JPH08301822A - 新規な第4級アンモニウム塩及びそれを含有する柔軟剤組成物 - Google Patents

新規な第4級アンモニウム塩及びそれを含有する柔軟剤組成物

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JPH08301822A
JPH08301822A JP11154495A JP11154495A JPH08301822A JP H08301822 A JPH08301822 A JP H08301822A JP 11154495 A JP11154495 A JP 11154495A JP 11154495 A JP11154495 A JP 11154495A JP H08301822 A JPH08301822 A JP H08301822A
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孝四郎 外谷
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淳一 猪腰
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 生分解性、柔軟性及び吸水性がより優れた、
柔軟剤基剤として適した化合物、及びそれを含有する柔
軟剤組成物の提供。 【構成】 一般式(I)で表される第4級アンモニウム
塩及びそれを含有する柔軟剤組成物。 【化1】 (式中、R1、R2及びR3は炭素数1〜4のアルキル基等、
R4は炭素数1〜5のアルキレン基等、R5は炭素数11〜21
のアルキル基又はアルケニル基、R6は炭素数10〜20のア
ルキル基又はアルケニル基、 X- は陰イオンを示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な第4級アンモニウ
ム塩及びそれを含有する柔軟剤組成物に関するものであ
る。詳しくは、各種の繊維に対し優れた柔軟性を付与
し、且つ優れた吸水性及び保存安定性を示し、また生分
解性に優れ自然環境に対し優しい柔軟剤基剤として有用
な新規な第4級アンモニウム塩、及びそれを含有する柔
軟剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
布及び毛髪等の柔軟剤基剤として使用されている化合物
は、2本の長鎖アルキル基を有する第4級アンモニウム
塩であるが、このような第4級アンモニウム塩は生分解
性が十分ではなく、生分解性のより優れた柔軟剤基剤の
開発が望まれている。また、現在、家庭用柔軟剤として
市販されている商品はジ(硬化牛脂アルキル)ジメチル
アンモニウムクロリド等の2本の長鎖アルキル基を有す
る第4級アンモニウム塩を主成分とするものが一般的で
ある。しかしながら、このような第4級アンモニウム塩
は柔軟効果は高いものの、より高い柔軟効果を得ようと
高濃度で処理すると、特に木綿繊維の弾力性を低下させ
たり、本来繊維のもつ吸水性を疎外することがある。更
に上記第4級アンモニウム塩を用いた柔軟剤組成物は、
長期保存を行うとその物理化学的性質により、容易に増
粘したり、ゲル状になったり、あるいは分離したりする
ことがある。これら従来の第4級アンモニウム塩の欠点
を改良するために、本発明者らは一般式(a)
【0003】
【化3】
【0004】(式中、R21 、R22 及びR23 は同一もしく
は異なって、炭素数1〜5のアルキル基又はヒドロキシ
アルキル基を示し、R24 は炭素数20〜44の直鎖又は分岐
のアルキル基を示し、n は1〜6の数を示し、X- は陰
イオンを示す。)で表される第4級アンモニウム塩及び
それを含有する柔軟剤組成物を見出し、既に特許出願し
た(特願平6−175227号明細書参照)。しかしながら、
このような柔軟剤も、特に吸水性の面で未だ充分とは言
えない場合があった。
【0005】従って、本発明の目的は、生分解性、柔軟
性及び吸水性がより優れた、柔軟剤基剤として適した化
合物、及びそれを含有する柔軟剤組成物を提供すること
