JPH0742310B2 - L−アスパルチル−l−フエニルアラニン又はその低級アルキルエステルの晶析法 - Google Patents
L−アスパルチル−l−フエニルアラニン又はその低級アルキルエステルの晶析法Info
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- JPH0742310B2 JPH0742310B2 JP59009636A JP963684A JPH0742310B2 JP H0742310 B2 JPH0742310 B2 JP H0742310B2 JP 59009636 A JP59009636 A JP 59009636A JP 963684 A JP963684 A JP 963684A JP H0742310 B2 JPH0742310 B2 JP H0742310B2
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- phenylalanine
- lower alkyl
- alkyl ester
- sodium
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Description
【発明の詳細な説明】 この発明は、L−アスパルチル−L−フェニルアラニン
及びその低級アルキルエステルの晶析法に関する。
及びその低級アルキルエステルの晶析法に関する。
L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステ
ル(以下APMと略す)に代表されるL−アスパルチル−
L−フェニルアラニン低級アルキルエステルは、蔗糖様
の甘味を有することが知られており、砂糖の約200倍の
甘味を呈し、新しい甘味剤として最近注目されているも
のであるが高価なものであるため、その有効な採取方法
の確立が望まれている。
ル(以下APMと略す)に代表されるL−アスパルチル−
L−フェニルアラニン低級アルキルエステルは、蔗糖様
の甘味を有することが知られており、砂糖の約200倍の
甘味を呈し、新しい甘味剤として最近注目されているも
のであるが高価なものであるため、その有効な採取方法
の確立が望まれている。
一般に、タンパク質及び分子量の大きいペプチドは、そ
の水溶液に対し、塩類を添加すると、その溶解度が減少
し、沈殿することが知られている(塩析)。しかしジペ
プチド,トリペプチドの様な分子量の小さいペプチドの
塩析は知られておらず、当然の事ながらその他のL−ア
スパルチル−L−フェニルアラニン及びその低級アルキ
ルエステル類が塩類の添加で析出する現象は、見い出さ
れていなかった。
の水溶液に対し、塩類を添加すると、その溶解度が減少
し、沈殿することが知られている(塩析)。しかしジペ
プチド,トリペプチドの様な分子量の小さいペプチドの
塩析は知られておらず、当然の事ながらその他のL−ア
スパルチル−L−フェニルアラニン及びその低級アルキ
ルエステル類が塩類の添加で析出する現象は、見い出さ
れていなかった。
本発明者らはこの様な背景の下に、簡便かつ効率よくL
−アスパルチル−L−フェニルアラニン及びその低級ア
ルキルエステルを回収する方法を見出すべく研究した結
果、L−アスパルチル−L−フェニルアラニン及びその
低級アルキルエステル類水溶液に塩類を加えることによ
り容易にL−アスパルチル−L−フェニルアラニン及び
その低級アルキルエステル類が晶析されることを見い出
した。
−アスパルチル−L−フェニルアラニン及びその低級ア
ルキルエステルを回収する方法を見出すべく研究した結
果、L−アスパルチル−L−フェニルアラニン及びその
低級アルキルエステル類水溶液に塩類を加えることによ
り容易にL−アスパルチル−L−フェニルアラニン及び
その低級アルキルエステル類が晶析されることを見い出
した。
即ち、本発明は塩類のうち、L−アスパルチル−L−フ
ェニルアラニン及びその低級アルキルエステル類を晶析
させる能力のある塩を、L−アスパルチル−L−フェニ
ルアラニン又はその低級アルキルエステル類水溶液に添
加することにより、L−アスパルチル−L−フェニルア
ラニン又はその低級アルキルエステル類を回収すること
を特徴とするL−アスパルチル−L−フェニルアラニン
又はその低級アルキルエステル類の晶析方法である。
ェニルアラニン及びその低級アルキルエステル類を晶析
させる能力のある塩を、L−アスパルチル−L−フェニ
ルアラニン又はその低級アルキルエステル類水溶液に添
加することにより、L−アスパルチル−L−フェニルア
ラニン又はその低級アルキルエステル類を回収すること
を特徴とするL−アスパルチル−L−フェニルアラニン
又はその低級アルキルエステル類の晶析方法である。
本発明に用いるL−アスパルチル−L−フェニルアラニ
ン及びその低級アルキルエステル類を晶析させる能力を
