JPH048464B2 - - Google Patents
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- JPH048464B2 JPH048464B2 JP21796986A JP21796986A JPH048464B2 JP H048464 B2 JPH048464 B2 JP H048464B2 JP 21796986 A JP21796986 A JP 21796986A JP 21796986 A JP21796986 A JP 21796986A JP H048464 B2 JPH048464 B2 JP H048464B2
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Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
- Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
- Reinforced Plastic Materials (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野]
本発明は、優れた耐熱、耐水性と機械的特性を
有する、付加硬化型ポリキノキサリン系樹脂組成
物をマトリツクスとする炭素繊維強化複合材料用
プリプレグに関するものである。さらに詳しく
は、耐熱性が良好でかつ成形性の優れた炭素繊維
強化複合体(以下CFRPと略称する)のマトリツ
クス樹脂として好適な付加硬化型ポリキノキサリ
ン形樹脂組成物をマトリツクスとする炭素繊維強
化複合材料用プリプレグに関するものである。 [従来の技術と発明が解決しようとする問題点] 従来から、耐熱性CFRPとしてはポリイミド系
の樹脂がマトリツクス樹脂として研究されてい
る。しかし、ポリイミド系樹脂は耐熱性は優れて
いる吸水性が大きいので、ポリイミド系の複合材
料は大気中の水分を吸収して耐熱性が低下すると
いう欠点がある。一方、ポリキノキサリン系樹脂
は耐熱性、耐水性が優れているが、ポリイミド樹
脂に比べて成形が困難なことから実用化が遅れて
いる。一般に高耐熱性の樹脂は、ガラス転移温度
並びに融点が高く、かつ溶融樹脂の流動性が悪い
ため成形は高温、高圧下で行なわれるが、形状の
複雑な成形品や複合材料を成形するためには、樹
脂の流動性の良いことが不可欠である。 ポリフエニルキノキサリン樹脂は有機溶剤に可
溶でしかもガラス転移温度は300℃前後で溶融流
動性もあり、耐熱ポリマーのなかではプロセス性
は良好である。しかし高分子量ポリフエニルキノ
キサリン樹脂をマトリツクスとする複合材料は、
成形時の樹脂の流動性が悪いため成形性は著しく
劣る。そこでポリフエニルキノキサリン樹脂の成
形性の改善を目的として付加硬化型樹脂への改質
が研究されている。例えばアセチル末端[エーシ
ーエスポリマープレプリント(ACS Polym.
Prepr.),16(1975),246]、アセチルフエノキシ
ベンジイル末端[ジヤーナル オブ アプライド
ポリマー サイエンス(J.Appl.Polym.Sci.),
24(1979),763]、ニトリル末端[ナシヨナル
サンペ テクニカル コンフアレンス
(National SAMPE Technical Conference),
8(1976),114]、及びビフエニレン末端[ジヤ
ーナル オブ マクロモレキユラー サイエンス
ケミストリー(J.Macromol.Sci.Chem.),A21
