JPH0786436B2 - 分布形光ファイバセンサのセンシング方法 - Google Patents

分布形光ファイバセンサのセンシング方法

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JPH0786436B2
JPH0786436B2 JP1019996A JP1999689A JPH0786436B2 JP H0786436 B2 JPH0786436 B2 JP H0786436B2 JP 1019996 A JP1019996 A JP 1019996A JP 1999689 A JP1999689 A JP 1999689A JP H0786436 B2 JPH0786436 B2 JP H0786436B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は光ファイバの後方散乱光を利用した、分布形光
ファイバセンサのセンシング方法に関するものである。
[従来の技術] 光ファイバ一端から光パルスを入射し、後方散乱光を検
出するOTDR(Optical Time Domain Reflectometry)手
法を用いた分布形センサがある。特に温度センサとして
後方散乱光の中でもレーレ散乱やラマン散乱光の利用が
盛んである。即ち光ファイバの長手方向各部ではその温
度に対応した散乱が生じるので、短時間幅のパルスを入
射し、それが光ファイバを伝播して行く時に各部で発生
する後方散乱光を入射端側で時間変化として捕らえ、フ
ァイバ中の光伝播速度を用いて距離に換算すると、光フ
ァイバに沿った各部の散乱光の分布、即ち温度分布を求
めることができる。
しかし、後方散乱光は極めて微弱であるため、光信号段
階やこれを電気信号に変換する時、或いは電気信号段階
において外雑の影響を受け易いこと、また散乱光発生は
確率過程によること等のために、単一パルスによる後方
散乱光のみでは、温度分布を求めることは出来ない。こ
のため、多数回の光パルスに対する受信信号のタイミン
グを合わせた平均値を求めることにより、光ファイバに
沿った温度を求める手法が採られる。このような多数回
の平均化処理は、ごく単純に光ファイバの損失を測定す
るためのOTDRでも採用されており、104回程度のレーレ
散乱光の平均化処理を行っているのが普通である。
温度検出のための後方散乱光のうち、ラマン散乱光はレ
ーレ散乱光の約1/1000程度の微弱光であるため、ますま
す外雑及び確率過程の影響を受け易く、ある程度の精度
を確保するには106回以上の平均化処理を行う必要が生
じる場合がある。
光ファイバセンサの対象温度が時間的に安定している場
合には、必要回数の平均化処理を行った後、温度分布を
出力すれば十分な精度で測定が可能となる。
[発明が解決しようとする課題] しかし、対象温度が所定の平均化処理を行うのに要する
時間内で変化する場合には、その時間内の平均温度とし
ては所期の精度で測定できるが、実際の対象物の温度と
の比較においては、大きな誤差を生じることになる。逆
に、短時間での温度変化にある程度追随した温度分布を
得る目的で平均化処理回数を減らすと、対象物の温度変
化にはある程度追随できるが、対象物の温度変化が小さ
いか一定温度が保たれている場合の測定精度が落ちる。
現用の各種OTDR手法では、平均化処理回数を手動で変更
することは可能であるが、元来が処理時間と同等オーダ
で刻々と時間変化する測定を対象とはしていないため、
温度分布の測定等、特に時間変化を伴う物理量分布を自
動的に適確に測定することができない。
本発明の目的は、従来の後方散乱光検出による測定の精
度と時間変化の把握という矛盾を解決し、時間変化に伴
い実質的に精度の高い分布形光ファイバセンサのセンシ
ング方法を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明は分布形光ファイバセンサのセンシング方法は、
