JPH0742272Y2 - 収穫機における穀稈引起装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 本考案は穀稈を引き起して刈取る収穫機における穀稈引
起装置に関する。

（ロ）従来技術 従来、引起経路の一側に後傾姿勢の引起ケースから起立
突出して上昇する引起爪を備えた穀稈引起体を設け、前
記引起経路の他側に、後傾姿勢になっていて前記引起爪
の少なくとも先端の上昇軌跡に上下でラップする上ガイ
ド板と下ガイド杆とを併設し、該下ガイド杆の下部を第
４図に示す如く穀稈が確実に引起爪に係止されるように
引起ケース側へ弧状に突出させて膨出部に形成した収穫
機は既に知られている。

（ハ）考案が解決しようとする問題点 前記既知の収穫機における下ガイド杆は上下に長いの
で、それが略一定の案内姿勢を保持するよう中間部を横
部材で支持していた。

しかしながら、倒伏して柔軟になった穀稈が引起爪によ
り引き起こされる時、抜き取られたり、引き切られて上
昇し、それが下ガイド杆の膨出部を越えて該膨出部内へ
侵入すると共に前記横部材に引掛かって堆積し、その
上、引起爪に引掛かった雑草や藁屑等も上記引掛かった
穀稈に追加されるので大きく膨れ上がることとなり、正
常な状態で引き起こされる穀稈の茎や穂部の移動が阻害
され、稈姿勢を乱したり折れて垂れ下がったりする等の
問題点があった。

また、一条刈型のバインダーのように横搬送体を有しな
いものにおいては穀稈が上記堆積物により横送りが阻害
されたり、桿姿勢が悪化することにより穀稈が停滞する
等の問題点があった。

（ニ）問題点を解決するための手段 本考案は、穀稈引起経路の一側に後傾姿勢の引越ケース
から起立突出して上昇する引起爪を備えた穀稈引起体を
設け、前記引起経路の他側に、後傾姿勢になっていて前
記引起爪の少なくとも先端の上昇軌跡に上下でラップす
る上ガイド板と下ガイドを杆とを併設し、下ガイド杆の
下部を穀稈引起体側へ突出させて膨出部に形成した収穫
機において、前記下ガイド杆の前記膨出部を支持案内板
で閉鎖することにより、引起時に引き抜かれたり、引き
切られたりして引起爪に引掛かって上昇する穀稈が下ガ
イド稈の内側へ侵入するのを下ガイド杆の膨出部を閉鎖
する板により阻止するようにして前述の問題点を解決し
た。

（ホ）作用 エンジンの動力により車輪、前処理装置を駆動しながら
圃場の穀稈中に侵入すると、穀稈は分草されながら穀稈
引起装置により引起され、それを刈刃が刈取る。

そして、穀稈が穀稈引起装置により引き起される際、下
ガイド杆は穀稈の株元の一側に作用して穀稈引起体に向
けて押込み、穀稈引起体の引起爪は上記押込まれた穀稈
の株元近傍を引掛けて引起しながらその先端部が下ガイ
ド杆と上ガイド板との間に侵入した状態で上昇して穀稈
を引起す。

その際、穀稈が倒伏していると引起抵抗が大きく、かつ
軟弱になっているので、株元の折曲部から引きちぎられ
ることがあり、また、湿田にて穀稈が倒伏していると上
記引きちぎりに加え引き抜かれることもあり、このよう
な穀稈は引起爪に二つ折り状に引掛かった状態で上昇
し、その間に下イド杆の下部の膨出部内に侵入するが該
下ガイド板に取付けられていて上記膨出部を閉鎖した支
持案内板はその上面で上記引掛かって上昇する穀稈及び
雑草を受け止めて案内するので、下ガイド杆を支承して
いる横部材に引掛かることがなく、横部材を越えて引起
爪が上昇上限にて倒伏する時離脱して落下し、横部材に
穀稈や雑草が堆積することがない。

（ヘ）実施例 本考案の一実施例を図面に示すバインダーについて説明
すると、このバインダーは、一輪又は二輪を有する一条
刈型であって、左右一対の刈取フレーム1,1の前端部に
分草体2,2を取付け、その後方に刈刃３を装着し、一方
の分草体２の後部に、後傾姿勢の穀稈引起体５を設け、
該穀稈引起体５は引起ケース６と、その上部に軸支した
スプロケットと、下部に軸支した転輪と、それらに張設
したチエンと、該チエンに起伏自在に取付けられていて
下降側では倒伏すると共に上昇側で起立突出するように
規制された多数の引起爪７・・とで構成されており、他
方の分草体２の後部には、側縁が前記引起爪７・・の先
端の上昇軌跡に上方からラップする上ガイド板８と、前
記引起爪７の上昇軌跡の下方に配設した下ガイド杆10と
を設けてあり、該下ガイド杆10は、分草体２の後端から
側面視で第２図に示す如く後位方へ略水平に伸びてから
中間部まで後方上方へ湾曲し、それよりも上方を前記引
起爪７先端の上昇軌跡の下面に沿わせ、平面視では、第
１図に示す如く前記略水平な部分を引起爪７の上昇過程
にて形成される引起経路内に斜めに侵入させ、湾曲部の
上端を引起爪の先端軌跡にラップさせることにより膨出
部10aに形成すると共に上端部を外側方へ向けて折曲
し、該膨出部10aに近接した部分及び上端部近傍はフレ
ーム11に螺着した横部材12,12により支持されている。

