JPH0742649B2 - 柔軟仕上剤 - Google Patents

柔軟仕上剤

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JPH0742649B2 JP62129552A JP12955287A JPH0742649B2 JP H0742649 B2 JPH0742649 B2 JP H0742649B2 JP 62129552 A JP62129552 A JP 62129552A JP 12955287 A JP12955287 A JP 12955287A JP H0742649 B2 JPH0742649 B2 JP H0742649B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は柔軟仕上剤、更に詳細には、各種繊維に対して
優れた柔軟性、帯電防止性及び吸水性を付与することの
できる柔軟仕上剤に関する。
〔従来の技術及びその問題点〕
衣料は、着用及び洗濯を繰り返し行う間に繊維処理剤が
洗い落とされたり、あるいは繊維自体の劣化により硬く
なつたりして好ましからざる風合を生ずる。そのため、
近年、多くの家庭において、繊維に柔軟性、帯電防止性
を付与することができる柔軟仕上剤が多用されている。
現在、家庭用柔軟仕上剤として市販されている柔軟仕上
剤は、その殆どが、一分子中に1〜2個の長鎖アルキル
基を有するカチオン性活性剤、就中、ジ(硬化牛脂アル
キル)ジメチルアンモニウム塩を主成分とするものであ
る。
この第4級アンモニウム塩は、各種繊維に対して少量で
良好な柔軟効果及び帯電防止効果を付与することができ
る。これによる柔軟効果は、繊維表面に吸着した基剤分
子中の親油性部位による潤滑効果によつて繊維表面の摩
擦係数が下がつて発現するものであるから、優れた柔軟
効果を奏するためには、親油的な性質が不可欠であると
考えられる。ところが、この親油的性質は、処理した衣
料を撥水化し、吸水性を低下させるという欠点があり、
特に柔軟仕上剤濃度が高い場合には顕著な吸水性の低下
がみられる。
斯かる観点から、吸水性を向上させるための検討がなさ
れており、分岐アルキル型第4級アンモニウム塩〔米国
特許第3,377,382号、同3,395,100号〕及びオレイン酸か
ら誘導されるイミダゾリニウム化合物〔ジヤーナル・オ
ブ・アメリカン・オイル・ケミカル・ソサイエテイー
(JAOCS),61,367(1984)〕等が報告されている。
これらの化合物は、吸水性能においては充分な効果を有
するが、その反面柔軟効果が低く、前述のジ(硬化牛脂
アルキル)ジメチル第4級アンモニウム塩のそれに比較
し明らかに劣つている。従つて、当該イミダゾリニウム
化合物は、柔軟効果を補うために、通常ジ(硬化牛脂ア
ルキル)ジメチルアンモニウムクロライド、硬化牛脂脂
肪酸から誘導されるイミダゾリニウム化合物などを併用
しているが、この場合には満足な吸水性は得られない。
また、上記α位分岐アルキル型第4級アンモニウム塩や
β位分岐アルキル型第4級アンモニウム塩においては、
直鎖アルキル型第4級アンモニウム塩との併用によりそ
の解決を図つている〔特開昭49−69998号、同50−53694
号、同54−122207号、同58−144174号、米国特許第3,89
2,699号、西独特許第2,625,945号〕が、いずれも柔軟効
果が劣り満足し得るものは提供されていない。
〔問題点を解決するための手段〕
斯かる実状において、本発明者らは、十分な柔軟性能及
び帯電防止性能を有しながら、且つ処理した衣料の吸水
性を損なうことの無い柔軟仕上剤を得べく鋭意研究した
結果、天然油脂由来のアルキル基を有する二鎖型第4級
アンモニウム塩のうち、特定の物性を有するものが、本
発明の目的を達成し得ることを見い出し、本発明を完成
した。
すなわち、本発明は、1種又は2種以上の二鎖型第4級
アンモニウム塩の5重量%水分散液のゲル−液晶転位温
度が20℃以下である、下記一般式(I)で表わされる二
鎖型第4級アンモニウム塩の1種又は2種以上を含有
し、一般式(I)中R及びRがアルケニル基で表わ
される第4級アンモニウム塩を含有しない柔軟仕上剤を
提供するものである。
〔式中、R及びRはそれぞれ天然油脂由来の平均炭
素数10〜24のアルキル基で、R、Rの少なくとも1
個は平均炭素数が14以上であり、R及びRはそれぞ
れ平均炭素数1〜3のアルキル基、Xはハロゲン原子又
は炭素数1〜3のアルキル硫酸塩を示す〕 本発明の(I)式の二鎖型第4級アンモニウム塩は天然
油脂から導かれるが、天然油脂のアルキル組成は分布を
有し、また蒸留条件によつて採取されるアルキル組成も
異なるので、その結果得られる二鎖型第4級アンモニウ
ム塩は混合物であり、性質も様々である。しかし、本発
