JP5243151B2 - エポキシ樹脂硬化性組成物、樹脂ワニス、プリプレグ、金属張積層板及び硬化物 - Google Patents

エポキシ樹脂硬化性組成物、樹脂ワニス、プリプレグ、金属張積層板及び硬化物 Download PDF

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Description

本発明は、キノキサリン構造を有する特定構造の化合物を含有するエポキシ樹脂硬化性組成物、これを用いた樹脂ワニス、プリプレグ、金属張積層板及び硬化物に関する。
電気電子製品などに用いられるプリント配線板には、その特性からエポキシ樹脂が広く用いられている。近年、プリント配線板の薄層化に伴う、プリント配線板の反りが問題となっている。反り低減の方策として、エポキシ樹脂の低線膨張化が挙げられる。また、近年、はんだの鉛フリー化が推し進められており、はんだ加工温度が比較的高い非鉛含有はんだの利用が増加しつつある。そこで、はんだ加工時の熱による品質劣化を防止するために、はんだ耐熱性に優れたプリント配線板が求められている。
エポキシ樹脂としてはビスフェノールAのジグリシジルエーテル等が汎用品として広く一般的に知られており、硬化剤としてはフェノールノボラック等のポリフェノール化合物やジシアンジアミドが汎用品として広く一般的に知られている。
非特許文献1には、種々のエポキシ樹脂硬化性組成物が記載されている。特許文献1、2には、種々のエポキシ樹脂を含有する低線膨張性エポキシ樹脂硬化性組成物が記載されている。しかしながら、これら従来のエポキシ樹脂硬化性組成物においては、加工性や引張強度等の物性を悪化させる無機フィラーが必要である等、その物性において充分な性能を得ることはできなかった。
特許文献3,4には、種々のエポキシ樹脂を含有する高耐熱性エポキシ樹脂硬化性組成物が記載されている。しかしながら、これら従来のエポキシ樹脂硬化性組成物においては、線膨張係数等、その物性において充分な性能を得ることはできなかった。
特開2004−335661号公報 特開2004−359853号公報 特開2001−233945号公報 特開2001−278946号公報 「総説エポキシ樹脂」第1巻p.58、61、62、148〜150 エポキシ樹脂技術協会編
本発明は、低線膨張性、高はんだ耐熱性等の優れた物性を有し、例えばプリント配線板用として好適な、エポキシ樹脂硬化性組成物、並びにそれを用いた樹脂ワニス、プリプレグ、金属張積層板及び硬化物の提供を課題とする。
本発明者等は、前記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、キノキサリン構造を有するフェノール化合物をエポキシ樹脂の硬化剤として用いるか、キノキサリン構造を有するエポキシ樹脂を用いることにより、線膨張係数、耐熱性等の物性に優れるエポキシ樹脂硬化性組成物を得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴としたエポキシ樹脂硬化性組成物を提供する。
Figure 0005243151
(式中、X1及びX2は、それぞれ独立し、置換基を有してもよい炭素原子数1〜12の炭化水素基、置換基を有してもよい炭素原子数1〜12のアルコキシ基、置換基を有してもよい炭素原子数1〜12のアミノ基、置換基を有してもよい炭素原子数1〜12のアミド基又は水素原子を表し、X1及びX2のいずれか一方又は両方は、フェノール性水酸基又はエポキシ基を有する。X1及びX2は互いに架橋していてもよく、その場合、X1及びX2が互いに架橋した構造は、飽和又は不飽和の炭素原子数3〜8の環構造であり、かつフェノール性水酸基又はエポキシ基を有する。Y1及びY2は、それぞれ独立し、フェノール性水酸基若しくはエポキシ基を有する置換基で置換された炭素原子数1〜12の炭化水素基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、炭素原子数1〜12のアミノ基、炭素原子数1〜12のアミド基、水酸基又は水素原子を表す。Y1及びY2は互いに架橋していてもよく、その場合、Y1及びY2が互いに架橋した構造は、飽和又は不飽和の炭素原子数3〜15の環構造であり、かつフェノール性水酸基又はエポキシ基を有する。Z1及びZ2は、それぞれ独立し、置換基を有してもよい炭素原子数1〜8の炭化水素基又は置換基を有してもよい炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は水素原子を表す。mは0〜3の整数を表し、mが2〜3の場合、複数のZ1は同一でも異なっていてもよい。nは0〜2の整数を表す。)
また本発明は、下記一般式(2)で表される化合物を含有する上記エポキシ樹脂硬化性組成物を提供する。
Figure 0005243151
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立し、置換基を有してもよい炭素原子数1〜12の炭化水素基、置換基を有してもよい炭素原子数1〜12のアルコキシ基、置換基を有してもよい炭素原子数1〜12のアミノ基、置換基を有してもよい炭素原子数1〜12のアミド基又は水素原子を表し、R1及びR2のいずれか一方又は両方は、フェノール性水酸基又はエポキシ基を有する。Y1及びY2は、それぞれ独立し、フェノール性水酸基若しくはエポキシ基を有する置換基で置換された炭素原子数1〜12の炭化水素基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、炭素原子数1〜12のアミノ基、炭素原子数1〜12のアミド基、水酸基又は水素原子を表す。Y1及びY2は互いに架橋していてもよく、その場合、Y1及びY2が互いに架橋した構造は、飽和又は不飽和の炭素原子数3〜15の環構造であり、かつフェノール性水酸基又はエポキシ基を有する。Z1及びZ2は、それぞれ独立し、置換基を有してもよい炭素原子数1〜8の炭化水素基又は置換基を有してもよい炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は水素原子を表す。mは0〜3の整数を表し、mが2〜3の場合、複数のZ1は同一でも異なっていてもよい。nは0〜2の整数を表す。)
