JP6791374B2 - 温度測定装置、温度測定方法および温度測定プログラム - Google Patents

温度測定装置、温度測定方法および温度測定プログラム Download PDF

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Description

本件は、温度測定装置、温度測定方法および温度測定プログラムに関する。
光源から光ファイバに光を入射した際に当該光ファイバからの後方散乱光に含まれるストークス光およびアンチストークス光を用いて、光ファイバの延伸方向の温度分布を測定する技術が開発されている(例えば、特許文献1,2参照)。
特開平7−218354号公報 特開2014−167399号公報
後方散乱光は、光ファイバの劣化などの要因により減衰する。ストークス光の減衰比とアンチストークス光の減衰比とが異なると、温度測定に誤差が生じる。
1つの側面では、本件は、温度測定の誤差を補正することができる温度測定装置、温度測定方法および温度測定プログラムを提供することを目的とする。
1つの態様では、温度測定装置は、定区間の前後に同じ温度状態の2点が設けられた光ファイバと、前記光ファイバに光を入射する光源と、前記光ファイバからの後方散乱光に基づいて前記光ファイバの延伸方向の温度分布を測定する温度測定部と、前記2点に対して前記温度測定部が測定した温度の差が閾値以上となるか否かを判定する判定部と、前記判定部により前記温度の差が前記閾値以上となると判定された場合に、前記2点それぞれの前記後方散乱光に含まれるストークス成分とアンチストークス成分とを用いて、前記温度測定部が測定した前記所定区間の温度分布を補正する補正部と、を備える。
温度測定の誤差を補正することができる。
(a)は実施形態に係る温度測定装置の全体構成を表す概略図であり、(b)は制御部のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。 後方散乱光の成分を表す図である。 (a)はレーザによる光パルス発光後の経過時間とストークス成分およびアンチストークス成分の光強度との関係を例示する図であり、(b)は(a)の検出結果を用いて算出した温度である。 (a)〜(c)は比較的短い距離範囲における光ファイバ内の各位置の測定温度を例示する図である。 (a)は光ファイバの劣化前後におけるストークス成分およびアンチストークス成分の光強度を例示する図であり、(b)は劣化前後において同じ温度分布の区間の温度を測定した結果を例示する図である。 同温度区間を例示する図である。 (a)〜(f)は補正処理を例示する図である。 (a)〜(d)は補正処理のシミュレーション結果を例示する図である。 (a)〜(c)は補正処理のシミュレーション結果を例示する図である。 温度測定装置による温度補正処理の一例を表すフローチャートである。 ストークス光とアンチストークス光の光強度の温度依存性を例示する図である。 (a)および(b)は光ファイバの他の敷設例を表す図である。 (a)および(b)は光ファイバの他の敷設例を表す図である。 温度測定システムを例示する図である。
以下、図面を参照しつつ、実施形態について説明する。
(実施形態)
図1(a)は、実施形態に係る温度測定装置100の全体構成を表す概略図である。図1(a)で例示するように、温度測定装置100は、測定機10、制御部20、光ファイバ30などを備える。測定機10は、レーザ11、ビームスプリッタ12、光スイッチ13、フィルタ14、複数の検出器15a,15bなどを備える。制御部20は、指示部21、温度測定部22、劣化判定部23、補正部24などを備える。
図1(b)は、制御部20のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。図1(b)で例示するように、制御部20は、CPU101、RAM102、記憶装置103、インタフェース104などを備える。これらの各機器は、バスなどによって接続されている。CPU(Central Processing Unit)101は、中央演算処理装置である。CPU101は、1以上のコアを含む。RAM(Random Access Memory)102は、CPU101が実行するプログラム、CPU101が処理するデータなどを一時的に記憶する揮発性メモリである。記憶装置103は、不揮発性記憶装置である。記憶装置103として、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリなどのソリッド・ステート・ドライブ(SSD)、ハードディスクドライブに駆動されるハードディスクなどを用いることができる。CPU101が記憶装置103に記憶されている温度測定プログラムを実行することによって、制御部20に指示部21、温度測定部22、劣化判定部23および補正部24が実現される。なお、指示部21、温度測定部22、劣化判定部23および補正部24は、専用の回路などのハードウェアであってもよい。