(8&9)(1984),913]ポリフエニルキノキサリ
ン系樹脂などがあげられる。本発明者らもナジイ
ミド末端ポリフエニルキノキサリン樹脂を開発し
た。このように高分子量のポリフエニルキノキサ
リン樹脂を付加硬化型樹脂に改質することによつ
て成形性は大幅に上昇した。しかしながら付加硬
化型ポリフエニルキノキサリン樹脂もオリゴマの
ガラス転移温度が200℃以上と高いために溶融流
動性が不十分で、複合材料特に形状の複雑な大型
部品の成形は著しく困難であつた。そのため、付
加硬化型ポリマーの成形性を向上するためには、
オリゴマの溶融温度と付加反応が開始する温度と
の差を大きくする必要があつた。たとえばオリゴ
マの流動性はオリゴマの平均分子量を小さくする
ことによつて改良することができる。しかし平均
分子量を小さくすると樹脂の伸びが低下するため
CFRPの物性が低下する。そこで、低分子量の反
応性可塑剤を添加することによつて成形性を向上
させる試みが研究されている。アセチレン末端ポ
リフエニルキノキサリンにアセチルフエニルエー
テルの添加を研究している例[ナシヨナル サン
ペ シンポジウム(National SAMPE
SymPosium),28(1983),699]があり、この様
な方法で成形性はある程度改善される。しかし、
反応性可塑剤の添加では成形中の樹脂の流動性は
ある程度改善できるが、プリプレグのタツクやド
レープ性(軟らかさ)は改善できないため復合材
料特にCFRP用マトリツクス樹脂としては満足で
きるものではない。 一方、反応性希釈剤の利用はすでにビスマレイ
ミド系の樹脂では一般化している技術ではあるが
付加硬化型耐熱ポリマーの場合にはポリイミド樹
脂を含めて、反応性希釈剤に対するオリゴマの溶
解性が悪いことや、復合材料の機械的特性が低下
するなどの点で問題が多くまだ実用化された例は
ない。 そこで、本発明者らは優れた耐熱性、耐水性お
よび機械的特性を有し、かつ成形性の優れたポリ
キノキサリン系樹脂について鋭意研究した結果、
本発明に到達した。 [問題点を解決するための手段] 上記問題点を解決するために本発明は次の構成
を有する。すなわち、一般式[]で表される付
加硬化型ポリキノキサリンオリゴマと、一般式
[]で表されるビスシアネートモノマまたは/
およびオリゴマならびに一般式[]で表される
ジアリル化合物を必須成分とする付加硬化型ポリ
キノキサリン系樹脂組成物をマトリツクスとする
炭素繊維強化複合材料用プリプレグである。 R1:CH2,O,CO,SO2,S Ar1:nil or【式】(R2:CH2, O,CO,SO2,S) Z:H,【式】 N≡C−O−Ar2−O−C≡N [] Ar2:−(CH2−)o (n=1〜10),
【式】 (R3:CH2,O,CO,SO2,S,C
(CH3)2) H2C=CH−CH2−Ar3−CH2−CH=CH2 [] Ar3:【式】 【式】 (R4:CH2,O,CO,SO2,S,C
(CH3)2) (R5:H,OH,CH3,C2H5) 付加硬化型ポリキノキサリン樹脂オリゴマに反
応性希釈剤としてジアリル化合物のみを使用した
系においては、耐熱性の良好な複合材料が得られ
ない。すなわち、複合材料の成形に必要な溶融流
動性を得るためには反応性希釈剤を多量に使用し
なければならないが、ジアリル化合物はナジイミ
ド末端のポリキノキサリン樹脂オリゴマと共重合
しないため得られる複合材料の耐熱性は低く、機
械的特性も大きく低下してしまうという欠点が生
じる。 しかるに、本発明のポリキノキサリン系樹脂
