JPH0742979Y2 - 段ボール製の折畳式仕切材 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、例えば、機械部品等の
小物物品の多数個を、段ボール箱等に整列状に納めて運
搬する際に、物品相互間に緩衝材を介在させる為の、升
目状に折り上げ、且つ平坦に展開させることの出来る、
段ボール製の折畳式仕切材に関する。

【０００２】

【従来の技術】上記升目状をした仕切を作るのに、従来
は、短冊形をした段ボール片の長手方向片側に、升目の
大きさに合わせた間隔を隔てて多数の嵌合用切欠を設け
た、言わば櫛形に類する形状をした仕切片を多数枚用意
し、此等の仕切片を２組に分けて互いに直交方向に升目
状に嵌め合わせる方法によっていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の段ボール製
梱包用仕切は、その１つ１つの仕切を組み上げるのに、
夫々多数枚の仕切片を裁断・打抜加工して作り上げる手
間と、この多数枚の仕切片を互いに嵌め合わせると言う
極めて非能率で厄介な作業との二重の手間が掛かるの
で、労働力の慢性的不足が懸念されている現状を考えれ
ば、およそ不適格な梱包材と言える。又、升目状に組み
上げた仕切は、折り畳んで保管することも出来るが、こ
の畳んだ状態でもかなり嵩張る難点があった。そこで、
本考案の目的は、夫々所定に箇所に折り目や切れ目を設
けた、唯２枚の段ボールから成り、その各々を折り目に
沿って折曲させた上、互いに直交方向に嵌め合わせるだ
けで、所望の升目状をした仕切が簡単・迅速に折り上が
り、然も安価に作れる段ボール製の折畳式仕切材を提供
するにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する為
の、本考案による段ボール製の折畳式仕切材は、夫々複
数箇所に折り目や切起切れ目等を設けた２枚の矩形段ボ
ール１００，２００から成り、その折り目に沿って折曲
させることにより、所定間隔を隔てて複数列の平行仕切
壁３〜７が切起状に形成された仕切ユニット１０１，２
０１に折り上げ、此等両仕切ユニットを直交方向に嵌め
合わせることによって、升目状の多数の区画を備えた仕
切が形成される様に構成したものであって、前記矩形段
ボール１００，２００の各一組の対向辺部には、この段
ボールを偏平なコ字状に折曲させて一組の側端壁１，２
を起立形成させる、平行折り目Ａ及びＢを設け、前記矩
形段ボール１００，２００の夫々に、複数列の前記平行
仕切壁３〜７を所定間隔を隔てて切起状に形成させる為
に、前記２条の平行折り目Ａ及びＢ間に跨がらせて、複
数組の切起用切れ目８及び起立用折り目Ｃを平行状に設
け、前記各平行仕切壁３〜７には、前記２つの仕切ユニ
ット１０１，２０１を直交状に嵌め合わせて升目を形成
させる為の嵌合用切欠９を、両仕切ユニット１０１，２
０１が互いに干渉する箇所に夫々設ける構成とした。前
記切起用切れ目８は、偏平なコ字形に形成し、前記起立
用折り目Ｃは、前記平行仕切壁３〜７の各底辺側端と前
記切起用切れ目８のコ字の各脚端とを結んで斜めに形成
させるとよい。

【０００５】

【作用】各矩形段ボール１００，２００を、２条の平行
折り目Ａ及びＢに沿って偏平なコ字状に折曲させて行く
と、起立されつつある一組の側端壁１，２間で圧迫され
た複数列の平行仕切壁３〜７が、夫々起立用折り目Ｃに
沿って起立されて、仕切ユニット１０１及び２０１が夫
々殆ど瞬時に折り上がる。そこで、この一組の仕切ユニ
ット１０１，２０１を直交方向きに重ね合わせて、直交
する各平行仕切壁に設けられた夫々の嵌合用切欠９を互
いに嵌め合わせれば、所望数の升目状の仕切区画を備え
た仕切が簡単・迅速に組み上がる。