そして、前記下ガイド杆10の膨出部10aの上面には、該
膨出部10aの内側を閉鎖する支持案内板９を固定してあ
る。

また、前記上ガイド板８及び下ガイド杆10の後部には結
束装置13を設けてある。14は引起経路の後部から結束装
置13の集束部後縁に向かう案内板、15は掻込輪、16,17
は案内杆、18は束放出ガイド杆である。

前述のバインダーにおいて、引起爪７・・は、分草体2,
2により分草された穀稈の株元部近傍を係止して梳上な
がら引起し、下ガイド杆10はその下端側の膨出部10aに
より穀稈を穀稈引起体５側へ押出して引起爪７への係合
を確実になし、その状態で完全に引起す。

その際、穀稈が倒伏していたり、圃場が湿田のように軟
弱であると、引起爪７が穀稈を係止して引き起す際に引
き切ったり、抜き取ったりし、これらの穀稈は引起爪７
に２つ折り状になって引掛かって上昇し、この状態で引
起爪７・・は前記膨出部10aの上方を通過するので、上
記引掛かった穀稈及び雑草は膨出部10a内に侵入する
が、これらの穀稈等は支持案内板９により受け止められ
て上昇案内されて膨出部10aの上端から引起経路内に戻
り、横部材12,12に引掛かって堆積することがなく、引
起爪７・・が上昇上限にて下向きに倒伏する時滑落す
る。

このようにして引き起された穀稈は株元部を刈刃３によ
り刈取られ、案内杆16,17及び案内板14の案内作用及び
掻込輪15の掻込作用により結束装置13側へ移行し、それ
を結束装置13のパッカーが集束部に掻込み、集束量が所
定料になったことをドア13aが感知すると一回転クラッ
チが入り作動するので、ニードルが紐掛けし、結節部13
bが結節すると、放出アーム13cが束放出する。

（ト）考案の効果 本考案は前述のように穀稈引起経路の一側に後傾姿勢の
引起ケース６から起立突出して上昇する引起爪７を備え
た穀稈引起体５を設け、前記引起経路の他側に、後傾姿
勢になっていて前記引起爪７の少なくとも先端の上昇軌
跡に上下でラップする上ガイド板８と下ガイド杆10とを
併設し、下ガイド杆10の下部を穀稈引起体５側へ突出さ
せて膨出部10aに形成した収穫機において、前記下ガイ
ド杆10の前記膨出部10aを支持案内板９で閉鎖したの
で、穀稈引起開始時に下ガイド杆10の膨出部10aは穀稈
を穀稈引起体５に向けて押込んで引起爪に確実に係止さ
れることにより引起洩れを防止することができるもので
ありながら、引起時に引きちぎられた穀稈又は抜き取ら
れた穀稈もしくは引掛かった雑草等が引起爪７・・に係
止されて上昇し、それが前記膨出部10aの内方へ移行す
ると、前記支持案内板９は引起爪７・・に引掛かった穀
稈等を支持案内しながら上昇させ、膨出部10aの上端で
は穀稈引起通路内に戻すこととなり、下ガイド杆10の上
部側を支持している横部材に穀稈や雑草等が引掛かって
堆積することがなく、従来のものように横部材に堆積し
た穀稈等が穀稈引起等の障害になって姿勢を乱したり、
折れ曲がったり、穂部側の移送が遅れたりするのを確実
に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであって、第１図は
後部のハンドル部分を省略した刈取結束機の平面図、第
２図は同上側面図、第３図は同上斜視図、第４図は従来
例の斜視図である。 ２……分草体、３……刈刃、５……穀稈引起体、７……
引起爪、８……上ガイド板、９……支持案内板、10……
下ガイド杆、10a……膨出部、12……横部材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】穀稈引起経路の一側に後傾姿勢の引起ケー
   ス６から起立突出して上昇する引起爪７を備えた穀稈引
   起体５を設け、前記引起経路の他側に、後傾姿勢になっ
   ていて前記引起爪７の少なくとも先端の上昇軌跡に上下
   でラップする上ガイド板８と下ガイド杆10とを併設し、
   下ガイド杆10の下部を穀稈引起体５側へ突出させて膨出
   部10aに形成した収穫機において、前記下ガイド杆10の
   前記膨出部10aを支持案内板９で閉鎖したことを特徴と
   する収穫機における穀稈引起装置。