JPH07134115A - 限界電流式酸素センサの製造方法 - Google Patents

限界電流式酸素センサの製造方法

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JPH07134115A
JPH07134115A JP5279687A JP27968793A JPH07134115A JP H07134115 A JPH07134115 A JP H07134115A JP 5279687 A JP5279687 A JP 5279687A JP 27968793 A JP27968793 A JP 27968793A JP H07134115 A JPH07134115 A JP H07134115A
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JP
Japan
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limiting current
oxygen sensor
substrate
sensor
coating
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Application number
JP5279687A
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English (en)
Inventor
Takafumi Kajima
孝文 鹿嶋
Katsuaki Nakamura
克明 中村
Naoji Yadori
尚次 宿利
Atsunari Ishibashi
功成 石橋
Yoshinori Kato
嘉則 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造が容易であって製造コストを低減できる
と共に、限界電流特性が相互に異なる複数種の酸素セン
サを容易に製造することができる限界電流式酸素センサ
の製造方法を提供する。 【構成】 先ず、固定電解質基板1の表裏両面に夫々多
孔質のカソード電極2及びアノード電極3を形成する。
次に、カソード電極2を被覆する被覆部5及びこの被覆
部5から基板縁部に延出する延出部5aにより構成され
る多孔質層を形成する。次いで、この被覆部5及び延出
部5aの基端側部分をガラスドーム層4で被覆する。こ
のとき、所望の限界電流特性に応じて、ガラスドーム層
4で被覆する延出部5aの被覆長さを設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固体電解質基板を挟ん
で配置された1対の電極を有し、限界電流特性を利用し
て気体中の酸素濃度を検出する限界電流式酸素センサの
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図3は従来の限界電流式酸素センサの一
例を示す断面図である。従来の限界電流式酸素センサに
おいては、安定化ジルコニアからなる固体電解質基板1
1を挟んで、カソード電極12及びアノード電極13が
形成されている。これらの電極12,13は、いずれも
ポーラス(多孔質)な白金からなり、その内部を気体が
通流可能になっている。そして、固体電解質基板11の
カソード電極12側の面には下端が開放した形状のキャ
ップ14がその下端縁を基板11に固定して設けられて
おり、これにより、キャップ14と基板11とに囲まれ
た内部空間が形成される。カソード電極12はこの内部
空間に接し、アノード電極13は外部雰囲気に接する。
【0003】キャップ14には1個又は複数個の微細な
気体拡散孔14bが穿設されており、これにより外部雰
囲気と内部空間とが気体拡散孔14bを介して連通す
る。また、キャップ14上にはヒータ16が設けられて
おり、このヒータ16に通電することによりヒータ16
が抵抗発熱して酸素センサが加熱されるようになってい
る。更に、カソード電極12とアノード電極13との間
には電源19が接続され、この電源19に直列及び並列
に夫々電流計18及び電圧計17が接続される。
【0004】上述した構造を有する従来の酸素センサに
おいては、ヒータ16に給電して抵抗発熱させることに
より酸素センサを高温に加熱すると共に、電源19によ
りカソード電極12とアノード電極13との間に所定の
電圧(V)を印加する。そうすると、酸素ポンピング作
用により、固体電解質基板11とキャップ14とに囲ま
れた内部空間に存在する気体中に含有されている酸素分
子(O2 )はカソード電極12を介して電子を得て、酸
素イオンになり、固体電解質基板11内に入る。この酸
素イオンは、基板11内の酸素イオン空孔を介して基板
11内をその厚さ方向に移動する。そして、この酸素イ
オンはアノード電極13に到達して電子を放出し、再び
酸素分子となって外部に放出される。この酸素イオンの
移動により、アノード電極13とカソード電極12との
間に電流(A)が流れる。
【0005】ところで、酸素の移動により酸素センサの
内部空間は負圧となり、気体拡散孔14bを介して外部