レーザ11は、半導体レーザなどの光源であり、指示部21の指示に従って所定の波長範囲のレーザ光を出射する。本実施形態においては、レーザ11は、所定の時間間隔で光パルス(レーザパルス)を出射する。ビームスプリッタ12は、レーザ11が出射した光パルスを光スイッチ13に入射する。光スイッチ13は、入射された光パルスの出射先(チャネル)を切り替えるスイッチである。後述するダブルエンド方式では、光スイッチ13は、指示部21の指示に従って、光ファイバ30の第1端および第2端に一定周期で交互に光パルスを入射する。後述するシングルエンド方式では、光スイッチ13は、指示部21の指示に従って、光ファイバ30の第1端または第2端のいずれか一方に光パルスを入射する。光ファイバ30は、温度測定対象の所定の経路に沿って配置されている。本実施形態においては、光ファイバ30の長さをLメートル(m)とし、第1端の位置を0メートル(m)とし、第2端の位置をLメートル(m)とする。
光ファイバ30に入射した光パルスは、光ファイバ30を伝搬する。光パルスは、伝搬方向に進行する前方散乱光および帰還方向に進行する後方散乱光(戻り光)を生成しながら徐々に減衰して光ファイバ30内を伝搬する。後方散乱光は、光スイッチ13を通過してビームスプリッタ12に再度入射する。ビームスプリッタ12に入射した後方散乱光は、フィルタ14に対して出射される。フィルタ14は、WDMカプラなどであり、後方散乱光を長波長成分(後述するストークス成分)と短波長成分(後述するアンチストークス成分)とを抽出する。検出器15a,15bは、受光素子である。検出器15aは、後方散乱光の短波長成分の受光強度を電気信号に変換して温度測定部22に送信する。検出器15bは、後方散乱光の長波長成分の受光強度を電気信号に変換して温度測定部22に送信する。温度測定部22は、ストークス成分およびアンチストークス成分を用いて、光ファイバ30の延伸方向の温度分布を測定する。劣化判定部23は、ストークス成分およびアンチストークス成分を用いて、光ファイバ30に劣化が生じているか否かを判定する。劣化判定部23により、光ファイバ30に劣化が生じていると判定された場合に、補正部24は、温度測定部22が取得した温度分布を補正する。
図2は、後方散乱光の成分を表す図である。図2で例示するように、後方散乱光は、大きく3種類に分類される。これら3種類の光は、光強度の高い順かつ入射光波長に近い順に、OTDR(光パルス試験器)などに使用されるレイリー散乱光、歪測定などに使用されるブリルアン散乱光、温度測定などに使用されるラマン散乱光である。ラマン散乱光は、温度に応じて変化する光ファイバ30内の格子振動と光との干渉で生成される。強めあう干渉によりアンチストークス成分と呼ばれる短波長成分が生成され、弱めあう干渉によりストークス成分とよばれる長波長成分が生成される。
図3(a)は、光ファイバ30の第1端から光入射した場合において、レーザ11による光パルス発光後の経過時間と、ストークス成分(長波長成分)およびアンチストークス成分(短波長成分)の光強度との関係を例示する図である。経過時間は、光ファイバ30における伝搬距離(光ファイバ30における位置)に対応している。図3(a)で例示するように、ストークス成分およびアンチストークス成分の光強度は、両方とも経過時間とともに低減する。これは、光パルスが前方散乱光および後方散乱光を生成しながら徐々に減衰して光ファイバ30内を伝搬することに起因する。
図3(a)で例示するように、アンチストークス成分の光強度は光ファイバ30において高温になる位置では、ストークス成分と比較してより強くなり、低温になる位置では、ストークス成分と比較してより弱くなる。したがって、両成分を検出器15a,15bで検出し、両成分の特性差を利用することによって、光ファイバ30内の各位置の温度を検出することができる。なお、図3(a)において、極大を示す領域は、図1(a)においてドライヤなどで光ファイバ30を意図的に加熱した領域である。また、極小を示す領域は、図1(a)において冷水などで光ファイバ30を意図的に冷却した領域である。
