JP2521191Y2 - リールモアーの接地輪構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はリールモアーの接地輪構造に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

一般にリールモアーの接地輪は進行方向の上手側（前
部）と進行方向の下手側（後部）との少なくとも２箇所
に配置しており、この接地輪はリールモアー本体に対す
る位置の調節によって、芝等の刈高さを任意の値に設定
する機能を有している。

又、従来からのリールモアーでは、リールモアー本体
の前部位置に配置した部材に対して前部の接地輪を上下
位置調節自在に取付けると共に、リールモアー本体の後
部位置に配置した部材に対して後部の接地輪を上下位置
調節自在に取付けてあり、前部及び後部夫々の接地輪の
リールモアー本体に対する位置調節は、前部のものと後
部のものとを別個に操作するようになっている（例え
ば、実開昭54−162633号公報、実開昭61−122648号公
報）。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、接地輪のリールモアーに対する位置調節を行
う際に、前部のものと後部のものとを別個に操作する構
造では調節に手間が掛かるばかりで無く、調節量が僅か
な場合には、前部のものと後部のものとを等しく調節す
ることが困難であり、改善の余地がある。

本考案の目的は、リールモアー本体に対する接地輪の
レベル調節を行う際には、手間が掛からず、しかも、前
部の接地輪と後部の接地輪とを等しく調節し得る構造を
合理的に得る点にある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案の特徴は、前方下方に張出すアームと、後方下
方に張出すアームとを、リール刃の回転軸芯と同軸芯周
りで相対揺動可能に支承すると共に、夫々のアームの揺
動端に接地輪を備え、又、前記回転軸芯周りでの夫々の
アームの相対揺動姿勢を任意の姿勢に保持することで、
リール刃の回転軸芯に対する接地輪夫々の上下方向での
相対距離を設定する調節機構を備えて成る点にあり、そ
の作用及び、効果は次の通りである。

〔作用〕

上記特徴によると、接地輪の上下高さの調節を行う場
合には調節機構を操作することで、リール刃の回転軸芯
周りでの夫々のアームの相対揺動姿勢が任意の姿勢で保
持され、その結果、前部の接地輪と後部の接地輪とのリ
ール刃の回転軸芯に対する上下方向での相対距離を同時
に設定でき、刈高さが調節されるものとなる。

〔考案の効果〕

従って、リールモアー本体に対する接地輪のレベル調
節を行う際には単一の調節機構の操作で済むので手間が
掛からず、しかも、前部の接地輪と後部の接地輪とを等
しく調節し得る構造が比較的簡単に得られたのである。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第５図及び第６図に示すように、左右一対の前後車輪
（１），（１），（２），（２）、中央部にステアリン
グハンドル（３）、運転座席夫々を備えて成る機体
（５）の前端部、前部位置の両側部、中央部位置の両側
部夫々にリールモアー（Ｍ）を備えて乗用型芝刈機が構
成されている。

第１図及び第２図に示すように前記リールモアー
（Ｍ）は、下方に開放するケース（６）と、横向きの軸
芯（Ｘ）周りで回動自在に支持されるリール刃（７）
と、このリール刃（７）に近接配置される下刃（８）
と、前部の接地輪としての前部ローラ（９）と、後部の
接地輪としての後部ローラ（10）と、前部ローラ（９）
を支持する左右一対の前部アーム（11）と、後部ローラ
（10）を支持する後部アーム（12）とを有して成ってい
る。

尚、前記リール刃（７）は、パイプ軸（7a）と、緩や
かな螺旋状に成形された複数の刃体（7b）と、この刃体
（7b）を保持するディスク（7c）とで成っている。

又、リールモアー（Ｍ）の一側部にはリール刃（７）
を支持する枢支軸（13）がケース（６）を貫通する状態
で取付けられ、この枢支軸（13）に対して、この側に位
置する前部アーム（11）、及び、後部アーム（12）夫々
が揺動自在に支承され、又、リールモアー（Ｍ）の他側
部にはギヤケース（14）の外面に対し、前記軸芯（Ｘ）
と同軸芯上に位置を設定して支軸（15）が取付けられ、
この支軸（15）に対して、この側に位置する前部アーム
（11）、及び、後部アーム（12）夫々が揺動自在に支承
されている。

又、リールモアー（Ｍ）の両側部夫々に位置する前部
アーム（11）、後部アーム（12）夫々の上部揺動端には
支持片（16），（16）を介してボルト（17）、圧縮バネ
（18）で成る螺進調節機構（Ａ）を介装して、前部アー
ム（11）、後部アーム（12）夫々の揺動姿勢の変更によ
り前部ローラ（９）、後部ローラ（10）夫々のリールモ
アー本体に対するレベル調節を行えるよう構成されてい
る。