明において用いられる二鎖型第4級アンモニウム塩は、
その1種又は2種以上の混合物の5重量%水分散液のゲ
ル−液晶転位温度が20℃以下であることが必要であり、
特に0〜15℃であるのが好ましい。
天然油脂としては、例えば菜種油、魚油、牛脂、パーム
油、パーム核油、椰子油等が使用される。本発明の二鎖
型第4級アンモニウム塩は、例えば、天然油脂由来の第
1級アミンと天然油脂由来の長鎖アルコールを水素化触
媒及び水素の存在下1〜10気圧で反応させ第2級アミン
となし、次いでこれを4級化(RとRが異なる場合
には3級化と4級化を別個に行う)することにより製造
される。
ここにおいて、原料の第1級アミンは天然油脂から得ら
れる脂肪酸よりニトリルを経て誘導され、また長鎖アル
コールは天然油脂から得られる脂肪酸の低級アルキルエ
ステルを水添することにより得られる。本発明において
は、これらの第1級アミン及び長鎖アルコールを蒸留に
付して、適当なアルキル分布を有する留分を採取して、
原料として使用すれば、上記特性を具備した二鎖型第4
級アンモニウム塩を得ることができる。就中、原料とし
てそれぞれ異つた天然油脂に由来する第1級アミンと長
鎖アルコールを使用する場合、殊にRとRの平均炭
素数の差が2以上、特に3以上のものを使用すると当該
二鎖型第4級アンモニウム塩を容易に得ることができ
る。
第2級又は第3級アミンの4級化反応は、例えばメチル
クロライドを4級化剤として用いる場合には、オートク
レーブにて水、イソプロピルアルコールを溶媒として、
アルカリとしてソーダ灰又は苛性ソーダを用い、メチル
クロライドを導入し100〜110℃で数時間反応させる。反
応後副生したNaClを濾別することによつて本発明の二鎖
型第4級アンモニウムクロライドの水、イソプロピルア
ルコール溶液が得られる。
本発明の柔軟仕上剤は、目的に応じて、液体状、粉末
状、スプレー(エアゾール)、更に布、不織布、ペーパ
ータオル等に含浸させたシート等の種々の形態とするこ
とができる。斯かる柔軟仕上剤中の上記、二鎖型第4級
アンモニウム塩の配合量はその形態によつて異なるが、
水中に分散させた液体状態の場合には、通常3〜20重量
%(以下単に%で示す)配合される。このときの分散粒
子の粒度分布はコールターカウンターで測定した場合、
5μm以下のものが90%以上存在しているのが好まし
く、この粒度分布を外れると、柔軟性が低下して来るた
め好ましくない。
本発明の柔軟仕上剤には、本発明に係る一般式(I)で
表される二鎖型第4級アンモニウム塩と共に下記(1)
〜(3)のカチオン柔軟基剤を必要に応じて本願発明の
効果を阻害しない範囲、即ち、混合系のゲル−液晶転位
温度が20℃を越えない範囲で併用することができる。
〔式中、R及びRはそれぞれ炭素数10〜24のアルキ
ル基、アルケニル基又はβ−ヒドロキシアルキル基、R
、Rはそれぞれ水素原子、炭素原子数1〜3のアル
キル基もしくはヒドロキシアルキル基、ベンジル基又は
−(CO)pH(pは1〜3の数を示す)を示し、
qは2又は3であり、Yはハロゲン原子又は炭素数1〜
3のアルキル基を有するモノアルキル硫酸塩基を示す〕 更に、本発明の柔軟仕上剤には、上記カチオン柔軟基剤
の他にその目的とする形態機能に応じて、例えばアルキ
ルアミン、アルキルエーテルアミンなどのアミン類;ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレ
ンアルキルフエニルエーテル、プルロニツク型非イオン
界面活性剤、ソルビトールのポリオキシエチレン付加
物、高級脂肪酸のモノ又はジグリセライド、高級脂肪酸
のポリオキシエチレン付加物などの非イオン界面活性
剤;高級脂肪酸又はその塩、アルキルベンゼンスルホン
酸塩、アルキル硫酸エステル塩などの合成陰イオン界面
活性剤;食塩、塩化アンモニウム、塩化マグネシウムな
どの水溶性無機塩;イソプロピルアルコール、プロピレ
ングリコール、エチレングリコールなどの溶剤を配合す
ることもできる。
また、これらの他にも尿素、殺菌剤、酸化防止剤、更に
製品の外観のために顔料又は染料を、仕上がりの白さの
ために螢光増白剤を、そして使用時及び仕上がり後のた
めに香料を配合することもできる。
〔発明の効果〕
本発明の柔軟仕上剤は、各種繊維に対してその吸水性能
を損なうことなく柔軟性、帯電防止性を付与することが
できる。
〔実施例〕
以下に実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限
定されるものではない。
尚、実施例中のゲル−液晶転位温度の測定および柔軟
性、吸水性の評価は次の方法に従つて行なつた。
(ゲル−液晶転位温度測定方法) 柔軟基剤をイオン交換水中に5重量%分散させたものを
測定試料とし、セイコー電子工業株式会社製の熱分析装
