JPH0745427B2 - 新規不飽和イノソ−ス誘導体およびその製造法 - Google Patents

新規不飽和イノソ−ス誘導体およびその製造法

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JPH0745427B2
JPH0745427B2 JP62117554A JP11755487A JPH0745427B2 JP H0745427 B2 JPH0745427 B2 JP H0745427B2 JP 62117554 A JP62117554 A JP 62117554A JP 11755487 A JP11755487 A JP 11755487A JP H0745427 B2 JPH0745427 B2 JP H0745427B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は一般式 (式中、R1は水酸基の保護基を示す。)で表わされる新
規不飽和イノソース誘導体およびその製造法に関するも
のである。
バリエナミンおよびバリオールアミン、およびそれらの
N−置換誘導体[J.Antibiotics,35巻,1624−1626頁(1
982年);J.Antibiotics,37巻,1301−1307頁(1984
年);特開昭57−20035]はα−グルコシダーゼ阻害活
性を有し、人や動物の過血糖症状およびこれに起因する
種々の疾病、例えば、糖尿病,肥満症,高脂血症などの
予防剤や治療剤として有用な化合物であり、前記新規不
飽和イノソース誘導体[I]はバリエナミン、バリオー
ルアミンおよびそれらのN−置換誘導体の製造原料とし
て重要な化合物である。
従来の技術 本発明者らは先にバリエナミン、バリオールアミン等の
疑似アミノ糖およびそれらのN−置換誘導体が強いα−
グルコシダーゼ阻害活性を示すこと[J.Antibiotics,35
巻,1624−1626頁(1982年);J.Antibiotics,37巻,1301
−1307頁(1984年);特開昭57−20035]バリエナミ
ン、バリオールアミンはストレプトミセス・ハイグロス
コピクス・サブスピーシス・リモネウス(Streptomayee
s hygroscopicus subsp.limoneus)の培養液から単離し
得ること[J.Antibiotics,37巻,1301−1307頁(1984
年)];バリエナミンはバリダマイシンあるいはバリド
キシルアミンを微生物分解に付すことによって製造し得
ること[特開昭57−54593;特開昭58−152496];バリオ
ールアミンはバリエナミンを原料として合成し得ること
[Carbohydr.Res.,140巻,180−200頁(1985年);特開
昭57−179174]を見出した。一方、DL−バリエナミンの
化学合成による製造法としてはDL−1,2,3−トリ−O−
アセチル−(1,3/2,4,6)−4−ブロモ−6−ブロモメ
チル−1,2,3−シクロヘキサントリオールを中間体とし
て経由する方法[T.Toyokuniら,Bull.Chem.Soc.Jpn.,56
巻,1161−1170頁(1983年)]およびDL−2,3−ジ−O−
アセチル−1,7−O−ベンジリデン−(1,3,4/2,5,6)−
4−アジド−6−(ヒドロキシメチル)−1,2,3,5−シ
クロヘキサンテトロールを中間体として経由する方法
[S.Ogawaら,J.Org.Chem.,48巻,1203−1207頁(1983
年)]が報告されているが、これらの方法はいずれもDL
体の光学分割の工程が未開発である。光学活性な天然型
のD−バリエナミンの化学合成による製造法としては、
L−(−)−クエブラチトール(quebrachitol)からの
合成法[H.Paulsen,F.R.Heiker,Justus Liebigs Ann.Ch
em.,1981年,2180−2203頁]が報告されているが、工程
数が多く、バリエナミンの工業的製造法としては必ずし
も適した方法ではない。
その他、D−グルコースから1D−(1,3,6/2)−4−ベ
ンゾイルオキシメチル−6−ブロモ−1,2,3−トリ−O
−ベンジル−4−シクロヘキセン−1,2,3−トリオール
およびその1D−(1,3,/2,6)−異性体を経由してN−置
換バリエナミン誘導体を合成する方法[N.Sakairi,H.Ku
zuhara,Tetrahedron Lett.,23巻,5327−5330頁(1982
年)]や、DL−1,2,3−トリ−O−アセチル(1,3/2,4)
−4−ブロモ−6−メチレン−1,2,3−シクロヘキサン
トリオールを経由してDL−ペンタ−N,O−アセチルバリ
オールアミンを合成する方法[S.Ogawaら、Chem.Lett.,
1581−1582頁(1985年)]が報告されている。
発明が解決しようとする問題点 前述したように、これまで報告されているバリエナミン
の化学合成による製造法は立体異性体の分割の工程の開
発を必要としたり、原料が入手が困難であったり、工程
数が多い等の理由のため、工業的製造法として適した方
法とは言い難い。一方、バリエナミン(あるいは、バリ
オールアミン)そのものを直接発酵法によって製造する
方法は最も直截的な方法ではあるが、現時点ではまだ収
量の面で工業的製造法としては充分ではない。また、バ
リダマイシンあるいはバリドキシルアミンを微生物分解
することによってバリエナミンを製造する方法もある
が、この場合原料であるバリダマイシンあるいはバリド
キシルアミンの構成成分の一部のみしかバリエナミンの
製造の目的に利用できないという欠点がある。従ってこ
れらの公知の製造法に比して工業的に有利なバリエナミ
ンの製造法の出現が強く望まれていた。
問題点を解決するための手段 そこで本発明者らは、前述の問題点を解決するため鋭意
研究を重ねた結果、入手が容易で且つ安価なD−グルコ
ースあるいはそれから容易に製造し得るD−グルコノ−
1,5−ラクトン(D−グルコン酸δ−ラクトン)を出発
原料として、まず、一般式 (式中、R1は水酸基の保護基を、R2は炭化水素残基を示
す。)で表わされる新規化合物を製造することに成功
し、更に、この化合物[II]を塩基で処理することによ
り、バリエナミンの合成の重要な中間体となりうる一般
(式中、R1は水酸基の保護基を示す。)で表わされる新
規不飽和イノソース誘導体を得ることに成功した。
なお、バリエナミンからのバリオールアミンの製造法は
本発明者によって既に確立されており(特開昭57−1791
74)、化合物[I]および化合物[II]はともにバリオ
ールアミンおよびそのN−置換誘導体の製造原料として
重要な化合物である。
以下に化合物[I]の製造法および化合物[I]からの
バリエナミンの製造法について具体的に説明するととも
にその製造工程式を図1および図2に示す。なお、各式
中、R1は水酸基の保護基を、R2は炭化水素残基を、R3
有機スルホニル基の有機残基を示す。
一般式[I],一般式[II]および図1,図2に示したそ
の他の各式において、R1で示される水酸基の保護基とし
ては、糖の化学で水酸基の保護基として用いられる保護
基のうち、例えばエーテル型保護基、アセタール型保護
基、ケタール型保護基、オルトエステル型保護基等が有
利に用いられる。
エーテル型保護基としては例えば、ハロゲン,炭素数1
〜5の低級アルコキシル基,ベンジルオキシ基,フェニ
ル基で置換されていてもよい炭素数1〜5の低級アルキ
ル基;炭素数2〜4のアルケニル基;炭素数1〜5の低
級アルキル基,フェニル基,ベンジル基等が置換基であ
るトリ置換シリル基;炭素数1〜5の低級アルコキシル
基,ニトロ基で置換されていてもよいベンジル基;炭素
