JPH0743341A - 限界電流式酸素センサの製造方法 - Google Patents

限界電流式酸素センサの製造方法

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JPH0743341A
JPH0743341A JP5208332A JP20833293A JPH0743341A JP H0743341 A JPH0743341 A JP H0743341A JP 5208332 A JP5208332 A JP 5208332A JP 20833293 A JP20833293 A JP 20833293A JP H0743341 A JPH0743341 A JP H0743341A
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JP
Japan
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thin film
electrode thin
porous
ion conductor
oxygen sensor
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Application number
JP5208332A
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English (en)
Inventor
Takafumi Kajima
孝文 鹿嶋
Katsuaki Nakamura
克明 中村
Naoji Yadori
尚次 宿利
Atsunari Ishibashi
功成 石橋
Yoshinori Kato
嘉則 加藤
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Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 緻密な表面のイオン伝導体薄膜上に気体透過
性を有するポーラス状の電極薄膜を容易に形成できるよ
うにし、限界電流式酸素センサを大量生産できるように
する。 【構成】 気体透過性を持つポーラスな基板1の一表面
上に、スパッタリングにより気体の流通を妨げないよう
なポーラスな第1の電極薄膜4を形成し、つぎにこの第
1の電極薄膜4上にスパッタリングによりイオン伝導体
薄膜3を形成し、さらにこのイオン伝導体薄膜3上に、
メタロオーガニックペーストを塗布・焼成することによ
り、気体が流通するポーラス状の第2の電極薄膜2を形
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、イオン伝導体を用い
た限界電流式酸素センサの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】限界電流式酸素センサはイオン伝導体の
酸素イオンポンピング作用を利用するもので、イオン伝
導体に導入される酸素量と、イオン伝導体中の酸素イオ
ンをキャリアとする電流とが対応することを利用して酸
素濃度を検出するものである。すなわち、イオン伝導体
の両面に電極を設けて、それら電極間に電圧を印加する
と、イオン伝導体中の酸素イオンをキャリアとする電流
が流れる。イオン伝導体に拡散される時間当たりの酸素
量を一定にしておくと、上記の電極間に印加する電圧を
上げても電流は一定値以上に増えない。このような拡散
律速状態の電流値は限界電流と呼ばれ、イオン伝導体に
導入される時間当たりの酸素量に対応したものとなり、
この電流値から周囲の雰囲気中の酸素濃度を求めること
ができる。
【0003】このイオン伝導体に拡散する時間当たりの
酸素量を一定にする(つまり拡散律速性を持たせる)構
造としては、イオン伝導体の一面を気密に覆うキャップ
を設け、このキャップに小孔を設けるというものが一般
的であるが、センサを小型薄型化することが困難であ
る、製造が容易でない、などの欠点がある。そこで、従
来のものより、センサの小型薄型化および製造の容易性
を図るため、ポーラスな基板または薄膜を用い、その気
体透過性を利用して拡散律速性を持たせるようにしたも
のが考えられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来
の、小型薄型化を図った構造の限界電流式酸素センサで