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、特定の新規第4級アン
モニウム塩が上記目的に最適であることを見出し、本発
明を完成した。すなわち、本発明は、一般式(I)で表
される第4級アンモニウム塩、及びそれを含有する柔軟
剤組成物を提供するものである。。
【0007】
【化4】
【0008】(式中、R1、R2及びR3は同一もしくは異な
って、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基又はヒ
ドロキシアルキル基を示し、R4は炭素数1〜5の直鎖又
は分岐のアルキレン基、アルケニレン基又はヒドロキシ
アルキレン基を示し、R5は炭素数11〜21の直鎖又は分岐
のアルキル基又はアルケニル基を示し、R6は炭素数10〜
20の直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基を示
し、 X- は陰イオンを示す。) また、本発明は、一般式(I)で表される第4級アンモ
ニウム塩、及び一般式(II)で表される第4級アンモニ
ウム塩を含有することを特徴とする柔軟剤組成物を提供
するものである。
【0009】
【化5】
【0010】(式中、R7、R8及びR9は同一もしくは異な
って、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基又はヒ
ドロキシアルキル基を示し、R10 は炭素数1〜5の直鎖
又は分岐のアルキレン基、アルケニレン基又はヒドロキ
シアルキレン基を示し、R11 は炭素数12〜22の直鎖又は
分岐のアルキル基又はアルケニル基を示し、R12 は炭素
数10〜20の直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基
を示し、 X- は陰イオンを示す。) 以下、本発明を詳細に説明する。一般式(I)で表され
る第4級アンモニウム塩において、R1、R2及びR3は同一
もしくは異なって、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアル
キル基又はヒドロキシアルキル基を示すが、好ましくは
メチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基である。ま
た、R4は炭素数1〜5の直鎖又は分岐のアルキレン基、
アルケニレン基又はヒドロキシアルキレン基を示すが、
好ましくはメチレン基である。R5は炭素数11〜21の直鎖
又は分岐のアルキル基又はアルケニル基を示すが、好ま
しくは炭素数13〜17の直鎖のアルキル基又はアルケニル
基であり、特に好ましくは炭素数13〜17の直鎖アルキル
基である。R6は炭素数10〜20の直鎖又は分岐のアルキル
基又はアルケニル基を示すが、好ましくは炭素数12〜16
の直鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、特に好ま
しくは炭素数12〜16の直鎖アルキル基である。X-は陰イ
オンを示すが、好ましくは、ハロゲン陰イオン(Cl-, B
r-等)、炭素数1〜5のアルキルサルフェート陰イオン
(CH3SO4 - , C2H5SO4 - , C3H7SO4 - 等)等であり、特に
好ましくはCl-, CH3SO4 -, C2H5SO4 -である。
【0011】本発明の一般式(I)で表される第4級ア
ンモニウム塩の中で特に好ましいものは、R1、R2及びR3
がメチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基、R4がメ
チレン基、R5が炭素数13〜17の直鎖アルキル基、R6が炭
素数12〜16の直鎖アルキル基であり、 X- がCl-, CH3SO
4 - 又はC2H5SO4 - である第4級アンモニウム塩である。
一般式(I)で表される第4級アンモニウム塩として
は、たとえば次のような化合物が挙げられる。
【0012】
【化6】
【0013】一般式(I)で表される第4級アンモニウ