また本発明は、下記一般式(3)で表される化合物を含有する上記エポキシ樹脂硬化性組成物を提供する。
Figure 0005243151
(式中、X1及びX2は、それぞれ独立し、置換基を有してもよい炭素原子数1〜12の炭化水素基、置換基を有してもよい炭素原子数1〜12のアルコキシ基、置換基を有してもよい炭素原子数1〜12のアミノ基、置換基を有してもよい炭素原子数1〜12のアミド基又は水素原子を表し、X1及びX2のいずれか一方又は両方は、フェノール性水酸基又はエポキシ基を有する。nは、0〜2の整数を表す。Z1及びZ2は、それぞれ独立し、置換基を有してもよい炭素原子数1〜8の炭化水素基又は置換基を有してもよい炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は水素原子を表す。W1及びW2のいずれか一方はグリシジルオキシ基又はフェノール性水酸基を有する基を表し、もう一方は水素原子を有する基を表し、nが0の場合、W1及びW2のいずれか一方は炭素原子数0〜7のフェノール性水酸基又はエポキシ基を有する置換基を表してもよい。)
また本発明は、下記一般式(4)で表される化合物を含有する上記エポキシ樹脂硬化性組成物を提供する。
Figure 0005243151
(式中、Bは、水素原子又はグリシジル基を表す。)
また本発明は、下記一般式(5)で表される化合物を含有する上記エポキシ樹脂硬化性組成物を提供する。
Figure 0005243151
(式中、Bは、水素原子又はグリシジル基を表す。)
また本発明は、下記一般式(6)で表される化合物を含有する上記エポキシ樹脂硬化性組成物を提供する。
Figure 0005243151
(式中、Bは、水素原子又はグリシジル基を表す。)
また本発明は、下記一般式(7)で表される化合物を含有する上記エポキシ樹脂硬化性組成物を提供する。
Figure 0005243151
(式中、Bは、水素原子又はグリシジル基を表す。)
また本発明は、上記エポキシ樹脂硬化性組成物と、有機溶剤とを含有する樹脂ワニスを提供する。
また本発明は、上記樹脂ワニスをガラス織布又はガラス不織布又は有機繊維織布に含浸した後に加熱して得られるプリプレグを提供する。
また本発明は、上記プリプレグと金属箔とが積層されてなる金属張積層板を提供する。
また本発明は、上記エポキシ樹脂硬化性組成物又は上記樹脂ワニスを硬化させてなる硬化物を提供する。
本発明によれば、低い線膨張係数及び高いはんだ耐熱性等の優れた物性を有するエポキシ樹脂硬化性組成物、並びにこれを用いた樹脂ワニス、プリプレグ、金属張積層板及び硬化物を提供することができる。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明のエポキシ樹脂硬化性組成物は、下記一般式(1)で表される化合物を含有する。
Figure 0005243151
(式中、X1及びX2は、それぞれ独立し、置換基を有してもよい炭素原子数1〜12の炭化水素基、置換基を有してもよい炭素原子数1〜12のアルコキシ基、置換基を有してもよい炭素原子数1〜12のアミノ基、置換基を有してもよい炭素原子数1〜12のアミド基又は水素原子を表し、X1及びX2のいずれか一方又は両方は、フェノール性水酸基又はエポキシ基を有する。X1及びX2は互いに架橋していてもよく、その場合、X1及びX2が互いに架橋した構造は、飽和又は不飽和の炭素原子数3〜8の環構造であり、かつフェノール性水酸基又はエポキシ基を有する。Y1及びY2は、それぞれ独立し、フェノール性水酸基若しくはエポキシ基を有する置換基で置換された炭素原子数1〜12の炭化水素基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、炭素原子数1〜12のアミノ基、炭素原子数1〜12のアミド基、水酸基又は水素原子を表す。Y1及びY2は互いに架橋していてもよく、その場合、Y1及びY2が互いに架橋した構造は、飽和又は不飽和の炭素原子数3〜15の環構造であり、かつフェノール性水酸基又はエポキシ基を有する。Z1及びZ2は、それぞれ独立し、置換基を有してもよい炭素原子数1〜8の炭化水素基又は置換基を有してもよい炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は水素原子を表す。mは0〜3の整数を表し、mが2〜3の場合、複数のZ1は同一でも異なっていてもよい。nは0〜2の整数を表す。)
上記一般式(1)中、X1及びX2のいずれか一方又は両方が有する、フェノール性水酸基を有する基としては、水酸基又はo−ヒドロキシフェニル基又はm−ヒドロキシフェニル基又はp−ヒドロキシフェニル基が好ましい。
上記一般式(1)中、X1及びX2のいずれか一方又は両方が有する、エポキシ基を有する基としては、例えば、エポキシ基、グリシジル基、脂環式エポキシ基、グリシジルオキシ基、及びこれらを置換基として有するアルコキシ基、アミノ基、アミド基等が挙げられ、グリシジルオキシ基又はo−グリシジルオキシフェニル基又はm−グリシジルオキシフェニル基又はp−グリシジルオキシフェニル基が好ましい。
上記一般式(1)中、X1又はX2のうちエポキシ基及びフェノール性水酸基を有さない基としては、例えば、置換基を有してもよい炭素原子数1〜12の炭化水素基又は置換基を有してもよい炭素原子数1〜12のアルコキシ基又は置換基を有してもよい炭素原子数1〜12のアミノ基又は置換基を有してもよい炭素原子数1〜12のアミド基又はフェニル基又は水素原子が挙げられ、はんだ耐熱性、溶解性等の物性の点から、フェニル基又は水素原子が好ましい。
上記一般式(1)中、Y1及びY2としては、はんだ耐熱性、溶解性等の物性の点から、水酸基、グリシジルオキシ基が好ましい。
上記一般式(1)中、Z1及びZ2は、置換基を有してもよい炭素原子数1〜8の炭化水素基又は置換基を有してもよい炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は水素原子であればよいが、はんだ耐熱性、溶解性等の物性の点から、フェニル基、水素原子、メチル基、エチル基が好ましい。
上記一般式(1)中、mは0〜3の整数であり、はんだ耐熱性、溶解性等の点から、mは0であることが好ましい。
上記一般式(1)中、nは0〜2の整数であり、はんだ耐熱性、溶解性等の点から、nは0であることが好ましい。
さらに、一般式(1)で表される化合物のうち、製造コストと物性の点から好ましい、キノキサリン構造を有する化合物としては、Z1及びZ2が互いに架橋した、下記一般式(2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005243151
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立し、置換基を有してもよい炭素原子数1〜12の炭化水素基、置換基を有してもよい炭素原子数1〜12のアルコキシ基、置換基を有してもよい炭素原子数1〜12のアミノ基、置換基を有してもよい炭素原子数1〜12のアミド基又は水素原子を表し、R1及びR2のいずれか一方又は両方は、フェノール性水酸基又はエポキシ基を有する。Y1及びY2は、それぞれ独立し、フェノール性水酸基若しくはエポキシ基を有する置換基で置換された炭素原子数1〜12の炭化水素基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、炭素原子数1〜12のアミノ基、炭素原子数1〜12のアミド基、水酸基又は水素原子を表す。Y1及びY2は互いに架橋していてもよく、その場合、Y1及びY2が互いに架橋した構造は、飽和又は不飽和の炭素原子数3〜15の環構造であり、かつフェノール性水酸基又はエポキシ基を有する。Z1及びZ2は、それぞれ独立し、置換基を有してもよい炭素原子数1〜8の炭化水素基又は置換基を有してもよい炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は水素原子を表す。mは0〜3の整数を表し、mが2〜3の場合、複数のZ1は同一でも異なっていてもよい。nは0〜2の整数を表す。)
上記一般式(2)中、R1及びR2のいずれか一方又は両方が有する、フェノール性水酸基を有する基としては、水酸基又はo−ヒドロキシフェニル基又はm−ヒドロキシフェニル基又はp−ヒドロキシフェニル基が好ましい。
上記一般式(2)中、R1及びR2のいずれか一方又は両方が有する、エポキシ基を有する基としては、例えば、エポキシ基、グリシジル基、脂環式エポキシ基、グリシジルオキシ基、及びこれらを置換基として有するアルコキシ基、アミノ基、アミド基等が挙げられ、グリシジルオキシ基又はo−グリシジルオキシフェニル基又はm−グリシジルオキシフェニル基又はp−グリシジルオキシフェニル基が好ましい。
上記一般式(2)中、R1又はR2のうちエポキシ基及びフェノール性水酸基を有さない基としては、例えば、置換基を有してもよい炭素原子数1〜12の炭化水素基又は置換基を有してもよい炭素原子数1〜12のアルコキシ基又は置換基を有してもよい炭素原子数1〜12のアミノ基又は置換基を有してもよい炭素原子数1〜12のアミド基又はフェニル基又は水素原子が挙げられ、はんだ耐熱性、溶解性等の物性の点から、フェニル基又は水素原子が好ましい。
さらに、一般式(1)で表される、キノキサリン骨格を有する化合物のうち、はんだ耐熱性、溶解性等の物性の点から好ましい化合物としては、下記一般式(3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005243151
(式中、X1及びX2は、それぞれ独立し、置換基を有してもよい炭素原子数1〜12の炭化水素基、置換基を有してもよい炭素原子数1〜12のアルコキシ基、置換基を有してもよい炭素原子数1〜12のアミノ基、置換基を有してもよい炭素原子数1〜12のアミド基又は水素原子を表し、X1及びX2のいずれか一方又は両方は、フェノール性水酸基又はエポキシ基を有する。nは、0〜2の整数を表す。Z1及びZ2は、それぞれ独立し、置換基を有してもよい炭素原子数1〜8の炭化水素基又は置換基を有してもよい炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は水素原子を表す。W1及びW2のいずれか一方はグリシジルオキシ基又はフェノール性水酸基を有する基を表し、もう一方は水素原子を有する基を表し、nが0の場合、W1及びW2のいずれか一方は炭素原子数0〜7のフェノール性水酸基又はエポキシ基を有する置換基を表してもよい。)