数1〜5の低級アルコキシル基;ハロゲンで置換されて
いてもよいテトラヒドロピラニル基またはテトラヒドロ
フラニル基等が用いられる。
上記のハロゲンとしてはふっ素,塩素,臭素,よう素
が、炭素数1〜5のアルキル基としては、例えばメチ
ル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,イソブ
チル,sec−ブチル,tert−ブチル,ペンチル,ネオペン
チル基等が、炭素数1〜5のアルコキシル基としては例
えばハロゲンで置換されていてもよいメトキシル,エト
キシル,プロポキシル,ブトキシル,ペンチルオキシ,
ビニルオキシ,アリルオキシ基等が、炭素数2〜4のア
ルケニル基としてはビニル,アリル,イソプロペニル,1
−プロペニル,1−ブテニル,2−ブテニル,3−ブテニル等
が用いられる。
エーテル型保護基を更に具体的に示せば、メチル,メト
キシメチル,ベンジルオキシメチル,tert−ブトキシメ
チル,2−メトキシエトキシメチル,2,2,2−トリクロロメ
トキシメチル,エチル,1−エトキシエチル,1−メチル−
1−メトキシエチル,2,2,2−トリクロロエチル,プロピ
ル,イソプロピル,ブチル,イソブチル,sec−ブチル,t
ert−ブチル,エトキシエチル,トリフェニルメチル,p
−メトキシフェニルジフェニルメチル;アリル;トリメ
チルシリル,tert−ブチルジメチルシリル,tert−ブチル
ジフェニルシリル;ベンジル,p−メトキシベンジル,p−
ニトロベンジル,p−クロロベンジル;テトラヒドロピラ
ニル,3−ブロモテトラヒドロピラニル,4−メトキシテト
ラヒドロピラニル,テトラヒドロフラニル等がある。
アセタール型,ケタール型およびオルトエステル型保護
基は好ましくは1〜10の炭素数からなる。その具体例を
示せば、メチレン,エチリデン,1−tert−ブチルエチリ
デン,1−フェニルエチリデン,2,2,2−トリクロロエチリ
デン;イソプロピリデン,ブチリデン,シクロペンチリ
デン,シクロヘキシリデン,シクロヘプチリデン;ベン
ジリデン,p−メトキシベンジリデン,2,4−ジブロモメト
キシベンジリデン,p−ジメチルアミノベンジリデン,o−
ニトロベンジリデン;メトキシメチレン,エトキシメチ
レン,ジメトキシメチレン,1−メトキシエチリデン,1,2
−ジメトキシエチリデン等である。
化合物中のR1で示される水酸基の保護基の種類はすべて
同じであってもよいし、2種以上の異なった保護基を含
んでいてもよい。また、例えば、環状アセタール型,環
状ケタール型、環状オルトエステル型保護基の場合のよ
うに2つの水酸基を一つの保護基で保護してもよい。
一般式[II]において、R2で示される炭化水素残基とし
ては、例えば、メチル,エチル,プロピル,イソプロピ
ル,ブチル等のアルキル基、フェニル等のアリール基、
ベンジル等のアラルキル基等が挙げられるが、炭素数1
〜4の低級アルキル基が便宜に用いられる。
化合物[I]は、例えば、図1に示す様にグリコノ−1,
5−ラクトン誘導体(1)を出発原料として下記の工程
1〜4、すなわち、 工程1 一般式CH3P(O)(OR2)2[III](式中、R2は炭化水素残基
を示す。)で表わされるメチルホスホン酸エステルを塩
基、例えば、n−ブチルリチウムで処理して得られるホ
スホナートカルボアニオンをグリコノ−1,5−ラクトン
誘導体(1)と反応させて1−デオキシ−1−ホスホリ
ル−D−グルコ−2−ヘピチュロピラノース誘導体
(2)を製造する工程、 工程2 化合物(2)のヘミケタールを形成しているカルボニル
基をアルコールに還元することによってピラノース環を
開環してヘプチトール誘導体(3)を製造する工程、 工程3 化合物(3)の2位および6位の水酸基を酸化して1−
デオキシ−1−ホスホリル−D−キシロ−2,6−ヘプト
ジウロース誘導体[II]を製造する工程、 工程4 化合物[II]を塩基で処理することによって4L−4,6/5
−トリヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−2−シクロ
ヘキセノン誘導体[I]を製造する工程、 を経て合成することができる。
バリエナミンおよびその誘導体は、例えば、図2に示す
様に化合物[I]を原料として下記の工程5−9、すな
わち、 工程5 化合物[I]のカルボニル基をアルコールに還元して1L
−(1,3/2,4)−5ヒドロキシメチル−5−シクロヘキ
セン−1,2,3,4−テトロール誘導体(4)を製造する工
程、 工程6 化合物(4)の1位の水酸基を有機スルホニル化して化
合物(5)を製造する工程、 工程7 化合物(5)の有機スルホニルオキシ基をアジド基で置
換してアジド誘導体(6)を製造する工程、 工程8および9 化合物(6)のアジド基をアミノ基に還元し、必要なら
ば水酸基の保護基を脱離せしめることによりバリエナミ
ンおよびその誘導体を製造する工程、を経て合成するこ
とができる。
更に、工程2および工程3の代わりに化合物(2)を水
素化ナトリウム、カリウム tert−ブトキシド等の塩基
で処理することによってヘミケタール型として存在して
いるカルボニル基をエノラート型に変換してピラノース
環を開環させた後、水酸基の酸化反応に付すことによっ
ても化合物[II]を合成することができる[H.−J.Alte
nbachet al.,Tetrahedron Letters,26巻,6329−6332頁
(1985年)参照]。
また、工程5〜8の代わりに、化合物[I]にヒドロキ
シルアミン(あるいはO−メチルヒドロキシルアミンや
O−ベンジルヒドロキシルアミン等のO−置換ヒドロキ
シルアミン)を反応させて得られるオキシム(あるいは
O−アルキルオキシムやO−アラルキルオキシム)を還
元反応に付すことによっても化合物(7a)を製造するこ
とができる。オキシム類のヒドロキシルイミノ基のアミ
ノ基への還元反応は、シクリトール部分の水酸基が保護
された状態で行なってもよいし、あるいは水酸基を脱離
させた後に還元して、化合物(7b)を直接製造してもよ
い。還元反応は、例えば、水素化アルミニウムリチウム
等の金属水素錯化合物を用いて行なうことができる。
工程1において用いられる一般式[III]で表わされる
メチルホスホン酸エステルの具体例としては、例えば、
メチルホスホン酸のジメチルエステル,ジエチルエステ
ル,ジプロピルエステル,ジブチルエステル等の炭素数
1〜4のジアルキルエステル、ジフェニルエステル等の
ジアリールエステル、ジベンジルエステル等のジアラル
キルエステル等が挙げられる。その外、一般式[III]
の(OR2)2部分が(C6H5)2であるメチルジフェニルホスフ
ィンオキシド、〔(CH3)2N〕2であるメチルホスホン酸ビ
ス(ジメチルアミド)等を用いる方法もメチルホスホン
酸エステルを用いる方法の範疇に含まれる。反応は通常
−78〜40℃で、特に反応の初期において−78℃程度にま
で冷却して行なわれ、好ましくは、アルゴン、窒素等の
不活性ガスの雰囲気中で行なわれる。反応時間は反応温
度によっても異なるが、通常30分ないし3時間の範囲で
ある。
工程2および工程5におけるカルボニル基のアルコール
への還元反応に用いられる還元試薬としては金属水素錯
化合物やジボランおよび置換ジボラン等が挙げられる。
具体例には、例えば、水素化ほう素ナトリウム,水素化
ほう素カリウム,水素化ほう素リチウム,水素化ほう素
亜鉛,水素化トリメトキシほう素ナトリウム,水素化ト
リ−sec−ブチルほう素カリウム,水素化トリ−sec−ブ
チルほう素リチウム,水素化トリ−sec−ブチルほう素
ナトリウム,水素化トリシアミルほう素カリウム,水素
