JPH0745482Y2

JPH0745482Y2 - 自動給紙装置の摩擦分離機構

Info

Publication number: JPH0745482Y2
Application number: JP1989045657U
Authority: JP
Inventors: 晴一山川; 孝雄木村; 渡斎藤; 茂美富樫
Original assignee: Oki Electric Industry Co Ltd
Current assignee: Oki Electric Industry Co Ltd
Priority date: 1989-04-20
Filing date: 1989-04-20
Publication date: 1995-10-18
Anticipated expiration: 2004-04-20
Also published as: JPH02137343U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕この考案は積載された単紙類を１枚ずつ分離して給紙す
る複写機又はプリンタ等の自動給紙装置における摩擦分
離機構に関するものである。

〔従来の技術〕

近年、複写機、プリンタ等のほかOA機器の普及が進むの
に伴って、単紙（カット紙又はシート紙）を１枚ずつ分
離する給紙方式としていくつかが提案されているが、こ
れらは、摩擦分離方式と吸着方式に大別することができ
る。これらのうち、摩擦方式で一般的なものとしては、
１組の給紙ローラと摩擦パッドを用いた方法であって、
用紙の搬送だけでなく分離にも摩擦力を利用しており、
例えば、実開昭62−71137号公報に開示されたような考
案が存在する。前記の考案は、第３図の要部断面図に示
されるように、給紙ローラ１と摩擦部材としての摩擦パ
ッド２との間の摩擦を利用したもので、摩擦パッド２の
台座2aは傾斜をもった形状になっており、給紙ローラ１
が最上紙3aを引張ると、２枚目以下の用紙は前進を阻止
される。その理由は、阻止できないことを予測して用紙
３を摩擦パッド２との摩擦係数μ_３は用紙間の摩擦係数
μ_２よりも大きくし、用紙３と給紙ローラ１間の摩擦係
数μ_１はμ_３よりさらに大きく設定してあるからであっ
て、給紙ローラ１によって送り出された用紙３の最上紙
3aは摩擦パッド２によってさらに送り出される。これに
より、用紙３は最上紙3a1枚のみが送り出されるように
なっていた。以下、２枚目が最上紙となり上記作用によ
り、２枚目１枚のみが送り出され、次々に１枚ずつが分
離され繰り出されるようにされていた。尚、４は用紙積
載手段としての用紙受けで、５はこの用紙受け４を押し
上げているスプリングである。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、上記構成の自動給紙装置では、取り扱わ
れる用紙３が薄紙から厚紙までと多種類の厚さのもので
あるため、各々の摩擦力が異なってくることと、厚い用
紙は給紙ローラ１と摩擦パッド２との間隙が狭いため、
給紙ローラ１の用紙３に対する給紙力が少なくなってし
まい、途中で用紙３がすべってしまう、いわゆる、ホッ
ピングミスが発生する。又、摩擦負荷増加のためによる
用紙のビビリ音が発生する。さらに、薄い用紙は間隙が
逆に広くなるため、給紙ローラ１と摩擦パッド２とのテ
ンションが弱く、各々の摩擦力が弱いので、２枚を同時
の送り込むいわゆる重送が発生し易い。さらに又、途
中、ホッピング・ミスでジャムになった時の処理とし
て、用紙３を給紙方向と逆の方向に引き抜こうとするた
め、摩擦パッド２に無理な力が加わり、間隙に変化が起
きてしまうという問題点があった。

本考案は前記従来技術の有していた問題点に鑑みてなさ
れたもので、その目的とするところは、薄い用紙から厚
い用紙までの多種類の厚さの用紙をミスなく、１枚、１
枚を確実に供給することができる自動給紙装置における
摩擦分離機構を提供しようとするものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案における自動給紙装
置の摩擦分離機構は、給紙ローラにより用紙積載手段か
ら送出される用紙を、その給紙ローラに圧接される摩擦
手段との間を通過させることにより、１枚ずつ給紙する
自動給紙装置であって、前記摩擦手段は、前記給紙ロー
ラと前記用紙積載手段に積載された用紙の接触面の近傍
の用紙搬出方向側に、前記接触面からの遠方端が前記接
触面より斜上方に位置するよう傾斜して前記給紙ローラ
に圧接する摩擦係数の大きい、平面状の第１部材と、該
第１部材の前記遠方端に隣接して、該第１部材とほぼ同
一平面上に摩擦面を配置した該第１部材より摩擦係数の
小さい第２部材を連接したものである。

そして、第１部材を摩擦パッドとし、この摩擦パッドを
保持しかつ給紙ローラへの所定の押圧力を有するばね部
材の先端を延設して形成された円弧状部を第２部材とす
る。

〔作用〕

本考案によれば、以上のように自動給紙装置における摩
擦分離機構を構成したので、前述した従来技術における
ものと同様に給紙ローラ11と摩擦パッド15において用紙
12は１枚ずつ繰り出される。

そして、薄紙給紙においては、ブレーキスプリング16の
押圧力の適正な設定によって、重送することなく用紙が
１枚ずつ繰り出される（第２図（ａ）参照）。

また、厚紙給紙の場合には、用紙のこしの強さによりブ
レーキ・スプリング16のたわみが大きくなり、給紙抵抗
が増え、給紙ローラ11の用紙に対する給紙力を小さくし
て行く。しかしながら、用紙12の摩擦面は摩擦パッド15
を越えてからは、ブレーキ・スプリング16の円弧状先端
部16aに移るため、摩擦係数μ_４は一気に低下する（第
２図（ｂ）参照）。これにより、厚紙給紙時において
も、フィード・ミスすることなく給紙が可能になる。