本実施形態においては、温度測定部22は、経過時間ごとにストークス成分とアンチストークス成分とから温度を測定する。それにより、光ファイバ30内における各位置の温度を測定することができる。すなわち、光ファイバ30の延伸方向における温度分布を測定することができる。なお、両成分の特性差を利用することから、距離に応じて両成分の光強度が減衰しても、高精度で温度を測定することができる。図3(b)は、図3(a)の検出結果を用いて算出した温度である。図3(b)の横軸は、経過時間を基に算出した光ファイバ30内の位置である。図3(b)で例示するように、ストークス成分およびアンチストークス成分を検出することによって、光ファイバ30内の各位置の温度を測定することができる。
図4(a)〜図4(c)は、比較的短い距離範囲における光ファイバ30内の各位置の測定温度を例示する図である。まず、図4(b)で例示するように、温度測定部22は、所定のサンプリング周期(所定の距離ごと)で、ストークス成分およびアンチストークス成分を取得する。図4(c)の例では、0.1mごとにストークス成分およびアンチストークス成分が取得されている。次に、温度測定部22は、取得されたストークス成分とアンチストークス成分とから、各サンプリング点での温度を算出する。図4(a)は、各サンプリング点での測定温度をグラフとして表したものである。
光スイッチ13からの光ファイバ30への入射位置が第1端または第2端で固定されている方式は、「片端方式」や「シングルエンド方式」などと呼ばれる(以下、シングルエンド方式と称する)。シングルエンド方式では、入射位置を切り替える必要がないため、温度測定の処理がシンプルになるというメリットがある。一方、入射位置から遠くなるにつれてノイズが大きくなる。
一方、入射位置を一定周期で第1端と第2端とで切り替える方式は、「ループ式測定」や、「ダブルエンド測定」や、「デュアルエンド測定」などと呼ばれる(以下、ダブルエンド方式と称する)。ダブルエンド方式では、切替前後において、アンチストークス光量とストークス光量とを各光ファイバ30の位置で平均化(平均値の算出)することによって温度測定が可能となる。この方式では、入射位置の切替などの制御が必要となる一方で、光ファイバ30の端部におけるノイズが低減されるというメリットがある。例えば、温度分解能が、シングルエンド方式と比較して4倍以上良くなる。
また、経路中に過大な曲げが発生すると伝送損失が発生し、当該地点で光強度が急峻に低下する。この場合、光強度が急峻に低下し、ストークス成分とアンチストークス成分との比が変わり、温度測定精度が低下する。しかしながら、ダブルエンド方式では、平均を取ることで、曲げ損失点前後の急峻な変化を打ち消すことができる、つまり、損失の長さ方向の変化を解消できるというメリットが得られる。
しかしながら、本発明者らの鋭意研究により、ダブルエンド方式を用いても温度測定に誤差が生じることが突き止められた。以下、温度測定に誤差が生じる理由について説明する。
後方散乱光は、光ファイバ30の劣化により減衰する。光ファイバ30の劣化とは、光ファイバ30の経年変化のことであり、具体的には光の漏れや光の吸収などが生じることである。図5(a)は、同温度分布での光ファイバ30の劣化前後における、ストークス成分(ST)およびアンチストークス成分(AS)の光強度を例示する図である。光ファイバ30に劣化が生じていなければ、光ファイバ30によって測定される温度の誤差は小さいため、測定温度を補正しなくてもよい。
図5(a)で例示するように、ストークス成分およびアンチストークス成分の両方とも、劣化前と比較して劣化後には光強度が低下している。しかしながら、光伝搬距離に対するアンチストークス成分の減衰比は、ストークス成分の減衰比よりも大きくなっている。すなわち、アンチストークス成分は、光伝搬距離に対して、大きく減衰していく。このように、ストークス光の減衰比とアンチストークス光の減衰比とが異なるため、温度測定に誤差が生じる。図5(b)は、劣化前後において同じ温度分布の区間の温度を測定した結果を例示する図である。図5(b)で例示するように、劣化前と比較して劣化後では測定温度が大幅に低くなっている。このように、温度測定に誤差が生じてしまう。
そこで、減衰比の差を基準温度やレイリー散乱の減衰等を用いて補正することが考えられる。しかしながら、温度計や温度調整装置の新設、検出器の増設などが必要となってしまう。また、距離に非線形な減衰を補正することは困難である。そこで、本実施形態においては、減衰が起きる区間の前後に同温度区間を設け、当該温度区間のそれぞれのストークス成分とアンチストークス成分との差分を用いて測定温度を補正することで、測定温度の誤差を補正する。