化トリアミルほう素リチウム等の水素化ほう素金属、例
えば、シアノ水素化ほう素ナトリウム,水素化シアノほ
う素テトラ−n−ブチルアンモニウム等のシアノ水素化
ほう素アルカリ金属、例えば、水素化アルミニウムリチ
ウム,水素化トリメトキシアルミニウムリチウム,水素
化トリ(tert−ブトキシ)アルミニウムリチウム等の水
素化アルミニウムアルカリ金属、例えば、2,3−ジメチ
ル−2−ブチルボラン,ビス−3−メチル−2−ブチル
ボラン,ジイソピノカンフェニルボラン,ジシクロヘキ
シルボラン,9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン,NB−エナ
ントラン(NB−Enantrane),NB−エナントライド(NB−
Enantride)等のアルキルボラン、例えば、ジメチルア
ミンボラン,水素化ほう素テトラメチルアンモニウム等
のアルキルアミノボラン等が挙げられる。また、工程5
におけるような、α,β−不飽和ケトンのカルボニル基
をアルコールに還元する場合の好ましい方法としては、
例えば、塩化セリウム(III),塩化サマリウム(II
I)、塩化ユーロピウム(III)等の希土類元素のハロゲ
ン化物の存在下に、例えば、水素化ほう素ナトリウム等
の水素化ほう素アルカリ金属を用いて還元する方法が挙
げられる。
これらの還元反応の温度は還元剤の種類によって差異が
あるが、通常−30〜40℃で、場合によっては、特に反応
の初期においては、−78℃程度にまで冷却して行なわ
れ、また場合によっては80℃程度にまで加熱して行なわ
れる。反応時間も還元剤の種類や反応温度によって差異
があるが、通常数分ないし24時間程度反応させることに
よって目的を達することができる。
工程3における、ヘプチトール誘導体(3)の保護され
ていない水酸基を酸化してヘプトジウロース誘導体[I
I]を製造する反応は、糖類あるいは多価アルコールの
第二級水酸基をカルボニル基に酸化するための反応条件
が用いられる。例えば、ジメチルスルホキシドと無水ト
リフルオロ酢酸,ジメチルスルホキシドと無水酢酸、ジ
メチルスルホキシドと五酸化りん,ジメチルスルホキシ
ドと三酸化硫黄−ピリジン錯体,ジメチルスルホキシド
とオキサリルクロリド等のジメチルスルホキシドとその
活性化試薬、好ましくはジメチルスルホキシドと無水ト
リフルオロ酢酸を用いて酸化する方法が用いられる。ま
た、三酸化クロム−ピリジン錯体,ジクロム酸ピリジニ
ウム,酸化ルテニウム(VIII)等を用いて酸化する方法
を用いてもよい。
反応条件は用いる酸化剤の種類によって異なるが、反応
溶媒としては、例えば、ジクロロメタン,クロロホル
ム,ベンゼン,トルエン,ジメチルホルムアミド,ジメ
チルスルホキシド,無水酢酸等が、単独または混合溶媒
として用いられ、反応は通常、−10〜40℃で、場合によ
っては、特に反応の初期において−78℃程度にまで冷却
して行なわれる。反応時間は1時間ないし24時間程度で
ある。
工程4におけるホスホリル−ジケトース誘導体[II]を
塩基で処理して分子内閉環反応に付し、不飽和イノソー
ス誘導体[I]を製造する反応は分子内ウイッティッヒ
(Wittig)反応あるいはワズワース・エモンズ(Wadswo
rth−Emmons)反応[参考文献:W.S.Wadsworth.Jr.,Orga
nic Reaction,24巻,73−253頁(1977年);K.B.Becker,T
etrahedron,36巻,1717−1745頁(1980年);W.S.Wadswor
th.Jr.,and W.D.Emmons.J.Amer.Chem.Soc.,83巻,1733−
1738頁(1961年)]として知られている反応に属するも
のであり、これらの反応について知られている方法が有
利に用いられる。
化合物[II]の化合物[I]への分子内閉環反応におい
て用いられる塩基としては、例えば、炭酸カリウム,炭
酸ナトリウム,重炭酸カリウム等のアルカリ金属の塩、
水酸化カリウム,水酸化ナトリウム等の水酸化アルカリ
金属、水素化ナトリウム,水素化カリウム,水素化リチ
ウム等の水素化アルカリ金属、ナトリウムメトキシド,
ナトリウムエトキシド,カリウム−tert−ブトキシド等
のアルカリ金属アルコキシド、ブチルリチウム,プロピ
ルリチウム等のアルキルアルカリ金属等が挙げられる。
また、化合物[II]の化合物[I]への塩基を用いる分
子内閉環反応のうち、好ましい方法としては、例えば、
18−クラウン−6,ジベンゾ−18−クラウン−6,ジシクロ
ヘキシル−18−クラウン−6,15−クラウン−5等のクラ
ウンエーテルの存在下に、塩基として炭酸カリウム,炭
酸ナトリウム等の炭酸アルカリ金属を用いる方法が挙げ
られる[参考文献:P.A.Aristoff,Synthetic Comunicati
on,13巻,145−150頁(1983年)]。反応溶媒は用いる塩
基の種類によっても異なるが、例えば、ベンゼン,トル
エン等の芳香族炭化水素、テトラヒドロフラン,エチレ
ングリコールモノエチルエーテル,エチルエーテル等の
エーテル類等が有利に用いられる。反応温度も用いられ
る塩基や反応溶媒の種類によって異なるが、通常、10℃
ないし溶媒の沸騰点の範囲で、場合によっては、特に反
応の初期においては−78℃程度にまで冷却して行なわれ
る。反応時間は反応温度によっても異なるが通常1〜18
時間の範囲である。
工程6の疑似不飽和糖誘導体(4)の保護されていない
水酸基を有機スルホニル化して化合物(5)を製造する
方法としては、例えば、化合物(4)を一般式R3−SO2
−Xで表わされるハロゲン化スルホニル[式中、Xは塩
素,臭素,よう素などのハロゲンを、R3は低級アルキル
基、塩素,臭素,よう素,低級アルキル基,低級アルコ
キシ基,ニトロ基等で置換されていてもよいフェニル
基、ベンジル基、ナフチル基、イミダゾリル基を示
す。]、好ましくは、例えば塩化メタンスルホニル,塩
化p−トルエンスルホニル,塩化イミダゾリルスルホニ
ルと反応させる方法、更に詳細には、不飽和シクリトー
ル誘導体1モルに対してハロゲン化スルホニル1モル以
上、好ましくは1.2〜3モルを有機塩基(例えば、トリ
エチルアミン等の三級アミン,ピリジン等)、および場
合によってはジメチルホルムアミド,ベンゼン,トルエ
ン,アセトン等の不活性溶媒の存在下において、通常−
30〜40℃で、場合によっては、特に反応の初期において
は−50℃程度にまで冷却下に、また場合によっては80℃
程度にまで加熱して反応させる方法が挙げられる。
工程7の有機スルホニル誘導体(5)からアジド誘導体
(6)を製造する方法としては例えば、ベンゼン,トル
エン,ジメチルホルムアミド,ジメチルアセトアミドな
どの単一の有機溶媒、あるいはこれらの有機溶媒および
水の任意の組み合わせの混合溶媒中で、例えば、有機ス
ルホニル誘導体(5)をアジ化ナトリウム,アジ化リチ
ウムなどのアジ化アルカリ金属、あるいは、アジ化テト
ラ−n−ブチルアンモニウムなどのアジ化テトラ低級ア
ルキルアンモニウムと、通常、−10〜120℃の範囲で、
1〜24時間反応させる方法が用いられる。
工程8における、アジド誘導体(6)を還元してバリエ
ナミン誘導体(7)を製造する方法としては、例えば、
水素化アルミニウムリチウム,水素化トリメトキシアル
ミニウムリチウム,水素化トリ(tert−ブトキシ)アル
ミニウムリチウム等の水素化アルミニウム金属を用いて
還元する方法が用いられる。更に詳細には、例えば、化
合物(6)をテトラヒドロフラン,エチルエーテル等の
溶媒中で、還元剤として水素化アルミニウムリチウムを
用いて、−30〜40℃で1〜3時間反応させることによっ
て化合物(7a)を製造することができる。
その外、アジド化合物中に二重結合が存在している場合
に、アジド基を選択的にアミノ基に還元する方法とし
て、水素化ほう素ナトリウム,水素化ほう素リチウム等
の水素化ほう素アルカリ金属を用いて、場合によっては
臭化ヘキサデシルトリブチルホスホニウムの相転位触媒
(phase−transfer catalyst9の存在下に還元する方
法;プロパン−1,3−ジチオールとトリエチルアミンを
用いる方法;塩化第一クロム(CrCl2)を用いる方法;ピ
リジン−水中で硫化水素で還元する方法;トリフェニル
ホスフィンを用いる方法;リンドラ−(Lindlar)触媒
を用いて接触還元する方法などが挙げられる。
化合物(7a)の水酸基の保護基を除去する必要のある場
合には、用いた保護基の種類に応じて、公知の常用され
ている脱保護法を用いて行なうことができる。
例えば、水酸基の保護基としてテトラヒドロピラニル基
を用いた場合には、酸を用いて、例えば、酢酸と水の混
合溶液中で、通常、30〜80℃で、3〜8時間加水分解す
ることによってバリエナミン(7b)を製造することがで
きる。
バリオールアミンは、化合物(7a)および化合物(7b)
より、例えば、図3に示した方法で製造することができ
る。すなわち、化合物(7a)あるいは化合物(7b)に一
般式R5−O−CO−Z(式中、Zはハロゲン原子,活性エ
ステルの残基あるいは炭酸エステルの残基を示す。)で
表わされるカルボニル化剤を反応させてN−アシル誘導
体(8)を合成する工程、化合物(8)をハロゲン化
剤、例えば臭素と反応させて環状カルバメート誘導体
(9)を合成する工程、還元的脱ハロゲン化剤、例え
ば、水素化ほう素ナトリウムで還元して化合物(10)を
合成する工程、化合物(10)の環状カルバメート結合を
加水分解して化合物(11a)またはバリオールアミン(1
1b)を製造する工程、および、もし必要ならば化合物
(11a)の水酸基の保護基を脱離せしめる工程を経由し
て製造することができる[Carbohyd.Res.,140巻,185−2
00頁(1985)参照]。
なお、図3の各式中、R4は水素原子または水酸基の保護
基を、R5はアルキル,アリールまたはアラルキルなどの
炭化水素残基を、Xはハロゲン原子を示す。またR4で示
される水酸基の保護基としては、R1で示される水酸基の
保護基として上記したものが同様に用いられる。
図1,図2および図3に示した不飽和イノソース誘導体
[I]をはじめとする各化合物は自体公知の手段、例え
ば、濃縮,減圧濃縮,ろ過,遠心分離,乾燥,凍結乾
燥,吸着,脱着,各種溶媒に対する溶解度の差を利用す
る方法(例えば、溶媒抽出,転溶,沈澱,結晶化,再結
晶など),クロマトグラフィー(例えば、イオン交換樹
脂,活性炭,ハイポーラスポリマー,セファデックス,
セファデックスイオン交換体,セルローズ,イオン交換
セルローズ,シリカゲル,アルミナなどを用いるクロマ
トグラフィー)などにより単離、精製できる。
発明の効果 バリエナミンおよびバリオールアミンのN−置換誘導
体、取り分けバリオールアミンのN−置換誘導体、例え
ば、N−[2−ヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)
エチル]バリオールアミンは強いα−グルコシダーゼ阻
害作用を有し、炭水化物の代謝を抑制するので、血糖上
昇抑制作用を有しており、過血糖症状および過血糖に起
因する種々の疾患、例えば、糖尿病,肥満症,高脂血症
等の治療および予防に有用な化合物である。
本発明の不飽和イノソース誘導体[I]は上記のように
バリエナミン、およびバリエナミンを経由するバリオー
ルアミンおよびそれらのN−置換誘導体の製造原料とし
て重要な化合物であるが、この不飽和イノソース誘導体
[I]をD−グルコースあるいはD−グルコースから安
価に、且つ容易に製造し得るD−グルコノ−1,5−ラク
トンを原料として化合物[II]を経由して製造すること
に成功した。
以下に、参考例および実施例を挙げて本発明を更に具体
的に説明するが本発明の範囲はこれに限定されるもので
はない。なお、参考例、実施例で用いた混合溶媒の混合
比は、特にことわらない限りは容積比(v/v)で示し
た。
参考例1 2,3,4,6−テトラ−O−(テトラヒドロピラニル)−D
−グルコノ−1,5−ラクトン D−グルコノ−1,5−ラクトン(20g)をN,N−ジメチル
ホルムアミド(DMF)(50ml)に溶解し、p−トルエン
スルホン酸(0.5g)を加えて氷水で冷却下に3,4−ジヒ
ドロ−2H−ピラン(100ml)を滴下し、2時間攪拌後、
更に室温で1時間攪拌した。反応液を酢酸エチル(1.2
l)と水(0.4l)の混合液に加え、酢酸エチル層を分離
し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残留物をシリカゲル
カラムクロマト(1.5l)に付し、トルエンで洗浄後、ト
ルエン・酢酸エチル(9:1)で溶出した。溶出画分を減
圧濃縮し、更に減圧下に乾燥して2,3,4,6−テトラ−O
−(テトラヒドロピラニル)−D−グルコノ−1,5−ラ
クトン(54.7g)を得た。
元素分析:C26H42O10 計算値(%):C,60.68;H,8.23 実験値(%):C,61.21;H,8.17 参考例2 3,4,5,7−テトラ−O−ベンジル−1−デオキシ−1−
(ジメトキシホスホリル)−D−グルコ−2−ベプチュ
ロピラノース ジメチル メチルホスホナート(4.4ml)をテトラヒド
ロフラン(50ml)に溶解し、アルゴン気流中冷却下(−
70〜−78℃)にn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液
(1.7M溶液,17ml)を滴下し、30分間攪拌した。更に反
応液を同温度に冷却下、2,3,4,6−テトラ−O−ベンジ
ル−D−グルコノ−1,5−ラクトン(5.3g)のテトラヒ
ドロフラン(25ml)溶液を滴下し、30分間攪拌後、冷却
浴を除いて反応温度が0℃に上昇するまで攪拌した。反
応液を氷水した10%(w/v)塩化アンモニウム溶液(100
ml)と酢酸エチル(300ml)の混合液に加え、酢酸エチ
ル層を分離し、水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、
減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマト(40
0ml)に付し、トルエン・酢酸エチル(2:1)で溶出し
た。溶出画分を減圧濃縮し、更に減圧下に乾燥して3,4,
5,7−テトラ−O−ベンジル−1−デオキシ−1−(ジ
メトキシホスホリル)−D−グルコ−2−ヘプチュロピ
ラノース(6.0g)を得た。
▲[α]26 D▼−12.5°(c=1,CHCl31 H-NMR(CDCl3)δ:1.69(dd,J=15,19Hz)および2.32(d
d,J=15.18Hz)(各1H,−CH2P−),3.60(3H,d,J=11H
z,−OCH3),3.66(3H,d,J=11Hz,−OCH3) 元素分析:C37H43O9P 計算値(%):C,67.06;H,6.54 実験値(%):C,67.15;H,6.54 参考例3 3,4,5,7−テトラ−O−(テトラヒドロピラニル)−1
−デオキシ−1−(ジメトキシホスホリル)−D−グル
コ−2−ベプチュロピラノース ジメチルメチルホスホナート(15.3ml)をエチルエーテ
ル(300ml)に溶解し、アルゴン気流中冷却下(−70〜
−78℃)にn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(1.
