JPH0744115B2 - ガス絶縁電気機器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 （産業上の利用分野） 本発明は、タンク内部に鉄心，巻線等を収納して成るガ
ス絶縁変圧器とガス絶縁母線とをガス区分型のコーン型
絶縁スペーサを介して接続するガス絶縁電気機器に関す
る。

（従来の技術） 最近の用地の入手難等により、変電所等は、よりコンパ
クト化，地下型に移行しつつつある。その様な変電所に
おいては、変圧器，開閉装置共ガス絶縁化した全ガス絶
縁変電所になる事が多い。この様なガス絶縁変電所にす
る事により、防災面からもメリットが生じ、最近特に、
注目されている。第２図に変圧器，開閉装置共ガス絶縁
化されたガス絶縁変電所の概略構成を示す。第２図にお
いて１は送電線とガス絶縁開閉装置からの電圧，電流を
結ぶガスブッシングであり、このガスブッシング１の後
段にガス絶縁開閉装置９を構成する要素であるしゃ断器
2,避雷器3,PT4等が接続され、ガス絶縁母線５からコー
ン型の絶縁スペーサ６を介して内部に巻線等を収納する
ガス絶縁変圧器７と接続されている。なお絶縁スペーサ
６は、輸送時ガス絶縁変圧器７側に取り付けられガス絶
縁変圧器のリード線８と接続されたまま組立てられてい
る。そして、絶縁スペーサ６の突起側は、ガス絶縁変圧
器７側に向くように取り付けられている。

（発明が解決しようとする問題点） この様に、ガス絶縁変圧器７側に絶縁スペーサ６の突起
側が取り付けられるのは、例えば、輸送時絶縁スペーサ
６の先端（ガス絶縁開閉装置９側）で分解が行なわれる
が、その時変圧器タンクからの出張りが少なくてすみ輸
送制限の厳しい我国においてはメリットが生じる為等で
ある。一方この様にガス絶縁変圧器７側にコーン型絶縁
スペーサ６の突起側を配置する事により、次の欠点を有
している。

即ち、 （１）コーン型絶縁スペーサ６は、通常凹側の方が電界
が厳しい為コーン型絶縁スペーサ６が破壊する時は、通
常凹側で破壊する。特に凹部であるガス絶縁母線５側で
内部放電が生じると、ガス絶縁母線５内容積が小さい
為、母線内の圧力が高くなる。その為、その圧力により
絶縁スペーサ６が破壊し、ガス絶縁変圧器７側に分解ガ
スが進入し、ガス絶縁変圧器７も取り替えなければなら
ない欠点がある。特に絶縁スペーサ６の機械的強度は凹
側の方からの圧力に対して弱く、従来の取り付け構造の
欠点となっている。

（２）ガス絶縁変圧器７とガス絶縁開閉装置９とは通常
現地で取り付けられるが、その際コーン型の絶縁スペー
サ６は、ガス絶縁変圧器７側に取り付けられ輸送され
る。その為、現地ではコーン型の絶縁スペーサ６の凹側
が開放され、組立の際にその凹部に不純物等が侵入しや
すい。不純物が凹部の下側に侵入すると、それが母線で
かくれてしまい、発見しにくい欠点があり、発見されな
いまま再組立の可能性があった。

本発明は、以上の様な従来の欠点に鑑みなされたもの
で、その目的とする所は耐電圧特性及び機器の事故時に
おいても絶縁スペーサの機械的強度の強いガス絶縁母線
とガス絶縁変圧器を組み合わせたガス絶縁電気機器を得
ることにある。

〔発明の構成〕

（問題点を解決するための手段） 本発明は、従来の欠点をなくすべく、ガス絶縁母線とガ
ス絶縁変圧器間に取り付けるコーン型の絶縁スペーサの
凸起側をガス絶縁母線側に向くようにして取り付け且つ
ガス絶縁変圧器側のガス封入圧力をガス絶縁母線側のガ
ス封入圧力より高くするものである。