図6で例示するように、高温体40のように光ファイバ30を劣化させる要因を有する区間の前後に、例えば捲回部、ターミネーションケーブル等を用いて同温度区間A,Bを設ける。本実施形態においては、同温度区間Aおよび同温度区間Bは、高温体40に沿って敷設された区間の前後の同じ位置に敷設されている。すなわち、同温度区間Aと同温度区間Bとは、光ファイバ30の延伸方向における位置が異なるが、敷設位置が同じ区間のことである。例えば、同温度区間Aと同温度区間Bとで、光ファイバ30を重ねて捲回してある。同温度区間A,Bの敷設箇所は、高温体40よりも温度が低くなっている。同温度区間Aは、同温度区間Bよりも光入射側に位置する。チャンバなどの温度が一定である閉鎖空間等において、同温度区間A,Bが測定したい区間の前後にあれば、捲回部等がなくてもよい。また1ループに劣化を補正する区間が2つ以上あってもよい。図6の例では、同温度区間が3対設けられている。
光ファイバ30に劣化が生じていなければ、図7(a)で例示するように、距離に対するストークス成分およびアンチストークス成分の減衰比は同等である。図7(a)で、実線がストークス成分を表し、点線がアンチストークス成分を表す。図7(c)および図7(e)でも同様である。図7(b)で例示するように、同温度区間Aと同温度区間Bとで、同じ温度が測定されることになる。
ここで、同温度区間Aにおいて、平均ストークス光強度をSTA、平均アンチストークス光強度をASAとする。同温度区間Bにおいて、平均ストークス光強度をSTB、平均アンチストークス光強度をASBとする。この場合、光ファイバ30に劣化が生じていなければ、下記式(1)が成立する。
STA−ASA=STB−ASB (1)
光ファイバ30の劣化による減衰が起きたときには、図7(c)で例示するように、同温度区間Aと比較して、同温度区間Bにおいてアンチストークス成分がより減衰することになる。この場合、上記式(1)が成立しなくなり、上記式(1)は下記式(2)のようになる。この場合、図7(d)で例示するように、本来であれば同じ温度が測定される同温度区間Aと同温度区間Bとで、測定温度に差が生じるようになる。
STA−ASA=STB−ASB−α (2)
そこで、補正部24は、アンチストークス成分を補正することで、測定温度を補正する。まず、同温度区間Aと同温度区間Bとの間の位置xにおけるアンチストークス成分の光強度AS(x)の線形補正後のAS´(x)は、下記式(3)のように表すことができる。同温度区間B以降の位置xにおけるアンチストークス成分の光強度AS(x)の線形補正後のAS´(x)は、下記式(4)のように表すことができる。ただし、式中でAおよびBは、光ファイバ30における同温度区間Aおよび同温度区間Bの位置を表す。以下、同様とする。
AS´(x)=AS(x)+α(x−A)/(B−A) (3)
AS´(x)=AS(x)+α (4)
劣化した区間において距離に対して線形的に減衰量が変化している場合は、上記の方法で解決できる。しかしながら、温度や雰囲気など光ファイバ30の距離ごとに曝されている環境が異なるため、減衰量の変化は基本的には距離に対して非線形である。非線形な減衰成分を求めるために、まず同温度区間Aと同温度区間Bとの間の位置xにおける正規化したストークス成分st(x)をst(x)=ST(x)−STA+(x−A)(STA−STB)/(B−A)と定義し、アンチストークス成分as(x)をas(x)=AS(x)−ASA+(x−A)(ASA−ASB)/(B−A)と定義する。地点x1を同温度区間A以降で減衰していない最初の位置として、そのasとstとの比βをβ=as(x1)/st(x1)とすれば、βst(x)−as(x)が補正すべき非線形な減衰比による誤差成分に比例する。したがって、非線形補正後のAS´´(x)は、AS´´(x)=AS´(x)+γ(βst(x)−as(x))と表すことができる。γは測定時の光強度に関する定数であり、劣化した区間のなかで温度が既知の場所もしくは位置x1と空間的に近く温度が等しい場所がある場合、以下の温度とST,ASの関係式(5)から求めることができる。
AS/ST={(ω+ω)/(ω−ω)}exp(−hω/2πkT) (5)
ここで入射光の角周波数をω、光ファイバ中の光学フォノンの角周波数をω、プランク定数をh、ボルツマン定数をk、温度をTとした。
以上の補正処理によれば、図7(e)のようにストークス成分の減衰比とアンチストークス成分の減衰比との間に差異が生じても、図7(f)で例示するように、同温度区間A,Bの測定温度が同等となるように補正される。
図8(a)〜図8(d)および図9(a)〜図9(c)は、補正処理のシミュレーション結果を例示する図である。図8(a)〜図8(d)は測定温度を例示し、図9(a)〜図9(c)はストークス成分およびアンチストークス成分を例示する。