基本的には、位置及び時間により変化する物理量を光フ
ァイバの後方散乱光を利用して測定するセンシングシス
テムにおいて、パルス入射光に対する後方散乱光をサン
プリングし、同一サンプリングタイミングに相当するデ
ータを逐次多数回平均化処理するに当って、一連のサン
プリングと物理量の変化が時間的に緩やかな状態での測
定精度が高い平均化処理回数N0よりも回数が少ない平均
化処理回路数N1とを行って得たデータ群D1を平均化処理
選択手段に導き、該手段において、この同時に測定され
る複数のデータからなるデータ群D1をその直前に得てい
る主データ群D0とを対応するデータ毎に対比して差分Δ
Dを作成し、その差分ΔDを判定レベルと比較し、差分
ΔDと判定レベルよりの大小関係により、物理量の変化
が時間的に緩やかな状態のときは、上記N1回処理のデー
タ群D1とその直前に得ている主データ群D0の回数の重味
を考慮した平均化処理により新たなデータ群を得て、こ
れを新たな主データ群として測定を行い、物理量の時間
変化が急激な状態のときは、上記N1回処理のデータ群D1
を新たな主データ群として測定を行い、物理量の変化が
中間的な状態のときは、測定誤差に起因するか否かを判
断して測定を行うものである。
より好ましい形態としては、判定レベルをS1,S2(S1<S
2)の2種とし、N1回処理のデータ群D1とその直前に得
ている主データ群D0とを対比して得た上記差分ΔDを判
定レベルS1,S2と比較し、 ΔD<S1のときには、N1回処理のデータ群D1とその直前
に得ている主データ群の回数の重味を考慮した平均化処
理により新たなデータ群を得て、これを新たな主データ
群とし、物理量の変化が時間的により緩やかな状態での
高精度測定を行い、 またΔD>S2のときは、N1回処理のデータ群を新たな主
データ群として、物理量の時間変化がより急激な状態で
の高精度測定を行い、 更にS1≦ΔD≦S2のときには、その継続性により物理量
の時間変化が測定誤差に起因するのか否かを判断し、上
記いずれかの処理により、新たなデータ群を得て、物理
量の時間変化が中間的な状態での高精度測定を行う。こ
の場合、判定レベルの設定は、定常状態での理論上の測
定誤差として、N1回処理時の誤差K1とN0回処理時の誤差
K0との間に、 が成り立つ関係において、上記判断レベルをS1=K0,S2
=K1と設定することができる。
[作用] 平均化処理選択手段は、OTDR信号の平均化処理回数を比
較的少ない一定回数とする、即ち短時間毎に現信号を得
る、ということにより、現信号と、記憶されているその
直前のデータとを比較し、現データ作成の平均化処理回
数を選択する。それによって物理量の時間変化の傾向を
的確に把握すると共に、刻々の変化を最も高い精度で測
定することも可能にする。
平均化処理選択手段がなければ、物理量の変化が時間的
に緩やかな状態での測定精度が高い平均化処理回数N0
より処理すると、物理量の時間変化が急激な状態に追随
することが元来困難となる。しかし、このような状態の
ときは、本平均化処理選択手段が、データ群D1とその直
前に得ている主データ群D0との差分ΔDを判定レベルに
対する大小関係より、物理量の変化が時間的に緩やかな
状態と判定する。そして、上記N1回処理のデータ群D1
その直前に得ている主データ群D0の回数の重味を考慮し
た平均化処理により新たなデータ群を得て、これを新た
な主データ群として測定を行う。このため、物理量の時
間変化が急激な状態に追随することができるようにな
る。
一方、平均化処理回数N0よりも回数が少ない平均化処理
回数N1は、元来平均化処理回数N0の場合よりも測定精度
が落ちるが、平均化処理選択手段が、上記差分ΔDの判
定レベルに対する大小関係より、測定誤差に起因するか
否かを判断し、物理量の時間変化が急激な状態であると
きを捕らえ、そのときだけ上記N1回処理のデータ群D1
新たな主データ群として測定を行わせる。このため、全
