JPH0745574B2 - 炭素繊維強化樹脂組成物 - Google Patents

炭素繊維強化樹脂組成物

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JPH0745574B2
JPH0745574B2 JP26989586A JP26989586A JPH0745574B2 JP H0745574 B2 JPH0745574 B2 JP H0745574B2 JP 26989586 A JP26989586 A JP 26989586A JP 26989586 A JP26989586 A JP 26989586A JP H0745574 B2 JPH0745574 B2 JP H0745574B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、炭素繊維の優れた物性を備えた耐熱性、耐薬
品性ならびに機械的強度等に優れた炭素繊維強化プラス
チック(以下CFRPと略す)に関する。さらに詳しくは、
ポリフェニレンスルフィド(以下PPSと略す)にソフト
セグメントとしてポリフェニレンスルフィドスルホン
(以下、PPSSと略す)を化学的に結合せしめてなる共重
合体を必須成分とする樹脂組成物を含浸してなる耐熱
性、耐薬品性ならびに可撓性等の機械的性質に優れたCF
RPに関するものである。
(従来の技術および問題点) CFRPは軽量で卓越した機械的、化学的あるいは電気的性
質を有するために各種の構造用部材として広範囲に使用
されているが、そのCFRPを構成する炭素繊維とマトリッ
クス樹脂との接着性、マトリックス樹脂の耐熱性や機械
的性質によりCFRPの性能は必ずしも満足すべきものでは
なく、用途、例えば航空・宇宙用途等によってはさらに
高性能のCFRPが要求されている。
このCFRPに要求される性能のうち、耐熱性や耐薬品性等
はマトリックス樹脂の種類に影響されるところが大き
く、例えば炭素繊維に対する接着性が良好であるエポキ
シ樹脂は耐熱性が不十分であり、一方、耐熱性に優れて
いるポリイミド樹脂は成形性が悪く、生産性およびコス
トの面で工業用としては不適当である。
PPS樹脂は卓越した耐熱性、耐薬品性および剛性を有す
る高性能熱可塑性樹脂として注目されているが、この樹
脂は未架橋のPPS樹脂を炭素繊維に含浸した後の熱処理
時にPPSの架橋反応に伴って発生するラジカルが炭素繊
維を劣化させること、また、その伸びが小さいために成
形後のCFRPはサーマルクラックが発生し易く、強度ある
いは層間剪断強度(以下ILSSと略す)が低いこと、およ
び上記架橋化のための熱処理に伴う成形時間の延長が生
産性を低下させることなどの理由で、CFRP用のマトリッ
クス樹脂として未だ実用化されるに到っていない。
一方、上記の欠点を改良するためにマトリックス樹脂と
して特定範囲量のポリサルホンを混合したPPS樹脂組成
物を用いる方法が特開昭55−82130号に開示されている
が、PPSとポリサルホンとの相溶性が不十分なために、P
PSの可撓性あるいは機械的強度が十分に改良されず、必
ずしも満足すべきCFRPを提供するに到っていない。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、PPSの長所を備えその欠点である可撓性
が改良され、炭素繊維の劣化、CFRPのサーマルクラック
等が実質的に発生しない樹脂組成物を得るべく鋭意検討
した結果、末端反応性基をもつPPSとPPSSの共重合反応
により両者を化学的に結合させてなる樹脂をマトリック
ス樹脂として用いることが有効であることを見出し、本
発明に到達したものである。
即ち、本発明はPPSとPPSSから成るブロック共重合体を
必須成分として含む樹脂組成物を炭素繊維に含浸してな
る耐熱性、耐薬品性ならびに可撓性等の機械的性質に優
れたCFRPを提供するものである。
本発明におけるブロック共重合体の成分および該共重合
体と混合され得るPPSは一般式 で示される構成単位を70モル%以上含むものが特性の優
れた組成物をもたらすことから好ましい。また、かかる
PPSはその対数粘度〔η〕(ここで、〔η〕は0.4g/100m
lの溶液なるポリマー濃度において、α−クロルナフタ
レン中206℃で測定し、下式 〔η〕=ln(相対粘度)/ポリマー濃度 に従い算出した値である。)が0.03〜0.80の範囲のもの
が好ましい。
このポリマーの重合方法としては、ハロゲン置換芳香族
化合物、例えばp−ジクロルベンゼンを硫黄と炭酸ソー
ダの存在下で重合させる方法、極性溶媒中で硫化ナトリ
ウムあるいは水硫化ナトリウムと水酸化ナトリウム又は
硫化水素と水酸化ナトリウムあるいはナトリウムアミノ
アルカノエートの存在下で重合させる方法、p−クロル
チオフェノールの自己縮合などがあげられるが、N−メ
チルピロリドン、ジメチルアセトアミドなどのアミド系
溶媒やスルホラン等のスルホン系溶媒中で硫化ナトリウ
ムとp−ジクロルベンゼンを反応させる方法が適当であ
る。この際に重合度を調節するためにカルボン酸やスル
ホン酸、またはリン酸のアルカリ金属塩を添加したり、
水酸化アルカリを添加することは好ましい方法である。
共重合成分として、30モル%未満であれば、メタ結合 エーテル結合 スルホン結合 ビフェニル結合 置換フェニルスルフィド結合 ここでRはアルキル基、ニトロ基、フェニル基、アルコ
キシ基、カルボン酸基またはカルボン酸の金属塩基を示
す)、3官能結合 などを含有していても、ポリマーの結晶性に大きく影響
しない範囲でかまわないが、好ましくは共重合成分は10
モル%以下がよい。特に3官能性以上のフェニル、ビフ
ェニル、ナフチルスルフィド結合などを共重合に選ぶ場
合は3モル%以下がよい。
かかるPPSの具体的な製造法としては、例えば(1)ハ
ロゲン置換芳香族化合物と硫化アルカリとによる製法
(米国特許第2513188号、特公昭44−27671号、特公昭45
−3368号および特公昭52−12240号参照)、(2)チオ
フェノール類のアルカリ触媒又は銅塩等の共存下におけ
る縮合反応による製法(米国特許第3274165号および英
国特許第1160660号参照)、(3)芳香族化合物を塩化
硫黄とのルイス酸触媒共存下に於ける縮合反応による製
法(特公昭46−27255号およびベルギー特許第29437号参
照)等が挙げられる。
本発明におけるブロック共重合体は、例えばPPSSの末端
基とPPSの末端基とを反応せしめることによって得られ
るため、例えばPPSSの末端基がクロルフェニル基 である場合、PPSの末端基をナトリウムスルフィド基
(構造式:NaS−)の如き反応性基にしておく必要があ
る。かかるPPSを得る方法として、予め重合反応時にモ
ノマーの硫化ナトリウム成分の量をp−ジクロルベンゼ
ン成分に対し1〜20モル%過剰の状態で反応させる方法
が挙げられる。
一方、本発明のブロック共重合体を構成するPPSSは をくり返し単位とするポリマーとして定義される。この
ポリマーの分子量は対数粘度ηinh(ここで、ηinhは0.
5/100mlの溶液なるポリマー濃度においてフェノール/1,
1,2,2−テトラクロルエタン(3:2重量比)混合溶媒中30
℃で測定し、下式 ηinh=ln(相対粘度)/ポリマー濃度 に従い算出した値である。)が0.05〜1.0の範囲のもの
が好ましい。このポリマーの重合方法としては、例えば
ジハロ芳香族スルホンとアルカリ金属硫化物を有機アミ
ド溶媒中で反応させる方法(米国特許第4102875号参
照)が挙げられる。
本発明のブロック共重合体を合成する際に用いるPPSS
は、例えばポリマー末端に を有するものであり、これを得る方法としては、ポリマ
ー合成反応時にジハロ芳香族スルホンの量をアルカリ金
属硫化物の量に対し、例えば5モル%過剰の状態で反応
させる方法(米国特許第4301274号参照)が挙げられ
る。
本発明の方法においてPPSSとPPSの共重合反応を行なう
際、第3成分としてジハロ芳香族スルホンあるいは硫化
ナトリウム等の結合剤を添加する方法を用いることもさ
しつかえない。また、ブロック共重合体である本発明の
目的を逸脱しない範囲で、PPSとPPSSのいずれか一方の
ポリマーの存在下に他方のモノマー成分を重合し、最終
的に共重合体を得る方法を用いることもできる。
また、共重合反応する際、PPSとPPSSの末端反応性基の
数を同じにすることは、収率よくブロック共重合体が得
られ最も好ましい。一方、いずれか一方の成分の末端基
数が過剰の場合、反応終了後、未反応のホモポリマー成
分のみを分別あるいは抽出除去することによってブロッ
ク共重合体のみを回収することができる。
共重合反応において使用される溶媒は、その温度および
圧力において実質的に液状である有機極性溶媒が好まし
い。具体的には、ホルムアミド、アセトアミド、N−メ
チルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−
ジメチルアセトアミド、2−ピロリドン、N−メチル−
2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、ε−カ
プロラクタム、N−メチル−ε−カプロラクタム、ヘキ
サメチルホスホルアミド、テトラメチル尿素、1,3−ジ
メチル−2−イミダゾリジノン等のアミド、尿素および
ラクタム類;スルホラン、ジメチルスルホラン等のスル
ホン類;ベンゾニトリル等のニトリル類;メチルフェニ
ルケトン等のケトン類等およびこれらの混合物を挙げる
ことができる。これらの溶媒のうちでは、アミド類、ラ
クタム類あるいはスルホン類等の非プロトン性有機極性
溶媒を使用することが特に好ましい。有機極性溶媒の使
用量はポリマー成分の量に対する重量比で2〜20の範囲
で、好ましくは3〜10の範囲である。
ブロック化反応による共重合反応生成物が化学的に結合
したPPSとPPSSとのブロック共重合体であることは、得
られたポリマーをPPSSの良溶媒であるフェノール/テト
ラクロルエタン(3:2重量比)を混合溶媒でくり返し抽
出した後、抽出液中にPPSSがもはや含まれないにもかか
わらず、ポリマー中にこの成分が存在していることで確
かめられる。一方、共重合反応生成物中に未反応のPPS
が含まれるかどうかは、その生成物をPPSの良溶媒であ
るα−クロルナフタレンを用い分別沈澱を行ない、PPS
ホモポリマーが存在するか否かで確認できる。
また、共重合反応する際、PPSとPPSSとの割合は目的と
する特性によって異なるが、PPSS成分とPPS成分との重
量比が一般的には1〜99/99〜1、好ましくは5〜90/95
〜10の範囲である。上記重量比が1/99未満であればPPSS
によって付与される可撓性等の効果が発現できず、ま
た、99/1を越えると本特許の目的とする効果が得られず
好ましくない。
尚、本発明で用いられるブロック共重合体は対数粘度
〔η〕(ここで、〔η〕は0.4g/100mlの溶液なるポリマ
ー濃度においてα−クロルナフタレン中206℃で測定
し、下式 〔η〕=ln(相対粘度)/ポリマー濃度 に従い算出した値である。)が0.03〜1.0の範囲である
ものが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、前記ブロック共重合体3〜100
重量部、より好ましくは10〜100重量部に対してPPSを併
用する場合にはPPSを好ましくは1〜97重量部、より好
ましくは10〜90重量部、PPSSを併用する場合にはPPSSを
好ましくは1〜60重量部、より好ましくは10〜40重量部
含有するものである。尚、本発明の樹脂組成物は該ブロ
ック共重合体を3〜100重量部分含むことにより可撓性
の改善効果が大きく、CFRPのサーマルクラック等が発生
し難いので好ましい。
又、本発明の樹脂組成物は前記ブロック共重合体を製造
する際にPPS成分またはPPSS成分のいずれか一方を過剰
量にして反応せしめることにより得ることができる。そ
の際、遊離のPPSおよびPPSSが含有されていることは、P
PSSの良溶媒であるN−メチルピロリドンやフェノール
/テトラクロルエタン混合溶媒でくり返し抽出した後の
ポリマー中に一定量のPPSSが含まれていることで確かめ
られ、一方、PPSホモポリマーが混在しているかどうか
はα−クロルナフタレンを用いる分別沈澱実験によって
確かめることができる。
本発明に使用する炭素繊維は比較的長繊維、通常長さが
7mm以上、好ましくは1cm以上のものであり、レーヨン
系、ポリアクリルニトリル系、ピッチ系などいかなる種
類のものでもよいし、炭素繊維の形態もヤーン、ロービ
ング、カットファイバー、織物、編物、組物などいずれ
の形態でもさしつかえない。
また、本発明の樹脂組成物には、本発明の目的を逸脱し
ない範囲で熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂等の他種ポリマ
ー、あるいは添加剤、充填剤が配合されていてもさしつ
かえない。さらに、強化用繊維としてガラス繊維、およ
びアラミド繊維や芳香族ポリエステル繊維等の有機繊維
等の他の強化用繊維が併用されていてもさしつかえな
い。
本発明の樹脂組成物は、樹脂成分と炭素繊維とを通常固