6M溶液,84ml)を滴下し、30分間攪拌した。更に反応液
を同温度に冷却下、2,3,4,6−テトラ−O−(テトラヒ
ドロピラニル)−D−グルコノ−1,5−ラクトン(23.2
g)のエチルエーテル(80ml)溶液を滴下し、1時間攪
拌後、冷却浴を除いて反応温度が0℃に上昇するまで攪
拌した。反応液を、氷冷した10%(w/v)塩化アンモニ
ウム溶液(250ml)とエチルエーテル(120ml)の混合液
に加え、エチルエーテル層を分離し、水層をエチルエー
テルで抽出した。抽出液を集め、水洗し、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥後、減圧濃縮し、更に減圧下に乾燥して
3,4,5,7−テトラ−O−(テトラヒドロピラニル)−1
−デオキシ−1−(ジメトキシホスホリル)−D−グル
コ−2−ベプチュロピラノース(26.6g)を得た。
▲[α]26 D▼+34.6°(c=1,CHCl31 H-NMR(CDCl3)δ:3.72(6H,d,J=12Hz,−OCH3×2) 元素分析:C29H51O13P 計算値(%):C,54.54;H,8.05 実験値(%):C,54.83;H,8.18 参考例4 3,4,5,7−テトラ−O−ベンジル−1−デオキシ−1−
(ジメトキシホスホリル)−D−グリセロ−D−ギュー
ロ−ヘプチトールおよび1,3,4,5−テトラ−O−ベンジ
ル−7−デオキシ−7−(ジメトキシホスホリル)−D
−グリセロ−L−ギューロ−ヘプチトール 3,4,5,7−テトラ−O−ベンジル−1−デオキシ−1−
(ジメトキシホスホリル)−D−グルコ−2−ヘプチュ
ロピラノース(13.8g)をテトラヒドロフラン(140ml)
に溶解し、水素化ほう素ナトリウム(1.4g)を加えて室
温で一夜攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残留物を酢酸
エチル(500ml)と水(300ml)に分配した。酢酸エチル
を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し
た。残留物をシリカゲルカラムクロマト(550ml)に付
し、トルエン・アセトン(2:1)で溶出した。溶出画分
を減圧濃縮し、更に減圧下に乾燥して3,4,5,7−テトラ
−O−ベンジル−1−デオキシ−1−(ジメトキシホス
ホリル)−D−グリセロ−D−ギューロ−ヘプチトール
と1,3,4,5−テトラ−O−ベンジル−7−デオキシ−7
−(ジメトキシホスホリル)−D−グリセロ−L−ギュ
ーロ−ヘプチトールの混合物(12.4g)を得た。
▲[α]26 D▼+1.7°(c=1,CHCl31 H-NMR(CDCl3)δ:1.5〜2.3(2H,m,−CH2P−),3.04(2
H,ブロードs,−OH×2),3.63および3.66(合計6H,d,J
=11Hz,−OCH3×2) 元素分析:C37H45O9P 計算値(%):C,66.86;H,6.82;P,4.66 実験値(%):C,66.91;H,6.93;P,4.81 参考例5 3,4,5,7−テトラ−O−(テトラヒドロピラニル)−1
−デオキシ−1−(ジメトキシホスホリル)−D−グリ
セロ−D−ギューロ−ヘプチトールおよび1,3,4,5−テ
トラ−O−(テトラヒドロピラニル)−7−デオキシ−
7−(ジメトキシホスホリル)−D−グリセロ−L−ギ
ューロ−ヘプチトール 3,4,5,7−テトラ−O−(テトラヒドロピラニル)−1
−デオキシ−1−(ジメトキシホスホリル)−D−グル
コ−2−へプチュロピラノース(26.6g)をエチルエー
テル(300ml)に溶解し、水素化ほう素ナトリウム(3.0
g)を加えて室温で一夜攪拌した。不溶物をろ去し、エ
チルエーテルで洗浄後、ろ液と洗液を集めて10%(w/
v)塩化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥後、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムク
ロマト(1)に付し、トルエン・アセトン(1:1)で
溶出した。溶出画分を減圧濃縮し、更に減圧下に乾燥し
て3,4,5,7−テトラ−O−(テトラヒドロピラニル)−
1−デオキシ−1−(ジメトキシホスホリル)−D−グ
リセロ−D−ギューロ−ヘプチトールと1,3,4,5−テト
ラ−O−(テトラヒドロピラニル)−7−デオキシ−7
−(ジメトキシホスホリル)−D−グリセロ−L−ギュ
ーロ−ヘプチトールの混合物(18.8g)を得た。
▲[α]26 D▼+12.6°(c=1,CHCl3) 元素分析:C29H53O13P 計算値(%):C,54.36;H,8.34 実験値(%):C,54.73;H,8.57 参考例6 3,4,5,7−テトラ−O−ベンジル−1−デオキシ−1−
(ジメトキシホスホリル)−D−キシロ−2,6−ヘプト
ジウロース ジメチルスルホキシド(8.1ml)のジクロロメタン(87m
l)溶液を−65〜−75℃に冷却し、この溶液に無水トリ
フルオロ酢酸(9.83ml)のジクロロメタン(40ml)溶液
を滴下し、30分間攪拌後、3,4,5,7−テトラ−O−ベン
ジル−1−デオキシ−1−(ジメトキシホスホリル)−
D−グリセロ−D−ギューロ−ヘプチトールと1,3,4,5
−テトラ−O−ベンジル−7−デオキシ−7−(ジメト
キシホスホリル)−D−グリセロ−L−ギューロ−ヘプ
チトールの混合物(11.6g)のジクロロメタン(80ml)
溶液を滴下し、同温度で1時間攪拌した。更に反応液を
同温度に冷却下にトリエチルアミン(23.2ml)を滴下
し、30分間攪拌後、冷却浴を除いて反応温度が0℃に上
昇するまで攪拌した。反応液を氷冷したジクロロメタン
(300ml)と2N塩酸(250ml)の混合液に加え、ジクロロ
メタン層を分離し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残
留物をシリカゲルカラムクロマト(500ml)に付しトル
エン・酢酸エチル(1:1)で溶出した。溶出画分を減圧
濃縮し、更に減圧下に乾燥して3,4,5,7−テトラ−O−
ベンジル−1−デオキシ−1−(ジメトキシホスホリ
ル)−D−キシロ−2,6−ヘプトジウロース(11.5g)を
得た。
▲[α]23 D▼−28.5°(c=1,CHCl3元素分析:C37H41O9P 計算値(%):C,67.26;H,6.25;P,4.69 実験値(%):C,67.70;H,6.32;P,4.69 参考例7 3,4,5,7−テトラ−O−(テトラヒドロピラニル)−1
−デオキシ−1−(ジメトキシホスホリル)−D−キシ
ロ−2,6−ヘプトジウロース ジメチルスルホキシド(9.4ml)のジクロロメタン(100
ml)溶液を−65〜−75℃に冷却し、この溶液に無水トリ
フルオロ酢酸(12.3ml)のジクロロメタン(50ml)溶液
を滴下し、30分間攪拌後、3,4,5,7−テトラ−O−(テ
トラヒドロピラニル)−1−デオキシ−1−(ジメトキ
シホスホリル)−D−グリセロ−D−ギューロ−ヘプチ
トールと1,3,4,5−テトラ−O−(テトラヒドロピラニ
ル)−7−デオキシ−7−(ジメトキシホスホリル)−
D−グリセロ−L−ギューロ−ヘプチトールの混合物
(14.0g)のジクロロメタン(70ml)溶液を滴下し、同
温度で1時間攪拌した。更に反応液を同温度に冷却下に
トリエチルアミン(27.5ml)のジクロロメタン(50ml)
溶液を滴下し、30分間攪拌後、冷却浴を除いて反応温度
が0℃に上昇するまで攪拌した。反応液を氷冷したジク
ロロメタン(200ml)と2N塩酸(200ml)の混合液に加
え、ジクロロメタン層を分離し、飽和炭酸水素ナトリウ
ム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃
縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマト(500ml)
に付し、トルエン・アセトン(2:1)で溶出した。溶出
画分を減圧濃縮し、更に減圧下に乾燥して3,4,5,7−テ
トラ−O−(テトラヒドロピラニル)−1−デオキシ−
1−(ジメトキシホスホリル)−D−キシロ−2,6−ヘ