は、この様な欠点を生ぜずして十分な溶融流動性
を得ることができる。すなわち、ビスシアネート
モノマまたは/およびオリゴマとジアリル化合物
を混合した反応性希釈剤を使用すれば、ビスシア
ネートモノマまたは/およびオリゴマが付加硬化
型ポリキノキサリン樹脂オリゴマ及びジアリル化
合物の両者と共重合して三次元架橋構造を作るた
め、耐熱樹脂として必要な性能を保持しかつ成形
性の優れたキノキサリン樹脂を得ることができる
のみならず、優れた機械的特性をも有するのであ
る。 付加硬化型ポリキノキサリン樹脂オリゴマと反
応性希釈剤の混合比率が重量比で80/20〜30/70
の範囲が望ましく、より好ましくは、60/40〜
40/60が望ましい。反応性希釈剤の添加量が増え
るほど樹脂の流動性が良くなるが、逆に耐熱性が
低下する。そのため耐熱樹脂として必要な性能を
保持するためには、一般式[]に対する反応性
希釈剤(すなわち[]と[]を合計した量)
の添加量は70wt%を越えてはいけない。一方、
添加量が少なすぎると十分な溶融流動性が得られ
ず、従つて添加量は20wt%以上でなければいけ
ない。また、反応性希釈剤は、一般式[]で表
されるビスシアネートモノマまたは/およびオリ
ゴマと一般式[]で表されるジアリル化合物の
混合比率([]/[])が、当量比で1/1〜
10/1が望ましく、より好ましくは、2/1〜
8/1が望ましい。ビスシアネートモノマまた
は/およびオリゴマは二重結合を持つ多くの化合
物、例えば付加硬化型ポリキノキサリン系樹脂オ
リゴマやジアリル化合物と反応する。そのため、
耐熱性樹脂として必要な性能を保持するためには
ビスシアネートモノマまたは/およびオリゴマの
添加量は、ジアリル化合物の添加量を下回らない
ほうが良い。一方、ビスシアネートモノマまた
は/およびオリゴマの添加量が増えるほど樹脂の
室温での粘度が高くなり成形性の改善が不十分と
なる。そのため反応性希釈剤[]の添加量は反
応性希釈剤[]の添加量の10倍を越えてはいけ
ない。 このように本発明に用いるポリキノキサリン系
樹脂は優れた耐熱性と機械的特性を有し、さらに
プリプレグのタツクやドレープ性が優れていて、
かつ優れた成形性を有するため、繊維強化復合材
料用マトリツクス樹脂として優れているほか、接
着剤や成形材料としても好適である。 さらに本発明のポリキノキサリン樹脂をマトリ
ツクスとする炭素繊維強化複合材料用において、
とくに高強度の炭素繊維の場合に最も優れた効果
が得られるが、強化繊維として、炭素繊維に加え
てガラス繊維など、ほかの繊維と混合使用しても
さしつかえないし、繊維の形態も長繊維、織物、
編物、マツト、カツトフアイバーなど何れの形態
であつてもさしつかえない。 [実施例] 以下の実施例によつて本発明をさらに詳細に説
明する。 実施例 1 シアネート基当量が181gのビスフエノール−
Aシアン酸エステル35部と0,0′−ジアリルビス
フエノール−A15部を50℃で混合した溶液に3,
3,4,4′−テトラアミノベンフエノン、p−ビ
スフエニルグリオキサリル、3−ナジイミドオル
ソフエニレンジアミンから合成したナジイミド末
端ポリフエニルキノキサリン樹脂50部をジオキサ
ンに溶かした溶液を添加し、50℃で暫く撹拌して
ジオキサン含量を1%以下にまで濃縮して、プリ
プレグ用樹脂を得た。得られたプリプレグ用樹脂
と東レ株式会社製“トレカ”T400を用いてホツ
トメルト法でプリプレグを作製した。プリプレグ
中の樹脂の含有量は40.3%で、炭素繊維の目付は
250g/m2であつた。そこで得られたプリプレグ
