JPH0744328Y2 - 折曲げ機械のパンチ自動交換装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は板材を折曲げ加工する折曲げ機械のパンチ自
動交換装置に関する。

〔従来の技術〕

従来プレスブレーキのような折曲げ機械は固定されたダ
イスと上下動自在なパンチの間で板状のワークを折曲げ
加工するようになっており、ワークの長さや折曲げ角度
が変る毎にパンチを交換している。

またパンチの交換を容易にするため、予め複数のパンチ
を取付けておいて、これらパンチを自動交換できるよう
にした折曲げ機械も出願されている。

例えば実開平１−80209号、特開平１−154821号、特公
昭62−254923号、特公昭52−109858号公報など。

〔考案が解決しようとする課題〕

従来の折曲げ機械のパンチ自動交換装置は、パンチを回
動させたり、スイングさせてラムの下方へ移動させ、パ
ンチの交換を行っているが、パンチの自重によるダレを
防止するためラムの両端や中間部に多くの回動機構を配
置するなど構造が複雑で、かつ高価であると共に、折曲
げ精度も余りよくないなどの欠点があった。

また基準となるラム固定側パンチに交換パンチを直接接
続して使用するため、交換パンチ側に溝加工をする必要
があるなど交換パンチが高価になると共に、交換パンチ
による折曲げ荷重をラム固定側パンチで受けるため、基
準となるラム固定側パンチがたわんで曲げ精度を低下さ
せるなど、精度の高い折曲げ加工ができないなどの欠点
もあった。

この考案は上記従来の欠点を除去する目的でなされたも
ので、交換が容易で、かつ精度の高い折曲げ加工が可能
な折曲げ機械のパンチ自動交換装置を提供しようとする
ものである。

〔課題を解決するための手段及び作用〕

この考案は上記目的を達成するために、上下動自在なラ
ムの下部に取付けられたパンチと、固定フレームに固定
されたダイスの間で板状のワークを折曲げ加工する折曲
げ機械において、上記ラムの下部にスイングシリンダに
よりラムの下方にスイング自在なアダプタを設け、かつ
このアダプタに交換パンチを取付けると共に、上記アダ
プタをラムの下方へスイング後これを引き上げて、アダ
プタをラムに固定されたパンチの先端とこれをラムに固
定するパンチホルダへそれぞれ当接させる吊り上げ手段
を設けたものである。

これによって交換パンチに加わる折曲げ荷重はラムに固
定されたパンチとこれをラムに固定するパンチホルダに
分散されたラムへ伝達されるため、曲げ荷重により基準
となるラム固定側のパンチがたわむことがなく精度の高
い折曲げ加工が可能になる。

〔実施例〕

この考案の一実施例を図面を参照して詳述する。

図において１は折曲げ機械の本体で、固定フレーム1aの
上方に油圧シリンダ２により上下動されるラム３が設け
られており、このラム３の下端に基準となるパンチ４が
ホルダ５を介して取付けられていて、このパンチ４と上
記固定フレーム1a上に固定されたダイス６の間で板状の
ワーク７を折曲げ加工できるようになっている。

８はパンチ自動交換装置で、上記ラム３の両側にブラケ
ット９を介してスイングシリンダ10が取付けられてい
る。

上記スイングシリンダ10より下方へ突出されたピストン
杆10aの先端は、基端側がラム３の両側下部に支軸11に
より枢支されたレバー12の先端側がピン13により枢着さ
れていて、スイングシリンダ10により支軸11を中心にレ
バー12の先端側が回動自在となっていると共に、レバー
12の先端にはローラ14が回転自在に支承されている。

そしてこれらローラ14にアダプタ15の両端部に固着され
たガイドブロック16の凹溝16aが嵌挿されている。

上記アダプタ15はラム３とほぼ同じ長さの板体で、下端
側に厚肉部15aが形成されていて、この厚肉部15aの上下
に段部15b,15cが形成されている。

上側の段部15bにはラム３に固定されたパンチ４の先端
が嵌入するＶ字溝15dが形成されていると共に、下側の
段部15cには交換パンチ17がパンチホルダ18を介して取
付けられている。

一方上記ラム３には長さ方向に間隔を置いて複数個のス
ライドシンダ20が取付けられていて、これらスライドシ
リンダ20より下方へ突出されたピストン杆20aの先端に
スライダ21が固着されている。

上記各スライダ21はラム３の下部に互に平行するよう下
方向に設けられたスライダガイド22間に設けられてい
て、スライドシリンダ20によりスライダガイド22に沿っ
て上下動されると共に、各スライダ21の下端はアダプタ
15に固着された吊り板23にピン24を介して枢着されてい
て、各スライドシリンダ20によりスライダ21を介してア
ダプタ15が上下動できるようになっている。