体の測定精度が低下せず、且つ、物理量の時間変化が急
激な状態にも追随できることとなる。
[実施例] 先ず、温度計測上の矛盾を具体例で示す。
測定対象物がプラント配管システムであるとし、その中
にある点の温度が、第6図の実線で示すような時間変化
をしたとする。
平均化処理回数がN0回のときの処理タイミングが図中の
a1,a2…am、平均化処理回数がN1回(N0<N1)の時の処
理タイミングがb1,b2…bnとする。a1〜amで測定される
温度は図中の黒丸と一点鎖線で示すような階段状の変化
を示し、またb1〜bnの温度は×印と破線で示すような変
化を示すことになる。
第6図中、50℃付近がプラント正常運転の状態であり、
常時はこれを±1℃の精度で制御しており、この制御系
が誤動作をしたとき、70℃を越えると「異常」として運
転停止し、100℃を越えると「危険」として警報を出す
ことになっている。また、平均化処理回数はN0=10
6で、これにより温度測定誤差K0が±1℃未満に保たれ
ている。一方、平均化処理回数がN1=105では、統計処
理の考え方から、ランダムな雑音に基づく誤差が に比例するので、測定誤差K1は±3℃となる。
このような状況で、常時の運転制御を正確に行うため、
N0回の平均化処理(測定誤差K0が±1℃)を行っている
と、a2時点では70℃未満であるので「異常」が検出でき
ず、本来危険となる100℃に近いa3時点でようやく「異
常」を検出し、更にその後に「危険」を検知することに
なり、「異常」「危険」に対する処理が手遅れとなる。
一方、N1回平均化処理をしていると、正常時の測定誤差
がK1(=±3℃)となるため、±1℃の制御が不可能と
なる。しかし、b8時点で「異常」を検出し、b20時点で
「危険」を検出することができる。尚、測定誤差を伴う
ので、これらの検出時点がそれぞれb9,b21となることも
あり得るが、いずれにしてもN0回の平均化処理をしてい
る場合の処理タイミングa3,a4よりも遥かに早く検出可
能である。
上記不都合に対し、以下に述べる本発明の実施例によれ
ば、正常時にはN0回の平均処理と同等の測定誤差K0を確
保でき、かつ異常な温度上昇に対してはN1回と同等の早
さで、これを検出することが可能となる。
以下、本発明の実施例の内容を詳述する。
第1図に示すように、OTDR装置1、平均化処理選択回路
2、温度分布演算・表示回路3,光ファイバセンサ4を主
構成要素としており、次のような処理を行う。
先ず、OTDR装置1では、N1回の平均化処理(測定誤差K1
は例えば±3℃)によるデータ群(場所による変化)を
基礎とする。このデータ群をOTDR装置1の出力とし、本
発明の主体となる平均化処理選択回路2へ入力する。
平均化処理選択回路2では、以下のような判定処理によ
り、適確な温度分布のためのデータを得る。尚、ここで
平均化処理回数N0とN1(N1<N0)は、N0=MN1(Mは2
以上の整数)の関係にあり、従って、平均化処理回数N0
による測定誤差K0は、OTDR装置1のN1回の平均化処理の
測定誤差K1よりも小さく、例えば±1℃であるとする。
第2図を参照しながら、平均化処理選択回路2の判定処
理の仕方を説明する。
(1)今回、OTDR装置1から平均化処理回数N1(測定誤
差K1)に基づいて得られたデータ群を受けた時、各位置
に対応したデータ毎に、その直前の最新主データ群と比
較する(第2図のステップ)。
(2)測定誤差を含めた温度変化に関し、予め2つのレ
ベルS1,S2(S1<S2)を設定しておき、データ間の変化
幅ΔDにより、ΔD<S1の場合、ΔD>S2の場合、S1
ΔD≦S2の場合という3ケースに分ける(第2図のステ
ップ)。
ケース1;ΔD<S1の場合 全てのデータ間でΔD<S1のときは、温度変化が緩慢で
あり、異常温度変化の可能性が小さいので、正常時の精
確な温度演算処理をする。即ち、最新の主データ群と今
回のデータ群の各位置に対応したデータ毎に平均化処理