ム塩は次のようにして製造される。すなわち、まず常法
に従い、炭素数12〜22のアルデヒドを塩基性触媒の存在
下、アルドール縮合を行い、一般式(III) で表されるア
ルデヒドを得る。
【0014】
【化7】
【0015】(式中、R5及びR6は前記の意味を示す。) ここで用いられる炭素数12〜22のアルデヒドとしてはド
デカナール、テトラデカナール、ヘキサデカナール、オ
クタデカナール、エイコサナール、ドコサナール、9−
オクタデセナールなどが挙げられる。続いて、この一般
式(III) で表されるアルデヒドを、水素化ホウ素ナトリ
ウム、水素化リチウムアルミニウムなどの還元剤、ある
いは金属触媒を用いて接触水素化し、一般式 (IV) で表
されるアルコールを得る。
【0016】
【化8】
【0017】(式中、R5及びR6は前記の意味を示す。) 次にこの一般式 (IV) で表されるアルコールを、一般式
(V)
【0018】
【化9】
【0019】(式中、R4は前記の意味を示し、Y はOH、
-OR13(R13 は炭素数1〜3の低級アルキル基)又はClを
示す。)で表されるハロカルボン酸、その低級アルキル
エステル、あるいはその酸塩化物を用いてエステル化し
て、一般式 (VI)
【0020】
【化10】
【0021】(式中、R4、R5及びR6は前記の意味を示
す。)で表されるハロカルボン酸エステルを得る。ここ
で用いられる一般式(V)で表されるハロカルボン酸、
その低級アルキルエステル、あるいはその酸塩化物(以
下ハロカルボン酸等(V)と略記)としては、モノクロ
ロ酢酸、モノクロロ酪酸、モノクロロカプロン酸、その
低級アルキルエステル、あるいはその酸塩化物が挙げら
れる。ここでアルコール (IV) と、ハロカルボン酸等
(V)との仕込み割合は、モル比にて〔ハロカルボン酸
等(V)〕/〔アルコール (IV) 〕=0.8 〜1.5 が好ま
しく、反応温度は120 〜160 ℃が好ましく、また反応時
間は2〜10時間が好ましい。
【0022】次に、この一般式 (VI) で表されるハロカ
ルボン酸エステルと、一般式(VII)
【0023】
【化11】
【0024】(式中、R、R2及びR3は前記の意味を示
す。)で表される第3級アミンとを反応させ、必要によ
り塩交換して、一般式(I)で表される第4級アンモニ
ウム塩を得る。ここで用いられる第3級アミン(VII) と
しては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチ
ルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリ
エタノールアミンなどが挙げられる。この反応は無溶媒
もしくは必要であればイソプロパノール、エタノール、
アセトンなどの溶媒を用いることができる。ハロカルボ
ン酸エステル (VI) と第3級アミン(VII) との仕込み割
合は、モル比にて〔第3級アミン(VII) 〕/〔ハロカル
ボン酸エステル (VI) 〕=0.8 〜2.5 が好ましく、反応
温度は30〜80℃で、オートクレーブ中で行うのが好まし
い。
【0025】また、一般式 (VI) で表されるハロカルボ
ン酸エステルを、一般式(VIII)
【0026】
【化12】
【0027】(式中、R1及びR2は前記の意味を示す。)
で表される第2級アミンと反応させて、一般式(IX)
【0028】
【化13】
【0029】(式中、R、R2、R4、R5及びR6前記の意
味を示す。)で表されるエステルアミンを得、このエス
テルアミン(IX)を、一般式(X) R3−X (X) (式中、R3及び Xは前記の意味を示す。)で表される4
級化剤で4級化し、必要に応じて塩交換して、一般式
(I)で表される第4級アンモニウム塩を得ることもで
きる。
【0030】ここで用いられる第2級アミン(VIII)とし
ては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジエタノール
アミン、メチルエタノールアミン、ジプロピルアミン、