また、ジャムになった用紙の処理として、用紙を無理に
引き抜こうとしても接触面がブレーキ・スプリング16の
円弧状先端部16aになるために、用紙を引っ掛けること
なく引き抜くことができ、また摩擦パッド15に無理な力
が加わらないようになる。

さらに、二次作用として、厚紙給紙時の摩擦負荷の増加
によって発生する用紙のビビリ音が発生しなくなるよう
に作用する。

従って、前記問題点を除去することができるようになる
のである。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例について図面を参照して説明す
る。

第１図は本考案の一実施例を示す要部側断面図で、第２
図（ａ），（ｂ）は第１図の要部拡大図である。第1,2
図において、11は給紙ローラ、12は用紙で12aは最上紙
である。13は用紙積載手段即ち積載された用紙12の用紙
受け、14はこの用紙受け13を常に上方に押し上げて最上
紙12aを給紙ローラ11に接触せしめているプレッシャ・
スプリングである。そして15は傾斜して２枚の弾性部材
で作られたブレーキ・スプリング16の上部に取付けられ
て支持されている摩擦パッド（摩擦手段としての第１部
材）で15aはその上部摩擦面であり、ブレーキ・スプリ
ング16の先端支持部16aは円弧状に形成され、摩擦パッ
ド15の摩擦面15aとほぼ同一平面上に配設されている
（摩擦手段としての第２部材）。17は用紙の上方向への
スライドを容易ならしめるガイド板であり、ブレーキ・
スプリング16と用紙ガイド板17は固定金具18にて固定さ
れている。

次に、このように構成された自動給紙装置の摩擦分離機
構の動作について説明すると、給紙ローラ11を図示せぬ
駆動源によって矢印方向に回転させることにより、用紙
12は繰り出され、摩擦パッド15と給紙ローラ11との間を
通して用紙が１枚ずつ給紙される。

即ち、用紙12が薄い場合は、第２図（ａ）に示すよう
に、用紙のこしが弱いために、ブレーキ・スプリング16
はごくわずかしかたわまずに給紙動作を行なう。また、
用紙が厚い場合は、第２図（ｂ）に示すように、用紙の
こしが強いために、ブレーキ・スプリング16のたわみが
大きくなり、給紙抵抗が増す。これにより、給紙ローラ
11の用紙12に対する給紙力が相対的に減少して行く。し
かし、用紙12の接触面が摩擦パッド15（第１部材）の摩
擦面上を過ぎてブレーキスプリング16の円弧状先端部16
a（第２部材）に移動してからは、用紙12との摩擦係数
μ_４が低下し、給紙ローラ11の給紙力が向上する。これ
によって、厚紙給紙時の給紙ミスが防止される。さら
に、用紙の厚さの違いによる調整機構を持たない機構に
発生する厚紙給紙時の用紙のビビリ音に対しても、摩擦
面を摩擦パッド15からブレーキ・スプリング16の先端部
16aに移し換えることによって発生が防止され、かつ、
用紙のジャム処理に対しても、用紙の抵抗が少なくな
り、操作性が向上する。

尚、上記実施例では、摩擦パッド15の後端にブレーキ・
スプリング16の円弧状先端部16aを設けて用紙12との摩
擦係数μ_４を低下せしめることによって、給紙ローラ11
の給紙力を高めたが、摩擦パッド15の摩擦面後端部に円
弧状先端部と同様に摩擦係数のより小さな部材により形
成された部分を設けてもよいことはいうまでもない。

〔考案の効果〕

以上詳細に説明したように、本考案によれば、ブレーキ
・スプリングにより保持された摩擦パッドの摩擦面後方
に、より摩擦係数の小さな部材を配設したので、用紙の
厚さの違いによる摩擦パッドと給紙ローラの関係を調整
することなく、用紙自身の持っているこしの強さを利用
することにより、薄い用紙から厚い用紙までの多種類の
厚さの用紙をミスなく１枚１枚を確実に給紙できると共
に、厚紙給紙時のビビリ音が解消され、さらには、ジャ
ム処理時の操作性が向上するなど多大の効果を奏するも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す要部側断面図、第２図
（ａ），（ｂ）はそれぞれ第１図の要部拡大図で薄紙給
紙状態及び厚紙給紙状態を示しており、第３図は従来例
の要部側断面図である。 11…給紙ローラ、12…用紙、13…用紙受け、14…プレッ
シャスプリング、15…摩擦パッド、15a…摩擦面、16…
ブレーキ・スプリング、16a…円弧状先端部、17…用紙
ガイド板、18…固定金具。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者斎藤渡東京都港区虎ノ門１丁目７番12号沖電気工業株式会社内 (72)考案者富樫茂美東京都港区虎ノ門１丁目７番12号沖電気工業株式会社内 (56)参考文献特開昭60−52434（ＪＰ，Ａ) 実開昭63−130442（ＪＰ，Ｕ)

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】給紙ローラにより用紙積載手段から搬出さ
れた用紙を、その給紙ローラに圧接された摩擦手段との
間を通過させることにより、１枚ずつ給紙する自動給紙
装置において、前記摩擦手段は、前記給紙ローラと前記用紙積載手段に
積載された用紙の接触面の近傍の用紙搬出方向側に、前
記接触面からの遠方端が前記接触面より斜上方に位置す
るよう傾斜して前記給紙ローラに圧接する摩擦係数の大
きい、平面状の摩擦パッドよりなる第１部材と、該第１
部材の前記遠方端に隣接して、該第一部材とほぼ同一平
面上に円弧部よりなる摩擦面を配置した該第１部材より
摩擦係数の小さい第２部材とで構成され、前記摩擦手段は、厚紙通過時に用紙のこしにより前記第
１部材を前記給紙ローラより離間するようにたわむばね
力のばね部材により保持されたことを特徴とする自動給
紙装置の摩擦分離機構。