上記一般式(3)中、X1及びX2のいずれか一方又は両方が有する、フェノール性水酸基を有する基としては、水酸基又はo−ヒドロキシフェニル基又はm−ヒドロキシフェニル基又はp−ヒドロキシフェニル基であることが好ましい。
上記一般式(3)中、X1及びX2のいずれか一方又は両方が有する、エポキシ基を有する基としては、例えば、エポキシ基、グリシジル基、脂環式エポキシ基、グリシジルオキシ基、及びこれらを置換基として有するアルコキシ基、アミノ基、アミド基等が挙げられ、グリシジルオキシ基又はo−グリシジルオキシフェニル基又はm−グリシジルオキシフェニル基又はp−グリシジルオキシフェニル基が好ましい。
上記一般式(3)中、X1又はX2のうちエポキシ基及びフェノール性水酸基を有さない基としては、例えば、置換基を有してもよい炭素原子数1〜12の炭化水素基又は置換基を有してもよい炭素原子数1〜12のアルコキシ基又は置換基を有してもよい炭素原子数1〜12のアミノ基又は置換基を有してもよい炭素原子数1〜12のアミド基又はフェニル基又は水素原子が挙げられ、はんだ耐熱性、溶解性等の物性の点から、フェニル基又は水素原子が好ましい。
上記一般式(3)中、Z1及びZ2は、置換基を有してもよい炭素原子数1〜8の炭化水素基又は置換基を有してもよい炭素原子数1〜8のアルコキシ基又は水素原子であればよいが、はんだ耐熱性、溶解性等の物性の点から、フェニル基、水素原子、メチル基、エチル基が好ましい。
上記一般式(3)中、nは0〜2の整数であり、製造コストの点から、nは0であることが好ましい。
上記一般式(3)中、W1及びW2のいずれか一方はグリシジルオキシ基又はフェノール性水酸基を有する基を表し、もう一方は水素原子を有する基を表し、nが0の場合、W1及びW2のいずれか一方は炭素原子数0〜7のフェノール性水酸基又はエポキシ基を有する置換基を表してもよい。はんだ耐熱性、溶解性等の物性の点から、W1及びW2のいずれか一方が、o−ヒドロキシフェニル基又はm−ヒドロキシフェニル基又はp−ヒドロキシフェニル基又はグリシジルオキシ基又はo−グリシジルオキシフェニル基又はm−グリシジルオキシフェニル基又はp−グリシジルオキシフェニル基であり、もう一方が水素原子又はメチル基であることが好ましい。
上記一般式(1)〜(3)で表される、キノキサリン構造を有する化合物は、複数の構造異性体の混合物であってもよい。このような混合物がフェノール性水酸基を有する場合について、以下でより具体的に説明する。
一般式(1)で表される化合物がフェノール性水酸基を有する場合の、複数の構造異性体の混合物の例としては、下記混合物1及び2が挙げられる。また、一般式(2)で表される化合物がフェノール性水酸基を有する場合の、複数の構造異性体の混合物の例としては、下記混合物3が挙げられる。また、一般式(3)で表される化合物がフェノール性水酸基を有する場合の、複数の構造異性体の混合物の例としては、下記混合物4が挙げられる。ただし、本発明は、下記の構造によりいかなる制限を受けるものでもない。
Figure 0005243151
Figure 0005243151
Figure 0005243151
Figure 0005243151
一般式(1)で表される化合物がフェノール性水酸基を有する場合の、複数の構造異性体の混合物の合成方法としては、ジアミノベンゼン誘導体とグリオキサール誘導体からキノキサリン環を合成することによって、化合物中にキノキサリン構造を含有させる方法が挙げられる。上記混合物1を例に挙げて詳しく説明すると、下記反応式Aのように、キノキサリン環合成を行う。すなわち、3,4−ジアミノフェノールとp−ヒドロキシフェニルグリオキサールとを、溶媒中で、キノキサリン化反応させ、上記混合物1を得ることができる。酢酸やトリフルオロ酢酸等の酸触媒を用いると、反応が促進されるので好ましい。
Figure 0005243151
次に、一般式(1)〜(3)で表される、キノキサリン構造を有する化合物の複数の構造異性体の混合物がエポキシ基を有する場合について、より具体的に説明する。
一般式(1)で表される化合物がエポキシ基を有する場合の、複数の構造異性体の混合物の例としては、下記混合物5及び6が挙げられる。また一般式(2)で表される化合物がエポキシ基を有する場合の、複数の構造異性体の混合物の例としては、下記混合物7が挙げられる。また一般式(3)で表される化合物がエポキシ基を有する場合の、複数の構造異性体の混合物の例としては、下記混合物8が挙げられる。ただし、本発明は、下記の構造によりいかなる制限を受けるものでもない。
Figure 0005243151
Figure 0005243151
Figure 0005243151
Figure 0005243151
一般式(1)で表される化合物がエポキシ基を有する場合の、複数の構造異性体の混合物の合成方法としては、上記混合物5を例に挙げて詳しく説明すると、下記反応式Bのように、上記混合物1とエピクロロヒドリンとを、溶媒中、塩基存在下で反応させることによって得る方法が挙げられる。
Figure 0005243151
