JPH0744084U - 間接押出プレス用フリーダイス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シールリングの外周面に付着したコンテナシ
ェルの除去作業を効率よく行なう。 【構成】 ダイス本体とシールリングで構成されるフリ
ーダイスであって，中心部に製品形状を決定するベアリ
ング孔を有するダイス本体とコンテナのビレット装填孔
に摺接してシェル掻き落とし用シールリングとを軸方向
に合体され，前記シールリングの外周面が多面体でかつ
軸方向にストレートの部分を有して形成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は間接押出プレスのフリーダイスに係り，特にフリーダイスの外周面に コンテナ内面をクリーニングするシールリングを採用することにより，押出中に 除去されたコンテナシェルを取除き，ダイステムの先端に清掃されたシールリン グをダイス本体に再嵌装して，同一ダイス本体の連続再使用を可能にした間接押 出プレス用フリーダイスに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

アルミ合金の間接押出では表面品質を確保するため，押出後，コンテナ内面に 付着したコンテナシェルを除去することが必須である。従来，このようなコンテ ナ内面のシェル除去手段として図６に示す手段が用いられている。図５は押出プ レス全体の正面図，図６はダイステムの先端に一体型フリーダイスを配設した要 部断面図，図７は従来のシールリングに付着したシェル除去の説明図である。

【０００３】 図５において，符号２１は固定盤２２に取付けたメインシリンダ，２３はメイ ンシリンダ２１に摺動自在に取付けたメインラム，符号２０はメインラム２３に 連結した移動枠であり，移動枠２０は図示していないガイド上を摺動させるよう にした。メインラム２３は移動枠２０の前進用であり，移動枠２０の後退用とし ては，固定盤２２にシリンダ２５を固定し，シリンダ２５のビストンロッド２６ を移動枠２０の一部に固定した。また，ピアサクロスヘッド２７を軸線方向に摺 動可能に設け，ピアサクロスヘッド２７を，ピアサシリンダ２９中に摺動自在に 取付けたピアサラム２８に取付けた。ピアサラム２８はピアサクロスヘッド２７ 前進用のラムである。ピアサクロスヘッド２７には図示しない後退用のシリンダ が取付けてある。

【０００４】 符号８ａは移動枠２０の先端に取付けた円筒状の押出ステム，５は押出ステム ８ａ中に摺動可能に設けたマンドレルであり先端部にチップ部５ａを有している 。マンドレル５はマンドレルホルダ６にねじで締結され，ウォーム機構７によっ てマンドレルホルダ６が回動されたり，マンドレル５とマンドレルホルダ６間の ねじが締付けられたりする。 そして，前記マンドレル５およびマンドレルホルダ６は，メインクロスヘッド ８に保持され，マンドレル５とメインクロスヘッド８とはそれぞれ別々の油圧機 構によって往復動される。

【０００５】 図５に示すようにコンテナホルダ１は，エンドプラテン２に接して設けられる ダイス３に対向する位置に，油圧シリンダ４によって水平な軸線方向に移動可能 に取付けられ，その内部にコンテナ１ａを有し，コンテナ１ａ内にはビレット１ ０が収納される。一方，コンテナホルダ１とメインクロスヘッド８の中間位置に は，ビレットローダ９が設置されており，また，マンドレル交換装置も前記ビレ ットローダ９の位置に配置されている。また，前記エンドプラテン２の反押出側 に向かって突設したダイステム１１が前記押出ステム８ａと同軸上に設けられて いる。

【０００６】 ビレット１０の押出時にはダイステム１１の自由先端部にダイス３を配設して あり，ダイス３を通してビレット１０を押出加工している。 ところで，前記フリーダイス３は中心に製品通過孔１５ａを有するダイス本体 １５の軸方向一端面にシールリング１６の軸方向一端面が当接されて前記端面を 介して分解組立自在に合体されており，シールリング１６は製品通過孔１５ａと 連通する孔１６ａを有する本体部分の外周面が円形形状を有するとともに，軸方 向にストレート部分を有して形成され，前記本体の軸方向他端に径外方向に突出 されるリング状のクリーニング部１６ｂを有しており，前記クリーニング部１６ ｂとダイス本体１５との軸方向対向部分間に，シールリング１６の外周面による コンテナシェル１７の収容部分（以下空間部という）１８を有した構造となって いる。なお，符号１５は切断装置である。