を長さ30cm、幅20cmに切断し、これを積層してオ
ートクレーブ中で160℃で6Kg/cm2に加圧したの
ち250℃まで昇温し、2時間保持した後300℃で6
時間アフターキユアーして成形品を得た。得られ
た成形品中の炭素繊維の体積含有量は60.4%で、
DSC法で測定したガラス転移温度は293℃で良好
な耐熱性を有していることが分かつた。 次に得られた成形品からASTM,D−638並び
にD−790に準じて試験片を切出して引張特性並
びに曲げ特性の測定を行なつたところ、引張強度
230Kg/mm2、引張弾性率14.3t/mm2、曲げ強度187
Kg/mm2、曲げ弾性率13.8t/mm2で優れた機械特性
を有していた。 比較例 1 実施例で用いたナジイミド末端ポリフエニルキ
ノキサリン樹脂をジオキサンに溶解し、実施例と
同様の方法で炭素繊維強化複合材料の作製を試み
た。プリプレグはホツトメルト法で作製すること
が困難なため溶剤としてジオキサンを用い、湿式
法で作製した。また成形条件は、成形温度250℃、
圧力6Kg/cm2では良好な成形品が得られなかつた
ので、温度300℃圧力14Kg/cm2で行なう必要があ
つた。このように実施例に比べて高温高圧下でオ
ートクレーブ成形を行なつたが、成形品には多数
のボイドがあつた。得られた成形品中の炭素繊維
の体積含量は60.5%で、DSC法で測定したガラス
転移温度は316℃で耐熱性は良好であつたが、一
方実施例と同様の方法で測定した引張強度は163
Kg/mm2、引張弾性率14.2t/mm2、曲げ強度160Kg/
mm2、曲げ弾性率13.7t/mm2で実施例に比べて機械
特性も劣つていた。 [発明の効果] 本発明の付加硬化型ポリキノキサリン系樹脂組
成物をマトリツクスとする炭素繊維強化複合材料
用プリプレグは成形性に優れ、またこれを用いて
得られる炭素繊維強化複合体は、耐熱性が良好で
である。
有する、付加硬化型ポリキノキサリン系樹脂組成
物をマトリツクスとする炭素繊維強化複合材料用
プリプレグに関するものである。さらに詳しく
は、耐熱性が良好でかつ成形性の優れた炭素繊維
強化複合体(以下CFRPと略称する)のマトリツ
クス樹脂として好適な付加硬化型ポリキノキサリ
ン形樹脂組成物をマトリツクスとする炭素繊維強
化複合材料用プリプレグに関するものである。 [従来の技術と発明が解決しようとする問題点] 従来から、耐熱性CFRPとしてはポリイミド系
の樹脂がマトリツクス樹脂として研究されてい
る。しかし、ポリイミド系樹脂は耐熱性は優れて
いる吸水性が大きいので、ポリイミド系の複合材
料は大気中の水分を吸収して耐熱性が低下すると
いう欠点がある。一方、ポリキノキサリン系樹脂
は耐熱性、耐水性が優れているが、ポリイミド樹
脂に比べて成形が困難なことから実用化が遅れて
いる。一般に高耐熱性の樹脂は、ガラス転移温度
並びに融点が高く、かつ溶融樹脂の流動性が悪い
ため成形は高温、高圧下で行なわれるが、形状の
複雑な成形品や複合材料を成形するためには、樹
脂の流動性の良いことが不可欠である。 ポリフエニルキノキサリン樹脂は有機溶剤に可
溶でしかもガラス転移温度は300℃前後で溶融流
動性もあり、耐熱ポリマーのなかではプロセス性
は良好である。しかし高分子量ポリフエニルキノ
キサリン樹脂をマトリツクスとする複合材料は、
成形時の樹脂の流動性が悪いため成形性は著しく
劣る。そこでポリフエニルキノキサリン樹脂の成
形性の改善を目的として付加硬化型樹脂への改質
が研究されている。例えばアセチル末端[エーシ
ーエスポリマープレプリント(ACS Polym.