は、電極部における気体透過性に問題があり、センサ性
能が不十分で、大量生産に不向きである等の問題があっ
た。
【0005】この発明は、上記に鑑み、反応性の良好な
気体透過性を有する電極を容易に形成することができ
て、しかも大量生産に適した、限界電流式酸素センサの
製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明による限界電流式酸素センサの製造方法に
おいては、気体透過性を持つ基板の一表面上に気体の流
通を妨げないように第1の電極薄膜を形成し、つぎにこ
の第1の電極薄膜上にイオン伝導体薄膜を形成し、さら
にこのイオン伝導体薄膜上に、メタロオーガニックペー
ストを塗布・焼成することによりポーラス状の第2の電
極薄膜を形成することが特徴となっている。
【0007】
【作用】イオン伝導体薄膜は基板上に形成された第1の
電極薄膜上に形成され、さらにそのイオン伝導体薄膜上
に第2の電極薄膜が形成されて、イオン伝導体薄膜が2
つの電極薄膜により挾まれる構造となっている。イオン
伝導体薄膜の表面は緻密なものとなっているため、その
上に第2の電極薄膜を形成するとき、スパッタリングな
どの方法では緻密なものしか形成できず、ポーラスなも
のとすることはできず、そのため気体が透過しにくく反
応性が悪くてセンサ能力が劣る。そこで、このイオン伝
導体薄膜上に、メタロオーガニック(MO)ペーストを
塗布・焼成することによりポーラス状の第2の電極薄膜
を形成することとしている。MOペーストでは、メタル
成分であるPt(白金)が有機高分子との化合物を形成
しており、印刷焼成時にミクロ的に有機高分子部分がガ
ス化分解し、それにより非常にミクロ的な空孔が均一に
発生し、その結果ポーラスな構造の電極薄膜が形成さ
れ、空気の透過性が確保される。このMOペーストを用
いると、スクリーン印刷技術により空気透過性を有する
電極薄膜を形成できるので、製造工程が簡単になり、非
常に容易に製造でき、大量生産に適している。
【0008】
【実施例】以下、この発明の好ましい一実施例について
図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、この発明
の製造方法によって製造された限界電流式酸素センサの
チップの平面図であり、図2は図1のAA線断面図であ
る。これらの図に示すように、ポーラス性の基板1上
に、カソード電極薄膜4がポーラス性を持つようにして
一様な層に形成されている。その上にイオン伝導体薄膜
3が形成され、さらにそのイオン伝導体薄膜3の上にア
ノード電極薄膜2がポーラス性を持つようにして一様な
層に形成されている。このイオン伝導体薄膜3はたとえ
ばスパッタあるいは蒸着により形成される。
【0009】さらに詳しく説明すると、まず、ポーラス
性の基板1として、たとえばアルミナ(Al23)材料
などで構成されたポーラス性の基板の表面を機械加工し
て平坦にしたものを用いる。そして、この基板1の一表
面上に、白金をターゲットとしてスパッタリングしてカ
ソード電極薄膜4を形成する。こうして基板1の表面の
ほぼ全面を覆うような一様な層のカソード電極薄膜4を
作る。つぎに、安定化ジルコニア(ZrO2−8mol
%Y23)のターゲットを用いてイオン伝導体薄膜3を
設ける。さらに、このイオン伝導体薄膜3上にスクリー
ン印刷技術を用いてMOペーストを一様に塗布し、その
後焼成することにより、アノード電極薄膜2を形成す
る。
【0010】一般的には、上記のようにスパッタ等によ
り電極薄膜4、2を形成すると、形成された電極薄膜
4、2は緻密な構造となり易く、ガス交換のための気体
透過性を得るという点では難点があるのであるが、カソ
ード電極薄膜4については、ポーラス性の基板1上にス
パッタによってカソード電極薄膜4を形成するので、そ
の基板1の表面状態の影響を受けてポーラス状の電極薄
膜4を得ることができる(つまり電極薄膜4を基板1の
表面のミクロ的な凹凸が埋め込まれない程度の厚さに形
成することにより、そのミクロ的な凹凸の影響で多数の
ミクロ的な空孔が均一に形成される)。このため、全面
に一様な層に形成された場合でも気体の透過性を十分に
確保できる。
【0011】これに対して、アノード電極薄膜2はイオ
ン伝導体薄膜3上に設けられ、このイオン伝導体薄膜3
の表面は非常に緻密な状態になっているため、電極薄膜
2も非常に緻密な膜となり気体透過性はほとんど得られ