ジ(イソプロピル)アミン、ジブチルアミン等が挙げら
れる。ハロカルボン酸エステル (VI) と第2級アミン(V
III)との仕込み割合は、モル比にて〔第2級アミン(VII
I)〕/〔ハロカルボン酸エステル (VI) 〕=0.8〜3.0が
好ましく、反応温度は30〜80℃が好ましく、反応時間は
3〜15時間が好ましい。
【0031】また4級化剤(X)としては、アルキルハ
ライド(メチルクロライド、メチルブロマイド等)、ジ
アルキル硫酸(ジメチル硫酸、ジエチル硫酸等)などが
挙げられる。エステルアミン(IX)と4級化剤(X)との
反応は、イソプロパノール、エタノール、アセトン等の
溶媒の存在下で行われる。この場合エステルアミン(IX)
と4級化剤(X)との仕込み割合は、モル比にて〔エス
テルアミン(IX)〕/〔4級化剤(X)〕=0.8 〜1.5 が
好ましく、反応温度は80〜120 ℃が好ましい。得られた
一般式(I)で表される第4級アンモニウム塩は赤外線
吸収スペクトル、NMR スペクトルからその構造を確認す
ることができる。
【0032】本発明の一般式(I)で表される第4級ア
ンモニウム塩は、単独で柔軟剤基剤として用いることが
できるが、前記一般式(II)で表される第4級アンモニ
ウム塩を含有する柔軟剤に極少量配合するだけで吸水性
を大幅に改善させることができる。本発明の一般式
(I)で表される第4級アンモニウム塩、及び一般式
(II)で表される第4級アンモニウム塩を含有する柔軟
剤組成物において、これらの配合割合は、第4級アンモ
ニウム塩(I):第4級アンモニウム塩(II)(重量
比)=0.01:99.99 〜50:50が好ましく、 0.1:99.9〜
50:50が更に好ましい。
【0033】一般式(I)で表される第4級アンモニウ
ム塩と一般式(II)で表される第4級アンモニウム塩の
混合物は次の方法によっても製造できる。即ち、炭素数
12〜22のアルコールを用い、塩基性触媒の存在下、常法
に従いゲルベ反応を行うと、一般式 (IV) で表されるア
ルコールと一般式(IV') で表されるアルコールの混合物
を製造することができる。
【0034】
【化14】
【0035】(式中、R5及びR6前記の意味を示す。) このアルコール混合物を用い、前述した方法で第4級ア
ンモニウム塩に導けば、一般式(I)で表される第4級
アンモニウム塩と一般式(II)で表される第4級アンモ
ニウム塩の混合物を得ることができる。
【0036】本発明の柔軟剤組成物中の一般式(I)又
は(II)で表される第4級アンモニウム塩の含有量は、
これらの第4級アンモニウム塩の合計配合量として、3
〜40重量%が好ましく、5〜30重量%が更に好ましい。
これら第4級アンモニウム塩の合計配合量が3重量%未
満の場合、本発明が所望する柔軟効果が得られず、40重
量%を超える場合には、組成物の粘性が増大しハンドリ
ング性が不良となる。また、第4級アンモニウム塩
(I)の配合量と第4級アンモニウム塩(II)の配合量
の重量比(I)/(II)が0.01/99.99 未満になると吸
水性を大幅に改善することができない。
【0037】本発明の柔軟剤組成物中には、柔軟性能及
び保存安定性をさらに向上させる目的で、直鎖又は分岐
鎖の炭素数8〜44の飽和又は不飽和アルコールや、直鎖
又は分岐鎖の炭素数8〜36の飽和又は不飽和脂肪酸を、
粘度調整及び保存安定性(ゲル化防止等)の向上のた
め、炭素数1〜4の1価アルコールを配合することがで
きる。また柔軟剤基剤として、上記以外の公知のカチオ
ン化合物(第4級アンモニウム塩、イミダゾリニウム塩
等)、エステル又はアミド等を配合することができる。
また、増粘傾向抑制のため、活性水素を3個以上有する
化合物にエチレンオキシドと必要によりプロピレンオキ
シドおよび/またはトリメチレンオキシドが付加してな
り、重量平均分子量が5,000〜2,000,000であり、分子量
中に占めるオキシエチレン基部分の割合が55重量%以上
であるポリエーテル化合物又はその誘導体を配合するこ
ともできる。更に、本発明の柔軟剤組成物には、組成物
