが前記ファイバ導入口及び前記ファイバ導出口に近い側から順に同一方向に巻き付けられ、
前記蓋部には前記ファイバ導入口と前記ファイバ導出口との間の前記光ファイバをその折り返し点側から引き出し可能な開口部を備えることを特徴とする光ファイバプリロールアセンブリ。
(付記2)前記光ファイバには、所定の基準位置からの距離を示す第1のマークが長さ方向に沿って一定のピッチで配置されていることを特徴とする付記1に記載の光ファイバプリロールアセンブリ。
(付記3)前記複数の光ファイバプリロールカセットの前記ファイバ導入口と前記ファイバ導出口との間の光ファイバには、いずれも当該光ファイバプリロールカセットの前記光ファイバ導入口からの長さ方向の位置及び光ファイバの向きを示す第2のマークが設けられていることを特徴とする付記2に記載の光ファイバプリロールアセンブリ。
(付記4)前記第2のマークが複数の色の組み合わせにより形成されていることを特徴とする付記3に記載の光ファイバプリロールアセンブリ。
(付記5)前記複数の光ファイバプリロールカセットにはそれぞれ固有の識別子が表示されていることを特徴とする付記1に記載の光ファイバプリロールアセンブリ。
(付記6)カセット本体と、
前記カセット本体に被せる蓋部とを有し、
前記カセット本体は、巻取部と、ファイバ導入口及びファイバ導出口とを備え、
前記ファイバ導入口及びファイバ導出口にはそれぞれ前記光ファイバの所定の部分が配置され、
前記巻取部には前記ファイバ導入口と前記ファイバ導出口との間の前記光ファイバが前記ファイバ導入口及び前記ファイバ導出口に近い側から順に同一方向に巻き付けられ、
前記蓋部には前記ファイバ導入口と前記ファイバ導出口との間の前記光ファイバをその折り返し点側から引き出し可能な開口部を備えることを特徴とする光ファイバプリロールカセット。
(付記7)前記蓋部は、前記カセット本体に回転可能に取り付けられていることを特徴とする付記6に記載の光ファイバプリロールカセット。
(付記8)光ファイバを光ファイバ測定装置に接続し、前記光ファイバにレーザ光を照射してその反射光により前記光ファイバの長さ方向の温度分布を測定する温度測定方法において、
前記光ファイバの長さ方向に沿って複数の光ファイバプリロールカセットを配置し、
前記光ファイバプリロールカセットを温度測定対象の外に配置し、前記光ファイバプリロールカセットから引き出した前記光ファイバを前記温度測定対象内に敷設することを特徴とする温度測定方法。
(付記9)前記光ファイバプリロールカセットには、前記温度測定対象に導入する側及び前記温度測定対象から導出する側の光ファイバがそれぞれ前記光ファイバ測定装置により決まる最小加熱長の1/2以上の長さで収納されていることを特徴とする付記8に記載の温度測定方法。
(付記10)前記光ファイバ測定装置は、光ファイバ相互の接続部からの光の反射により各光ファイバ間の距離を検出し、その値と予め設定された各光ファイバの長さとに応じて時間と距離との換算データを自動的に校正することを特徴とする付記8に記載の温度測定方法。
10…光ファイバプリロールカセット、11…カセット本体、12…巻取部、13…係止部、13a…凸部、14a…導入口、14b…導出口、16…蓋部、17…凸部、18…光ファイバ引出口、20,20a〜20c…光ファイバ、21…光コネクタ、23…位置マーク、25…バーコード、30…機器設置エリア、31…ラック、32…通風口、33…計算機、35…フリーアクセスフロア、36…各種ケーブル、37…ケーブルダクト、39…空調機、40…光ファイバ測定器、40a…光スイッチ、41…レーザ光源、42a,42b…レンズ、43…ビームスプリッタ、44…光ファイバ、45…波長分離部、46…光検出器、51a〜51c…ビームスプリッタ、53a〜53c…光学フィルタ、54a〜54c…集光レンズ、60…光ファイバプリロールカセット、61…カセット本体、62…巻取部、63…係止部、63a,63b…凸部、66…蓋部、67…開口部、67a…切り欠き部。

Claims (7)

  1. 光ファイバと、前記光ファイバの長さ方向に相互に離隔して配置された複数の光ファイバプリロールカセットとを具備し、
    前記光ファイバプリロールカセットはいずれも、カセット本体と、前記カセット本体に被せる蓋部とを有し、
    前記カセット本体は、巻取部と、ファイバ導入口及びファイバ導出口とを備え、
    前記ファイバ導入口及び前記ファイバ導出口にはそれぞれ前記光ファイバの所定の部分が配置され、
    前記巻取部には前記ファイバ導入口と前記ファイバ導出口との間の前記光ファイバが前記ファイバ導入口及び前記ファイバ導出口に近い側から順に同一方向に巻き付けられ、
    前記蓋部には前記ファイバ導入口と前記ファイバ導出口との間の前記光ファイバをその折り返し点側から引き出し可能な開口部を備えることを特徴とする光ファイバプリロールアセンブリ。
  2. 前記光ファイバには、所定の基準位置からの距離を示す第1のマークが長さ方向に沿って一定のピッチで配置されていることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバプリロールアセンブリ。
  3. 前記複数の光ファイバプリロールカセットの前記ファイバ導入口と前記ファイバ導出口との間の光ファイバには、いずれも当該光ファイバプリロールカセットの前記光ファイバ導入口からの長さ方向の位置及び光ファイバの向きを示す第2のマークが設けられていることを特徴とする請求項2に記載の光ファイバプリロールアセンブリ。
  4. 前記複数の光ファイバプリロールカセットにはそれぞれ固有の識別子が表示されていることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバプリロールアセンブリ。
  5. カセット本体と、
    前記カセット本体に被せる蓋部とを有し、
    前記カセット本体は、巻取部と、ファイバ導入口及びファイバ導出口とを備え、
    前記ファイバ導入口及びファイバ導出口にはそれぞれ前記光ファイバの所定の部分が配置され、
    前記巻取部には前記ファイバ導入口と前記ファイバ導出口との間の前記光ファイバが前記ファイバ導入口及び前記ファイバ導出口に近い側から順に同一方向に巻き付けられ、
    前記蓋部には前記ファイバ導入口と前記ファイバ導出口との間の前記光ファイバをその折り返し点側から引き出し可能な開口部を備えることを特徴とする光ファイバプリロールカセット。
  6. 光ファイバを光ファイバ測定装置に接続し、前記光ファイバにレーザ光を照射してその反射光により前記光ファイバの長さ方向の温度分布を測定する温度測定方法において、
    前記光ファイバの長さ方向に沿って複数の光ファイバプリロールカセットを配置し、
    前記光ファイバプリロールカセットを温度測定対象の外に配置し、前記光ファイバプリロールカセットから引き出した前記光ファイバを前記温度測定対象内に敷設することを特徴とする温度測定方法。
  7. 前記光ファイバ測定装置は、光ファイバ相互の接続部からの光の反射により各光ファイバ間の距離を検出し、その値と予め設定された各光ファイバの長さとに応じて時間と距離との換算データを自動的に校正することを特徴とする請求項6に記載の温度測定方法。
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