プトジウロース(12.4g)を得た。
▲[α]26 D▼+39.3°(c=1,CHCl3参考例8 3,4,5,7−テトラ−O−ベンジル−1−デオキシ−1−
(ジメトキシホスホリル)−D−グルコ−2−ヘプチュ
ロピラノース n−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(1.6モル溶液,
68.8ml)を、ジメチル メチルホスホナート(13.65g)
のテトラヒドロフラン(200ml)溶液に、アルゴン気流
中−70〜−75℃で滴下した。この溶液に、2,3,4,6−テ
トラ−O−ベンジル−D−グルコノ−1,5−ラクトン(2
9.6g)のテトラヒドロフラン(150ml)溶液を滴下し、
同温度で1時間攪拌した後、冷却浴を除き、反応温度が
0℃に上昇するまで攪拌した。この反応液に、氷冷した
10%(w/v)塩化アンモニウム溶液(400ml)を加え、生
じた油状物を酢酸エチル(1.2l)で抽出した。抽出液を
2N塩酸と飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫
酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残留物にエチ
ルエーテル−石油エーテル(1:3,400ml)を加え、一夜
冷蔵庫中に放置して3,4,5,7−テトラ−O−ベンジル−
1−デオキシ−1−(ジメトキシホスホリル)−D−グ
ルコ−2−ヘプチュロピラノース(33.1g)を白色結晶
として得た。
融点112〜113℃ ▲[α]23 D▼−15.6°(c=1,CHCl3) IR(KBr):3226cm-1(OH);C=Oの吸収(1700〜1800cm
-1)は認められない。
元素分析:C37H43O9P 計算値(%):C,67.06;H,6.54;P,4.67 実験値(%):C,67.09;H,6.39;P,4.82 参考例9 4L−4,6/5−トリ(ベンジルオキシ)−3−(ベンジル
オキシメチル)−2−シクロヘキセノンオキシム 4L−4,6/5−トリ(ベンジルオキシ)−3−(ベンジル
オキシメチル)−2−シクロヘキセノン(2.0g)のジメ
チルスルホキシド(10ml)溶液に塩酸ヒドロキシルアミ
ン(2.0g)を加え、室温で24時間攪拌した。反応液を酢
酸エチル(250ml)と水(150ml)に分配し、有機溶媒層
を2N塩酸と飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、無水
硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残留物をシリ
カゲルカラムクロマト(250ml)に付し、トルエン−酢
酸エチル(10:1)で溶出した。溶出画分(450〜800ml)
を減圧濃縮乾固して、オキシム(1.27g)を無色シロッ
プとして得た。
元素分析:C35H35NO5 計算値(%):C,76.48;H,6.42;N,2.55 実験値(%):C,76.66;H,6.32;N,2.35 実験例1 4L−4,6/5−トリ(ベンジルオキシ)−3−(ベンジル
オキシメチル)−2−シクロヘキセノン 3,4,5,7−テトラ−O−ベンジル−1−デオキシ−1−
(ジメトキシホスホリル)−D−キシロ−2,6−ヘプト
ジウロース(12.5g)をトルエン(500ml)に溶解し、18
−クラウン−6(200mg)と炭酸カリウム(8.0g)を加
えて室温で一夜攪拌後、不溶物をろ去し、トルエンで洗
浄した。ろ液と洗液を集め、2N塩酸と飽和炭酸水素ナト
リウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減
圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマト(500m
l)に付し、トルエン・酢酸エチル(20:1)で溶出し
た。溶出画分を減圧濃縮し、更に減圧下に乾燥して4L−
4,6/5−トリ(ベンジルオキシ)−3−(ベンジルオキ
シメチル)−2−シクロヘキセノン(5.7g)を得た。
▲[α]23 D▼−12.2°(c=1,CHCl3 1H-NMR(CDCl3)δ:6.17〜6.25(1H,m,2−CH) 元素分析:C35H34O5 計算値(%):C,78.63;H,6.41 実験値(%):C,78.83;H,6.27 実験例1 4L−4,6/5−トリ(テトラヒドロピラニルオキシ)−3
−(テトラヒドロピラニルオキシメチル)−2−シクロ
ヘキセノン a)3,4,5,7−テトラ−O−(テトラヒドロピラニル)
−1−デオキシ−1−(ジメトキシホスホリル)−D−
キシロ−2,6−ヘプジウロース(12.1g)をトルエン(50
0ml)に溶解し、18−クラウン−6(200mg)と炭酸カリ
ウム(8.0g)を加えて室温で一夜攪拌した。不溶物をろ
去し、トルエンで洗浄後、ろ液と洗液を集め、2N塩酸と
飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥後、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラ
ムクロマト(500ml)に付し、トルエン・酢酸エチル
(3:1)で溶出した。溶出画分を減圧濃縮し、更に減圧
下に乾燥して4L−4,6/5−トリ(テトラヒドロピラニル
オキシ)−3−(テトラヒドロピラニルオキシメチル)
−2−シクロヘキセノン(7.5g)を得た。
b)3,4,5,7−テトラ−O−(テトラヒドロピラニル)
−1−デオキシ−1−(ジメトキシホスホリル)−D−
グルコ−2−ヘプチュロピラノース(6.3g)をトルエン
(50ml)に溶解し、水素化ナトリウム(270mg)を加え
て室温で2時間攪拌後、不溶物をろ去した。ジメチルス
ルホキシド(3.4ml)をジクロロメタン(25ml)に溶解
し、冷却下(−65〜−75℃)に無水トリフルオロ酢酸
(5.0ml)のジクロロメタン(25ml)溶液を滴下し、30
分間攪拌後、同温度で上記のトルエン溶液を滴下し、1
時間攪拌した。更に同温度でトリエチルアミン(10ml)
のジクロロメタン(30ml)溶液を滴下し、10分間攪拌
後、冷却浴を除いて反応温度が10℃に上昇するまで攪拌
した。反応液を氷冷したジクロロメタン(200ml)と水
(100ml)の混合液に加え、ジクロロメタン層を分離
し、水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し
た。残留物をトルエン(70ml)に溶解し、18−クラウン
−6(100mg)と炭酸カリウム(2.0g)を加えて室温で
8時間攪拌後、反応液に酢酸エチル(150ml)と水(50m
l)を加えた。有機溶媒層を分離し、2N塩酸と飽和炭酸
水素ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥後、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマ
ト(200ml)に付し、トルエン−酢酸エチル(4:1)で溶
出した。溶出画分を減圧濃縮し、更に減圧下に乾燥して
4L−4,6/5−トリ(テトラヒドロピラニルオキシ)−3
−(テトラヒドロピラニルオキシメチル)−2−シクロ
ヘキセノン(1.3g)を得た。
▲[α]26 D▼+2.3°(c=1,CHCl3 1H-NMR(CDCl3)δ:6.14〜6.25(1H,m,2−CH) 元素分析:C27H42O9 計算値(%):C,63.51;H,8.29 実験値(%):C,63.94;H,8.36 実施例3 1L−(1,3/2,4)−2,3,4−トリ−O−ベンジル−5−
(ベンジルオキシメチル)−5−シクロヘキセン−1,2,
3,4−テトロール 塩化第一セリウム(745mg)のメタノール溶液(15ml)
に水素化ほう素ナトリウム(220mg)を−70〜−78℃に
冷却下に加え、1時間攪拌した。この溶液に、4L−4,6/
5−トリ(ベンジルオキシ)−3−(ベンジルオキシメ
チル)−2−シクロヘキセノン(1.0g)のエタノール−
テトラヒドロフラン(1:1,10ml)溶液を−70〜−78℃で
滴下し、同温度で1時間攪拌した。反応液に氷冷した0.