【０００７】 こうした間接押出プレスの作動をフリーダイス３ｃを用いた場合について述べ る。 まず，コンテナ１ａを前進させダイス３ｃに当接する。ついで，ビレットロー ダ上にビレット１０およびダミーブロック９を載置し，コンテナ１ａを後退させ てコンテナ１ａ中に円筒状のビレット１０を装入する。ダイステム１１とコンテ ナ１ａ間にフリーダイス３ｃを搬入した後，メインラム２３を前進させコンテナ １ａを押圧することにより，フリーダイス３ｃをコンテナ１ａ内に挿入し，フリ ーダイス３ｃを介してビレット１０をダイステム１１に押付ける。 つぎに，ピアサラム２８を作動させてマンドレル５を前進してビレット１０を 挿通し，マンドレル５の先端チップ部５ａをダイス３ｃの製品押出部の中心位置 に固定する。つづいて，メインラム２３を再び前進させて押出ステム８ａを前進 させるとともに，コンテナ１ａも前進させてビレット１０を押圧し，ダイス３ｃ から製品としての管を押出す。ビレット１０の押出しが終了した後，先にピアサ ラム２８を作動させてマンドレル５を後退し，次いでメインラム２３を作動させ て押出ステム８ａを後退する。つづいて，図示しないコンテナ移動用シリンダを 作動させてコンテナ１ａをダイス３ｃから離反させる。つぎに切断装置を作動さ せ，切断刃を下降させることにより押出管１４とディスカードとを切断し一連の 動作を完了する。

【０００８】 この後，コンテナ１ａの移動によるフリーダイス３のコンテナ１ａ外露出と図 示しないダイローダによる受取りによるダイエジェクトが行なわれ，ダイローダ はフリーダイス３を保持して機外に退避する。次いで，ビレットローダ９による 新しいビレット１０のコンテナ１ａへのチャージ作業が始まり，このビレットチ ャージ作業の間に，退避したダイローダ側ではローダより除去したシェル１７の 付着したシールリング１６のみを取外し，新しいシールリング１６をダイローダ 上に残っているダイス本体１５に合体させ，すなわちダイス本体１５のみは継続 使用としてダイローダを介してダイステム１１前端にセットしダイチャージに戻 ることになる。この間にシェル１７の付着した取外しシールリング１６はシェル １７を除去して清掃し，次回の使用に備える。

【０００９】

【考案が解決しようとする課題】

ところが，前記したシールリング１６に付着したコンテナシェル１７の除去は ，図７に示すようにシールリング１６の外周形状に沿ってシェル１７の除去が容 易なように，シェル除去工具３０の先端部が半円形の形状を有している。図７（ １）に示すようにシェル除去工具３０でシールリング１６の外周面に付着したシ ェル１７を除去しようとするとシェル除去工具３０をシールリング１６の外周面 に沿って何度も繰返し動作を行なわなくてはならずシェル１７の除去作業の効率 が悪いといった問題があった。

【００１０】 本考案は，上記従来の問題点に着目し，シールリング１６の外周面に付着した コンテナシェル１７の除去作業を効率よく行なうことを目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために，本考案では，間接押出プレスのダイステム先端に 配置され，コンテナとの相対移動によりコンテナ内部に装填されたビレットの加 圧押出をなすダイス本体とシールリングで構成されたフリーダイスであって，中 心部に製品形状を決定するベアリング孔を有するダイス本体と，前記ダイス本体 の軸方向一端面にコンテナのビレット装填孔に摺接するシェル掻き落とし用シー ルリングの軸方向一端面が当接されるとともに当接面を介して分解組立自在に合 体され，前記シールリングの外周面が多面体でかつ軸方向にストレートの部分を 有して形成された構成にする。