を行い、それを最新の主データ群とすると共に(第2図
のステップ)、全ての指定ポイントを解除する
(第2図のステップ)。「指定ポイント解除」と
は、それまで設定されていた後述するケース2,ケース3
の(i)(ii)で設定される指定ポイントを全て無と
し、「継続性無し」とすることである。平均化処理(第
2図のステップ)における新たな主データ群の作成方
法についての詳細は後述する。
ケース2;ΔD>S2の場合 対象とする場所で一点でもΔD>S2のときは、急激な温
度変化が生じた可能性が高いので、異常な温度上昇とし
ての演算処理をする。即ち、今回のデータ群のみで、そ
の回数重味分を考慮した平均化処理を行い、これを最新
種データ群とすると共に(第2図のステップ)、
ΔD>S2を満したポイント(複数個も有り得る)を指定
ポイントとして設定する(第2図のステップ)。
ここで「指定ポイント」は、長手方向の各ポイントに相
当する時間サプリング毎の各データの順序番号のうち、
その番号のデータが本ケース2におけるΔD>S2の条件
を満たした場合に、その順序番号を指定ポイントとする
(複数個の場合も有る)。
ケース3;S1≦ΔD≦S2の場合 ケース1、ケース2のいずれにも該当しないときは、急
激な温度変化が生じた可能性はあるが、測定誤差による
ばらつきのため、正常状態を誤って温度変化があるかの
ようなデータとなった可能性もある。そこで、両者のい
ずれであるかを判定するための演算処理をする。即ち、 (i)指定ポイントが設定されていないとき、あるいは
今回S1≦ΔD≦S2を満たしたポイントと指定ポイントが
全く一致しないときには、急激な温度変化によるのでは
なく測定誤差に起因するとみなし、ケース1と同じ考え
方で、今回のデータ群を加えて平均化処理を行い(第2
図のステップ)、これを最新主データ群とす
ると共に(第2図のステップ)今回S1≦D0≦S2を満
たしたポイントを指定ポイントとして設定する(第2図
のステップ)。「指定ポイント」は、長手方向の
各ポイントに相当する時間サプリング毎の各データの順
序番号のうち、今回S1≦D0≦S2を満たした順序番号を指
定ポイントとする。
(ii)指定ポイントが設定されており、今回S1≦ΔD≦
S2を満たしたポイントと指定ポイントが1組以上一致し
たときは、その位置で急激な温度変化の傾向が続いてい
るとみなし、それを新たな指定ポイントとして設定する
と共に(第2図のステップ)、ケース2と同
じく今回のデータ群のみで、その回数重味分を考慮した
平均化処理を行い、これを最新主データ群とする(第2
図のステップ)。ここでは、指定ポイントは複数
の場合があり得る。
(3)以下、(1)〜(2)を繰り返す。かくして平均
化処理選択回路2で最新主データ群を得る。
この最新主データ群を用いて、温度分布演算・表示回路
3により、適宜温度分布を得る。尚、ケース1(ΔD<
S1)の場合は、後述のL(新たな主データ群を作るべく
なされるN1回処理データ群の平均化処理回数)がL=2
〜Mの任意の所で温度分布を得れば良く、L=M以降は
N0回相当の平均化処理回数でデータを得る。
ここで、ケース1〜ケース3の平均化処理で新たな主デ
ータ群を作るときは、次のようにして行う。
(4)ケース1及びケース3の(i)の場合、即ち第2
図のステップの場合には、それまでの主データ群が
N1回処理データ群のL回分の平均化処理からなっている
とすると、 {(それまでの主データ群の各値)×L+ (今回のN1回処理データ群の各値)}/(L+1) という(L+1)回分の平均化処理を行って作る。L=
Mの場合には、LをM−1としてM回分の平均化処理に
より作る。
(5)一方、ケース2及びケース3の(ii)の場合、即
ち第2図のステップの場合には、今回のN1回処理のデ
ータ群により、そのまま新たな主データ群を作る。
以上のOTDR装置の処理、上記(1)〜(3)の処理を、
上記(4)(5)の条件で実行すると、以下のような効
果が得られる。
(a)測定誤差を含めて温度変化からS1相当以下の場合