尚、ギヤケース（14）の側の前部アーム（11）、後部
アーム（12）も同様の構造によりレベル調節を行えるよ
う構成されている。

第１図に示すように、前記下刃（８）は、ケース
（６）に連結固定される断面形状「Ｌ」字形のブラケッ
ト（19）に載置される状態で保持されると共に、その上
面に板バネ材（20）を圧接させることで浮上がりが阻止
され、更に、左右一対の調節ボルト（21）によって位置
調節を行えるように構成されている。

尚、この位置調節時には下刃（８）の前後方向への調
節と共に、上下方向への調節も行えるよう、下刃（８）
の下面（8s）は水平を基準として傾斜姿勢に成形されて
いる。

又、前記ギヤケース（14）にはリール刃（７）のパイ
プ軸（7a）に連結する軸（22）に動力を伝えるギヤ（2
3）が収められ、このギヤ（23）に対しては、第３図あ
るいは、第４図の構造の介して動力が伝えられる。

つまり、前部位置のリールモアー（Ｍ）では、機体側
の出力軸（24）からの動力を、３つのベベルギヤ機構
（25），（25），（25）、及び、３つの伝動軸（26），
（26），（26）夫々を介してギヤケース（14）に伝え、
又、中央部位置のリールモアー（Ｍ）では、機体側の出
力軸（27）からの動力を２つのユンバーサルジョイント
（28），（28）、及び、伸縮自在な中間軸（29）を介し
てギヤケース（14）に伝えるよう構成され、更に、前部
位置のリールモアー（Ｍ）では、出力軸（24）と同軸芯
周りで揺動する構造の伝動ケース（30）を油圧シリンダ
（31）で吊下げる構造に昇降系が構成され、又、中央部
位置のリールモアー（Ｍ）では出力軸（27）と連結する
ユンバーサルジョイント（28）の屈折位置と前後方向に
重複する位置を軸芯とするフレーム（22）を油圧シリン
ダ（33）で吊下げる構造に昇降系が構成されている。

尚、これらの昇降系では、リールモアー（Ｍ）が前後
方向に傾動しないよう、強固な支持構造を有している。

〔別実施例〕

本考案は上記実施例以外に例えば、第７図に示すよう
に構成することも可能であり、この構成では、前述と同
様に前部アーム（11）、後部アーム（12）夫々の下方の
揺動端側に前部ローラ（９）、後部ローラ（10）夫々を
支持する構造を有し、又、前部アーム（11）、後部アー
ム（12）夫々の上方の揺動端に等しい長さのリンク部材
（41），（41）を枢支し、更に、夫々のリンク部材（4
1），（41）をピン（42）で枢支連結し、このピン（4
2）を、その長手方向が鉛直方向に設定されたガイド用
の長孔（43）に係入させることで、前部アーム（11）、
後部アーム（12）夫々のケース（６）に対する前後方向
への傾動を規制するようになっている。

又、本考案は第７図に示すように、枢支軸芯（Ｘ）よ
り下方位置において、前部アーム（11）、後部アーム
（12）の間に螺進調節機構（Ａ）を設けること等、様々
に実行可能である。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便
利にする為に符号を記すが、該記入により本考案は添付
図面の構造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るリールモアーの接地輪構造の実施例
を示し、第１図は該構造を表す側面図、第２図は中央部
を省略したリールモアーの横断平面図、第３図は前部位
置のリールモアーの昇降構造を表す正面図、第４図は中
央部位置のリールモアーの昇降構造を表す正面図、第５
図は芝刈機の全体側面図、第６図は芝刈機の全体平面図
であり、第７図は該構造の別実施例を表す側面図であ
る。 （７）……リール刃、（９），（10）……接地輪、（1
1），（12）……アーム、（Ａ）……調節機構、（Ｘ）
……回転軸芯。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】前方下方に張出すアーム（11）と、後方下
   方に張出すアーム（12）とを、リール刃（７）の回転軸
   芯（Ｘ）と同軸芯周りで相対揺動可能に支承すると共
   に、夫々のアーム（11），（12）の揺動端に接地輪
   （９），（10）を備え、又、前記回転軸芯（Ｘ）周りで
   の夫々のアーム（11），（12）の相対揺動姿勢を任意の
   姿勢に保持することで、リール刃（７）の回転軸芯
   （Ｘ）に対する接地輪（９），（10）夫々の上下方向で
   の相対距離を設定する調節機構（Ａ）を備えて成るリー
   ルモアーの接地輪構造。