JPH07423Y2 - バラ物の搬送装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、段ボール箱等から取り出されたバラ物を縦
横複数列に整列された状態で搬送するバラ物の搬送装置
に関するものである。

従来の技術 従来、日常生活用品や飲食料品等の小物商品は一般に段
ボール箱に複数個詰められているのが普通で、この段ボ
ール箱に詰められた商品を仕分け先別に、商品一個を最
小単位として要求された数量を仕分けるための種々の自
動仕分け装置が知られている。この様な仕分け装置にお
いては、段ボール箱内のバラ物のピッキングを自動化す
る場合に、 段ボール箱内で整列したバラ物を取り出した後、アンス
クランブラーによってバラ物の整列状態を一列に変えて
ピッキングの切出し口へ送り出す方法、と 段ボール箱内での整列状態のまゝバラ物の切出し口へ送
りだす方法、 との二通りの方法がある。

考案が解決しようとする問題点 しかし乍ら、特に上記のバラ物の送り出す方法の後者の
方法においては、段ボール箱内での整列状態のまゝバラ
物を、段ボール箱を取り去った後、自動切出し口まで送
り出し移動する間にバラ物の整列状態が崩れたり、バラ
物が倒れたり、バラ物を所定通り切り出すことが出来な
くなる等の問題点がみられる。

従って、この考案の目的はこの様な従来における問題点
を解決するために、バラ物を段ボール箱内での整列状態
のまゝ所定の場所まで送り出すべく段ボール箱を取り去
った後のバラ物の整列保持用の枠を嵌めてバラ物の整列
状態を崩すことなく且つバラ物が倒れることなくバラ物
を移送することができるバラ物の搬送装置を提供するこ
とにある。

問題点を解決するための手段 この考案に依れば、バラ物の搬送装置は、縦横複数列に
整列されたバラ物に嵌められ側面に支持ピンを有する整
列保持用の枠、該枠を支持移送して垂直方向に案内降下
するアタッチメント付の枠嵌め込み用のチエンおよびガ
イド、該枠が嵌められたバラ物を移送する搬送用の移送
コンベア、バラ物移送後の空の枠を回収すべく枠の側面
の支持ピンを担持するアタッチメント付の枠回収用チエ
ンを備えている。

作用 従って、この考案は上述の様に構成された手段におい
て、縦横複数列に整列されたバラ物に整列保持用の枠を
嵌め、枠が嵌められたバラ物を、整列状態が崩れたり或
は倒れること等がないように搬送用の移送コンベアによ
って所定の場所に移送することが出来る。

実施例 図面の第１図にはこの考案のバラ物の搬送装置の第１の
実施例が示されており、図示のバラ物の搬送装置は、開
梱された段ボール箱が除去されて縦横複数列に整列され
た状態にあるバラ物２に嵌められ側面に支持ピン４を有
する整列保持用の枠３と、この枠３を支持移送して垂直
方向に案内降下するアタッチメント７付の枠嵌め込み用
のチエン６およびガイド８、枠３が嵌められたバラ物２
を移送する搬送用コンベア16と、バラ物移送後の空の枠
３を回収すべく枠３の側面の支持ピン４を担持するアタ
ッチメント27付の枠回収用チエン26とを備えている。段
ボール箱が除去されたバラ物２は梱包時の整列状態のま
ゝテーブルまたはコンベア１上に取り出されて整列、静
止されている。この状態で、バラ物２の整列状態に対応
した整列保持用の枠３が上方からバラ物２に嵌められ
る。枠３は両側面に支持ピン４が設けられており、これ
ら支持ピン４が枠嵌め込み用のチエン６のアタッチメン
ト７によって担持されてバラ物２の上方から懸垂降下さ
れて、バラ物２の上から嵌め込められる。枠嵌め込み用
のチエン６は、その１つが適宜な電動機の様な駆動装置
により駆動されるスプロケット11、12、14に無端状に掛
けられ、図示の如く一定の間隔を置いてアタッチメント
７が設けられている。また、このチエン６の降下部分に
沿ってガイド８が設けられていて、枠３の支持ピン４が
外れるのを防止している。