2N塩酸(50ml)と酢酸エチル(100ml)を加え、氷冷で
冷却下に約10分間攪拌した。酢酸エチル層を分離し、飽
和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥後、減圧濃縮した。残留物にエチルエーテル−
石油エーテル(1:20,50ml)を加え、一夜冷蔵庫中に放
置して1L−(1,3/2,4)−2,3,4−トリ−O−ベンジル−
5−(ベンジルオキシメチル)−5−シクロヘキセン−
1,2,3,4−テトロールの白色結晶(750mg)を得た。
融点74〜75℃ ▲[α]21 D▼−66.9°(c=1,CHCl31 H-NMR(CDCl3)δ:1.85〜2.05(1H,m,−OH),3.56(1H,d
d,J=7.4Hz,9.8Hz,2−CH),3.85(1H,dd,J=7.1Hz,9.8H
z,3−CH),3.90(1H,ブロードd,J=12.2Hz)および4.24
(1H,ブロードd,J=12.2Hz)(−CH2O−),4.27〜4.34
(2H,m,1−CHおよび4−CH),4.43〜4.98(8H,m,PhCH2
−x4),5.72(1H,ブロードs,6−CH),7.24〜7.35(20H,
m,C6H5−x4). 元素分析:C35H36O5 計算値(%):C,78.33;H,6.76 実験値(%):C,78.24;H,6.64 実施例4 1L−(1,3/2,4)−2,3,4−トリ−O−(テトラヒドロピ
ラニル)−5−(テトラヒドロピラニルオキシメチル)
−5−シクロヘキセン−1,2,3,4−テトロール 4L−4,6/5−トリ(テトラヒドロピラニルオキシ)−3
−(テトラヒドロピラニルオキシメチル)−2−シクロ
ヘキセン(25g)をメタノール(250ml)に溶解し、−10
〜−15℃に冷却下に水素化ほう素ナトリウム(2.5g)を
加え、同温度で2.5時間攪拌した。反応液を減圧濃縮
し、残留物を酢酸エチル(1)と15%(w/v)塩化ナ
トリウム溶液(500ml)に分配した。水層を酢酸エチル
(500ml)で抽出し、酢酸エチル層を集め、飽和食塩水
で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し
た。残留物をシリカゲルカラムクロマト(1.1)に付
し、カラムをトルエン・酢酸エチル(2:1)で洗浄後、
トルエン・酢酸エチル(3:2)で溶出した。溶出画分を
減圧濃縮し、更に減圧下に乾燥して1L−(1,3/2,4)−
2,3,4−トリ−O−(テトラヒドロピラニル)−5−
(テトラヒドロピラニルオキシメチル)−5−シクロヘ
キセン−1,2,3,4−テトロール(13.6g)を得た。
▲[α]26 D▼+2.9°(c=1,CHCl3) 元素分析:C27H44O9 計算値(%):C,63.26;H,8.65 実験値(%):C,63.67;H,8.63 実施例5 1L−(1,3/2,4)−2,3,4−トリ−O−ベンジル−1−O
−(イミダゾリルスルホニル)−5−(ベンジルオキシ
メチル)−5−シクロヘキセン−1,2,3,4−テトロール 1L−(1,3/2,4)−2,3,4−トリ−O−ベンジル−5−
(ベンジルオキシメチル)−5−シクロヘキセン−1,2,
3,4−テトロール(2.5g)をDMF(20ml)に溶解し、−60
℃に冷却下に塩化スルフリル(0.79ml)を滴下後、−40
℃〜−45℃で30分間攪拌した。反応液を再び−60℃に冷
却し、イミダゾール(3.3g)を加えた後、−10℃で1時
間攪拌した。反応液を氷冷した酢酸エチル(100ml)と
水(100ml)の混合液に加えた後、酢酸エチル層を分離
し、水層を酢酸エチル(50ml)で抽出した。抽出液を集
め、2N塩酸と飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、無
水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残留物をシ
リカゲルカラムクロマト(150ml)に付し、トルエン・
酢酸エチル(20:1)で溶出した。溶出画分を減圧濃縮
し、更に減圧下に乾燥して1L−(1,3/2,4)−2,3,4−ト
リ−O−ベンジル−1−O(イミダゾルスルホニル)−
5−(ベンジルオキシメチル)−5−シクロヘキセン−
1,2,3,4−テトロール(1.6g)を得た。
▲[α]26 D▼−16.7°(c=1,CHCl3) 元素分析:C38H38N2O7S 計算値(%):C,68.45;H,5.47;N,4.20;S,4.81 実験値(%):C,68.92;H,5.93;N,3.99;S,4.98 実施例6 1L−(1,3/2,4)−1−O−(イミダゾリルスルホニ
ル)−2,3,4−トリ−O−(テトラヒドロピラニル)−
5−(テトラヒドロピラニルオキシメチル)−5−シク
ロヘキセン−1,2,3,4−テトロール 1L−(1,3/2,4)−2,3,4−トリ−O−(テトラヒドロピ
ラニル)−5−(テトラヒドロピラニルオキシメチル)
−5−シクロヘキセン−1,2,3,4−テトロール(11.3g)
をDMF(100ml)に溶解し、−60℃に冷却下に塩化スルフ
リル(4.3ml)を滴下後、−40℃〜−45℃で30分間攪拌
した。反応液を再び−60℃以下に冷却し、イミダゾール
(14.55g)を加え、0〜5℃で一夜攪拌後、更に室温で
3時間攪拌した。反応液を、氷冷した酢酸エチル(1
)と水(250ml)の混合液に加え、酢酸エチル層を分
離し、水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮
した。残留物をシリカゲルカラムクロマト(550ml)に
付し、トルエン・酢酸エチル(5:1)で溶出した。溶出
画分を減圧濃縮し、更に減圧下に乾燥して1L−(1,3/2,
4)−1−O−(イミダゾリルスルホニル)−2,3,4−ト
リ−(テトラヒドロピラニル)−5−(テトラヒロドピ
ラニルオキシメチル)−5−シクロヘキセン−1,2,3,4
−テトロール(8.5g)を得た。
▲[α]24 D▼−9.0°(c=1,CHCl3) 元素分析:C30H46N2O11S 計算値(%):C,56.06;H,7.21;N,4.36;S,4.99 実験値(%):C,55.89;H,7.34;N,4.18;S,5.33 実施例7 1L−(1,3/2,4)−1−O−(メタンスルホニル)−2,
3,4−トリ−(テトラヒドロピラニル)−5−(テトラ
ヒドロピラニルオキシメチル)−5−シクロヘキセン−
1,2,3,4−テトロール 1L−(1,3/2,4)−2,3,4−トリ−O−(テトラヒドロピ
ラニル)−5−(テトラヒドロピラニルオキシメチル)
−5−シクロヘキセン−1,2,3,4−テトロール(2.55g)
をピリジン(20ml)に溶解し、−20〜−30℃に冷却下メ
タンスルホニルクロリド(0.77ml)を滴下後、0〜5℃