(ケース1の場合)には、N0回平均化処理相当、即ち測
定誤差K0(例えば上記±1℃)以下の高精度で温度測定
ができる。
(b)測定誤差を含めて温度変化がS2相当以上の場合
(ケース2の場合)には、N1回処理の時間、即ちN0回処
理の場合の1/Mの短時間で温度変化を把握でき、またそ
の実質的測定精度をN0回処理で後刻に測定されるはずの
ものより小さくすることができる。
(c)測定誤差を考慮すると、温度が変化しているか否
か不確かであるS1とS2間になる場合(ケース3の場合)
では、その温度が変化する傾向が1回だけの場合には誤
差と見なし、その傾向が続いている(指定ポイントが一
致)場合には、温度変化ありと見なして、それぞれに適
した平均化処理で、より高い精度の温度測定ができる。
(d)急激な温度変化が終息しつつあるときには、平均
化処理回数を増して、測定精度を高精度の測定誤差K0
状態へ近付けることができる。
(e)その時点の温度に相当する主データ群は1組のみ
で済むので、温度分布演算回路に要する記憶量が少なく
なる。尚、記憶装置の量が十分確保されている場合に
は、N1回平均化処理による過去のデータ群(最大M組)
をそれぞれを記憶させておき、その中から適宜取り出し
て(4)(5)の平均化処理を行うことができる。
以上のように本発明によれば、時間的、場所的に変化す
る対象物の温度を、その状況に応じて精度よく測定する
ことが可能となる。
尚、上記の実施例の他、次のような方法を採ることもで
きる。
(1)平均化処理回数を3組以上、N0>N1>N2…、ある
いは判定レベルをS1,S2,S3…と設定しておき、N1,N2;
S2,S3を用いて上記手法を適用し、その主データ群に対
し、N0,N1;S1,S2を適用すること等により、更に測定精
度且つ時間変化の検出を容易にすることができる。
(2)平均化処理回数N0,N1等は、上記例ではN0がN1
整数倍として説明したが、必ずしも整数倍の必要はな
い。但し、平均化処理を行うときその倍数を考慮する必
要はある。
(3)判定レベルをS1<S2と設定したが、S1=S2とし、
判定レベルを1つとすることも可能である。この時、ケ
ース3については、ΔD=S1(=S2)として扱うことが
できる。また、ΔD=S1をケース1あるいはケース2に
含めて処理し、ケース3の処理は省略することもでき
る。
(4)尚、一般的にはS1≒K0, とすれば良いが、得られた温度分布の使用目的によって
は、S1≦S2である限りS1>K0,K2>K1の任意の値を設定
することも可能である。
尚、S1<K0,又はS2<K1とすると、平均化処理回数に依
存する誤差分内となり、ケース1〜ケース3の繰り返し
に不都合が生じる場合があるので、その選定は慎重に行
わなければならない。
(5)OTDR装置1の入力としては、ラマン散乱光(複
数),レーレ散乱光のいずれか、あるいはそれらの複数
を用いることができ、また、入力光あるいは入力光レベ
ル間の演算そのものをデータとするか、それぞれ温度に
換算した後のものをデータとすることや、OTDR装置1あ
るいは平均化処理選択回路2又は温度分布演算出力回路
3を適宜複数個用いること等の点にも限界がなく、本発
明の精神の範囲内で任意に変えることができる。
尚、本発明は後方散乱光を用いた分布形温度センサに関
するものとして記述したが、その他、歪,応力,曲げ,
電磁界等、サンプリングと平均化処理により、場所的
に、時間的に変化する対象量を測定することに応用でき
ることは明らかである。
次に、本発明の具体例を第3図の試作品を用いて説明す
る。
第3図において、OTDR装置1の中味は、概略、パルスレ
ーザ発光源11、光合分波器(或いは光分岐器)12,13、
ストークス光とアンテナストークス光分離用フィルタ1
4、受光器15、増幅・平均化処理回路16から成ってお
り、ストークス光、アンチストーク光についての演算を
なす温度分布演算回路5が接続される。尚、発光パルス