有する塩としては、例えば、ギ酸ナトリウム,酒石酸ナ
トリウム,クエン酸ナトリウム,酢酸ナトリウム,炭酸
ナトリウム,アスコルビン酸ナトリウム,酒石酸カリウ
ムなどの有機塩類もしくは、亜硫酸アンモニウム,塩化
アンモニウム,硫酸アンモニウム,硫酸ナトリウム,塩
化ナトリウム,亜硫酸水素ナトリウム,チオ硫酸ナトリ
ウム,メタ重亜硫酸ナトリウム,塩化カルシウム,塩化
カリウム,リン酸一カリウム,リン酸二カリウム,リン
酸一ナトリウム,リン酸二ナトリウムなどの無機塩類等
がある。
ン及びその低級アルキルエステル類を晶析させる能力を
有する塩としては、例えば、ギ酸ナトリウム,酒石酸ナ
トリウム,クエン酸ナトリウム,酢酸ナトリウム,炭酸
ナトリウム,アスコルビン酸ナトリウム,酒石酸カリウ
ムなどの有機塩類もしくは、亜硫酸アンモニウム,塩化
アンモニウム,硫酸アンモニウム,硫酸ナトリウム,塩
化ナトリウム,亜硫酸水素ナトリウム,チオ硫酸ナトリ
ウム,メタ重亜硫酸ナトリウム,塩化カルシウム,塩化
カリウム,リン酸一カリウム,リン酸二カリウム,リン
酸一ナトリウム,リン酸二ナトリウムなどの無機塩類等
がある。
これらのL−アスパルチル−L−フェニルアラニン及び
その低級アルキルエステル類を晶析する能力を有する塩
を、L−アスパルチル−L−フェニルアラニン又はその
低級アルキルエステル類水溶液に添加するには、粉末の
まま添加するかあるいは塩の水溶液として添加すれば良
い。また塩類の添加濃度は50mM以上添加すれば良く高濃
度になるとL−アスパルチル−L−フェニルアラニン及
びその低級アルキルエステル類の析出量は一定となる。
その低級アルキルエステル類を晶析する能力を有する塩
を、L−アスパルチル−L−フェニルアラニン又はその
低級アルキルエステル類水溶液に添加するには、粉末の
まま添加するかあるいは塩の水溶液として添加すれば良
い。また塩類の添加濃度は50mM以上添加すれば良く高濃
度になるとL−アスパルチル−L−フェニルアラニン及
びその低級アルキルエステル類の析出量は一定となる。
水溶液に添加するL−アスパルチル−L−フェニルアラ
ニン又はその低級アルキルエステル類としては、APMを
はじめ、L−アスパルチル−L−フェニルアラニン、L
−アスパルチル−L−フェニルアラニンエチルエステ
ル、L−アスパルチル−L−フェニルアラニンプロピル
エステル等であり、これらの中から単独で添加しても、
或いは組合せて添加してもよい。
ニン又はその低級アルキルエステル類としては、APMを
はじめ、L−アスパルチル−L−フェニルアラニン、L
−アスパルチル−L−フェニルアラニンエチルエステ
ル、L−アスパルチル−L−フェニルアラニンプロピル
エステル等であり、これらの中から単独で添加しても、
或いは組合せて添加してもよい。
晶析したL−アスパルチル−L−フェニルアラニン又は
その低級アルキルエステル類は常法に従い別等により
結晶を採取する。
その低級アルキルエステル類は常法に従い別等により
結晶を採取する。
本発明方法によれば、塩の非存在下では飽和溶解度量以
下の溶解L−アスパルチル−L−フェニルアラニン及び
その低級アルキルエステル類の晶析が可能であり、極め
て高収率でL−アスパルチル−L−フェニルアラニン及
びその低級アルキルエステル類を回収できるという独自
の効果を奏するものである。
下の溶解L−アスパルチル−L−フェニルアラニン及び
その低級アルキルエステル類の晶析が可能であり、極め
て高収率でL−アスパルチル−L−フェニルアラニン及
びその低級アルキルエステル類を回収できるという独自
の効果を奏するものである。
次に実施例により本発明を更に説明する。
実施例1 APMを0.1M酢酸緩衝液(pH5.5)に対し、1.0g/dlになる
ように溶解せしめ、これに対し第1表に示す各塩を終濃
度20g/dlになるように添加し溶解した。これを30℃に1
時間放置後沈殿物を別し、それを大量の緩衝液で充分
に溶解後、アミノ酸アナライザーを用いてAPM量を測定
した。その結果を第1表に示す。
ように溶解せしめ、これに対し第1表に示す各塩を終濃
度20g/dlになるように添加し溶解した。これを30℃に1
時間放置後沈殿物を別し、それを大量の緩衝液で充分
に溶解後、アミノ酸アナライザーを用いてAPM量を測定
した。その結果を第1表に示す。
実施例2 クエン酸ナトリウム並びに硫酸ナトリウムを、実施例1
と同様にAPM1g/dl溶液に、終濃度20g/dlになるように添
加し溶解後、pHを3.0,5.0,7.0,9.0にそれぞれ調整し
た。それを30℃,1時間放置後沈殿物を別し、それを大
量の緩衝液で充分に溶解後、アミノ酸アナライザーを用
いて、APM量を測定した。その結果を第2表に示す。
と同様にAPM1g/dl溶液に、終濃度20g/dlになるように添
加し溶解後、pHを3.0,5.0,7.0,9.0にそれぞれ調整し