ない。そこで、この電極薄膜2については上記の通りM
Oペーストを塗布・焼成することにより形成し、この電
極薄膜2がポーラス状になるようにしている。すなわ
ち、MOペーストでは、メタル成分であるPt(白金)
が有機高分子との化合物を形成しており、焼成時にミク
ロ的に有機高分子部分がガス化分解揮散するため、これ
によって非常にミクロ的な空孔が均一に発生し、その結
果ポーラスな構造のアノード電極薄膜2が形成される。
そのため、一様な層のパターンであっても空気の透過性
を確保できる。
【0012】このような構造の限界電流式酸素センサで
は、アノード電極薄膜2とカソード電極薄膜4との間に
電圧を印加すると、大気中の酸素がポーラス状の基板1
およびポーラス状のカソード電極薄膜4を通ってイオン
伝導体薄膜3に導かれ、電極反応によって酸素イオンと
なる。この酸素イオンはアノード電極薄膜2側に移動し
てアノード電極薄膜2とカソード電極薄膜4との間に電
流が流れる。そしてイオン伝導体薄膜3の表面で発生し
た酸素はポーラスなアノード電極薄膜2を透過して表面
側に出ていく。この場合、ポーラスな基板1が、酸素を
イオン伝導体薄膜3に一定速度で拡散させる拡散律速層
として機能することになる。
【0013】実際に製造した限界電流式酸素センサを測
定してみたところ、図3の実線で示すような電圧−電流
特性を得ることができた。この測定は200℃の大気雰
囲気中で行なったが、図3の実線のように非常に良好な
限界電流特性が得られることが判明した。なお、この図
3で点線は参考までにアノード電極薄膜2をスパッタリ
ングにより一様な層に形成して製造した限界電流式酸素
センサの電圧−電流特性を示している。この実線と点線
との対比から、カソード電極薄膜4およびアノード電極
薄膜2ともスパッタリングにより形成した場合(点線)
は、電圧−電流特性がなだらかになっていて、電極とし
ての機能がきわめて低いことが分かるが、他方、カソー
ド電極薄膜4はスパッタリングで、アノード電極薄膜2
はMOペーストによりそれぞれ形成したもの(実線)は
結果的に電極が有効に機能していることが、電圧−電流
特性にプラトー部分が生じている(限界電流特性が得ら
れている)ことから、明白である。
【0014】つぎに、第2の実施例について説明する。
この実施例で作られた限界電流式酸素センサのチップの
平面図が図4に示されており、図5は図4のAA線断面
図である。ポーラス性の基板1上にアノード電極薄膜2
がポーラス性を持つようにして一様な層に形成され、そ
の上にイオン伝導体薄膜3が形成され、さらにそのイオ
ン伝導体薄膜3の上にカソード電極薄膜4がポーラス性
を持つようにして一様な層に形成されている点は、アノ
ード電極薄膜2とカソード電極薄膜4の位置が逆になっ
ている点を除いて、第1の実施例と同様である。この第
2の実施例では、上記の構造に加えて、カソード電極薄
膜4及びイオン伝導体薄膜3を覆うように、気体透過性
を有するポーラス層5が形成されている。このポーラス
層5は細い引き出し部6を有するようなパターンに形成
されている。この引き出し部6は後に述べるように拡散
律速層として機能する。さらにこの拡散律速層(引き出
し部)6の先端を除いてポーラス層5のすべてを覆うよ
うに結晶化ガラス等からなる封止層7が形成されてい
る。
【0015】つぎにこの第2の実施例にかかる製造方法
について説明する。ポーラス性の基板1上にスパッタリ
ングによりアノード電極薄膜2を形成し、さらにイオン
伝導体薄膜3をスパッタリングにより形成した後、カソ
ード電極薄膜4をMOペーストにより形成する工程まで
は第1の実施例と同じである。イオン伝導体薄膜3の上
にカソード電極薄膜4をMOペーストの印刷・焼成によ
って形成した後、このカソード電極薄膜4及びイオン伝
導体薄膜3の上に、ステアタイトセラミック粉を50w
t%添加した結晶化ガラスペーストを印刷(塗布)し、
焼成することによって、ポーラス層5を形成する。その
際、ポーラス層5が図示のようなパターンとなって細い
引き出し部6が形成されるようにする。つぎに、このポ
ーラス層5を、引き出し部6を除いて封止層7で覆う。
すなわち、ポーラス層5の上に結晶化ガラスを印刷(塗
布)し、1000℃の温度で10分間焼成することによ
って封止層7を形成する。最後に、図示しないが、白金
ペーストを印刷・焼成することにより封止層7上にヒー