Prepr.),16(1975),246]、アセチルフエノキシ
ベンジイル末端[ジヤーナル オブ アプライド
ポリマー サイエンス(J.Appl.Polym.Sci.),
24(1979),763]、ニトリル末端[ナシヨナル
サンペ テクニカル コンフアレンス
(National SAMPE Technical Conference),
8(1976),114]、及びビフエニレン末端[ジヤ
ーナル オブ マクロモレキユラー サイエンス
ケミストリー(J.Macromol.Sci.Chem.),A21
(8&9)(1984),913]ポリフエニルキノキサリ
ン系樹脂などがあげられる。本発明者らもナジイ
ミド末端ポリフエニルキノキサリン樹脂を開発し
た。このように高分子量のポリフエニルキノキサ
リン樹脂を付加硬化型樹脂に改質することによつ
て成形性は大幅に上昇した。しかしながら付加硬
化型ポリフエニルキノキサリン樹脂もオリゴマの
ガラス転移温度が200℃以上と高いために溶融流
動性が不十分で、複合材料特に形状の複雑な大型
部品の成形は著しく困難であつた。そのため、付
加硬化型ポリマーの成形性を向上するためには、
オリゴマの溶融温度と付加反応が開始する温度と
の差を大きくする必要があつた。たとえばオリゴ
マの流動性はオリゴマの平均分子量を小さくする
ことによつて改良することができる。しかし平均
分子量を小さくすると樹脂の伸びが低下するため
CFRPの物性が低下する。そこで、低分子量の反
応性可塑剤を添加することによつて成形性を向上
させる試みが研究されている。アセチレン末端ポ
リフエニルキノキサリンにアセチルフエニルエー
テルの添加を研究している例[ナシヨナル サン
ペ シンポジウム(National SAMPE
SymPosium),28(1983),699]があり、この様
な方法で成形性はある程度改善される。しかし、
反応性可塑剤の添加では成形中の樹脂の流動性は
ある程度改善できるが、プリプレグのタツクやド
レープ性(軟らかさ)は改善できないため復合材
料特にCFRP用マトリツクス樹脂としては満足で
きるものではない。 一方、反応性希釈剤の利用はすでにビスマレイ
ミド系の樹脂では一般化している技術ではあるが
付加硬化型耐熱ポリマーの場合にはポリイミド樹
脂を含めて、反応性希釈剤に対するオリゴマの溶
解性が悪いことや、復合材料の機械的特性が低下
するなどの点で問題が多くまだ実用化された例は
ない。 そこで、本発明者らは優れた耐熱性、耐水性お
よび機械的特性を有し、かつ成形性の優れたポリ
キノキサリン系樹脂について鋭意研究した結果、
本発明に到達した。 [問題点を解決するための手段] 上記問題点を解決するために本発明は次の構成
を有する。すなわち、一般式[]で表される付
加硬化型ポリキノキサリンオリゴマと、一般式
[]で表されるビスシアネートモノマまたは/
およびオリゴマならびに一般式[]で表される
ジアリル化合物を必須成分とする付加硬化型ポリ
キノキサリン系樹脂組成物をマトリツクスとする
炭素繊維強化複合材料用プリプレグである。 R1:CH2,O,CO,SO2,S Ar1:nil or【式】(R2:CH2, O,CO,SO2,S) Z:H,【式】 N≡C−O−Ar2−O−C≡N [] Ar2:−(CH2−)o (n=1〜10),
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(CH3)2) H2C=CH−CH2−Ar3−CH2−CH=CH2 [] Ar3:【式】 【式】 (R4:CH2,O,CO,SO2,S,C
(CH3)2) (R5:H,OH,CH3,C2H5) 付加硬化型ポリキノキサリン樹脂オリゴマに反
応性希釈剤としてジアリル化合物のみを使用した
系においては、耐熱性の良好な複合材料が得られ
ない。すなわち、複合材料の成形に必要な溶融流
動性を得るためには反応性希釈剤を多量に使用し
なければならないが、ジアリル化合物はナジイミ
ド末端のポリキノキサリン樹脂オリゴマと共重合
しないため得られる複合材料の耐熱性は低く、機
械的特性も大きく低下してしまうという欠点が生
じる。 しかるに、本発明のポリキノキサリン系樹脂
は、この様な欠点を生ぜずして十分な溶融流動性
を得ることができる。すなわち、ビスシアネート
モノマまたは/およびオリゴマとジアリル化合物
を混合した反応性希釈剤を使用すれば、ビスシア
ネートモノマまたは/およびオリゴマが付加硬化
型ポリキノキサリン樹脂オリゴマ及びジアリル化
合物の両者と共重合して三次元架橋構造を作るた
め、耐熱樹脂として必要な性能を保持しかつ成形