本発明のエポキシ樹脂硬化性組成物は、一般式(1)〜(3)で表される化合物をエポキシ樹脂の硬化剤として含有してもよいし、エポキシ樹脂として含有してもよい。該化合物を硬化剤として使用する態様としては、例えば、一般式(1)〜(3)で表される化合物がフェノール性水酸基を有する場合の複数の構造異性体の混合物、すなわち、一般式(1)で表される化合物がフェノール性水酸基を有する場合(例えば混合物1及び2)、一般式(2)で表される化合物がフェノール性水酸基を有する場合(例えば混合物3)、一般式(3)で表される化合物がフェノール性水酸基を有する場合(例えば混合物4)の混合物の使用を例示できる。また、一般式(1)〜(3)で表される化合物をエポキシ樹脂として使用する態様としては、例えば、該化合物がエポキシ基を有する場合の複数の構造異性体の混合物、すなわち、一般式(1)で表される化合物がエポキシ基を有する場合(例えば混合物5及び6)、一般式(2)で表される化合物がエポキシ基を有する場合(例えば混合物7)、一般式(3)で表される化合物がエポキシ基を有する場合(例えば混合物8)の混合物の使用を例示できる。上記いずれの態様においても、本発明のエポキシ樹脂硬化性組成物には、硬化剤として公知の他の硬化剤、及びエポキシ樹脂として公知の他のエポキシ樹脂を単独又は2種以上で含有させることができる。
上記他の硬化剤としては、一般的なエポキシ樹脂の硬化剤として通常用いられるものであれば、特に制約はなく、アミン類、フェノール類、酸無水物等が挙げられる。アミン類としては、キシリレンジアミン、1−シアノグアニジン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、メチレンジアニリン、メタフェニレンジアミン等が挙げられる。フェノール類としては、ビフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ビスフェノールAノボラック、及びこれらのアルキル基置換体等が挙げられる。酸無水物としては、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ピロメリット酸、無水クロレンド酸、無水ナディック酸、無水メチルナディック酸、無水ドデシルニルコハク酸、無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸などが挙げられる。これらは単独又は2種以上で用いることができる。
上記他のエポキシ樹脂は、特に制限されない。例えば、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型2官能エポキシ樹脂、ビフェニル変性ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフトール―クレゾール共縮合ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール―フェノール共縮合ノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン―フェノール付加反応型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。これらは単独又は2種以上で用いることができる。
本発明のエポキシ樹脂硬化性組成物における硬化剤の使用量は、特に限定されず、硬化剤の反応性官能基の数(α)とエポキシ樹脂のエポキシ基の数(β)との比が、α/β=0.8〜1.2/1.0となるように配合するのが好ましい。α/β=0.9〜1.0/1.0であることがより好ましい。
本発明のエポキシ樹脂硬化性組成物におけるエポキシ樹脂の一部又は全ては、エポキシ当量が100〜1000g/eqであることが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂硬化性組成物には、無機充填剤を含有させることができる。無機充填剤としては、一般的なエポキシ樹脂硬化性組成物に通常用いられるものであれば、特に制約はないが、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、Eガラス粉末、アルミナ、酸化マグネシウム、二酸化チタン、チタン酸カリウム、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、クレイ、タルク等が挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して用いることができる。また、無機充填剤はシランカップリング剤等で表面処理することもできる。
無機充填剤の使用量としては、エポキシ樹脂硬化性組成物に用いた全てのエポキシ樹脂の質量と、用いた全ての硬化剤の質量との和(γ)と、無機充填剤の質量(δ)との比が、γ/δ=1.0〜95.0/1.0であることが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂硬化性組成物には、エポキシ樹脂と硬化剤との反応を促進する硬化促進剤を添加してもよい。硬化促進剤としては、イミダゾール化合物、アミン類、3ふっ化ほう素類、有機ホスフィン類が挙げられる。イミダゾール化合物としては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−イソプロピルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾールトリメリテート、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾールトリメリテート、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾールトリメリテート、1−シアノエチル−2−フェニル−4,5−ジ(シアノエトキシメチル)イミダゾール等が挙げられる。アミン類としては、ジメチルアミノメチルフェノール−2,4,6−トリ(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリ(ジメチルアミノメチル)フェノールのトリ−2−エチルヘキサン塩等が挙げられる。3ふっ化ほう素類としては、3ふっ化ほう素・モノエチルアミン錯化合物、3ふっ化ほう素・トリエチルアミン錯化合物、3ふっ化ほう素・ピペリジン錯化合物、3ふっ化ほう素・n−ブチルエーテル錯化合物、3ふっ化ほう素・アミン錯化合物等が挙げられる。有機ホスフィン類としては、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等が挙げられる。