ターを形成して完成する。なおこのヒーターは基板1の
裏面側に設けてもよいが、イオン伝導体薄膜3に近くて
加熱効率が高いという点から、封止層7上に設ける方が
好ましい。
【0016】この場合、アノード電極薄膜2およびカソ
ード電極薄膜4は第1の実施例と同様にポーラスなもの
となっており、その結果、イオン伝導体薄膜3の表裏に
おける空気の出入りが確保されている。アノード電極薄
膜2とカソード電極薄膜4との間に電圧を印加すると、
大気中の酸素はポーラス層5の引き出し部6の先端の、
封止層7から露出している部分より流入し、ポーラス層
5の全体に広がり、イオン伝導体薄膜3の表面に導かれ
電極反応により酸素イオンとなる。この酸素イオンはア
ノード電極薄膜2側に移動してアノード電極薄膜2とカ
ソード電極薄膜4との間に電流が流れる。そしてイオン
伝導体薄膜3の裏面で発生した酸素はポーラスな基板1
を透過して裏面側に出ていく。
【0017】したがって、イオン伝導体薄膜3に導入さ
れる酸素量は、ポーラス層5の単位面積当りの透過空気
量と、細い引き出し部6の断面積と、その長さとによっ
て制限されることになる。すなわち、この引き出し部6
が拡散律速層として機能する。このポーラス層5を形成
する際そのポーラス度つまり空気の透過性を制限するた
めのコントロールは容易であり、また引き出し部6はそ
の形状(断面積と長さ)を再現性良く形成することが容
易であるため、限界電流特性が均一な限界電流式酸素セ
ンサを容易に製造できる。これから、この限界電流式酸
素センサは特性の均一なものを大量生産するのに適した
構造であると言える。
【0018】この第2の実施例で製造した限界電流式酸
素センサを実際に200℃の大気雰囲気中で測定してみ
たところ、図6の実線で示すような電圧−電流特性を得
ることができた。この図6で点線は図4、図5と同様の
構造で、カソード電極薄膜4の形成方法のみが異なるも
のの測定結果を示している。つまり、点線は、MOペー
ストによるのでなくスパッタリングによりカソード電極
薄膜4を形成して製造した限界電流式酸素センサの電圧
−電流特性を示している。この図6の実線と点線との対
比から、第1の実施例と同様に、MOペーストによって
カソード電極薄膜4を形成した方が、スパッタリングに
よる場合よりも電圧−電流特性に平坦部分が得られ、限
界電流特性が非常に優れ、センサとしての特性が優れて
いることが分かる。
【0019】
【発明の効果】以上実施例について説明したように、こ
の発明の限界電流式酸素センサの製造方法によれば、緻
密な表面のイオン伝導体薄膜上に気体透過性を有するポ
ーラス状の電極薄膜を容易に形成することができ、大量
生産が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例にかかる限界電流式酸素セ
ンサの平面図。
【図2】図1のAA線断面図。
【図3】同実施例の電圧−電流特性を表わすグラフ。
【図4】第2の実施例にかかる限界電流式酸素センサの
平面図。
【図5】図4のAA線断面図。
【図6】第2の実施例の電圧−電流特性を表わすグラ
フ。
【符号の説明】
1 気体透過性基板 2 アノード電極薄膜 3 イオン伝導体薄膜 4 カソード電極薄膜 5 ポーラス層 6 拡散律速層 7 封止層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石橋 功成 東京都江東区木場1丁目5番1号株式会社 フジクラ内 (72)発明者 加藤 嘉則 東京都江東区木場1丁目5番1号株式会社 フジクラ内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気体透過性を持つ基板の一表面上に気体
    の流通を妨げないように第1の電極薄膜を形成する工程
    と、つぎにこの第1の電極薄膜上にイオン伝導体薄膜を
    形成する工程と、さらにこのイオン伝導体薄膜上に、メ
    タロオーガニックペーストを塗布・焼成することにより
    ポーラス状の第2の電極薄膜を形成する工程とを有する
    ことを特徴とする限界電流式酸素センサの製造方法。
JP5208332A 1993-07-31 1993-07-31 限界電流式酸素センサの製造方法 Pending JPH0743341A (ja)

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