JPH0742802Y2 - 草刈作業機のキャスタ輪 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 本考案はトラクタ等の前部に装着する草刈作業機のキャ
スタ輪の左右ローリング機構に関する。

（ロ）従来技術 従来から草刈作業機においては、刈高さを一定に保つ為
に、回転刃とカバーの部分を地上から一定の高さに維持
する為に、キャスタ輪が３箇所または４箇所に垂設され
ているのである。

また従来から、キャスタ輪を回動する技術は公知とされ
ているのである。例えば、実公昭33−4702号公報に記載
の技術の如くである。

（ハ）考案が解決しようとする問題点 草刈作業機のキャスタ輪が、左右にローリング回動出来
ない場合には、次のような不具合が発生するのである。

即ち、トラクタの旋回時において草刈作業機をトラクタ
が押す形となった場合において、キャスタ輪が横を向
き、片輪のみが接地することとなり、キャスタ輪が横を
向いて芝生をめくるという不具合があったのである。

またそれまで２輪で接地していたにも関わらず、旋回時
においては１輪で接地するので、接地圧が高くなり、芝
生に溝を掘るという不具合がったのである。

本考案はキャスタ輪を左右にローリング回動可能とする
ことにより、このような不具合を解消するものである。

（ニ）問題を解決するための手段 本考案の解決すべき課題は以上の如くであり、次に該課
題を解決する手段を説明する。

機体前方に装着する草刈作業機において、草刈作業機の
メインカバー３の中央前部に突出してローラー輪６を配
置し、メインカバー３の中央後部にはローラー輪8,8を
配置し、前記ローラー輪６の左右の位置に、一対キャス
タ輪1a,1bより構成される前部キャスタ輪１を左右に配
置し、ローラー輪8,8の左右の位置には、一対キャスタ
輪2a,2bより構成される後部キャスタ輪２を左右に配置
し、前部キャスタ輪１を支持するキャスタホイールアー
ム15は後方への逃げ回動を可能とする折り曲げ部を構成
し、水平方向左右にキャスタ回動を可能とし、更にキャ
スタホイールアーム15の下端に、一対キャスタ輪1a,1b
を左右にローリング回動可能に枢支し、前記後部キャス
タ輪２は水平方向左右へのキャスタ回動を不可能とし、
一対キャスタ輪2a,2bを左右ローリング回動のみ可能に
枢支したものである。

（ホ）実施例 本考案の解決すべき課題及び解決する手段は以上の如く
であり、次に添付の図面に示した実施例の構成を説明す
る。

第１図はトラクタの前部に草刈作業機を装着した状態の
平面図、第２図は草刈作業機の平面図、第３図は同じく
後面図、第４図は一対キャスタ輪1a,1bと一対キャスタ
輪2a,2bの部分の側面図、第５図は前部キャスタ輪1bの
側面図、第６図は一対キャスタ輪1a,1bの後面図、第７
図は一対キャスタ輪2a,2bの後面図である。

第１図において、トラクタの前部に装着した草刈作業機
が図示されている。

該トラクタは前輪が駆動輪であり、後輪が操向輪とされ
た特殊なトラクタであり、前輪の駆動輪の前部に、水平
ロータリ刃5a,5b,5cを具備した草刈作業機を支持してい
る。

トラクタの側より、昇降リンク7L,7Rが突出されてお
り、草刈作業機のメインカバー３の上に枢結されてい
る。

メインカバー３の中央部に入力ギアボックス４が配置さ
れており、該入力ギアボックス４へは、トラクタからPT
O軸とジョイント軸を介して動力が伝達されている。

メインカバー３の中央前部にローラー輪６が配置されて
おり、またメインカバー３の左右前部には２個ずつの前
部キャスタ輪1,1が配置され、左右後部にも２個ずつの
後部キャスタ輪2,2が配置されている。

第２図において示す如く、メインカバー３の前部に突出
してローラー輪６が配置されており、メインカバー３の
中央後部には、メインカバー３の下方の位置にローラー
輪8,8が配置されている。またメインカバー３は左側の
端部が放出ガイド板3aに構成されており、刈草の放出方
向を調節可能としている。

入力ギアボックス４に入力された動力が回転方向を変更
されて、下方へ突出され、まず水平ロータリ刃5bを回転
し、ベルトにより左右の水平ロータリ刃物5a,5cを駆動
している。

以上のような草刈作業機の全体的な構成において、本考
案は左右前後に配置され、１対ずつのホイールを具備し
たキャスタ輪の支持構成に関するものである。

第４図において示す如く、一対キャスタ輪1a,1bは後方
へ逃げ勝手に曲折されたキャスタホイールアーム15の下
端において、左右に水平方向にキャスタ回動をしなが
ら、左右が枢支ピン12を中心にローリング回動を可能に
枢支されている。即ちキャスタホイールアーム15は、メ
インカバー３から突出した枢支筒19内に遊嵌されてお
り、該部分で左右にキャスタ回動を可能としている。キ
ャスタホイールアーム15が上方に突出した部分に、係止
ピン20が設けられている。

また、一対キャスタ輪2a,2bの方は、メインカバー３か
ら突出した上下調節筒17の内部に挿入され、複数の調節
孔に調節係止ピン18を差し変えることにより、高さを調
節可能としている。該一対キャスタ輪2a,2bの方は左右
へのキャスタ回動は不可能としている。

第５図，第６図において一対キャスタ輪1a,1bのローリ
ング回動可能部分が図示されている。即ちキャスタホイ
ールアーム15は後方への逃げ回動を可能とする折り曲げ
部を構成しており、中途部に支持接当部13を突出してい
る。該支持接当部13の部分が枢支筒19の下端に接当し、
該接当部分において、キャスタ回動を可能としているの
である。

キャスタホイールアーム15の下端に逆Ｕ字金具11が固設
されており、該逆Ｕ字金具11がホイール軸14を上から抱
くように嵌挿されている。そして該ホイール軸14の上面
と逆Ｕ字金具11の下面との間に、間隙ｔを構成してお
り、該間隙ｔの分だけ、一対キャスタ輪1a,1bが左右に
ローリング回動可能としているのである。

該ホイール軸14と逆Ｕ字金具11の間に枢支孔を設けて枢
支ピン12を挿入し、該枢支ピン12を中心に一対キャスタ
輪1a,1bが、第６図に示す如く左右にローリング回動を
可能としている。

第７図においては、一対キャスタ輪2a,2bの枢支部を示
している。ホイールアーム16は上下調節筒17の内部に遊
嵌されており、該ホイールアーム16の下端には同じく逆
Ｕ字金具21が固設されている。そして逆Ｕ字金具21はホ
イール軸24を抱持しており、該逆Ｕ字金具21とホイール
軸24との間に枢支ピン22が嵌入されて、一対キャスタ輪
2a,2bの左右ローリング回動を可能としているのであ
る。

（ヘ）考案の効果 本考案は以上の如く構成したので、次のような効果を奏
するものである。

第１に、キャスタ輪が芝生地の起伏に追随して左右にロ
ーリング回動する為に、常時２輪が接地することとな
り、従来の如く、起伏箇所においては片輪接地する為に
発生する接地圧の上昇、及びこれにより発生する芝生地
に溝を作るという不具合を回避することが出来るのであ
る。

第２に、旋回時において、草刈作業機の前部の左右に配
置した前部キャスタ輪1,1が、キャスタホイールアーム1
5を中心にキャスター回動することにより、旋回方向に
追随することが可能となったので、草刈作業機の前部が
操向により大きく方向を変更する場合においても、操向
方向に前部キャスタ輪1,1が追随して方向を変更するこ
とができるのである。

故に、追随しないキャスタ輪が芝生地に横向き状態で進
行することにより発生する芝生の捲れを解消することが
出来たものである。

第３に、接地圧を下げる為には、左右一対のキャスタ輪
ではなくて、幅広のホイールとすることも出来るが、機
体の旋回に対しては、幅広のホイールの端部のみが接地
するので芝生に溝を作ってしまうのである。

本考案においては、機体の旋回に対して、それほど大き
な影響を受けない、メインカバー３の中央部分の支持輪
は、ローラー輪６とローラー輪8,8として、接地圧を下
げ、左右の両端に位置する前部キャスタ輪1,1や後部キ
ャスタ輪2,2は、一対のキャスタ輪として左右ローリン
グ回動を可能とすることにより、このような幅広のホイ
ールの場合に発生する不具合も解消することが出来たも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図はトラクタの前部に草刈作業機を装着した状態の
平面図、第２図は草刈作業機の平面図、第３図は同じ後
面図、第４図は一対キャスタ輪1a,1bと一対キャスタ輪2
a,2bの部分の側面図、第５図は前部キャスタ輪1bの側面
図、第６図は一対キャスタ輪1a,1bの後面図、第７図は
一対キャスタ輪2a,2bの後面図である。 １…前部キャスタ輪、1a,1b…一対キャスタ輪 ２…後部キャスタ輪、2a,2b…一対キャスタ輪 ３…メインカバー、４…入力ギアボックス 5a,5b,5c…水平ロータリ刃、11…逆Ｕ字金具 12…枢支ピン、15…キャスタホイールアーム

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】機体前方に装着する草刈作業機において、
   草刈作業機のメインカバー３の中央前部に突出してロー
   ラー輪６を配置し、メインカバー３の中央後部にはロー
   ラー輪8,8を配置し、前記ローラー輪６の左右の位置
   に、一対キャスタ輪1a,1bより構成される前部キャスタ
   輪１を左右に配置し、ローラー輪8,8の左右の位置に
   は、一対キャスタ輪2a,2bより構成される後部キャスタ
   輪２を左右に配置し、前部キャスタ輪１を支持するキャ
   スタホイールアーム15は後方への逃げ回動を可能とする
   折り曲げ部を構成し、水平方向左右にキャスタ回動を可
   能とし、更にキャスタホイールアーム15の下端に、一対
   キャスタ輪1a,1bを左右にローリング回動可能に枢支
   し、前記後部キャスタ輪２は水平方向左右へのキャスタ
   回動を不可能とし、一対キャスタ輪2a,2bを左右ローリ
   ング回動のみ可能に枢支したことを特徴とする草刈作業
   機のキャスタ輪。