から気体が流入する。このとき、気体の流入量は気体拡
散孔14bにより制限されるため、酸素センサの電流−
電圧特性において、カソード電極12及びアノード電極
13間に印加する電圧を上昇させても電流が変化しない
所謂フラット域が観測される。この特性を限界電流特性
といい、このときの電流を限界電流という。
【0006】限界電流式酸素センサの限界電流の値は、
気体拡散孔の形状、使用時のセンサの温度及び雰囲気の
圧力が一定であるとすると、雰囲気中の酸素濃度に依存
する。従って、予め、限界電流値と酸素濃度との関係を
求めておけば、限界電流値を測定することにより酸素濃
度未知の雰囲気中の酸素濃度を知ることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の限界電流式酸素センサにおいては、気体拡散孔
14bを備えたキャップ14を形成し、このキャップ1
4を電極12,13が設けられた固体電解質基板11に
接合する必要があり、製造工程が煩雑であるため、製造
コストが高いという問題点がある。また、限界電流特性
が相互に異なる複数種のセンサを製造する場合に、例え
ば気体拡散孔のサイズが異なる複数種のキャップを製造
するか、又は固体電解質基板の厚さ等を変更する必要が
あり、煩雑であるという欠点もある。
【0008】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、製造が容易であって製造コストを低減でき
ると共に、限界電流特性が相互に異なる複数種の酸素セ
ンサを容易に製造することができる限界電流式酸素セン
サの製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る限界電流式
酸素センサの製造方法は、固体電解質基板の表面及び裏
面に夫々第1及び第2の電極を形成する工程と、前記第
1の電極を被覆する被覆部及びこの被覆部から基板縁部
に向けて延出する延出部を有する多孔質層を形成する工
程と、前記被覆部及び前記延出部の基端側部分を気密的
に被覆するドーム層を印刷により形成する工程とを有
し、前記ドーム層は前記延出部上の部分でその被覆長さ
を任意に設定できることを特徴とする。
【0010】
【作用】本発明においては、先ず、固体電解質基板の表
面及び裏面に夫々第1及び第2の電極を形成し、その
後、例えば多孔質セラミックス等により、第1の電極を
被覆する被覆部及びこの被覆部から基板縁部に向けて延
出する延出部を有する多孔質層を形成する。次に、例え
ばガラスペーストを所定のパターンに印刷することによ
り、前記被覆部及び前記延出部の基端側部分を気密的に
被覆するドーム層を形成する。
【0011】このようにして製造された酸素センサにお
いて、例えば第1及び第2の電極に夫々負及び正の電圧
を印加すると、センサ内の気体中に含まれている酸素が
イオンになって固体電解質基板をその厚さ方向に移動す
る。これにより、センサ内が負圧になり、多孔質層の延
出部を介して外部からセンサ内に気体が流入する。そし
て、センサ内に流入した気体は、多孔質層の被覆部内を
拡散して、センサ内に均一に分散する。このとき、セン
サ内に流入する気体の流量は延出部のドーム層に被覆さ
れた部分により制限されるため、センサを流れる電流値
が気体中の酸素濃度に依存して、限界電流特性を得るこ
とができる。即ち、本発明方法により製造された酸素セ
ンサにおいては、延出部のドーム層に被覆された部分が
従来の酸素センサにおける気体拡散孔に相当する。
【0012】本発明においては、キャップを製造する工
程及びキャップに気体拡散孔を穿設する工程等の煩雑な
工程が不要であり、酸素センサを容易に製造することが
できる。また、本発明においては、ドーム層で被覆する
延出部の被覆長さを任意に設定できるので、ドーム層を
印刷するときの印刷版画を変えるだけで限界電流特性を
変更することができる。従って、本発明においては、限
界電流特性が相互に異なる複数種の酸素センサを容易に
製造することができる。
【0013】
【実施例】次に、本発明の実施例について添付の図面を
参照して説明する。
【0014】図1は本発明の実施例に係る限界電流式酸
素センサの製造方法を示す平面図、図2は図1のA−A
線による断面図である。先ず、安定化ジルコニアからな
る固体電解質基板1を用意する。そして、この基板1の
表面側に白金ペーストを印刷し、その後焼成して、多孔
質構造のカソード電極2及びこのカソード電極2から基
板角部に向けて延出する電極延出部2aを形成する。ま
た、これと同様にして、基板1の裏面側に白金ペースト
を印刷し、その後焼成して、多孔質構造のアノード電極
3及びこのアノード電極3から基板角部に、向けて延出
する電極延出部3aを形成する。
【0015】次に、カソード電極2側の面に例えば結晶
化ガラスと多孔質セラミックス粉とを混合したペースト
を印刷し、その後焼成して、カソード電極2を被覆する
被覆部5及びこの被覆部5から基板縁部に向けて延出し
更に基板縁部に沿ってL字形に延びる延出部5aにより
構成される多孔質層を形成する。
【0016】次いで、基板表面側の面に結晶化ガラスと
セラミックス粉とを混合したペーストを印刷し、その後