た。それを30℃,1時間放置後沈殿物を別し、それを大
量の緩衝液で充分に溶解後、アミノ酸アナライザーを用
いて、APM量を測定した。その結果を第2表に示す。
実施例3 クエン酸ナトリウム並びに硫酸ナトリウムを、実施例1
と同様にAPM1g/dl溶液に、終濃度が第3表に示す濃度に
なるように添加し、溶解後pH5.5にそれぞれ調整した。
それを30℃1時間放置後沈殿物を別し、それを大量の
緩衝液で充分に溶解後、アミノ酸アナライザーを用いて
APM量を測定した。その結果を第3表に示す。
と同様にAPM1g/dl溶液に、終濃度が第3表に示す濃度に
なるように添加し、溶解後pH5.5にそれぞれ調整した。
それを30℃1時間放置後沈殿物を別し、それを大量の
緩衝液で充分に溶解後、アミノ酸アナライザーを用いて
APM量を測定した。その結果を第3表に示す。
Claims (1)
- 【請求項1】L−アスパルチル−L−フェニルアラニン
又はその低級アルキルエステル類を含む水溶液に塩類を
50mM以上の濃度になる様に添加することにより、L−ア
スパルチル−L−フェニルアラニン又はその低級アルキ
ルエステル類を析出せしめこれを採取することを特徴と
するL−アスパルチル−L−フェニルアラニン又はその
低級アルキルエステル類の晶析法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP59009636A JPH0742310B2 (ja) | 1984-01-23 | 1984-01-23 | L−アスパルチル−l−フエニルアラニン又はその低級アルキルエステルの晶析法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP59009636A JPH0742310B2 (ja) | 1984-01-23 | 1984-01-23 | L−アスパルチル−l−フエニルアラニン又はその低級アルキルエステルの晶析法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60152498A JPS60152498A (ja) | 1985-08-10 |
JPH0742310B2 true JPH0742310B2 (ja) | 1995-05-10 |
Family
ID=11725715
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP59009636A Expired - Lifetime JPH0742310B2 (ja) | 1984-01-23 | 1984-01-23 | L−アスパルチル−l−フエニルアラニン又はその低級アルキルエステルの晶析法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0742310B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016166156A (ja) * | 2015-03-10 | 2016-09-15 | 味の素株式会社 | γ−グルタミルバリルグリシン結晶及びその製造方法 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5645597B2 (ja) * | 1974-03-27 | 1981-10-27 | ||
FR2269963A1 (en) * | 1974-05-06 | 1975-12-05 | Anvar | Acetylated water soluble E coli extracts - used as adjuvants in immunology |
FR2269961B1 (ja) * | 1974-05-06 | 1978-03-24 | Anvar | |
JPS5535059A (en) * | 1978-09-05 | 1980-03-11 | Ajinomoto Co Inc | Preparation of lower alkyl ester of alpha-l-aspartyl-l- phenylalanine |
JPS55167266A (en) * | 1979-06-15 | 1980-12-26 | Toyo Soda Mfg Co Ltd | Recovery of alpha-l-aspartyl-l-phenylalanine lower alkyl ester |
-
1984
- 1984-01-23 JP JP59009636A patent/JPH0742310B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS60152498A (ja) | 1985-08-10 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |