JPH074209B2 - 食品の冷凍保存および解凍方法 - Google Patents

食品の冷凍保存および解凍方法

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JPH074209B2
JPH074209B2 JP23326786A JP23326786A JPH074209B2 JP H074209 B2 JPH074209 B2 JP H074209B2 JP 23326786 A JP23326786 A JP 23326786A JP 23326786 A JP23326786 A JP 23326786A JP H074209 B2 JPH074209 B2 JP H074209B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は食品の冷凍保存および解凍方法に関する。さら
に詳しくは、食品を脱酸素剤包装体とともに密封容器内
に収納し、冷凍保存した後、マイクロ波照射して解凍す
ることを特徴とする食品の冷凍保存おび解凍方法に関す
る。
〔従来の技術〕
近年、食品保存技術の一つとして、脱酸素剤による食品
保存技術が確立され、多種、多様な食品へ使用が拡大し
ている。
脱酸素剤保存技術とは、脱酸素剤の使用で、包装容器内
を嫌気状態に保つことにより食品の油脂分の酸化防止、
変退色防止、風味保持、虫害防止、好気性菌の繁殖防止
を図り、食品の品質を維持するものである。
脱酸素剤は酸素を吸収する性質を有する組成物である
が、これは通常、通気性の小袋に充填された脱酸素剤包
装体として用いられる。そして従来の脱酸素剤包装体に
は、例えば紙と有孔ポリエチレンフイルムを積層接着し
た包装材料や、穿孔プラスチツクフイルムと紙と有孔ポ
リエチレンフイルムを積層接着した包装材料が用いられ
ている。
ところで、脱酸素剤保存技術上の問題点として微生物や
酵素による食品の品質低下、でんぷんの老化等、嫌気下
においても進行する食品の品質低下は防止しきれないこ
とが挙げられた。
一方、家庭用電子レンジの普及にともない、包装食品を
包装されたまま、電子レンジでマイクロ波照射し、加熱
調理したり、解凍したりすることが一般化してきた。
また最近、食品製造メーカーで予め予備調理された包装
食品が多く発売されるにいたり、マイクロ波照射による
加熱方法はその使用が拡大してきている。
さらには、食品製造メーカーで需要量の変動に伴う在庫
調整、生産調整の目的で生産した包装食品を0℃以下で
保存し、出荷時マイクロ波を照射し解凍する方法が採ら
れる。低温保存では酵素による食品の品質低下、でんぷ
んの老化等も防火可能であるため、かかる方法が採られ
ているのである。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記したごとき脱酸素剤による食品保存技術および冷凍
食品のマイクロ波照射による解凍方法の一般化にともな
い食品を脱酸素剤包装体とともに容器内に収納、密封
し、冷凍保存すること、さらには、その脱酸素剤包装体
を封入した包装冷凍食品を包装されたままマイクロ波照
射し、解凍に供する必要性が多くなつてきた。特に調理
済み冷凍食品等を包装したまま電子レンジにより解凍に
供するものについては、その包装食品内にも脱酸素剤包
装体を封入しておくのがよく、上記必要性は極めて大き
い。
しかし、上記従来の脱酸素剤包装体に使用される包装材
料は、マイクロ波が当たるとその大部分を透過させ、包
装体内の脱酸素剤が加熱され、これにより脱酸素剤を収
納する袋が破損し、脱酸素剤がその袋から吐出して食品
等に混入してしまう欠点があつた。すなわち、従来の脱
酸素剤包装体は、食品等をマイクロ波殺菌、加熱、解凍
する場合には、一緒に使用できなかつた。
本発明はこのような従来の問題点に鑑みなされたもの
で、その目的とするところは、脱酸素剤包装体を封入し
た包装冷凍食品をマイクロ波照射し、加熱、解凍に供し
ても脱酸素剤包装体の袋が破損したり、その内容物であ
る脱酸素剤が外へ出たりせず安全衛生上優れた食品の冷
凍保存および解凍方法を提供するにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者等は、上記の問題点に鑑み、脱酸素剤包装体の