の粘度調整のため、NaCl、CaCl2 、MgCl2 等の無機電解
質を配合することができる。また、組成物のpHを調整す
るために、酸性又はアルカリ性の物質を添加することが
できる。この場合、本発明組成物のpHが1.5 〜6.5 の範
囲内となるように、酸性又はアルカリ性の物質を添加す
ることが、組成物の粘度、保存安定性の点から望まし
い。
【0038】本発明の柔軟剤組成物は、長期間にわたっ
て保存しても、その安定性は高いが、更に過酷な保存条
件下での安定化のために、ポリオキシエチレン(5〜50
モル)アルキル又はアルケニル(C12〜C24)エーテルや、
ポリオキシエチレン(5〜50モル)アルキル又はアル
ケニル(C12〜C24)アミン等の非イオン性界面活性
剤、エチレングリコール、プロピレングリコール、尿素
などのハイドロトロープ剤などを、本発明組成物に配合
しても良い。また、本発明組成物には、その外観向上の
ために顔料または染料を、すすぎ時の消泡のためにシリ
コーンを、使用時及び仕上がり後の趣向を良くするため
に香料を配合することもできる。
【0039】本発明の柔軟剤組成物を調製する方法の一
例を以下に述べるが、本発明組成物の調製方法は、この
製法に限定されるものではない。第4級アンモニウム塩
(I)、又は第4級アンモニウム塩(I)と第4級アン
モニウム塩(II)の混合物を溶融し、あるいはこれら第
4級アンモニウム塩とその他の成分を溶融し、この溶融
物を、攪拌下、60℃に保持されている脱イオン水の中に
徐々に滴下し、エマルジョンを調製する。その後、必要
に応じて、このようにして生成したエマルジョンの中
へ、その他の成分を添加してもよい。更に、あらかじ
め、脱イオン水の替わりに、非イオン性界面活性剤水溶
液を用いてもよい。
【0040】
【発明の効果】本発明の新規第4級アンモニウム塩は生
分解性、柔軟性及び吸水性がより優れ、柔軟剤基剤とし
て有用である。また本発明の柔軟剤組成物は、各種繊維
に対して、充分な柔軟性、帯電防止性と、優れた弾力性
を付与すると共に、保存安定性及び吸水性が極めて良好
である。
【0041】
【実施例】以下、本発明の新規第4級アンモニウム塩
(I)の製造実施例、及び本発明の柔軟剤組成物の実施
例を示し、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこ
れらの実施例に限定されるものではない。
【0042】実施例1 攪拌機、冷却管、温度計、滴下ロートを付けた4つ口フ
ラスコにエタノール1000mlを入れ、水酸化カリウム 1.5
gを溶かし還流させた。オクタデカナール 268gを2時
間かけて滴下し、その後1時間還流した。溶媒を留去
し、α,β−不飽和アルデヒドを得た。次に攪拌機、冷
却管、温度計、滴下ロートを付けた4つ口フラスコによ
く乾燥したエチルエーテル500ml を入れ、水素化リチウ
ムアルミニウム12gを分散させ、0℃に冷却した。続い
て上記で生成したα,β−不飽和アルデヒドを1000mlの
エチルエーテルに溶解し、3時間かけて滴下した。滴下
後1時間攪拌した後、酢酸エチル20gを加え反応を停止
した。反応液に5%塩酸300ml を加え無機物を溶解し、
油層と水層を分液した。水層をさらにエチルエーテルで
3回抽出し、油層を合わせて飽和食塩水で1回洗浄し
た。硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。シリ
カゲルカラムクロマトグラフィーにかけ、ヘキサン:酢
酸エチル=10:1で溶出される部分を集め、溶媒を減圧
で留去して、2−ヘキサデシル−2−エイコセノールを
155g得た。
【0043】次に攪拌機、温度計、脱水管を付けた4つ
口フラスコに2−ヘキサデシル−2−エイコセノール 1
00g、モノクロロ酢酸24gを入れ、 150℃で反応水を留
去させながら8時間反応させ、クロロエステル 110gを
得た。次に攪拌機、温度計を付けたオートクレーブにク
ロロエステル 100g、イソプロピルアルコール20gを入
れ、トリメチルアミン13gを圧入し、60℃で5時間反応