【００１２】

【作用】

ダイス本体およびシールリングの組立体からなるダイス組立体をダイステムの 前端面に配設し，押出ステムの前進によってコンテナ内に装填されたビレットの 押出しを行なう。押出完了後はプレス機機外よりプレスポジションにダイローダ を移動してシェルの付着したダイス組立体をクランプして後退し前記ダイス本体 よりシールリングのみ交換してダイス組立体をプレス中心位置まで移動し再度プ レス機によってビレットの押出しに供される。一方，シェルの付着したシールリ ングは別工程にてシェル除去工具を用いてシェルを完全に除去し次回の使用に備 える。

【００１３】

【実施例】

以下，本考案に係る間接押出プレス用フリーダイスを図面を参照して詳細に説 明する。図１はフリーダイスの縦断面図，図２は図１のＩＩ−ＩＩ矢視正面断面 図，図３は本考案実施例のフリーダイスを用いた工程順序説明図，図４はシール リングに付着したシェル除去の説明図である。間接押出プレス全体の構成は図５ に示す従来のものと同構成であるからその詳細な説明を省略し，以下図１ないし 図４を用いて本考案との関連箇所のみを説明する。

【００１４】 コンテナ１ａは図示されないコンテナホルダ１ならびに移動手段によってダイ ステム１１に向かって前進する。ビレット１０の通過孔を中心に有するダイステ ム１１の先端にはコンテナ内壁面４１に付着したコンテナシェル１７を掻き落と すシールリング５３を有したフリーダイスすなわちダイス組立体５０が配設され ている。

【００１５】 図１および図２に示すダイス組立体５０は，ダイス本体５１およびシールリン グ５３から構成されている。 ダイス本体５１は外周が円形状を有するとともに，中心部に製品通過孔５１ａ が穿設されている。ダイス本体５１は，内部が中空でかつ外部が短い直胴円筒状 を有した保持部５１ｂと，前記保持部５１ｂの軸方向他端（押出ステム８ａ側） に径外方向に突出されるリング状の基端部５１ｃからなり，基端部５１ｃの製品 通過孔５１ａの一部に押出管１４の形状を決めるベアリング孔５１ｄが設けられ ている。

【００１６】 一方，前記ダイス本体５１の軸方向一端面にシールリング５３の軸方向一端面 が当接されており，例えば位置決めピン５４等を介して分解組立自在に合体され る。シールリング５３は製品通過孔５１ａと連通する孔５３ａを有する本体部分 の外周面が例えば６面体状を有するとともに，軸方向にストレート部分５３ｃを 有して形成され，前記本体の軸方向他端に径外方向に突出されるリング状のクリ ーニング部５３ｂを有しており，前記クリーニング部５３ｂとダイス本体５１と の軸方向対向部分間に，シールリング５３の外周面によるコンテナシェル１７の 空間部３３を有した構造となっている。

【００１７】 前記ダイス組立体５０を構成するダイス本体５１およびシールリング５３の外 形寸法はつぎのようになっている。すなわち，ビレット１０の押出中にダイステ ム１１側に当接するクリーニング部５３ｂの外径（Ｄ_１）と，ビレット１０側に 当接する側のダイス５１の基端部５１ｃの外径（Ｄ_２）はＤ_１＞Ｄ_２となってい る。このような寸法構成のダイス組立体５０を一定径Ｄを有したコンテナ１ａ内 に装填されるとダイス５１の基端部５１ｃの外径Ｄ_２間には（（Ｄ−Ｄ_２）／２ ＝）ｔ_０の隙間を有し，コンテナ１ａの内径Ｄとクリーニング部５３ｂの外径Ｄ_１ 間には（（Ｄ−Ｄ_１）／２＝）ｔ_１の隙間を有した状態となり，ｔ_０＞ｔ_１の 関係を持つ。