硬化促進剤は、エポキシ樹脂及び硬化剤の合計100質量部に対して0.1〜5質量部配合することが好ましい。プリプレグの保存安定性の観点から、0.1質量部以上が好ましく、加工時間を短縮する観点から、5質量部以下が好ましい。より好ましくは、0.15〜2質量部である。
さらに、本発明のエポキシ樹脂硬化性組成物は、シランカップリング剤を含有することも可能である。
本発明は、上述のエポキシ樹脂硬化性組成物と有機溶剤とを含有する樹脂ワニスも提供する。典型的には、エポキシ樹脂硬化性組成物は有機溶剤中に溶解又は分散している。有機溶剤としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、2−メトキシエタノール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン等の非プロトン含窒素系溶剤が例示される。これらは単独であっても、2種以上の混合溶剤であってもよい。樹脂ワニス中の有機溶剤の含有量は、例えば後述のプリプレグを作製する際の織布又は不織布への樹脂ワニスの含浸性を考慮して、25質量%〜75質量%であることが好ましい。
本発明は、上述の樹脂ワニスを用いたプリプレグも提供する。プリプレグは、上述した本発明の樹脂ワニスを、織布又は不織布からなる基布、典型的にはガラス織布又はガラス不織布又は有機繊維織布に含浸し、加熱することにより得ることができる。より典型的には、例えば、本発明のエポキシ樹脂硬化性組成物を有機溶剤に溶解又は分散させて得た樹脂ワニスを、ガラス織布又はガラス不織布又は有機繊維織布に含浸させた後、加熱により樹脂ワニス中の溶剤を乾燥し、該エポキシ樹脂硬化性組成物を一部硬化させることで形成できる。以下、基布としてガラスクロスを用いる場合についてより具体的に説明する。
ガラスクロスに樹脂ワニスを含浸させる方法としては、(ア)樹脂ワニスをバスに溜め、ガラスクロスを浸漬させながら通過させた後、ガラスクロスに樹脂ワニスが所定量含浸されるようにスリット、又はマングルで余剰樹脂ワニスを掻き落とす方法、(イ)ロールコーター、ダイコーター、グラビアコーター等でガラスクロスに直接所定量の樹脂ワニスを塗工することで含浸させる方法等が好ましい。
また、ガラスクロスに上記樹脂ワニスを含浸させた後、溶剤を加熱乾燥させ、及び樹脂を一部硬化させる方法としては、熱風、電磁波等公知の方法が可能である。加熱乾燥時の温度は、110℃以上が好ましく、エポキシ樹脂硬化性組成物の蒸発、揮発、熱分解及び熱劣化を抑制するため、200℃以下が好ましい。また、加熱乾燥時間は20秒以上20分未満が好ましく、より好ましくは30秒以上15分未満である。また、一連の工程で作ったプリプレグの流動性を調整するために、プリプレグをバッチ式オーブンなどで加熱することや、再度連続加熱装置で連続的に加熱することも可能である。また、樹脂ワニスをガラスクロスに含浸させる前に有機溶剤をガラスクロスにあらかじめ含浸する方法等の前処理を行うことも可能である。
プリプレグの状態での、プリプレグ中のガラスクロスの質量含有量(以下、「ガラスコンテント」という)は80質量%以下が好ましく、より好ましくは75質量%以下である。ガラスコンテントの下限は、本発明で得られる金属張積層板の寸法安定性が損なわれない値であることができるが、通常は20質量%以上がよい。プリプレグのガラスコンテントが80質量%を越えるとガラス繊維織物の糸束部分にしか樹脂が存在しないプリプレグとなり積層板にし難くなる傾向がある。
本発明のプリプレグに使用するガラスクロスは、Eガラス、Cガラス、Dガラス、Sガラス等のいずれのガラスクロスでも良い。また、ガラスクロスにおいて、織り密度は好ましくは10〜200本/25mm、より好ましくは15〜100本/25mmであり、質量は好ましくは5〜400g/m2、より好ましくは8〜300g/m2であり、織り方は平織り、朱子織り、綾織り、ななこ織り等が使用できる。また、たて糸とよこ糸の双方又は一方がテクスチャード加工を施されたガラス糸で製織されたガラスクロスであってもよい。また、製織に必要な集束剤が付着している段階のガラスクロスや集束剤を除去した段階のガラスクロス、あるいは公知の表面処理法でシランカップリング剤などが既に処理されている段階のガラスクロスのいずれでもよい。また、柱状流、高周波振動法による水流で開繊、扁平化等の物理加工を施したガラスクロスであってもよい。
本発明は、上述のプリプレグと金属箔とが積層されてなる金属張積層板も提供する。金属張積層板は例えば電気電子製品のプリント配線板材料等として用いることができる。典型的には、1枚の又は複数枚重ねられたプリプレグを金属箔で挟んで加熱加圧して一体成形することにより、プリプレグと金属箔とを積層した金属張積層板が得られる。金属箔は特に限定されないが、用途に応じて例えば銅箔等を使用できる。