【０００６】

【実施例】以下に、図１乃至図７を参照し乍ら本考案の
一実施例を説明する。この実施例では、図６，７に示し
た様に合計３０の升目状の仕切区画を備えた仕切を組み
立てる為に、第１の矩形段ボール１００と第２の矩形段
ボール２００には、夫々５列と４列の平行仕切壁を切起
形成させられる様に、折り目や切れ目を設けている。

【０００７】第１の矩形段ボール１００には、図１に示
した様にその一組の対向辺部（図では上下の辺部）に、
この段ボールを偏平なコ字状に折曲させる平行折り目Ａ
及びＢを設けて、各平行折り目Ａ及びＢの外側に側端壁
１及び２を折曲形成させる様にしている。そして、両側
端壁１，２間に５列の平行仕切壁３〜７を所定間隔を隔
てて切起状に形成させる為に、５組の切起用切れ目８び
起立用折り目Ｃを、平行折り目Ａ，Ｂ間に跨がらせて互
いに平行状に設けている。各切起用切れ目８は、偏平な
コ字状に形成されている。但し、最左端に位置する切起
用切れ目７のコ字の縦画部分は、矩形段ボール１００の
側辺がこれを兼ねているので、実際にはコ字の両脚部分
しか存在しない。又、起立用折り目Ｃは、各平行仕切壁
３〜７の各底辺（図では右辺）両端と、コ字形をした各
切起用切れ目８の両脚端とを結んで斜めに設けている。
各起立用折り目Ｃの裏面には切れ目を設けて折曲を容易
にしている。

【０００８】各平行仕切壁３〜７の上辺には、等間隔を
隔てた５箇所に、この仕切壁の高さの半ばに達するスリ
ット状の嵌合用切欠９を夫々設けている。此等の嵌合用
切欠９は、前述の折り上げた２つの仕切ユニット１０
１，２０１を直交状に嵌め合わせて仕切を組立てる時
の、相互の干渉を避けると共に、仕切の形態を固定させ
る為のものである。

【０００９】第２の矩形段ボール２００には、図２に示
した様に４列の平行仕切壁を切起形成させる為に、４列
の平行仕切壁３〜６を設けている。又、各平行仕切壁３
〜６には、その底辺の等間隔を隔てた４箇所にスリット
状の嵌合用切欠９を夫々設けている。

【００１０】次に、上記構成の作用を説明する。先ず、
第１及び第２の矩形段ボール１００及び２００を、その
折上げの途中段階を図４，５に示し、折上がった状態を
図６に示した仕切ユニット１０１及び２０１の形態に折
り上げるが、これを行うには、矩形段ボール１００，２
００の夫々両側端壁１，２部分を両手に持って、図３に
示した様に２条の平行折り目Ａ，Ｂを一旦段ボールの裏
面側に折り曲げて、各平行仕切壁３〜７を起立させ易い
様に折り癖を付ける。然る後、両側端壁１，２を平行折
り目Ａ，Ｂに沿って対向方向に、図４，５に示した様に
段ボールの表側向きに直角に折曲させて行くと、各起立
用折り目Ｃが表側に折曲されて行くにつれて、各平行仕
切壁３〜７は互いに接近する両側端壁１，２間で圧迫さ
れるので、各平行仕切壁は次第に起立されて、仕切の完
成図としての図６に示した様に、仕切ユニット１０１及
び２０１の形態に折り上がる。

【００１１】そこで、この一組の仕切ユニット１０１，
２０１を、夫々の平行仕切壁３〜７及び３〜６が直交す
る方向に互い重ね合わせたうえ、向かい合った嵌合用切
欠８，８同志を互いに嵌め合わせれば、図６に示した様
に合計３０の升目状の仕切区画を備えた仕切が、上記の
長い作用説明とは異なって簡単・迅速に組み上がる。組
み上がった仕切は、図７に示した様に、段ボール箱１０
内に嵌め込めば、各仕切区画に、機械部品等の３０個の
輸送物品２０を緩衝状態で整列状に納めることが出来
る。