【００１８】 一般的に，前記ｔ_１は微小なほぼ零に近い寸法とし，前記ｔ_０はコンテナ内壁 面４１に付着したコンテナシェル１７の高さより大きくなるように構成されてい る。コンテナ１ａ内に装填されたビレット１０が押出ステム８ａの前進によって コンテナ１ａとともに固定されたダイステム１１に向かって前進するとコンテナ １ａ内のビレット１０は押出管１４として押出成形される。このとき，ダイステ ム１１の前方に位置するダイス組立体５０のダイス本体５１の基端部５１ｃでは コンテナ内壁面４１に付着したコンテナシェル１７をクリーニング（掻き落とす ）することなく通過するものの，クリーニング部５３ｂによってコンテナシェル １７はコンテナ内壁面４１より掻き落とされクリーニングされる。

【００１９】 これら掻き落とされたコンテナシェル１７はダイス本体５１の基端部５１ｃと クリーニング部５３ｂ間に形成された空間部３３に逐次堆積されるような構成に なっている。

【００２０】 本考案による間接押出プレスのプレスサイクルについて述べると，図３（１） にビレット１０の押出状態を示すように，まず，従来同様ビレット１０をコンテ ナ１ａ内に装填した後，図示しないピアサラム２８を作動させてマンドレル５を 前進してビレット１０を挿通し，マンドレル５の先端チップ部５ａをダイス本体 ５１のベアリング孔５１ｄの中心位置に固定する。つづいて，フリーダミーブロ ック２４を介して押出ステム８ａを矢印のようにダイステム１１に向かって移動 すると，フリーダイス５０によってコンテナ１ａ内のビレット１０は押出管１４ として押出成形され，ダイステム１１内に通過してエンドプラテン側に排出され ，この間接押出中にシールリング５３の外周部に位置したクリーニング部５３ｂ によって，コンテナ内壁面４１に付着したコンテナシェル１７が除去され，シェ ル１７は空間部３３に堆積される。

【００２１】 押出しが終了すれば，ディスカード４０（ビレット１０の押粕）はコンテナ１ ａの図に向かって右方に突き出され（図３（２）），ディスカード４０が既知の 切断刃４２の前進動作によって押出管１４と分離切断され（図３（３）），一方 ，押出ステム８ａは矢印に示すようなビレット１０の押出方向と反対方向に後退 する。

【００２２】 次いで，図３（４）に示すように，コンテナ１ａが図に向かって左方に若干再 移動して，ダイス組立体５０がコンテナ１ａの右端外に露出するとともに，図示 しないダイローダをプレス機外のポジションよりプレスポジションに移動し，ダ イローダに設けたクランプがプレス中心軸線と同心状に位置して，前記露出した ダイス組立体５０を確実，かつ，強固に把持することになる。この後，ダイロー ダは，プレス機外のスタートポジションまで後退させ，ダイス組立体５０を取除 き，ダイス本体５１とシールリング５３に分解されシールリング５３に付着した コンテナシェル１７の除去に供される。

【００２３】 図４（１）および図４（２）に示すように，シールリング５３の空間部３３に 付着・堆積したコンテナシェル１７を，Ｕ字形状を有するとともに，先端部にシ ャー刃６０ａを有したシェル除去工具６０を用いてシールリング５３のストレー ト部５３ｃに押込むと６面体のうち対向する２面に付着したシェル１７は同時に 除去される（図４（３））。同じ動作を３回繰返すことによってシールリング５ ３に付着したシェル１７はほぼ完全に除去される。なお，本実施例では，シール リング５３のストレート部５３ｃを６面体の場合について述べたが，３面体，４ 面体，８面体等にしてもよい。