とサンプリングのタイミングを整合するために、増幅・
平均化処理回路16とパルスレーザ発光源11間も結ばれて
いる。
今回の試作では、OTDR装置1による平均化処理回数N1
105回とした。距離の分解能1mを得るため、光ファイバ
センサ4中の光速200m/μsに基づいて、サンプリング
間隔を10nsとした。また発光パルス間隔を50μs、セン
サ長さ2000mとした。
このような装置により、温度−20℃から150℃の範囲で
時間的に変化しない状態で実測したところ、測定温度の
精度は±3.4℃であることが確認できた。即ち、50μs
×105回=5秒毎に、2000点の温度が±3.4℃の精度で測
定されたことになる。
一方、平均化処理選択回路2の中味は、主データ群と指
定ポイント等の記憶装置21、データ比較器22を主体とし
ており、今回の検討ではN0=1.5×106回、S1=1℃、S2
=4℃と設定した。
前述の性能のOTDR装置1と温度分布演算回路5に平均化
処理選択回路2を接続し、時間的に変化しない状態での
温度分布を測定したところ、その精度は約±0.9℃であ
ることが確認できた。このときの平均化処理回数は自動
的に1.5×106が選択された。
即ち、75秒毎に2000点の温度が±0.9℃の精度で測定さ
れたことになる。
次に、2000mの光ファイバセンサ4の一部をヒータ上に
密着させておき、その温度を第4図のように変化させ
た。このときOTDR装置1の平均化処理回数を一定値105
回(手法I)及び106回(手法II)とし、第3図の平均
化処理選択回路2を使用せずに測定した場合のその部分
の測定結果を、それぞれ第4図に×印及び●印で示し
た。そして、本発明による平均化処理選択回路を使用し
たとき(手法III)の測定結果を○印で示した。尚、こ
の場合温度変化の激しい時間帯は5秒毎のデータが、温
度変化の小さい時間帯は75秒間の平均処理のデータが出
力されることになる。その間は直前のデータがそのまま
成り立つと見なせる。
このようにして得られた上記3つの測定手法I、II、II
IによるABCD各時点(第4図)での温度を、ヒータの温
度(真値)と比較して、第5図に示す。定常時のA,D点
では手法II,IIIの精度が良好で、手法Iでは最大3.1℃
の誤差が生じ、変化時のB点あるいはC点では手法IIの
誤差が7.6℃にも達するのに対し、手法Iでは2.1℃、手
法IIIでは2.2℃に納まっており、総合的に手法IIIの秀
れていることが確認できた。
[発明の効果] 以上のように本発明によれば、平均化処理選択手段によ
って、データ群D1とその直前に得ている主データ群D0
の差分ΔDの判定レベルに付する大小関係より、物理量
の変化が時間的に緩やかな状態か、或いは時間変化が急
激な状態にあるか、測定誤差による状態なのか否かが判
定され、それぞれに応じた適切な主データ群に基づいて
測定が行われる。このため、従来の後方散乱光検出によ
る測定の精度と時間変化の把握という矛盾が解決され、
時間的、場所的に変化する対象物の温度を、その状況に
応じて精度よく測定することができる。
一本の光ファイバで、それに沿った多点の物理量が一度
に測定できる分布形光ファイバセンシングシステムは、
それ自体従来にない工業的経済的効果を生み出すことは
明らかである。しかし、現実の工業分野では定常状態の
みならず過度変化状態の把握、あるいは突発的な異常状
態の把握も併せて、極力精度よく行うことが望まれる。
この点に関し本発明は極めて大きな効果を発揮し、分布
形光ファイバセンサの適用分野を拡げ、多くの産業分野
に適合し得る高性能のセンシングシステムの構築を可能
にする。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の基本構成図、第2図は本発明の方法に
おける主要部の平均化処理選択回路の処理手順を示す
図、第3図は本発明に基づき試作した装置の構成図、第
4図はその装置を用いて得られた高精度の温度変化測定