性の優れたキノキサリン樹脂を得ることができる
のみならず、優れた機械的特性をも有するのであ
る。 付加硬化型ポリキノキサリン樹脂オリゴマと反
応性希釈剤の混合比率が重量比で80/20〜30/70
の範囲が望ましく、より好ましくは、60/40〜
40/60が望ましい。反応性希釈剤の添加量が増え
るほど樹脂の流動性が良くなるが、逆に耐熱性が
低下する。そのため耐熱樹脂として必要な性能を
保持するためには、一般式[]に対する反応性
希釈剤(すなわち[]と[]を合計した量)
の添加量は70wt%を越えてはいけない。一方、
添加量が少なすぎると十分な溶融流動性が得られ
ず、従つて添加量は20wt%以上でなければいけ
ない。また、反応性希釈剤は、一般式[]で表
されるビスシアネートモノマまたは/およびオリ
ゴマと一般式[]で表されるジアリル化合物の
混合比率([]/[])が、当量比で1/1〜
10/1が望ましく、より好ましくは、2/1〜
8/1が望ましい。ビスシアネートモノマまた
は/およびオリゴマは二重結合を持つ多くの化合
物、例えば付加硬化型ポリキノキサリン系樹脂オ
リゴマやジアリル化合物と反応する。そのため、
耐熱性樹脂として必要な性能を保持するためには
ビスシアネートモノマまたは/およびオリゴマの
添加量は、ジアリル化合物の添加量を下回らない
ほうが良い。一方、ビスシアネートモノマまた
は/およびオリゴマの添加量が増えるほど樹脂の
室温での粘度が高くなり成形性の改善が不十分と
なる。そのため反応性希釈剤[]の添加量は反
応性希釈剤[]の添加量の10倍を越えてはいけ
ない。 このように本発明に用いるポリキノキサリン系
樹脂は優れた耐熱性と機械的特性を有し、さらに
プリプレグのタツクやドレープ性が優れていて、
かつ優れた成形性を有するため、繊維強化復合材
料用マトリツクス樹脂として優れているほか、接
着剤や成形材料としても好適である。 さらに本発明のポリキノキサリン樹脂をマトリ
ツクスとする炭素繊維強化複合材料用において、
とくに高強度の炭素繊維の場合に最も優れた効果
が得られるが、強化繊維として、炭素繊維に加え
てガラス繊維など、ほかの繊維と混合使用しても
さしつかえないし、繊維の形態も長繊維、織物、
編物、マツト、カツトフアイバーなど何れの形態
であつてもさしつかえない。 [実施例] 以下の実施例によつて本発明をさらに詳細に説
明する。 実施例 1 シアネート基当量が181gのビスフエノール−
Aシアン酸エステル35部と0,0′−ジアリルビス
フエノール−A15部を50℃で混合した溶液に3,
3,4,4′−テトラアミノベンフエノン、p−ビ
スフエニルグリオキサリル、3−ナジイミドオル
ソフエニレンジアミンから合成したナジイミド末
端ポリフエニルキノキサリン樹脂50部をジオキサ
ンに溶かした溶液を添加し、50℃で暫く撹拌して
ジオキサン含量を1%以下にまで濃縮して、プリ
プレグ用樹脂を得た。得られたプリプレグ用樹脂
と東レ株式会社製“トレカ”T400を用いてホツ
トメルト法でプリプレグを作製した。プリプレグ
中の樹脂の含有量は40.3%で、炭素繊維の目付は
250g/m2であつた。そこで得られたプリプレグ
を長さ30cm、幅20cmに切断し、これを積層してオ
ートクレーブ中で160℃で6Kg/cm2に加圧したの
ち250℃まで昇温し、2時間保持した後300℃で6
時間アフターキユアーして成形品を得た。得られ
た成形品中の炭素繊維の体積含有量は60.4%で、
DSC法で測定したガラス転移温度は293℃で良好
な耐熱性を有していることが分かつた。 次に得られた成形品からASTM,D−638並び
にD−790に準じて試験片を切出して引張特性並
びに曲げ特性の測定を行なつたところ、引張強度
230Kg/mm2、引張弾性率14.3t/mm2、曲げ強度187
Kg/mm2、曲げ弾性率13.8t/mm2で優れた機械特性
を有していた。 比較例 1 実施例で用いたナジイミド末端ポリフエニルキ
ノキサリン樹脂をジオキサンに溶解し、実施例と
同様の方法で炭素繊維強化複合材料の作製を試み
た。プリプレグはホツトメルト法で作製すること
が困難なため溶剤としてジオキサンを用い、湿式
法で作製した。また成形条件は、成形温度250℃、
圧力6Kg/cm2では良好な成形品が得られなかつた
ので、温度300℃圧力14Kg/cm2で行なう必要があ
つた。このように実施例に比べて高温高圧下でオ
ートクレーブ成形を行なつたが、成形品には多数
のボイドがあつた。得られた成形品中の炭素繊維
の体積含量は60.5%で、DSC法で測定したガラス
転移温度は316℃で耐熱性は良好であつたが、一