図8(a)で例示するように、光ファイバ30に劣化が生じる前は、高温体において測定温度が高くなり、同温度区間A,Bにおける測定温度は同等となる。図9(a)は、光ファイバ30に劣化が生じた場合のストークス成分ST(x)およびアンチストークス成分AS(x)を例示する。図9(a)で例示するように、ストークス成分の減衰比とアンチストークス成分の減衰比との間に差異が生じている。この場合、測定温度は、図8(a)で点線のようになる。すなわち、同温度区間Aと同温度区間Bとの間で測定温度に差が生じるようになる。
そこで、アンチストークス成分に対して線形補正を行う。その結果が、図9(b)で例示される。この場合、測定温度は、図8(b)で例示するようになる。図8(a)の場合と比較して、補正された測定温度と劣化前の測定温度との差が小さくなっている。その一方で、補正された測定温度と劣化前の測定温度との間に、差が生じている。図8(c)は、線形補正後のストークス成分とアンチストークス成分とを例示する。線形補正後のストークス成分とアンチストークス成分との差は、非線形の減衰成分に比例する。
そこで、アンチストークス成分に対して非線形補正を行う。その結果が、図9(c)で例示される。この場合、測定温度は、図8(d)で例示するようになる。図8(b)の場合と比較して、補正された測定温度と劣化前の測定温度との差がさらに小さくなっている。
図10は、温度測定装置100による温度補正処理の一例を表すフローチャートである。図10で例示するように、温度測定部22は、定期的に、ストークス成分およびアンチストークス成分を取得することで、光ファイバ30内の温度分布を測定する(ステップS1)。次に、劣化判定部23は、同温度区間Aおよび同温度区間Bにおける温度差が3σを超えているか否かを判定する(ステップS2)。なお、σは標準偏差のことであり、一定温度の状態で測定を繰り返した場合の測定温度のバラツキから算出しておくことができる。
ステップS2で「No」と判定された場合、温度測定部22は、測定された温度分布を補正せずに出力する(ステップS3)。ステップS2で「Yes」と判定された場合、補正部24は、上述した補正方法により、測定された温度分布に対して線形補正および非線形補正を行う(ステップS4)。その後、ステップS3が実行される。この場合、補正された温度分布が出力される。
本実施形態によれば、同温度区間A,Bそれぞれのストークス成分とアンチストークス成分とを用いて、温度測定部22が測定した温度分布を補正する。この構成によれば、温度計や温度調整装置の新設、検出器の増設などを行わなくても、温度測定の誤差を補正することができる。
図11で例示するように、ストークス光とアンチストークス光との光強度差は、例えば1000nm付近の入射光ならば、90℃付近が一番小さくなる。同温度区間条件による補正の精度を向上させるためには、差が大きい方が有利であるため、同温度区間の温度は劣化せずかつ差が大きい300℃〜400℃くらいを選択することが好ましい。
図12(a)および図12(b)は、光ファイバ30の他の敷設例を表す図である。図12(a)および図12(b)で例示するように、複数の高温体40に対して、共通の位置に敷設された同温度区間A〜Dを設けてもよい。例えば、隣接する高温体40については、1つの同温度区間を共通して用いる。図12(a)の例では、3つの高温体40について、4つの同温度区間A〜Dを用いることができる。
図13(a)および図13(b)は、光ファイバ30の他の敷設例を表す図である。図13(a)および図13(b)で例示するように、2種類の同温度区間A,Cおよび同温度区間B,Dを設けてもよい。この場合においても、距離の異なる同温度区間A,Cまたは同温度区間B,Dを用いて補正処理を行うことができる。
(他の例)
図14は、温度測定システムを例示する図である。図14で例示するように、温度測定システムは、測定機10が、インターネットなどの電気通信回線301を通じてクラウド302と接続された構成を有する。クラウド302は、図1(b)のCPU101、RAM102、記憶装置103、インタフェース104などを備え、制御部20としての機能を実現する。このような温度測定システムでは、例えば、外国の発電所で測定された測定結果が、日本に設置されているクラウド302で受信され、温度分布が測定される。なお、クラウド302の代わりに、イントラネットなどを介して接続されたサーバを用いてもよい。