で一夜攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残留物を酢酸エ
チルと水に分配した。酢酸エチル層を2N塩酸と飽和炭酸
水素ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥後、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマ
ト(250ml)に付し、トルエン・酢酸エチル(4:1)で溶
出した。溶出画分を減圧濃縮後、更に減圧下に乾燥して
1L−(1,3/2,4)−1−O−(メタンスルホニル)−2,
3,4−トリ−O−(テトラヒドロピラニル)−5−(テ
トラヒドロピラニルオキシメチル)−5−シクロヘキセ
ン−1,2,3,4−テトロール(1.21g)を得た。
実施例8 1D−(1,3,6/2)−1,2,3−トリ−O−(テトラヒドロピ
ラニル)−6−アジド−4−(テトラヒドロピラニルオ
キシメチル)−4−シクロヘキセン−1,2,3,−トリオー
ル 1L−(1,3/2,4)−1−O−(イミダゾリルスルホニ
ル)−2,3,4−トリ−O−テトラヒドロピラニル−5−
(テトラヒドロピラニルオキシジメチル)−5−シクロ
ヘキセン−1,2,3,4−テトロール(1.7g)をトルエン(3
5ml)に溶解し、テトラ−n−ブチルアンモニウムアジ
ド(1.7g)を加え、加熱還流下に2時間攪拌した。反応
液に酢酸エチル(100ml)を加え、水洗し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残留物をシリカゲル
カラムクロマト(150ml)に付し、トルエン・酢酸エチ
ル(4:1)で溶出した。溶出画分を減圧濃縮し、更に減
圧下に乾燥して1D−(1,3,6/2)−1,2,3−トリ−O−
(テトラヒドロピラニル)−6−アジド−4−(テトラ
ヒドロピラニルオキシメチル)−4−シクロヘキセン−
1,2,3,−トリオール(880mg)を得た。
▲[α]24 D▼+62.6°(c=1,CHCl3 1H-NMR(CDCl3)δ:5.81(1H,ブロードs,5−CH) 元素分析:C27H43N3O8 計算値(%):C,60.32;H,8.06;N,7.82; 実験値(%):C,60.78;H,8.32;N,7.59; 実施例9 1D−(1,3,6/2)−1,2,3−トリ−O−(テトラヒドロピ
ラニル)−6−アジド−4−(テトラヒドロピラニルオ
キシメチル)−4−シクロヘキセン−1,2,3−トリオー
ル 1L−(1,3/2,4)−1−O−(メタンスルホニル)−2,
3,4−トリ−O−テトラヒドロピラニル−5−(テトラ
ヒドロピラニルオキシメチル)−5−シクロヘキセン−
1,2,3,4−テトロール(1.1g)をDMF(20ml)に溶解し、
アジ化ナトリウム(250ml)を加えて、80℃で3時間攪
拌した。反応液を減圧濃縮し、残留物を酢酸エチルと水
に分配した。酢酸エチル層を水洗し、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥後、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラム
クロマト(100ml)に付し、トルエン・酢酸エチル(4:
1)で溶出した。溶出画分を減圧濃縮し、更に減圧下に
乾燥して1D−(1,3,6/2)−1,2,3−トリ−O−(テトラ
ヒドロピラニル)−6−アジド−4−(テトラヒドロピ
ラニルオキシメチル)−4−シクロヘキセン−1,2,3−
トリオール(1.0g)を得た。
実施例10 1D−(1,3,6/2)−トリ−O−(テトラヒドロピラニ
ル)−6−アミノ−4−(テトラヒドロピラニルオキシ
メチル)−4−シクロヘキセン−1,2,3−トリオール
[テトラ−O−(テトラヒドロピラニル)バリエナミ
ン] 1D−(1,3,6/2)−1,2,3−トリ−O−(テトラヒドロピ
ラニル)−6−アジド−5−(テトラヒドロピラニルオ
キシメチル)−4−シクロヘキセン−1,2,3−トリオー
ル(880mg)をテトラヒドロフラン(47ml)に溶解し、
氷冷で冷却下に水素化アルミニウムリチウム(280mg)
を少しづつ加えた後、同温度で30分間、更に室温で1.5
時間攪拌した。反応液を氷冷で冷却し、メタノール(約
10ml)、更に水(約10ml)を滴下した後、生じた不溶物
をろ去し、メタノールで洗浄した。ろ液と洗液を集めて
減圧濃縮し、残留物を酢酸エチルと水に分配した。酢酸
エチル層を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧
濃縮し、更に減圧下に乾燥してテトラ−O−(テトラヒ
ドロピラニル)バリエナミン(700mg)を得た。
実施例11 1D−(1,3,6/2)−6−アミノ−4−(ヒドロキシメチ
ル)−4−シクロヘキセン−1,2,3−トリオール[バリ
エナミン] テトラ−O−(テトラヒドロピラニル)バリエナミン
(700mg)を80%酢酸(35ml)に溶解し、50℃で5時間
攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残留物をダウエックス
50W×8(H+型、130ml)のカラムクロマトに付した。カ
ラムを水洗後、0.5Nアンモニア水で溶出し、溶出画分を
減圧濃縮した。残留物をダウエックス1×2(OH-型,18
0ml)のカラムクロマトに付し、水で溶出した。溶出画
分を減圧濃縮後、凍結乾燥してバリエナミン(180mg)
を得た。
▲[α]24 D▼+87.6°(c=1,H2O)1 H-NMR(D2)δ:5.89(1H,dd,J=1.5,4.5Hz,5−CH)13 C-NMR(D2O+DCl)δ:50.2(d),61.9(t),67.4
(d),71.7(d),72.5(d),116.3(d),146.5
(s) 元素分析:C7H13NO4H2O 計算値(%):C,43.52;H,7.83;N,7.25; 実験値(%):C,43.67;H,7.82;N,7.28;

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中、R1は水酸基の保護基を示す。)で表わされる新
    規不飽和イノソース誘導体。
  2. 【請求項2】一般式 (式中、R1は水酸基の保護基を、R2は炭化水素残基を示
    す。)で表わされる化合物を塩基で処理することを特徴
    とする一般式 (式中、R1は水酸基の保護基を示す。)で表わされる新
    規不飽和イノソース誘導体の製造法。
JP62117554A 1986-05-21 1987-05-14 新規不飽和イノソ−ス誘導体およびその製造法 Expired - Lifetime JPH0745427B2 (ja)

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