枠３が嵌められたバラ物２を移送するために、コンベア
１に隣接してローラコンベアの様な移送用コンベア16、
およびベルトコンベアの様な送出し用コンベア18が設け
られている。従って、枠３が嵌められたバラ物２はこれ
ら移送用コンベア16と送出し用コンベア18によって何等
倒れることなく且つ整列状態を乱すことなく移送され、
切り出し口20の様な所定場所に送り出される。この所定
の作業場所にて例えば切り出しを行うために、切り出し
口20に開閉自在なゲートプレート21が設けられていてゲ
ートプレート21を開閉することによってバラ物２が順次
切り出されて所定の切り出しが行われるようになってい
る。この様な所定の切り出しによって空になった枠３は
枠回収用チエン26によって上方に回収される。

この枠回収用チエン26は、枠嵌め込み用のチエン６と同
様に一定の間隔を置いてアタッチメント27が設けられた
無端状のチエンで、適宜な駆動装置によってその１つが
駆動されるスプロケット31、32、33に掛けられていて、
チエン26のアタッチメント27が枠３の支持ピン４に係合
して支持ピン４を担持して上方に枠３を持ち上げ移送す
るようになっており、この時に支持ピン４が外れない様
にチエン26の垂直部分に沿ってガイド28が設けられてい
る。回収した空の枠３を収容待機するためにローラコン
ベアの様な枠回収用コンベア35が上方に設けられる。こ
の枠回収用コンベア35は空の枠３を待機させるためにス
トッパ36を有している。

この様に構成されたこの考案のバラ物の搬送装置におい
ては、先ず、枠回収用コンベア35上に待機された枠３
は、ストッパ36の解除によってコンベア35上を移動して
枠３の両側上部の支持ピン４が枠嵌め込み用のチエン６
のアタッチメント７に係合して支持ピン４を担持して枠
３を移送し垂直方向に案内降下し、段ボール箱が除去さ
れた整列しているバラ物２に枠３が上から嵌め込まれ
る。次いで、枠３が嵌め込まれたバラ物２は移送用コン
ベア16および送出し用コンベア18によって切り出し口20
に送られ、この切り出し口20にてバラ物２の切り出し作
業が行われて作業が完了すると、枠回収用チエン26のア
タッチメント27が空になった枠３の支持ピン４に係合し
て支持ピン４を担持して枠３を上方に持ち上げ回収す
る。上方に回収された枠３は再び枠回収用チエン26から
外れて枠回収用コンベア35上に載って移動してストッパ
36に係合して停止され、コンベア35上に待機される。コ
ンベア35上に待機されている枠３は必要に応じてストッ
パ36が解除されることによって再びコンベア35上を移動
して嵌め込み用のチエン６によって移送され、バラ物２
に嵌め込まれる。

第２図および第３図にはこの考案のバラ物の搬送装置を
バラ物の自動仕分け装置に応用した例が示されている。
図示の例では、テーブル１′の上に段ボール箱からバラ
物２が取り出されて整列静止されている。このバラ物２
に上方から格子状の枠３が嵌め込まれた後、移送用コン
ベア16への移載が枠嵌め込み用のチエン６によって更に
行われるために、整列保持用枠３の枠嵌め込み用チエン
６への懸垂支持を低い重心位置で行っている。この様な
低い重心位置で枠３を懸垂支持し且つ移動中も水平を保
つために、第３図に示される様に枠３の両側面の対称で
低い重心位置で且つ偏心した位置に比較的長い支持ピン
４が設けられると共に、側辺近くに水平を保持するため
の比較的短い水平な保持ピン５が設けられていて、支持
ピン４がアタッチメント７付の枠嵌め込み用のチエン６
およびガイド８によって懸垂案内され、保持ピン５が水
平保持用のガイド９、10に沿って移動することによって
常に水平を保って懸垂移動することができる。この第２
の実施例においては枠嵌め込み用チエン６にガイド９、
10が、枠回収用チエン26にガイド29が夫々保持ピン５の
ために設けられており、これら支持ピン４と保持ピン５
およびガイド９、10、29が設けられていることが先の第
１の実施例のものと異なっている。また、必要に応じて
枠嵌め込み用のチエン６のスプロケット14と枠回収用の
チエン26のスプロケット31とを連動して駆動することが
できる。