改良について鋭意研究を行なつた結果、導電性材料がそ
の性質によつてマイクロ波を透過、反射および吸収する
という点に着目し、本発明を完成するに至つた。
すなわち、本発明は水分含有率8%以上の食品を、包装
材料が導電性の層を有するとともに通気性を備えている
脱酸素剤包装体とともに、酸素透過度200ml/m2.24hr.at
m以下の材料からなる容器内に収納、密封し、冷凍保存
した後、マイクロ波照射して解凍することを特徴とする
食品の冷凍保存および解凍方法を提供するものである。
本発明においては、脱酸素剤を収納する包装材料とし
て、導電性の層を有するとともに通気性を備えるように
したものが用いられる。
本発明の脱酸素剤包装体では導電性の層の存在により、
マイクロ波が照射されても、マイクロ波はこの導電性の
層により大部分が反射され、そのエネルギーは減衰され
て導電層以下の内容物を励起するに至らない。よつて内
容物である脱酸素剤は加熱されず、従つて包装体自体は
破損することはない。
本発明において、導電性の層としては、金、銀、銅、ア
ルミニウム、鉄等の金属からなる金属箔、金属製の網、
プラスチツクフイルムに化学的還元法で銀、銅等の金属
被膜を形成させたもの、真空蒸着法等で金属被膜を形成
させたもの、電導性塗装、メツキ等を施したもの、金属
の粉末、粒、繊維等を種々の方法でプラスチツクフイル
ムに添加、分散ないしは含有させたもの等、種々の方法
で導電性を持たせた層が用いられる。これらの導電性の
層の中で、金属箔を用いる場合、あるいは各種の金属被
膜等を形成させる場合における金属としては、食品へ使
用する際の安全衛生上からアルミニウムまたはアルミニ
ウムを主体とするものが好ましい。さらに具体的な好ま
しい例示としてアルミ箱が挙げられる。アルミ箔を用い
る場合におけるアルミ箔の厚さは、厚すぎると自動充填
包装適性上支障が有り、薄すぎると包装材料の製造上支
障が有るため、包装材料のコストも考慮すると3〜50μ
が好ましく、5〜25μが最も好ましい。さらにアルミ箔
としては、包装機械適性上軟質アルミ箔が好ましい。ま
た、アルミ箔等の導電性の層としては、各種の特性を付
与する目的で、EVA、ポリエチレン、ポリブタジエン、
ポリ塩化ビニル、アイオノマー等からなるフィルム、ラ
テックス、ホットメルト、エマルジョンまたはホットメ
ルトエマルジョンなどの樹脂をコーティングしたものを
用いてもよい。
この導電性の層は、脱酸素剤包装体の包装材料の最内層
のシール層を除けばどの位置に配置してもよく、最外
層、中間層等いずれの位置にも配置可能である。
さらに、導電性の層を有する通気性包装材料で従来の脱
酸素剤包装体をさらに二重に包装してもよい。あるいは
導電性の層を有する脱酸素剤包装体を、さらに通気性包
装材料を用いて二重に包装してもよい。
また、導電性の層を有する包装材料を脱酸素剤包装体の
袋の片面のみに使用し、他方の面に従来用いられていた
微多孔膜などの耐水性包装材料を使用することも可能で
ある。ただし、この場合はマイクロ波が導電性の層を有
する包装材料を用いた面から当たるように使用する必要
がある。
このような導電性の層を含む包装材料としては、種々の
ものが考えられるが、例として以下のものがあげられ
る。ここで、導電性の層はアルミ箔として表示してい
る。
(1) 裏面に商標などの印刷を施したポリエステル、
アルミ箔、ポリエチレンをこの順に積層接着したもの。
(2) 裏面に商標などの印刷を施したポリエステル、
アルミ箔、ポリエチレン、洋紙、ポリエチレンをこの順
に積層接着したもの。
(3) 裏面に商標などの印刷を施したポリエステル、
ポリエチレン、和紙、ポリエチレン、アルミ箔、EVA
(エチレン酢酸ビニル共重合体、以下同じ)をこの順に
積層接着したもの。
(4) 裏面に商標などの印刷を施したポリエステル、
ポリエチレン、和紙、ポリエチレン、アルミ箔、EVAを
この順に積層接着したもの。
(5) 表面に商標などの印刷を施したアルミ箔とポリ
エチレンを積層接着したもの。
(6) 表面に印刷を施した耐油紙、ポリエチレン、ア
ルミ箔、EVAをこの順に積層接着したもの。
また、これらの包装材料を積層接着する方法としては、
ドライラミネート、押出しラミネート、熱圧着ラミネー
ト、ホツトメルトラミネート等種々の方法を採用するこ
とが出来る。
さらに、ポリエチレン、EVA等はフイルムとしてドライ
ラミネート、熱圧着ラミネートしてもよく、押出しラミ
ネート時にフイルムとして接着してもよい。
好ましくは、包装材料の最外層は、商標などの印刷を裏
印刷しても表面から目視できるとともに、印刷インキと
食品等との直接接触を防止して安全衛生性を確保すると
いう観点から、透明なプラスチツクフイルムを使用する
のがよい。
なお上記の例示以外にも種々の構成の包装材料が採用し
得ることはいうまでもない。
次に、本発明において包装材料に通気性を付与する態様
を図面を参照しながら説明する。
まず第1図に示す態様において、符号10で示す包装材料
は、ポリエステルなどの外側フイルム層12、アルミ箔な
どの導電性層14、ポリエチレンなどの接着用フイルム層
16、紙などの通気性層18、ポリエチレンなどの熱シール
用フイルム層20を積層することにより構成されており、
この包装材料10を2枚前記熱シール用フイルム層20が重
なるように重ね合わせ、その周縁部のみを熱シールする
ことにより脱酸素剤22を収納する包装体が構成される。
前記熱シール用フイルム層20には予め通気孔24が互いに
適宜間隔をおいて複数設けられる。この最も内側の熱シ
ール用フイルム層20を除く外側の積層には、冷針、熱
針、打ち抜きなどで複数の小孔26を穿設し、これをフイ
ルム層20に接着する。なお、フイルム層20に通気孔24を
穿設する場合には、フイルム層20以外の外側の積層をフ
イルム層20に接着した後に冷針、熱針等で通気孔24を穿
設することも可能である。また通気性層18はそれ自体が
通気性を有しているため、小孔26を必ずしも穿設する必
要はない。
これら通気孔24および小孔26により脱酸素剤22に対する
通気性が備えられる。
第2図に示す第2の態様は、第1の態様と異なり、外側
フイルム層12、導電性層14、熱シール用フイルム層16か
らなる第1の包装材料28と、通気性層18、熱シール用フ
イルム層20からなる第2の包装材料30とを分離して設
け、この第1の包装材料28と第2の包装材料30との間は
接着せずに空隙32を残した状態でその周縁部のみを熱シ
ールしている。また通気性層18には小孔26が形成されて
いない。
第3図に示す第3の態様は、脱酸素剤22を従来の包装材
料、例えば紙と有孔ポリエチレンフイルムを積層接着し
た包装材料34によつて包装し、この包装材料34をさらに
前記外側フイルム層12、導電性層14、熱シール用フイル
ム層16からなる第1の包装材料28によつて包装したもの
である。
これら3つの態様はあくまでも例示であり、その他の態
様が考えられることはいうまでもない。また、包装材料
の厚さは自動充填包装機の適性上20〜300μが好まし
く、20〜200μがさらに好ましい。なお包装材料の通気
性は、穿設する小孔の径、数、紙の材質などにより自由
に調節することができる。導電性層14はマイクロ波の遮
蔽効果を奏するため、そこに穿設される孔の大きさはそ
の長径が0.02〜3mmの範囲で、また開孔率(孔の合計面
積/袋の全面積)は30%以下の範囲で選択されるのがよ
い。
本発明における包装材料に通気性を付与する方法として
は、一般に実践されている打抜き、冷針、熱針による開
孔等の他、種々の方法が採用できる。これらの方法の中
でアルミ箔のような導電性層に通気性を付与する場合に
は、外側フイルム層および熱シール用フイルム層とラミ
ネート後、鋭角の先端を有する冷針、熱針等で小孔を穿
孔することが好ましい。これは、アルミ箔等は従来、脱
酸素剤用包装材料に用いられていたプラチツクフイルム
に比べ耐熱性が大きく、熱凸ロール等での熱溶融開孔は
困難であるからである。さらに、アルミ箔に予め冷針、
熱針等で小孔を穿設した場合、凹凸ができ易く、他フイ
ルムとの積層が困難となり、かつラミネート時に小孔が
塞がれ易い。従つて、他フイルム素材とアルミ箔を積層
接着した後、小孔を穿設することが好ましい。
次に本発明において、脱酸素剤すなわち酸素吸収剤とし
ては、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、亜二チオン酸塩、第一
鉄塩、ヒドロキノン、カテコール、レゾルシン、ピロガ
ロール、没食子酸、ロンガリツト、アスコルビン酸およ
び/またはその塩、イソアスコルビン酸および/または
その塩、ソルボース、グルコース、リグニン、ジブチル
ヒドロキシトルエンまたはブチルヒドロキシアニソール
等を含有する脱酸素剤、あるいは鉄粉などの金属粉を含
有する脱酸素剤、さらには、酸素ガス発生型脱酸素剤ま
たは炭酸ガス吸収型脱酸素剤等が用いられる。これらの
脱酸素剤のうち好ましくは、アスコルビン酸および/ま
たはその塩、もしくは鉄粉などの金属粉を含有する脱酸
素剤が用いられる。
本発明において、容器としては酸素透過度が200ml/m2.2
4hr.atm以下、好ましくは100ml/m2.24hr.atm以下の材料
からなるものから作られ、完全に密封可能であれば、そ
の形態にかかわらず使用することができる。本発明に使
用される最も簡単な容器は、たとえば、KON/PE(ポリ塩
化ビニリデンコートナイロン/ポリエチレン)、KOP/PE
(ポリ塩化ビニリデンコートポリプロピレン/ポリエチ
レン)もしくはKPET/PE(ポリ塩化ビニリデンコートポ
リエチレンテレフタレート/ポリエチレン)等で例示さ
れる各種ポリ塩化ビニリデンコート積層フイルム、エバ
ール(商品名、(株)クラレ製)等の積層フイルムなど
から作られた袋であり、密封は通常ヒートシールにより
行なわれる。
なお本発明では、容器として、マイクロ波を透過しにく
い材質から作られたもの、たとえばアルミ蒸着フイル
ム、アルミ箔をラミネートした積層フイルム等から作ら
れたものは、容器内に収納された冷凍食品がマイクロ波
照射時に加熱、解凍されにくいため好ましくない。
本発明により冷凍保存する食品としては、マイクロ波照
射による加熱、解凍を有効に行なうため、水分含有率8
%以上の食品が挙げられる。
また、適用される具体的な食品としては、米、麦、豆、
玄そば等で例示される雑穀類やきとり、ハンバーグ、ナ
ゲツト、コロツケ、アメリカンドツグ、一口カツ等の炒
めもの、各種フライものやハム、ソーセージ等で例示さ
れる食肉加工品類、魚の焼きもの、フライもの、蒸しも
の、包み焼き等やかまぼこ、ちくわ等で例示される水産
加工品類ないしは水産ねり製品類、ギヨウザ、シユウマ
イ等の蒸しもの類、万頭、どら焼、棹菓子、甘納豆等で
例示される和菓子類、ケーキ、シユークリーム、カステ
ラ、バームクーヘン、パンケーキ等で例示される洋菓子
類、赤飯、チヤーハン、まぜご飯等で例示される米麦加
工品類、ゆでうどん、ゆでそば、生そば、生うどん、焼
そば、スパゲツテイ、焼うどん等で例示される各種麺
類、珍味類、昆布、わかめなどの海藻類、総菜類、豆
腐、納豆、魚肉類、蓄肉類、味噌、切餅、さらには上記
例示した食品を用いたレトルト食品等の他、脱酸素剤併
用の冷凍保存が有効で、かつ、マイクロ波による加熱、
解凍が有効な食品が挙げられる。これらの食品の中で、
フライもの、蒸しもの、米飯加工品、麺類、魚肉類、蓄
肉類、魚肉加工品、蓄肉加工品、和洋菓子類には特に本
発明による冷凍保存および解凍方法が有効である。
冷凍保存は食品の微生物や酵素による品質低下、でんぷ
んの老化防止等には有効であり、脱酸素剤保存技術の欠
点を補うことができ、本発明による方法との組合せは非
常に意義が大きい。
本発明による食品の冷凍保存および解凍方法を実施する
場合の方法を例示すれば以下のとおりである。
すなわち、前記食品と前記脱酸素剤包装体とを酸素透過
度200ml/m2.24hr.atm以下の材料からなる容器内に収納
後、密封し、冷凍保存する。冷凍保存後、食品メーカー
の出荷段階、流通段階もしくは販売段階でマイクロ波照
射されるか、または消費者が購入後、家庭の電子レンジ
でマイクロ波照射され、加熱、解凍される。
なお、本発明において冷凍保存とは0℃以下にて保存す
ることを意味し、冷凍方法は通常の包装冷凍食品で用い
られる冷凍が用いられ、冷凍された食品を脱酸素剤包装
体とともに前記容器に収納、密封してもよいが、食品と
脱酸素剤包装体とを前記容器に収納し密封した後、冷凍
するのが一般的である。
また、本発明の方法により加熱、解凍された食品は、さ
らにマイクロ波照射することにより調理することもでき
る。特に予備調理された冷凍食品は家庭で電子レンジに
より解凍後、さらに引き続き電子レンジにより再加熱し
て加熱調理されて食卓に供されることが多く、本発明に
よる冷凍保存および解凍方法を有効に利用できる。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。
実施例1(導電性の層を有する脱酸素剤包装体の製造) 裏に文字印刷と白ベタ印刷各一色を施した厚さ12μのポ
リエチレンテレフタレートフイルムと厚さ9μのアルミ
箔をドライラミネートし、積層シート1を得た。
次に、積層シート1のアルミ箔側と耐油加工を施した坪
量40g/m2の純白ロール紙の間に15μのポルエチレンを押
出しラミネートして積層したシート(A)を得た。
このシート(A)に孔径が0.2mmである孔を縦横5mm間隔
に分布させて穿設した。(開孔率0.12%) これに厚さ30μのポリエチレンをラミネートした後、こ
のポリエチレン層に針で縦2.5mm間隔、横1.5mmの間隔で
孔径0.2mmの小孔を穿設して通気性(開孔率0.83%)を
有する熱シール用フイルムを具備し、巾が100mmの導電
性の層を有する積層包装材料を用意した。
この包装材料を三方シール自動充填包装機へ導き、熱シ
ール用フイルムの内側に鉄系脱酸素剤を3.0gずつ充填し
つつ、外側フイルム側よりバーヒーターにてシールし、
切断して寸法が50×50mmの通気性脱酸素剤包装体を得
た。
比較例1として、上記積層シート1の代わりにアルミ箔
を用いず、ポリエチレンテレフタレートフイルムと耐油
加工を施した坪量40g/m2の純白ロール紙の間に15μのポ
リエチレンを押出しラミネートして積層したシート
(A′)を得た。
以下、上記実施例と同方法で導電性の層を有しない積層
包装材料を用意して、鉄系脱酸素剤3.0gを充填して50×
50mmの脱酸素剤包装体を得た。
これらの脱酸素剤包装体を空気500ccと共にKOP/PE(ポ
リ塩化ビニリデンコートされたポリプロピレン/ポリエ
チレン)袋に密封し、25℃下に保存し、2日後の酸素濃
度を分析した。
次に、これらの脱酸素剤包装体が封入されたKOP/PE袋を
三菱電機製電子レンジ(周波数2450±50MHz、500W)で
5分間マイクロ波加熱を行ない、脱酸素剤包装体の外観
形状の変化を観察した。結果を表−1に示す。
実施例2 裏に文字印刷と白ベタ印刷各一色を施した厚さ12μのポ
リエチレンテレフタレートフイルムと厚さ9μのアルミ
箔をドライラミネートし、積層シート1を得た。
次に積層シート1のアルミ箔側へ、30μのポリエチレン
を押出しラミネートして積層したシート(A)を得た。
このシートに孔径が0.2mmの小孔を縦、横5mm間隔に分布
させて穿設し(開孔率0.12%)、通気性を付与した後、
幅140mmにスリツトした導電性の層を有する積層包装材
料(1)を用意した。
一方、純白紙(坪量50g/m2)と縦2.5mm間隔、横1.5mm間
隔で孔径0.2mmの小孔を穿設した有孔ポリエチレンフイ
ルムをラミネートした包装材料(2)を用意した。
この包装材料(2)を三方シール自動充填包装機へ導
き、鉄系脱酸素剤を3.0gずつ充填包装し、切断して50×
50mmの脱酸素剤包装体を得た。
さらに積層包装材料(1)を別の三方シール充填包装機
へ導き、この包装材料(2)からなる脱酸素剤用包装体
を積層包装材料(1)で二重包装して、70×70mmの導電
性の層を有する包装材料からなる脱酸素剤包装体を得
た。
比較例2として、上記積層シート1の代わりに、アルミ
箔を用いず、ポリエチレンテレフタレートフイルムと30
μのポリエチレンを押出し、ラミネートして積層したシ
ート(A′)を得た。このシート(A′)に、上記実施
例2と同方法で導電性の層を有しない積層包装材料
(3)を用意し、包装材料(2)を用いた脱酸素剤包装
体を二重包装して70×70mmの導電性の層を有しない包装
材料からなる脱酸素剤包装体を得た。
これらの脱酸素剤包装体を、食パン2枚と共に、KOP/PE
袋に密封し、−20℃で30日間保存し、袋内の酸素濃度を
分析した。
次に、これらの検体を三菱電機(株)製電子レンジ(周
波数2450±50MHz、500W)で5分間マイクロ波加熱し、
脱酸素剤包装体の外観形状の変化を観察し、また、袋内
の酸素濃度を分析した。結果を表−2に示す。
実施例3(万頭のマイクロ波による解凍) 実施例1で得られた積層包装材料を使用し、鉄系の脱酸
素剤4gを内部に充填した酸素吸収能力100mlの脱酸素剤
包装体を製造した。市販の温泉万頭6個(約170g)(紙
箱入)を上記脱酸素剤とともにKON(厚さ15μ)/PE(厚
さ70μ)製の袋(寸法200×220mm)に収納し、ヒートシ
ールにより密封した。その際、袋内の空気量は260mlで
あつた。この袋を室温で1日放置後、−20℃の冷凍庫に
保管した。5日後冷凍庫から出し、マイクロ波照射によ
り解凍した。マイクロ波照射は業務用のトンネル型のも
ので2分間行なつた。マイクロ波照射による脱酸素剤包
装体の外観および温泉万頭の解凍状態を観察した。さら
に、解凍後、25℃にて保存して10日後の温泉万頭の外観
を観察した。結果を表−3に示す。
(比較例3−1) 実施例3において、脱酸素剤包装体として、その積層包
装材料が実施例1で得られたものを用いる代りに実施例
1に対する比較例1で得られたものを用いる以外は実施
例3と同様の処理、試験を実施した。結果を比較例3−
1として表−3に実施例3と併せて示す。
(比較例3−2) 実施例3において、脱酸素剤包装体を用いない以外は実
施例3と同様の処理、試験を実施した。結果を比較例3
−2として表−3に実施例3と併せて示す。
表−3で明らかなように、マイクロ波を2分照射するこ
とで万頭の解凍は出来たが、比較例3−1ではマイクロ
波により脱酸素剤包装体の包材面が黒く焦げた。また脱
酸素剤包装体が接触している万頭の箱(ボール紙)の面
も焦げた。これに対し、本発明のもの(実施例3)は異
常なく、良好に解凍できた。また、脱酸素剤包装体を封
入しない検体である比較例3−2では解凍後の常温保存
時、かびが発生し、商品価値を失つた。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば水分含有率8%以
上の食品を脱酸素剤と共に封入、密封し、冷凍保存中の
変退色防止、油脂分の酸化防止、風味保持等を図ること
ができる。
また、食品製造者、流通業者もしくは販売者等は冷凍保
存することにより食品の酵素による品質劣化、でんぷん
の老化を防止しつつ、生産、在庫調整をして、短時間で
マイクロ波照射による加熱、解凍および解凍後の品温調
整、出荷が可能となり、しかも解凍後も脱酸素剤の効果
により品質保持ができる。
さらに消費者は、本発明に係る包装冷凍食品を購入後、
簡便に電子レンジでマイクロ波照射し、解凍することが
できる。さらに解凍された食品をマイクロ波照射して調
理に供することもできる。
また、本発明に用いられる脱酸素剤包装体では、包装材
料は脱酸素剤の酸素吸収機能を損なうことなくマイクロ
波の大部分を反射するので、食品その他の被加熱物また
は被殺菌物と一緒に包装された状態でマイクロ波が照射
されても、脱酸素剤がマイクロ波によつて加熱されるこ
とを防止でき、よつて脱酸素剤包装体が破裂してその中
の脱酸素剤が吐出するようなことを防止でき、従つてマ
イクロ波加熱に耐えうる脱酸素剤包装体を提供できると
いう優れた効果がある。
従つて、本発明によれば、食品と脱酸素剤を封入後、二
次汚染を防止しつつ、マイクロ波照射しても、脱酸素剤
がマイクロ波によつて加熱することを防止でき、よつて
脱酸素剤包装体が破袋してその中の脱酸素剤が吐出する
ようなこともなく安全衛生上も優れる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一態様を示す断面図、第2図は本発明
の第2態様を示す断面図、第3図は本発明の第3態様を
示す断面図である。 10……包装材料、14……導電性層 22……脱酸素剤、24……通気孔 26……小孔

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水分含有率8%以上の食品を、包装材料が
    導電性の層を有し通気性を備えている脱酸素剤包装体と
    ともに、酸素透過度200ml/m2・24hr・atm以下の材料か
    らなる容器内に収納、密封し、冷凍保存した後、マイク
    ロ波照射して解凍することを特徴とする食品の冷凍保存
    および解凍方法。
  2. 【請求項2】水分含有率8%以上の食品が予備調理され
    たものである特許請求の範囲第1項記載の食品の冷凍保
    存および解凍方法。
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