（作用） このようにすると内部ガス圧をガス絶縁変圧器側の方を
高くし、そしてコーン型絶縁スペーサの凹側をガス絶縁
変圧器側に向くようにするとともにガス封入圧力をガス
絶縁変圧器側をガス絶縁母線側より高くしたことによ
り、絶縁強度の低い凹側であるガス絶縁変圧器側におい
ても破壊が生じにくくなり、また現地において突起側が
ガス絶縁母線側であり、新たに組立てるようになってい
る為、たとえ不純物が絶縁スペーサ表面に付着しても清
浄が行ないやすい。

（実施例） 以下本発明の実施例を図面を参照して説明する。第１図
に本発明の要部のみを示し、従来と同一部分は同一符号
で記しその説明は省略する。第１図において、11は本発
明におけるコーン型の絶縁スペーサで、その絶縁スペー
サ11の凸起側は、ガス絶縁開閉装置１を構成するガス絶
縁母線５側に向くように取り付けられ、その絶縁スペー
サ11はガス絶縁変圧器７側及びガス絶縁母線５側のガス
がお互いに流通しない様に、リード線８部でガスシール
が行なわれている。そして、輸送時には絶縁スペーサ11
はガス絶縁変圧器７側に取り付けられ、現地において、
ガス絶縁母線５側のリード線12と電気的に接続されると
同時に、機械的にもタンク側で接続される。そして、内
部ガス圧力は、少なくともガス絶縁母線５側よりガス絶
縁変圧器７側が高くしてある。

本発明はこのように構成されているので内部ガス圧をガ
ス絶縁変圧器７側の方を高くし、そしてコーン型絶縁ス
ペーサ11の凹側をガス絶縁変圧器７側にしている為、絶
縁強度の低い凹側であるガス絶縁変圧器７側においても
破壊が生じにくく、絶縁協調のとれた絶縁スペーサの取
付構成となる。

また現地において絶縁スペーサ11の突起側が、ガス絶縁
母線５側であり、新たに組立てるようになっている為、
たとえ不純物が絶縁スペーサ11表面に付着しても清浄が
行いやすく、従来以上の信頼性が増す。

そしてガス絶縁開閉装置９側で破壊し内部アークにより
タンク内の圧力が上昇しても、コーン型絶縁スペーサ11
の突起側が、ガス絶縁母線５側となっている為、内部ア
ーク力により絶縁スペーサ11が破壊するような事がな
く、ガス絶縁変圧器７に対して従来以上の信頼性があ
る。一方ガス絶縁変圧器７側で破壊してもガス絶縁変圧
器７のタンク内容積が大きい為内圧が上昇するような事
がなく、たとえ絶縁スペーサ11の方向が凹側になってい
ても従来の様に絶縁スペーサが破壊する様な事がなく、
ガス絶縁母線５側も安全である。

〔発明の効果〕

以上のように本発明によればタンク内部に、鉄心，巻
線，絶縁ガスを収納してなるガス絶縁変圧器と、ガス絶
縁開閉装置をガス区分型のコーン型絶縁スペーサにて接
続するガス絶縁電気機器において、前記コーン型絶縁ス
ペーサの突起側をガス絶縁母線側に向くように配すると
ともにガス封入圧力をガス絶縁変圧器側をガス絶縁母線
側より高くしたので耐電圧特性及び機器の事故時におい
ても絶縁スペーサの機械的強度の強いガス絶縁電気機器
を得ることができる。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明の一実施例を示す要部断面図、第２図は
従来のガス絶縁開閉装置とガス絶縁変圧器を示す概略正
面図である。 １……ガスブッシング、２……しゃ断器 ３……避雷器、４……PT ５……ガス絶縁母線、６……絶縁スペーサ ７……ガス絶縁変圧器、８……リード線９ ……ガス絶縁開閉装置、11……絶縁スペーサ 12……リード線

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】タンク内部に鉄心，巻線，絶縁ガスを収納
   してなるガス絶縁変圧器と、ガス絶縁母線をガス区分型
   のコーン型絶縁スペーサを介して直接接続するガス絶縁
   電気機器において、前記ガス絶縁変圧器側のガスの封入
   圧力を前記ガス絶縁母線側のガスの封入圧力より高くす
   るとともに、前記コーン型絶縁スペーサの突起側を、前
   記ガス絶縁母線側に向くように配設した事を特徴とする
   ガス絶縁電気機器。