形分重量比で20/80〜80/20、好ましくは30/70〜60/40と
なるように含有される。
本発明の樹脂組成物を炭素繊維に含浸する手段としては
特に限定されるものではなく、各種の方法がある。例え
ば樹脂粉末、スラリー、あるいは樹脂溶液等をスプレー
を用いて含浸させる方法などが挙げられる。さらに、本
発明の樹脂組成物を好ましくは300〜360℃に加熱して溶
融し、これを炭素繊維に段階的もしくは連続的に含浸、
成形してもよい。加熱方法として樹脂を増感剤存在下で
高周波加熱する方法等がある。成形は通常300〜360℃で
少なくとも100kg/cm2の加圧下に行ない、ついで徐冷も
しくは急冷することができる。
(発明の効果) 本発明の特徴は炭素繊維に含浸すべきマトリックス樹脂
として、PPSおよびこれと相溶性の悪いPPSSとの単なる
ブレンドによって得られる樹脂と異なり、両成分のポリ
マー鎖が化学的に結合したブロック共重合体を含む樹脂
を用いる点にある。即ち、PPSの耐熱性、耐薬品性が保
持され、かつ可撓性が改良されたマトリックス樹脂を用
いることによってCFRPのサーマルクラックの発生が抑制
され、またPPSの加熱架橋工程時の炭素繊維の劣化に伴
なう強度あるいはILSSの低下が防止される。従って、本
発明のCFRPはPPSに起因する炭素繊維の劣化、サーマル
クラックがなく、しかもPPSの優れた耐熱性、耐薬品
性、炭素繊維に対する接着性が具備された高性能CFRPで
あり、航空・宇宙用途等に適用することができる。
(実施例) 以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発
明はこれらに限定されるものではない。
参考例,比較例1および2 まず、10オートクレーブにN−メチルピロリドン1980
g、硫化ナトリウム2.7水塩655g(5.0モル)、水酸化ナ
トリウム2.0g、およびビス(p−クロルフェニル)スル
ホン1436g(5.0モル)を仕込み、窒素雰囲気下、200℃
まで昇温しその温度で撹拌下6時間反応させた。
次いでこの系にビス(p−クロルフェニル)スルホン72
g(0.25モル)をN−メチルピロリドン200gに溶かした
液を添加し、さらに1時間反応させた。反応容器を冷却
後、内容物を取出し、熱水とアセトンで数回洗浄し、ポ
リマーケーキを別した。このケーキを80〜150℃で減
圧乾燥し、淡褐色のポリマー1190gを得た(収率96
%)。このポリマーの対数粘度ηinh(ここで、ηinhは
0.5g/100mlの溶液なるポリマー濃度においてフェノール
/1,1,2,2−テトラクロルエタン(3:2重量比)混合溶媒
中30℃で測定し、下式 ηinh=ln(相対粘度)/=ポリマー濃度 に従い算出した値である。)は0.22であった。引続き、
10オートクレーブにN−メチルピロリドン3100gと硫
化ナトリウム2.7水塩1009g(7.7モル)および水酸化ナ
トリウム3.5g(0.09モル)を仕込み、窒素雰囲気下、20
0℃まで約2時間かけて撹拌しながら昇温して220mlの水
を留出させた。反応系を150℃に冷却した後、p−ジク
ロルベンゼン1029g(7.0モル)、N−メチルピロリドン
700gを加え、230℃で1.5時間、次いで260℃で2時間反
応させた。重合終了後の内圧は7.0kg/cm2であった。反
応溶液を冷却後、内容物の一部をサンプリングし別し
た後、ケーキを熱水で3回煮沸洗浄し、さらにアセトン
で2回洗浄した後、120℃で乾燥して淡灰褐色粉末状PPS
ポリマーを得た(収率約94%)。このポリマーの対数粘
度〔η〕(ここで、〔η〕はポリマー濃度0.4g/100ml、
α−クロルナフタレン中206℃で測定し、〔η〕=ln
(相対粘度)/ポリマー濃度に従い算出した値である)
は0.14であった。
次いで、上記のPPS重合後混合物2370gと前述の末端クロ
ルフェニル基型PPSS300gおよびN−メチルピロリドン12
00gを加え、窒素パージ後密封し220℃まで昇温し、この
温度で3時間反応させた。反応容器を冷却後、内容物を
別し、固形分をN−メチルピロリドンで2回洗浄した
後、熱水で3回煮沸洗浄した。得られたケーキを120℃
で5時間乾燥して486gの淡褐色粉末状ポリマーを得た。
このポリマー〔η〕は0.19であった。
また、このポリマーの赤外線吸収スペクトルを測定した
ところ、PPSとPPSSの吸収以外のピークは観察されず、