方実施例と同様の方法で測定した引張強度は163
Kg/mm2、引張弾性率14.2t/mm2、曲げ強度160Kg/
mm2、曲げ弾性率13.7t/mm2で実施例に比べて機械
特性も劣つていた。 [発明の効果] 本発明の付加硬化型ポリキノキサリン系樹脂組
成物をマトリツクスとする炭素繊維強化複合材料
用プリプレグは成形性に優れ、またこれを用いて
得られる炭素繊維強化複合体は、耐熱性が良好で
である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 一般式[]で表される付加硬化型ポリキノ
キサリンオリゴマと、一般式[]で表されるビ
スシアネートモノマまたは/およびオリゴマなら
びに一般式[]で表されるジアリル化合物を必
須成分とする付加硬化型ポリキノキサリン系樹脂
組成物をマトリツクスとする炭素繊維強化複合材
料用プリプレグ。 R1:CH2,0,CO,SO2,S Ar1:nil or【式】(R2:CH2, O,CO,SO2,S) Z:H,【式】 N≡C−O−Ar2−O−C≡N [] Ar2:−(CH2)−′o (n=1〜10),
【式】 (R3:CH2,O,CO,SO2,S,C
(CH3)2) H2C=CH−CH2−Ar3−CH2−CH=CH2 [] Ar3:【式】 【式】 (R4:CH2,O,CO,SO2,S,C
(CH3)2) (R5:H,OH,CH3,C2H5)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21796986A JPS6375033A (ja) | 1986-09-18 | 1986-09-18 | 付加硬化型ポリキノキサリン系樹脂組成物をマトリックスとする炭素繊維強化複合材料用プリプレグ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21796986A JPS6375033A (ja) | 1986-09-18 | 1986-09-18 | 付加硬化型ポリキノキサリン系樹脂組成物をマトリックスとする炭素繊維強化複合材料用プリプレグ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6375033A JPS6375033A (ja) | 1988-04-05 |
JPH048464B2 true JPH048464B2 (ja) | 1992-02-17 |
Family
ID=16712570
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21796986A Granted JPS6375033A (ja) | 1986-09-18 | 1986-09-18 | 付加硬化型ポリキノキサリン系樹脂組成物をマトリックスとする炭素繊維強化複合材料用プリプレグ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6375033A (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AUPO510297A0 (en) | 1997-02-14 | 1997-03-06 | Sola International Holdings Ltd | Cross-linkable polymeric composition |
JP4612292B2 (ja) * | 2003-10-20 | 2011-01-12 | 株式会社ピーアイ技術研究所 | 接着性組成物及びその硬化方法 |
JP5243151B2 (ja) * | 2008-09-01 | 2013-07-24 | 旭化成イーマテリアルズ株式会社 | エポキシ樹脂硬化性組成物、樹脂ワニス、プリプレグ、金属張積層板及び硬化物 |
US9315633B2 (en) * | 2014-08-29 | 2016-04-19 | The Boeing Company | Nanomodified backbones for polyimides with difunctional and mixed-functionality endcaps |
-
1986
- 1986-09-18 JP JP21796986A patent/JPS6375033A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6375033A (ja) | 1988-04-05 |
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