させた。得られた生成物をアセトンで再結晶して82gの
第4級アンモニウム塩を得た。この第4級アンモニウム
塩が下記式(X)で表される構造であることは NMRスペ
クトル、IRスペクトルから確認した。
【0044】
【化15】
【0045】
【化16】
【0046】・IRスペクトル(KBr 錠剤):1750cm-1,
1210cm-1 実施例2 オクタデカナールの代わりに、オレイルアルコールから
誘導したアルデヒドを用いた以外は、実施例1と同様の
方法で下記式(XI)で表される構造の第4級アンモニウム
塩を得た。
【0047】
【化17】
【0048】
【化18】
【0049】・IRスペクトル(KBr 錠剤):1750cm-1,
1210cm-1 実施例3 オクタデカナールの代わりに、硬化パームステアリン酸
から誘導したアルデヒドを用いた以外は、実施例1と同
様の方法で下記式(XII) で表される構造の第4級アンモ
ニウム塩を得た。
【0050】
【化19】
【0051】
【化20】
【0052】・IRスペクトル(KBr 錠剤):1750cm-1,
1210cm-1 実施例4 攪拌機、冷却管、温度計、脱水管を付けた4つ口フラス
コにオクタデカノール270g、水酸化カリウム 2.7gを
入れ、250 ℃で生成する水を留去させながら10時間反応
させた。未反応のオクタデカノールを減圧で留去した
後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけ、ヘキ
サン:酢酸エチル=10:1で溶出される部分を集め、溶
媒を減圧で留去し、2−ヘキサデシルエイコサノールと
2−ヘキサデシル−2−エイコセノールの93:7(重量
比)の混合物を223 g得た。次に攪拌機、温度計、脱水
管を付けた4つ口フラスコに上記混合物 100g、モノク
ロロ酢酸24gを入れ、150 ℃で反応水を留去させながら
8時間反応させ、クロロエステル112 gを得た。次に攪
拌機、温度計を付けたオートクレーブにクロロエステル
100g、イソプロピルアルコール20gを入れ、トリメチ
ルアミン13gを圧入し、60℃で5時間反応させた。未反
応のトリメチルアミン、溶媒を減圧で留去し、下記式(X
III)で表される第4級アンモニウム塩と式(XIV) で表さ
れる第4級アンモニウム塩との93:7(重量比)の混合
物を110 g得た。
【0053】
【化21】
【0054】実施例5 オクタデカノールの代わりにオレイルアルコールを原料
に用いた以外は、実施例4と同様の方法で2−(7−ヘ
キサデセニル)−11−エイコセノールと2−(7−ヘキ
サデセニル)−2,11−エイコサジエノールの95:5(重
量比)の混合物を得た。さらに実施例4と同様にして、
下記式(XV)で表される第4級アンモニウム塩と式(XVI)
で表される第4級アンモニウム塩との95:5(重量比)
の混合物を得た。
【0055】
【化22】
【0056】実施例6 オクタデカノールの代わりに硬化パームステアリン酸か
ら誘導したアルコールを用いた以外は、実施例4と同様
の方法で、下記式(XVII)で表される第4級アンモニウム
塩と式(XVIII) で表される第4級アンモニウム塩との9
2:8(重量比)の混合物を得た。
【0057】
【化23】
【0058】実施例7〜18及び比較例1〜2 表1に示す第4級アンモニウム塩(I)(以下(a) 成分
と略記)、表2に示す第4級アンモニウム塩(II)(以
下(b) 成分と略記)、及び表3に示す第4級アンモニウ
ム塩(I)と第4級アンモニウム塩(II)の混合物(以
下(c) 成分と略記)を用いて表4に示す組成の液体柔軟
剤組成物を調製した。得られた柔軟剤組成物について、
下記の方法により、それぞれの柔軟性、吸水性の評価を
行い、結果を表5に示した。なお、いずれの配合の場合
もCaCl2 を0.04重量%配合し、また配合物の水への分散
性をさらに良くするためにポリオキシエチレン(21モ
ル)ラウリルエーテルを1.0 重量%配合し、任意成分以
外の残部を水とした。また組成物のpHは塩酸にてpH=4.