【００２４】

【考案の効果】

以上説明したことからも明らかなように，本考案では，間接押出プレスのダイ ステム先端に配置され，コンテナとの相対移動によりコンテナ内部に装填された ビレットの加圧押出をなすダイス本体とシールリングで構成されたフリーダイス であって，中心部に製品形状を決定するベアリング孔を有するダイス本体と，前 記ダイス本体の軸方向一端面にコンテナのビレット装填孔に摺接するシェル掻き 落とし用シールリングの軸方向一端面が当接されるとともに当接面を介して分解 組立自在に合体され，前記シールリングの外周面が多面体でかつ軸方向にストレ ートの部分を有して形成したことにより，シールリングに付着したコンテナシェ ルの除去作業の効率が大幅にアップする。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るフリーダイスの縦断面図である。

【図２】図１のＩＩ−ＩＩ矢視正面断面図である。

【図３】本考案実施例のフリーダイスを用いた工程順序
説明図である。

【図４】シールリングに付着したシェル除去の説明図で
ある。

【図５】押出プレス全体の正面図である。

【図６】ダイステムの先端に一体型フリーダイスを配設
した要部断面図である。

【図７】従来のシールリングに付着したシェル除去の説
明図である。

【符号の説明】

１ コンテナホルダ １ａ コンテナ ３ フリーダイス １０ ビレット １１ ダイステム １４ 押出管 １５ ダイス本体 １５ａ 製品通過孔 １６ シールリング １６ａ 孔 １６ｂ クリーニング部 １７ コンテナシェル １８ コンテナシェルの収容部分 ３０ シェル除去工具 ４１ コンテナ内壁面 ４２ 切断刃 ５０ ダイス組立体（フリーダイス） ５１ ダイス本体 ５１ａ 製品通過孔 ５１ｂ 保持部 ５１ｃ 基端部 ５１ｄ ベアリング孔 ５３ シールリング ５３ａ 孔 ５３ｂ クリーニング部 ５３ｃ ストレート部分 ５４ 位置決めピン ６０ シェル除去工具

【手続補正書】

【提出日】平成７年４月２５日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】図面の簡単な説明

【補正方法】変更

【補正内容】

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るフリーダイスの縦断面図である。

【図２】図１のＩＩ−ＩＩ矢視正面断面図である。

【図３】本考案実施例のフリーダイスを用いた工程順序
説明図である。

【図４】図３に示した動作の続きを示す説明図である。

【図５】シールリングに付着したシェル除去の説明図で
ある。

【図６】押出プレス全体の正面図である。

【図７】ダイステムの先端に一体型フリーダイスを配設
した要部断面図である。

【図８】従来のシールリングに付着したシェル除去の説
明図である。

【符号の説明】 １ コンテナホルダ １ａ コンテナ ３ フリーダイス １０ ビレット １１ ダイステム １４ 押出管 １５ ダイス本体 １５ａ製品通過孔 １６シールリング １６ａ孔 １６ｂクリーニング部 １７ コンテナシェル １８ コンテナシェルの収容部分 ３０ シェル除去工具 ４１ コンテナ内壁面 ４２ 切断刃 ５０ ダイス組立体（フリーダイス） ５１ ダイス本体 ５１ａ製品通過孔 ５１ｂ保持部 ５１ｃ基端部 ５１ｄベアリング部 ５３ シールリング ５３ａ孔 ５３ｂクリーニング部 ５３ｃストレート部 ５４ 位置決めピン ６０ シェル除去工具

【手続補正２】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】全図

【補正方法】変更

【補正内容】

【図１】

【図２】

【図３】

【図４】

【図５】

【図６】

【図７】

【図８】

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 間接押出プレスのダイステム先端に配置
   され，コンテナとの相対移動によりコンテナ内部に装填
   されたビレットの加圧押出をなすダイス本体とシールリ
   ングで構成されたフリーダイスであって，中心部に製品
   形状を決定するベアリング孔を有するダイス本体と，前
   記ダイス本体の軸方向一端面にコンテナのビレット装填
   孔に摺接するシェル掻き落とし用シールリングの軸方向
   一端面が当接されるとともに当接面を介して分解組立自
   在に合体され，前記シールリングの外周面が多面体でか
   つ軸方向にストレートの部分を有して形成されたことを
   特徴とする間接押出プレス用フリーダイス。