【００１２】尚、上記構成に於いて、矩形段ボール１０
０，２００の形状・寸法や、側端壁１，２の高さ寸法、
平行仕切壁３〜７ … を設ける数等は、勿論、各仕切区
画に納める物品の形状・寸法と、所要区画数に応じて適
宜に決めればよい。

【００１３】

【考案の効果】以上の説明によって明らかな様に、本考
案による段ボール製の折畳式仕切材は、複数の嵌合用切
欠を設けた多数枚の短冊状仕切片を、１枚づつ升目状に
嵌め合わせて所要の仕切に組立てる従来の段ボール製仕
切に比べて、以下に列挙した如き様々のより優れた実用
上の効果を奏する。 （ａ） ２枚一組の段ボールに、夫々折り目付け加工
や、打抜加工を施すだけで簡単・迅速に作れ、又、材料
が少なくて済むるので、より安価に提供出来る。 （ｂ） 仕切に組立てるには、２枚の段ボールを夫々殆
どワンタッチ操作で仕切ユニットに折り上げたうえ、此
等を直交方向に嵌め合わせるだけで足りるので、その組
立を極めて簡単・迅速に行える。 （ｃ） 平坦な段ボールに展開したコンパクトな形態
で、保管・輸送出来、保管・輸送費が大幅に節減され
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す、第１の矩形段ボール
の展開平面図である。

【図２】同上、第２の矩形段ボールの展開平面図であ
る。

【図３】同上、第１の矩形段ボールを夫々仕切ユニット
に折り上げた始めた時の折曲状態を示す斜視図である。

【図４】同上、第１の矩形段ボールの折り上げ途中の状
態を示す斜視図である。

【図５】同上、第２の矩形段ボールの折り上げ途中の状
態を示す斜視図である。

【図６】同上、折り上がった２つの仕切ユニットを、互
いに嵌め合わせて完成させた仕切の斜視図である。

【図７】同上、完成した仕切を梱包用段ボール箱に納め
て、物品を収容した状態の平面図である。

【符号の説明】

１００，２００ 矩形段ボール １０１，２０１ 仕切ユニット １，２ 側端壁 ３〜７ 平行仕切壁 ８ 切起用切れ目 ９ 嵌合用切欠 Ａ，Ｂ 平行折り目 Ｃ 起立用折り目 １０ 段ボール箱 ２０ 被梱包物品

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 夫々、複数箇所に折り目や切起切れ目等
   を設けた２枚の矩形段ボール１００及び２００から成
   り、その折り目に沿って折曲させることにより、所定間
   隔を隔てて複数列の平行仕切壁３〜７が切起状に形成さ
   れた仕切ユニット１０１及び２０１に折り上げ、此等両
   仕切ユニット１０１と２０１を直交方向に嵌め合わせる
   ことによって、升目状の多数の区画を備えた仕切が形成
   される様に構成したものであって、 前記矩形段ボール１００，２００の各一組の対向辺部に
   は、この段ボールを偏平なコ字状に折曲させて一組の側
   端壁１，２を起立形成させる、平行折り目Ａ及びＢを設
   け、 前記矩形段ボール１００，２００の夫々に、複数列の前
   記平行仕切壁３〜７を所定間隔を隔てて切起状に形成さ
   せる為に、前記２条の平行折り目Ａ及びＢ間に跨がらせ
   て複数組の切起用切れ目８及び起立用折り目Ｃを平行状
   に設け、 前記各平行仕切壁３〜７には、前記２つの仕切ユニット
   １０１，２０１を直交状に嵌め合わせて升目を形成させ
   る為の嵌合用切欠９を、両仕切ユニット１０１，２０１
   が互いに干渉する箇所に夫々設けたことを特徴とする段
   ボール製の折畳式仕切材。
2. 【請求項２】 前記切起用切れ目８は、偏平なコ字形に
   形成され、前記起立用折り目Ｃは、前記平行仕切壁３〜
   ７の各底辺側端と前記切起用切れ目８のコ字の各脚端と
   を結んで斜めに形成されていることを特徴とする請求項
   １項記載の段ボール製の折畳式仕切材。