置SSC/580シリーズDSC10にて測定し、ピークの立ち上が
りをゲル−液晶転移温度とした。詳細な条件は以下の通
りである。
測定試料10mgをアルミニウム製の15μl密封型試料容器
に取り、空の密封型容器を対照とし、約−30℃まで冷却
した後0.5〜1.0℃/minの昇温速度で加熱し、0〜60℃の
間を測定する。このときのピークの立ち上がりをゲル−
液晶転移温度とする。なお、0〜60℃の範囲にピークが
2つ以上存在する場合は、最も高温側のピークの立ち上
がり温度を採用する。
(評価) (1)柔軟処理方法 市販の木綿タオルを市販洗剤ザブ(花王株式会社製、登
録商標)にて5回繰り返し洗濯をし、布についている洗
剤を除去した後、柔軟仕上剤の0.1%水溶液(35゜DH硬
水)にて25℃、溶比1/30で5分間撹拌下処理した。
(2)評価方法 上記方法で処理した布を室内で風乾後、25℃、65%RHの
恒温恒湿室にて24時間放置した。これらの布について柔
軟性及び吸水性の評価を行つた。
柔軟性 ジ(硬化牛脂アルキル)ジメチルアンモニウムクロライ
ド(組成物No.15)で処理した布を対照にして一対比較
を行い、下記評価基準により評価した。
+2 対照より柔らかい +1 対照よりやや柔らかい 0 対照と同じ −1 対照の方がやや柔らかい −2 対照の方が柔らかい 吸水性 柔軟仕上剤で処理した木綿タオルを3cm×20cmの短冊状
に切り取り、その一端2cmを水に浸す。15分後の水の上
昇高さを測定した。
実施例1 (配合組成) 第1表に記載の第1級アミンと長鎖 5(%) アルコールより得られた二鎖型第4 級アンモニウム塩 (ただし、平均粒径5μm以下のものが90%以上であ
る)水 バランス 計 100 上記組成の柔軟仕上剤により処理された木綿タオルの柔
軟性及び吸水性について評価し、結果を第1表に示す。
尚、各二鎖型第4級アンモニウム塩のゲル−液晶転移温
度も第1表に合わせて示す。
第1表中のRは原料第1級アミンのアルキル基に、ま
たRは原料長鎖アルコールのアルキル基に由来する。
*……本発明品 注1…椰子油脂肪酸からニトリルを経て得たアミンを
蒸留し、 2Torr、90〜94℃の条件で留出したもの 注2…牛脂肪酸からニトリルを経て得たアミンを蒸留
し、2Torr、164〜168℃の条件で留出したもの 注3…菜種油脂肪酸からニトリルを経て得たアミンを
蒸留し、 2Torr、215〜220℃の条件で留出したもの 実施例2 (配合組成) ジアルキルエチルメチルアンモニウム 5(%) エチルサルフエート エチレングリコール 3 水 バランス 計 100 *……第1級アミンとして、実施例1の注1のもの及び
長鎖アルコールとして牛脂アルコールを3Torr、230〜25
0℃で分留したものを原料とした。
上記組成柔軟仕上剤調製時に配合温度やかくはん用プロ
ペラの回転速度を変化させて平均粒径の異なるいくつか
の水分散液を用意した。これを48時間25℃で保存した
後、木綿タオルを処理し、その柔軟性と吸水性について
前述の方法に従つて調べた。結果を第2表に示す。尚、
柔軟仕上剤の粒度分布は、コールターカウンター(TAII
型,アパーチヤーチユーブ50μm、COULTER ELECTRONIC
S社製)を用いて、25℃で48時間放置した各種柔軟仕上
剤について測定した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村田 守康 栃木県宇都宮市泉が丘2−4−12 泉ケ丘 ハイツ (56)参考文献 特開 昭61−160482(JP,A) 特公 昭51−30044(JP,B1)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1種又は2種以上の二鎖型第4級アンモニ
    ウム塩の5重量%水分散液のゲル−液晶転移温度が20℃
    以下である、下記一般式(I)で表わされる二鎖型第4
    級アンモニウム塩の1種又は2種以上を含有し、一般式
    (I)中R及びRがアルケニル基で表わされる第4
    級アンモニウム塩を含有しないことを特徴とする柔軟仕
    上剤。 〔式中、R及びRはそれぞれ天然油脂由来の平均炭
    素数10〜24のアルキル基で、R、Rの少なくとも1
    個は平均炭素数が14以上であり、R及びRはそれぞ
    れ平均炭素数1〜3のアルキル基、Xはハロゲン原子又
    は炭素数1〜3のアルキル硫酸塩を示す〕
  2. 【請求項2】二鎖型第4級アンモニウム塩を、分散粒子
    の粒度分布が5μm以下のものが90%以上になるように
    水に分散したものである、特許請求の範囲第1項記載の
    柔軟仕上剤。
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