本発明は、上述したエポキシ樹脂硬化性組成物又は上述した樹脂ワニスを硬化させた硬化物も提供する。本発明のエポキシ樹脂硬化性組成物は、例えば上述のプリプレグ中に存在した状態等で硬化させて各種用途に適用できる。硬化条件はエポキシ樹脂硬化性組成物又は樹脂ワニスの組成に応じて適宜選択できる。例えば平均1〜20℃/分で室温から150〜230℃まで昇温し、150〜230℃の範囲で0.5〜10時間保持後、平均1〜100℃/分で室温まで冷却するが、昇温から冷却までの間、必要に応じてプレス圧をかけてもよく減圧下であってもよい。
次に、実施例及び比較例により本発明を説明する。
実施例により、本発明を詳細に説明する。実施例1〜4はエポキシ基又はフェノール性水酸基を有する化合物の複数の構造異性体の混合物の例である。表1に記載の配合により、エポキシ基を有する化合物の複数の構造異性体の混合物を用いて樹脂ワニスを調製した。また、比較例1〜3では、表1に記載の配合により、比較エポキシ樹脂を用いて樹脂ワニスを調製した。表1中の質量部は、溶剤を除いた固形分比率である。
得られた樹脂ワニスを用いて、下記作製方法により試験片を作製し、下記試験方法により、はんだ耐熱性、線膨張係数について試験した。結果を表1に示す。
[実施例1(混合物1及び混合物5の合成例)]
Figure 0005243151
Figure 0005243151
(混合物1の合成例)
窒素気流下、200mL3口フラスコに、Organic&Biomolecular Chemistry 2003年 1巻 p.4347に記載の方法で合成した3,4−ジアミノフェノール1.24g(10mmol)、p−ヒドロキシフェニルグリオキサール1.50g(10mmol)、酢酸50mL、トルエン5mLを仕込み、10時間還流させながら、反応液を共沸させ、揮発する蒸気を冷却して得られた凝縮液を油/水分離し、水分を除いた油分を反応系に戻す方法により反応を行った。反応終了後、減圧下でトルエンを除き、1mol/Lの塩酸10mLを加え、水100mLを加えた後、沈殿物を濾取した。蒸留水で水洗した後、減圧下で酢酸、水を除くことで、混合物1を得た。
(混合物5の合成例)
窒素気流下、200mL3口フラスコに混合物1を1.26g(5mmol)、エピクロロヒドリン9.25g(100mmol)、N,N−ジメチルスルホキシド30mLを仕込み、系内温度を60℃に昇温して均一に溶解した後、40.0質量部の水酸化ナトリウム水溶液1.00g(水酸化ナトリウム10mmol)を1時間かけて滴下した。その間に徐々に昇温し、滴下終了時には系内温度が80℃となるようにした。その後、80℃に30分間保持して反応を進行させた。系内温度を室温まで冷却した後、蒸留水100mLを加えて、沈殿物を濾取した。蒸留水で水洗して副生成塩を除いた後、減圧下でエピクロロヒドリン、水、N,Nジメチルスルホキシドを除くことで、混合物5を得た。得られた混合物5のエポキシ当量は、185g/eqであった。
[実施例2(混合物2及び混合物6の合成例)]
Figure 0005243151
Figure 0005243151
(混合物2の合成例)
窒素気流下、1L3口フラスコに二塩酸1,2,4−トリアミノベンゼン10.0g(50mmol)、N−メチル−2−ピロリドン40mLを仕込み、均一に溶解した。反応系中を室温に保ちながら40.0質量部の水酸化ナトリウム水溶液10.0g(水酸化ナトリウム100mmol)を15分間かけて滴下し、室温のまま1時間攪拌した。p−ヒドロキシフェニルグリオキサール7.50g(50mmol)、酢酸250mL、トルエン25mLを系中に加え、10時間還流させながら、反応液を共沸させ揮発する蒸気を冷却して得られた凝縮液を油/水分離し、水分を除いた油分を反応系に戻す方法により反応を行った。反応終了後、減圧下でトルエンを除き、水500mLを加えた後、沈殿物を濾取した。蒸留水で水洗した。エタノールを用いて再結晶を行い、沈殿物を濾取した後、減圧下でエタノールを除くことで、6−アミノ−2−p−ヒドロキシフェニルキノキサリンと7−アミノ−2−p−ヒドロキシフェニルキノキサリンとの混合物を得た。
窒素気流下、500mL3口フラスコに上記のようにして得られた6−アミノ−p−ヒドロキシフェニルキノキサリンと7−アミノ−p−ヒドロキシフェニルキノキサリンとの混合物10.0g(40mmol)、N,N−ジメチルアセトアミド100mLを仕込み、均一に溶解させた。氷浴により、反応系中の温度を0℃に保ちながら、p−ヒドロキシ安息香酸クロリド5.52g(40mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド50mLに溶解させた溶液を15分間かけて滴下した。滴下終了後、反応系中の温度を60℃に昇温し、60℃を保ちながら5時間攪拌した。反応系中を室温に冷却した後、蒸留水300mLを加え、沈殿物を濾取した。蒸留水で水洗して副生成塩を除いた後、減圧下で水、N,N−ジメチルアセトアミドを除くことで、混合物2を得た。
(混合物6の合成例)
混合物6を、実施例1記載の混合物1から混合物5を調製する方法と同様の方法で、上記混合物2から得た。得られた混合物6のエポキシ当量は、246g/eqであった。
[実施例3(混合物3及び混合物7の合成例)]
Figure 0005243151
Figure 0005243151
(混合物3の合成例)