次に作用を説明すると、ラム３に固定されたパンチ４と
固定フレーム1a上に固定されたダイス６の間でワーク７
を折曲げ加工する場合は、スイングシリンダ10により支
軸11を中心にレバー12を第２図に示す位置まで回動させ
て、アダプタ15に取付けられた交換パンチ17は上方へ待
機させる。

この状態で油圧シリンダ２によりラム３を上下動させ
て、ラム３に取付けられたパンチ４とダイス６の間でワ
ーク７を折曲げ加工するものである。

次に交換パンチ17を使用して折曲げ加工を行う場合は、
スイングシリンダ10により支軸11を中心にレバー12を下
方へ回動させる。

これによってレバー12の間に支持されたアダプタ15がラ
ム３の下方へ回動される。

そしてこの状態でスライドシリンダ20によりスライダ21
を引き上げると、スライダ21にピン24を介して枢着され
た吊り板23とともにアダプタ15が上昇して、アダプタ15
の上側に段部15bに形成されたＶ字溝15dがラム３に固定
されたパンチ４の先端に第２図に示すように嵌入すると
同時に、アタプタ15の上端がラム３にパンチ４を固定す
るパンチホルダ５の下端に当接されて交換パンチ17はそ
の位置に固定される。従ってこの状態でラム３を上下動
することにより、交換パンチ17とダイス６の間でワーク
７の折曲げ加工が行えるようになると共に、折曲げ加工
中交換パンチ17の先端に加わる曲げ荷重Ｆは第３図に示
すようにf₁とf₂に分散されてパンチ４とパンチホルダ５
を介してラム３へと伝達されるため、基準となるパンチ
４にはf₁以上の曲げ荷重が加わることがなく、f₁はf₁＜
Ｆとなるため、従来の基準となるパンチのみで曲げ荷重
Ｆを受けていたものに比べて基準となるパンチ４のたわ
みを大幅に低減することができるようになる。

なお上記実施例では、ラム３の両側にスイングシリンダ
10を設けたが、ラム３の前後に設けるようにすれば、長
尺なパンチ４やダイス６にも対応することができる。

〔考案の効果〕

この考案は以上詳述したように、パンチを交換する際、
交換パンチの取付けられたアダプタをラムの下方へスイ
ングさせた後アダプタを引き上げて、アダプタを基準と
なるパンチの先端とこれをラムに固定するパンチホルダ
へそれぞれ当接させるようにしたことから、交換パンチ
による折曲げ加工時、交換パンチに加わる曲げ荷重は基
準となるパンチとパンチホルダに分散されて支持される
ため、曲げ荷重により基準となるパンチがたわむことも
なく、精度の高い折曲げ加工が可能となる。

また交換パンチを取付けたアダプタを長手方向に複数個
所に亘って設けたスライドシリンダにより吊り上げるこ
とにより、交換パンチの自重によるたわみが防止できる
ため、従来の長手方向に複数個所に亘って回動機構を設
けるものに比べて構成が簡単となるため安価に提供する
ことができると共に、交換パンチに溝加工を施す必要も
ないため、交換パンチに市販の安価なものが利用でき
る。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し、第１図は正面図、第
２図は側面図、第３図は作用説明図である。 ３はラム、４はパンチ、５はパンチホルダ、６はダイ
ス、７はワーク、10はスイングシリンダ、15はアダプ
タ、17は交換パンチ、20はスライドシリンダ。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上下動自在なラム３の下部に取付けられた
   パンチ４と、固定フレーム1aに固定されたダイス６の間
   で板状のワーク７を折曲げ加工する折曲げ機械におい
   て、上記ラム３の下部にスイングシリンダ10によりラム
   ３の下方にスイング自在なアダプタ15を設け、かつこの
   アダプタ15に交換パンチ17を取付けると共に、上記アダ
   プタ15をラム３の下方へスイング後これを引き上げて、
   アダプタ15をラム３に固定されたパンチ４の先端とこれ
   をラム３に固定するパンチホルダ５へそれぞれ当接させ
   る吊り上げ手段を設けてなる折曲げ機械のパンチ自動交
   換装置。
2. 【請求項２】吊り上げ手段を複数のスライドシリンダ20
   により構成すると共に、これらスライドシリンダ20をア
   ダプタ15の長手方向に間隔を置いて設置してなる請求項
   １記載のパンチ自動交換装置。