焼成して、被覆部5及び延出部5aの基端側(被覆部5
側)部分を気密的に被覆するガラスドーム層4を形成す
る。この場合に、所望の限界電流特性に応じて、ドーム
層4により被覆する延出部5aの長さを設定する。即
ち、限界電流値が大きい酸素センサを得ようとする場合
は、図1中実線で示すように、ドーム層4で被覆される
延出部5aの長さが短くなるようにドーム層4を形成す
る。一方、限界電流値が大きい酸素センサを得ようとす
る場合は、図中一点鎖線(符号7a〜7d)で示すよう
に、ドーム層4で被覆される延出部5aの長さが長くな
るようにドーム層4を形成する。ドーム層4で被覆する
延出部5aの幅及び厚さが一定であれば、延出部5aの
長さが長いほどガス拡散抵抗が増大するためガス流量が
制限されて、限界電流値は小さくなる。
【0017】次いで、ガラスドーム層4上にヒータ(図
示せず)を形成する。これにより、限界電流式酸素セン
サが完成する。
【0018】このようにして製造された限界電流式酸素
センサにおいて、前記ヒータに給電してセンサを高温に
加熱すると共に、カソード電極2とアノード電極3との
間に所定の電圧を印加する。そうすると、センサ内の気
体中に含有されている酸素分子はカソード電極2を介し
て電子を得て酸素イオンとなり、固体電解質基板1をそ
の厚さ方向に移動する。そして、この酸素イオンがアノ
ード電極3に到達すると、電子を放出し再び酸素分子と
なって雰囲気中に放出される。この酸素の移動によりセ
ンサ内が負圧となり、新たな気体が延出部5aを介して
酸素センサ内に流入し、被覆部5内を拡散してセンサ内
に均一に分散する。このとき、ガラスドーム層4に被覆
された部分の延出部5aにより気体の流入量が制限され
るため、従来の限界電流式酸素センサと同様に、限界電
流特性が得られる。
【0019】本実施例においては、延出部5aのドーム
層4で被覆された部分によりセンサ内への気体流入量を
制限して限界電流特性を得るため、従来必要とされてい
た微細な孔を穿設するための機械加工が不要となり、酸
素センサの製造が容易になる。また、ドーム層形成時の
印刷版画を変更するだけで、所望の限界電流特性を得る
ことができるという利点もある。これにより、限界電流
式酸素センサのマスプロ化が容易になると共に、製造コ
ストを低減できるという効果を奏する。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る限界電
流式酸素センサの製造方法によれば、固体電解質基板を
挟んで第1及び第2の電極を形成し、第1の電極を被覆
する被覆部及びこの被覆部から基板縁部に向けて延出す
る延出部を有する多孔質層を形成した後、前記被覆部及
び延出部の基端部側部分をドーム層により気密的に被覆
するから、前記ドーム層で被覆された部分の延出部によ
りセンサ内への気体の流入量が制限され、これにより限
界電流を得ることができる。従って、本発明によれば、
従来、拡散律速をコントロールするために必要とされて
いた気体拡散孔を形成するための難しい機械加工が不要
となり、簡単に拡散律速を達成できて、酸素センサの製
造が容易になる。また、本発明によれば、ドーム層形成
時の印刷版画を変更するだけで限界電流特性が相互に異
なる酸素センサを製造することができる。従って、本発
明は、限界電流式酸素センサのマスプロ化に極めて好適
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る限界電流式酸素センサの
製造方法を示す平面図である。
【図2】図1のA−A線による断面図である。
【図3】従来の限界電流式酸素センサの一例を示す断面
図である。
【符号の説明】
1,11;固体電解質基板 2,3,12,13;電極 4;ドーム層 5;被覆部 5a;延出部 14;キャップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石橋 功成 東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 加藤 嘉則 東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会 社フジクラ内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体電解質基板の表面及び裏面に夫々第
    1及び第2の電極を形成する工程と、前記第1の電極を
    被覆する被覆部及びこの被覆部から基板縁部に向けて延
    出する延出部を有する多孔質層を形成する工程と、前記
    被覆部及び前記延出部の基端側部分を気密的に被覆する
    ドーム層を印刷により形成する工程とを有し、前記ドー
    ム層は前記延出部上の部分でその被覆長さを任意に設定
    できることを特徴とする限界電流式酸素センサの製造方
    法。
JP5279687A 1993-11-09 1993-11-09 限界電流式酸素センサの製造方法 Pending JPH07134115A (ja)

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