上記各例において、光ファイバ30が、所定の経路に沿って配置され、所定区間の前後に同じ温度分布が得られる2区間が設けられた光ファイバの一例である。温度測定部22が、前記光ファイバからの後方散乱光に基づいて前記光ファイバの延伸方向の温度分布を測定する温度測定部の一例である。補正部24が、前記2区間それぞれの前記後方散乱光に含まれるストークス成分とアンチストークス成分とを用いて、前記温度測定部が測定した前記所定区間の温度分布を補正する補正部の一例である。劣化判定部23が、前記2区間に対して前記温度測定部が測定した温度の差が閾値以上となるか否かを判定する判定部の一例である。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 測定機
11 レーザ
12 ビームスプリッタ
13 光スイッチ
14 フィルタ
15a,15b 検出器
20 制御部
21 指示部
22 温度測定部
23 劣化判定部
24 補正部
30 光ファイバ
100 温度測定装置

Claims (9)

  1. 定区間の前後に同じ温度状態の2点が設けられた光ファイバと、
    前記光ファイバに光を入射する光源と、
    前記光ファイバからの後方散乱光に基づいて前記光ファイバの延伸方向の温度分布を測定する温度測定部と、
    前記2点に対して前記温度測定部が測定した温度の差が閾値以上となるか否かを判定する判定部と、
    前記判定部により前記温度の差が前記閾値以上となると判定された場合に、前記2点それぞれの前記後方散乱光に含まれるストークス成分とアンチストークス成分とを用いて、前記温度測定部が測定した前記所定区間の温度分布を補正する補正部と、を備えることを特徴とする温度測定装置。
  2. 前記所定区間は、前記2点よりも高い温度の区間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の温度測定装置。
  3. 前記補正部は、前記所定区間における前記アンチストークス成分に対して、前記光ファイバ内の距離に対する線形補正を行うことで、前記所定区間の温度分布を補正することを特徴とする請求項1または2に記載の温度測定装置。
  4. 前記補正部は、前記所定区間において、前記ストークス成分と前記アンチストークス成分との差分が前記光ファイバ内の距離に応じて線形的に大きくなることを仮定し、前記差分の線形的な変化が相殺されるように前記線形補正を行うことを特徴とする請求項3に記載の温度測定装置。
  5. 前記補正部は、前記所定区間における前記ストークス成分と、前記線形補正後の前記アンチストークス成分との差分を用いて、前記所定区間の温度分布をさらに補正することを特徴とする請求項3または4に記載の温度測定装置。
  6. 前記補正部は、前記所定区間において、前記ストークス成分と、前記線形補正後の前記アンチストークス成分との差分を用いて、前記ストークス成分に対する前記アンチストークス成分の非線形な減衰が相殺されるように、前記所定区間の温度分布を補正することを特徴とする請求項5に記載の温度測定装置。
  7. 前記2点は、300℃〜400℃の温度が得られる箇所に配置されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の温度測定装置。
  8. 定区間の前後に同じ温度状態の2点が設けられた光ファイバに光源によって光を入射し、
    前記光ファイバからの後方散乱光に基づいて前記光ファイバの延伸方向の温度分布を温度測定部が測定し、
    前記2点に対して前記温度測定部が測定した温度の差が閾値以上となるか否かを判定し、
    前記温度の差が前記閾値以上となると判定された場合に、前記2点それぞれの前記後方散乱光に含まれるストークス成分とアンチストークス成分とを用いて、前記温度測定部が測定した前記所定区間の温度分布を補正部が補正する、ことを特徴とする温度測定方法。
  9. コンピュータに、
    定区間の前後に同じ温度状態の2点が設けられ光源から光を入射された光ファイバからの後方散乱光に基づいて前記光ファイバの延伸方向の温度分布を測定する処理と、
    前記2点に対して前記測定する処理において測定した温度の差が閾値以上となるか否かを判定する処理と、
    前記判定する処理において前記温度の差が前記閾値以上となると判定した場合に、前記2点それぞれの前記後方散乱光に含まれるストークス成分とアンチストークス成分とを用いて、前記測定する処理において測定した前記所定区間の温度分布を補正する処理と、を実行させることを特徴とする温度測定プログラム。
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