かつ1320cm-1、620cm-1および480cm-1に見られる特性吸
収の強度からPPSSを定量したところ、ポリマー中に46.0
重量%含まれていた。同時に、ポリマーの元素分析を行
ない、イオウ含量を定量したところ、27.87%の値を示
し、ポリマー中にPPSSが46.0重量%含まれていることを
確認した。
さらに、上記ポリマーの溶媒抽出実験を行なった。即
ち、PPSSの良溶媒であるN−メチルピロリドンに上記ポ
リマーを分散させ、100℃で未反応のPPSSを抽出除去す
ることを試みた。しかし、PPSSは全く溶出せず、かつ抽
出実験後回収した上記ポリマーの赤外線吸収スペクトル
の測定よりPPSSの含量は46.0重量%であった。
これらの結果から、本発明で用いるの共重合反応生成物
がPPSとPPSSが化学的に結合したブロック共重合体であ
ることを確認した。
次いで、このポリマーをクロロホルムに分散させて樹脂
溶液を調整した後、これを東レ(株)製の炭素繊維トレ
カT−300を用い縦/横=1/1の炭素繊維クロスに含浸さ
せ、さらにクロロホルムを乾燥除去してプリプレグを作
成した。このプリプレグを積層して金型に入れ、350℃
で40分加熱架橋させた後、120〜420kg/cm2の範囲で加圧
した後冷却し、金型が140℃まで冷却した時点で成形品
を取出した。なお、成形品の炭素繊維含有量は60重量%
に調節した。成形品を150℃で1.5時間アニーリングを行
なった後、ASTMD−2344ならびにASTMD−790に準じて曲
げ強度ならびにILSSを測定した。結果を表−1に示し
た。
比較例1では、参考例で得たPPSS粉末と、PPS重合生成
物を通常処理して得たPPS粉末をポリマー中PPSSが46.0
重量%を含む混合物を用い、参考例と同様にして成形品
を得た。また、比較例2では、上記のPPS粉末のみを含
浸させ、同様にして成形品を取出した。表−1に結果を
示したように、PPSSの無添加の場合あるいはPPSとPPSS
の混合物を用いた場合に比べ、PPS/PPSSのブロック共重
合体を含むポリマーを用いて得た成形品は、曲げ強度お
よびILSSがいずれも大きく、物性が良好であった。
実施例1 参考例と同様にして、ポリマー混合物中PPSSを18.0重量
%含むPPSとPPS/PPSSのブロック共重合体の混合物(PPS
/ブロック共重合体の重量比=15/85)を合成した。この
ポリマーの〔η〕は0.18であった。予め実施例1で合成
したPPSSホモポリマーを樹脂成分中5.0重量%含まれる
ようにクロロホルムに溶かした溶液に、前記の共重合体
混合物を分散させ、全体として樹脂成分中PPSSが23.0重
量%の樹脂溶液を調整した。以下、加熱架橋時間を30分
にした以外は参考例と同様にして成形品を取出し、物性
を評価したところ、23℃および150℃での曲げ強度はそ
れぞれ77kg/mm2および38kg/mm2と特に高温での物性が良
好であり、また、23℃でのILSSも6.7kg/mm2と良好であ
った。
実施例2 参考例で得られたブロック共重合体と、比較例1で用い
たPPS粉末とを、当該ブロック共重合体に対し5重量%
混合して、それをクロロホルムに分散させて得た樹脂溶
液を用いる以外は、参考例1と同様な操作を行い、成形
品を得た。この成形品について曲げ強度およびILSSを同
様に測定した。その結果を表−2に示した。
実施例3 参考例で得られたブロック共重合体と、参考例で得たPP
SSとを、当該ブロック共重合体に対し3重量%混合し
て、それをクロロホルムに分散させて得た樹脂溶液を用
いる以外は、参考例1と同様な操作を行い、成形品を得
た。この成形品について曲げ強度およびILSSを同様に測
定した。その結果を表−2に示した。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C08L 81/06 81:02)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリフェニレンスルフィドとポリフェニレ
    ンスルフィドスルホンとが化学的に結合したブロック共
    重合体と、ポリフェニレンスルフィドおよびポリフェニ
    レンスルフィドスルホンの少なくとも一種との混合物を
    炭素繊維に含浸してなる炭素繊維強化樹脂組成物。
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