窒素気流下、500L3口フラスコに四塩酸1,2,4,5−テトラアミノベンゼン5.68g(20mmol)、N−メチル−2−ピロリドン10mLを仕込み、均一に溶解した。反応系中を室温に保ちながら40.0質量部の水酸化ナトリウム水溶液8.00g(水酸化ナトリウム80mmol)を15分間かけて滴下し、室温のまま1時間攪拌した。p−ヒドロキシフェニルグリオキサール6.00g(40mmol)、酢酸100mL、トルエン10mLを系中に加え、10時間還流させながら、反応液を共沸させ揮発する蒸気を冷却して得られた凝縮液を油/水分離し、水分を除いた油分を反応系に戻す方法により反応を行った。反応終了後、減圧下でトルエンを除き、1mol/Lの塩酸20mLを加え、水300mLを加えた後、沈殿物を濾取した。蒸留水で水洗して副生成塩を除いた後、減圧下で酢酸、水を除くことで、混合物3を得た。
(混合物7の合成例)
混合物7を、実施例1記載の混合物1から混合物5を調製する方法と同様の方法で、上記混合物3から得た。得られた混合物7のエポキシ当量は、249g/eqであった。
[実施例4(混合物4及び混合物8の合成例)]
Figure 0005243151
Figure 0005243151
(混合物4の合成例)
混合物4は、四塩酸1,2,4,5−テトラアミノベンゼンに代えて四塩酸3,3’,4,4’−ビフェニルテトラアミンを用いた他は実施例3記載の混合物3の調製と同様の方法で得た。
(混合物8の合成例)
混合物8を、実施例1記載の混合物1から混合物5を調製する方法と同様の方法で、上記混合物4から得た。得られた混合物8のエポキシ当量は、295g/eqであった。
[比較例1〜3]
以下に、比較例で用いた比較エポキシ樹脂を示す。
Figure 0005243151
比較エポキシ樹脂1のエポキシ当量は、136g/eqであった。
Figure 0005243151
比較エポキシ樹脂2のエポキシ当量は、169g/eqであった。
比較エポキシ樹脂3として、ジャパンエポキシレジン株式会社製JER604を用いた。エポキシ樹脂3のエポキシ当量は、180g/eqであった。
硬化剤1として、明和化成株式会社製MEH−7851−4Hを用いた。硬化剤1のOH当量は、241g/eqであった。
[試験方法]
(1)線膨張係数
表面を粗化処理した金属板上に、樹脂ワニスを厚さ160μmに塗布し、オーブン中で130℃、10分間乾燥することで一部硬化させた。続けて、オーブン中で190℃、3時間加熱した。室温まで冷却した後、カッターナイフで3mm×18.5mmの大きさに加工し、線膨張係数測定用の試験片を作製した。この試験片を用いて、株式会社島津製作所製TMA−50で加熱膨張曲線を測定した。40℃〜100℃の範囲の伸び率から、線膨張係数を算出した。
(2)はんだ耐熱性試験
樹脂ワニスを、厚さ100μmのガラス織布に塗布して含浸させ、130℃の温度で加熱し、プリプレグを作製した。得られたプリプレグを4枚重ね合わせ、その上下面に厚さ12μmの銅箔を重ねて、200℃、20kg/cm2の条件で3時間加熱加圧することで銅張積層板を作製した。銅張積層板の表面の銅箔をエッチング処理にて除去し、水洗した後、カッターナイフで40mm×40mmの大きさに加工し、はんだ耐熱性試験用の試験片を作製した。この試験片を120℃のオーブン中で乾燥し、121℃の飽和プレッシャークッカー中に3時間静置した後、試験片が乾燥しないように素早く冷水中に入れて冷却した。試験片表面の水分を拭き取った後、試験片を288℃に調整したはんだ浴中に30秒間浸し、表面に膨れなどの異常がないかを目視にて検査した。表1中、○は膨れなどの異常が無かったことを表し、×は膨れなどの異常があったことを表す。
Figure 0005243151
上記実施例、比較例から明らかなように、本発明は、一般式(1)で表される、キノキサリン骨格を有する化合物を用いることにより、低線膨張性とはんだ耐熱性とを併せ持つプリント配線板等に好適なエポキシ樹脂硬化性組成物等を得ることができる。
本発明のエポキシ樹脂硬化性組成物、樹脂ワニス、プリプレグ、金属張積層板及び硬化物は、例えば電気電子製品に用いられるプリント配線板等の分野で有用である。

Claims (8)

  1. 下記一般式(4):
    Figure 0005243151
    (式中、Bは、水素原子又はグリシジル基を表す。)
    で表される化合物を含有する、エポキシ樹脂硬化性組成物。
  2. 下記一般式(5):
    Figure 0005243151
    (式中、Bは、水素原子又はグリシジル基を表す。)
    で表される化合物を含有する、エポキシ樹脂硬化性組成物。
  3. 下記一般式(6):
    Figure 0005243151
    (式中、Bは、水素原子又はグリシジル基を表す。)
    で表される化合物を含有する、エポキシ樹脂硬化性組成物。
  4. 下記一般式(7):
    Figure 0005243151
    (式中、Bは、水素原子又はグリシジル基を表す。)
    で表される化合物を含有する、エポキシ樹脂硬化性組成物。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂硬化性組成物と、有機溶剤とを含有する樹脂ワニス。
  6. 請求項に記載の樹脂ワニスをガラス織布又はガラス不織布又は有機繊維織布に含浸した後に加熱して得られるプリプレグ。
  7. 請求項に記載のプリプレグと金属箔とが積層されてなる金属張積層板。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂硬化性組成物又は請求項に記載の樹脂ワニスを硬化させてなる硬化物。
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