従って、この第２の実施例においては、テーブル１′上
のバラ物２に枠３が嵌め込まれて位置Ａにて枠嵌め込み
用のチエン６のアタッチメント７により送り出されてチ
エン６から離脱され、移送用コンベア16に載って移動
し、位置Ｂにある先行する枠３の嵌め込まれたバラ物の
後にて待機する。一方、送り出し用コンベア18によって
仕分け装置の切り出し口20に送られたバラ物は所要の数
量のバラ物が仕分け装置の切り出し口20により仕分け切
り出され、例えばシユーター22に落下する。１個の枠３
内の総てのバラ物が落下して仕分けられると、位置Ｃの
状態にて再び枠回収用チエン26のアタッチメント27によ
って支持ピン４が掬い上げられ、枠３は上方に持ち上げ
られ移動される。この移動時も枠３は支持ピン４と保持
ピン５および各ガイド28、29によって水平に保たれる。
上方に移動された枠３は位置Ｄにて枠回収用チエン26か
ら解放されて、スプロケット32により駆動される幾つか
のローラを介して枠回収用のコンベア35上に移動され、
位置Ｅにて一旦ストッパ36によって停止されるが、下方
のテーブル１′上に段ボール箱からバラ物２が再び取り
出されると、ストッパ36が解除され、空の枠３は再度コ
ンベア35上を枠嵌め込み用チエン６の方に向かって移動
される。次いで、先と同様に枠嵌め込み用チエン６によ
って枠３は懸垂支持されてバラ物２に嵌め込まれる。以
上のサイクルが２個以上の枠に対して順次繰り返される
ことによって段ボール箱からのバラ物の取り出しおよび
移送の、間欠的な作業が仕分け装置における連続作業を
可能にしている。

考案の効果 この様に構成されたこの考案のバラ物の搬送装置に依れ
ば、段ボール箱内に規則正しく並べられ梱包されたバラ
物をそのまゝの状態にて段ボール箱から取り出して洗
浄、容器詰め、最梱包、仕分け等を行う場合に、開梱場
所で整列した状態にてバラ物を解梱してこれに整列保持
用の枠を嵌め込んで所要の作業場所にまで転倒せずに且
つ列を乱すことなく移送し、所要の場所にて所定の作業
を行うことができ、この移動中のバラ物の転倒防止のた
めの特別なコンベアの搬送装置を必要とすることがな
く、またバラ物を多数列から一列に変換する特別な装置
も不要となる。特に、バラ物の移送に際して単にバラ物
に整列保持用の枠を嵌め込むだけなので何等特別な装置
を必要とせず且つ搬送用の移送装置も通常のコンベアを
用いることができ、搬送ラインを極めて短く出来、段ボ
ール箱の解梱場所から仕分け場所へのチエン以外には一
般的なコンベアが使用されるためにバラ物の種類や形状
が変わった場合にも全ラインの更新が不要になる等の利
点が有り、また従来における様に一列に整列するものに
比べてアンスクランブラーを必要とせず、多数列で移
動、ストレージ、切り出しすることが可能になり、非常
に短い距離で解梱から切り出しまでを行うことが出来る
等の効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案のバラ物の搬送装置の第１の実施例を
示す概要側面図、第２図は第２の実施例を示す同様な概
要側面図、第３図は第２の実施例における枠をしめす斜
視図である。図中、1:コンベア、１′：テーブル、2:バ
ラ物、3:枠、4:支持ピン、5:保持ピン、6:枠嵌め込み用
のチエン、7:アタッチメント、８、９、10:ガイド、1
1、12、14:スプロケット、16:移送用のコンベア、18:送
り出し用のコンベア、20:切り出し口、21:ゲートプレー
ト、22:シユータ、26:枠回収用のチエン、27:アタッチ
メント、28、29:ガイド、31、32、33:スプロケット、3
5:枠回収用のコンベア、36:ストッパ。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 岡田 信之 東京都江東区東砂８丁目19番20号 トーヨ ーカネツ株式会社内 (72)考案者 今沢 真 東京都江東区東砂８丁目19番20号 トーヨ ーカネツ株式会社内 (72)考案者 高崎 修 東京都江東区東砂８丁目19番20号 トーヨ ーカネツ株式会社内 (72)考案者 古川 淳次 東京都江東区東砂８丁目19番20号 トーヨ ーカネツ株式会社内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】縦横複数列に整列されたバラ物に嵌められ
   側面に支持ピンを有する整列保持用の枠、該枠を支持移
   送して垂直方向に案内降下するアタッチメント付の枠嵌
   め込み用のチエンおよびガイド、該枠が嵌められたバラ
   物を移送する搬送用の移送コンベア、バラ物移送後の空
   の枠を回収すべく枠の側面の支持ピンを担持するアタッ
   チメント付の枠回収用チエンを備えて成るバラ物の搬送
   装置。