結果を示す図、また第5図はその具体的数値データを示
した図、第6図は従来のセンシングシステムの動作説明
図である。 図中、1はOTDR装置、2は平均化処理選択回路、3は温
度演算・表示装置、4はセンサ光ファイバ、5は温度分
布演算装置、11はパルスレーザ発光源、12,13は光合分
波器或いは光分岐器、14は光学フィルタ、15は受光器、
16は増幅・サンプリング・平均化処理装置を示す。
フロントページの続き (72)発明者 山本 哲 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社電線研究所内 (72)発明者 安藤 順夫 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社電線研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】位置及び時間により変化する物理量を光フ
    ァイバの後方散乱光を利用して測定するセンシングシス
    テムにおいて、パルス入射光に対する後方散乱光をサン
    プリングし、同一サンプリングタイミングに相当するデ
    ータを逐次多数回平均化処理するに当って、一連のサン
    プリングと物理量の変化が時間的に緩やかな状態での測
    定精度が高い平均化処理回数N0よりも回数が少ない平均
    化処理回路数N1とを行って得たデータ群D1を平均化処理
    選択手段に導き、該手段において、この同時に測定され
    る複数のデータからなるデータ群D1をその直前に得てい
    る主データ群D0とを対応するデータ毎に対比して差分Δ
    Dを作成し、その差分ΔDを判定レベルと比較し、差分
    ΔDと判定レベルよりの大小関係により、物理量の変化
    が時間的に緩やかな状態のときは、上記N1回処理のデー
    タ群D1とその直前に得ている主データ群D0の回数の重味
    を考慮した平均化処理により新たなデータ群を得て、こ
    れを新たな主データ群として測定を行い、物理量の時間
    変化が急激な状態のときは、上記N1回処理のデータ群D1
    を新たな主データ群として測定を行い、物理量の変化が
    中間的な状態のときは、測定誤差に起因するか否かを判
    断して測定を行うことを特徴とする分布形光ファイバセ
    ンサのセンシング方法。
  2. 【請求項2】判定レベルをS1,S2(S1<S2)の2種と
    し、N1回処理のデータ群D1とその直前に得ている主デー
    タ群D0とを対比して得た上記差分ΔDを判定レベルS1,S
    2と比較し、 ΔD<S1のときには、N1回処理のデータ群D1とその直前
    に得ている主データ群の回数の重味を考慮した平均化処
    理により新たなデータ群を得て、これを新たな主データ
    群とし、物理量の変化が時間的により緩やかな状態での
    高精度測定を行い、 またΔD>S2のときは、N1回処理のデータ群を新たな主
    データ群として、物理量の時間変化がより急激な状態で
    の高精度測定を行い、 更にS1≦ΔD≦S2のときには、その継続性により物理量
    の時間変化が測定誤差に起因するのか否かを判断し、上
    記いずれかの処理により、新たなデータ群を得て、物理
    量の時間変化が中間的な状態での高精度測定を行うこと
    を特徴とする請求項1記載の分布形光ファイバセンサの
    センシング方法。
  3. 【請求項3】定常状態での理論上の測定誤差として、 N1回処理時の誤差K1とN0回処理時の誤差K0との間に、 が成り立つ関係において、上記判断レベルをS1=K0,S2
    =K0と設定することを特徴とする請求項2記載の分布形
    光ファイバセンサのセンシング方法。
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