0 とした。
【0059】(1) 柔軟性の評価方法 (a) 処理方法 市販の木綿タオル2kg、アクリルジャージ1kgを 3.5°
DH硬水にて市販洗剤“アタック”(花王株式会社製、登
録商標)にて5回繰り返し洗濯(30リットル洗濯機)を
し、繊維についていた繊維処理剤を除去した後、表4に
示す柔軟剤組成物を第4級アンモニウム塩の合計量が4.
5 gとなるように投入し、25℃、1分間攪拌下で処理し
た。 (b) 評価方法 上記方法で処理した布を室内で風乾後、25℃、65%RHの
恒温恒湿室にて24時間放置した。これらの布について、
ジ硬化牛脂アルキルジメチルアンモニウムクロライド15
重量%からなる柔軟剤20mlで処理した布を対照にして一
対比較を行い、以下の評価基準で評価した。 評価基準 +2:対照より柔らかい +1:対照よりやや柔らかい 0:対照と同じ −1:対照の方がやや柔らかい −2:対照の方が柔らかい (2) 吸水性の評価方法 上記柔軟性の評価方法と同様に処理を行った木綿タオル
を、室内で風乾後、25℃、65%RHの恒温恒湿室にて24時
間放置した。この木綿タオルを3cm×25cmの短冊状に切
りとった。一方、上記恒温恒湿室に、25℃の水を用意
し、タオル片を垂直に保持したまま下から2cmが水中に
没するようにつけ、水を吸わせ、15分後の水の上昇高さ
を測定した。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
【表3】
【0063】
【表4】
【0064】
【表5】
フロントページの続き (72)発明者 外谷 孝四郎 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社研 究所内 (72)発明者 猪腰 淳一 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社研 究所内 (72)発明者 山口 紀子 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社研 究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)で表される第4級アンモニ
    ウム塩。 【化1】 (式中、R1、R2及びR3は同一もしくは異なって、炭素数
    1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基又はヒドロキシアル
    キル基を示し、R4は炭素数1〜5の直鎖又は分岐のアル
    キレン基、アルケニレン基又はヒドロキシアルキレン基
    を示し、R5は炭素数11〜21の直鎖又は分岐のアルキル基
    又はアルケニル基を示し、R6は炭素数10〜20の直鎖又は
    分岐のアルキル基又はアルケニル基を示し、 X- は陰イ
    オンを示す。)
  2. 【請求項2】 R1、R2及びR3がメチル基、エチル基又は
    ヒドロキシエチル基、R4がメチレン基、R5が炭素数13〜
    17の直鎖アルキル基、R6が炭素数12〜16の直鎖アルキル
    基であり、 X- がCl-, CH3SO4 - 又はC2H5SO4 - である請
    求項1記載の第4級アンモニウム塩。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の一般式(I)で表される
    第4級アンモニウム塩を含有することを特徴とする柔軟
    剤組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の一般式(I)で表される
    第4級アンモニウム塩、及び一般式(II)で表される第
    4級アンモニウム塩を含有することを特徴とする柔軟剤
    組成物。 【化2】 (式中、R7、R8及びR9は同一もしくは異なって、炭素数
    1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基又はヒドロキシアル
    キル基を示し、R10 は炭素数1〜5の直鎖又は分岐のア
    ルキレン基、アルケニレン基又はヒドロキシアルキレン
    基を示し、R11 は炭素数12〜22の直鎖又は分岐のアルキ
    ル基又はアルケニル基を示し、R12 は炭素数10〜20の直
    鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基を示し、 X-
    は陰イオンを示す。)
  5. 【請求項5】 一般式(I)で表される第4級アンモニ
    ウム塩と一般式(II)で表される第4級アンモニウム塩
    との配合割合が、(I):(II)(重量比)=0.01:9
    9.99 〜50:50であることを特徴とする請求項4記載の
    柔軟剤組成物。
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