JPH0741854U - 複合天井用バー材及びそれに用いられるソケット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 バー材の組立てと電灯の取付け作業が同時に
連続して行なえる複合天井用バー材を提供する。 【構成】 バー材１の下面に、ソケット基部が長さ方向
にスライド可能に嵌合するソケット嵌合溝３を設け、バ
ー材１の上端に吊り金具Ｂを引掛ける爪６を設ける。吊
り下げたバー材１の上面に安定器を取付け、ソケット１
０をスライドさせてソケット嵌合溝３の底部に形成した
貫通孔の位置にセットし、貫通孔から引き出したソケッ
ト１０の配線を安定器に接続する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、吊り下げ支持したバー材により天井板を支える複合天井において 、電灯取付け用のバー材と、それに使用するソケットに関するものである。

【０００２】

【従来の技術及びその課題】

複合天井システムは、吊り金具で支持した複数のバー材で天井板を支え、照明 器具等を一体に組込むことにより、室内天井の美観の向上を図ったものである。

【０００３】 この複合天井用バー材は、上端に吊り金具を引掛けるための爪を設け、両側面 に天井板を受ける腕を備えており、吊り金具により所要の形状に組合せて天井の 骨組を形成し、そのバー材の間で天井板を支えるようになっている。

【０００４】 ところが、従来の複合天井では、電灯などの照明器具を取付ける場合、予め電 灯取付用のすき間をあけてバー材を組み立て、そのすき間に電灯を装着する方法 や、組立てたバー材に孔加工や溝加工を施し、その孔や溝に電灯のソケット装着 や配線作業を行なうようにしている。

【０００５】 このため、従来の天井の組立てにおいては、バー材や天井板の組立て作業と電 灯取付け作業とを別々に行なう必要があり、バー材等を組立てた後に別の作業者 が電灯の取付けを行なう必要があるため、作業に手間がかかり、作業効率が悪い 欠点があった。

【０００６】 この考案は、上記の問題を解決するためになされたもので、その第１の目的は 、バー材と電灯の取付け作業が同時にでき、複合天井における電灯の装着が簡単 に行なえるバー材を提供することである。

【０００７】 また、第２の目的は、上記バー材にワンタッチで装着することができるソケッ トを提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するため、この考案のバー材は、吊り金具によって支持され 、両側面に突出した腕により天井板を支える複合天井用バー材であって、下面に 、電灯のソケット基部が長さ方向にスライド可能に嵌合するソケット嵌合溝を設 け、このソケット嵌合溝の両側にソケット基部の両側面の溝に嵌合するリブを設 け、上面の長さ方向全長にわたって、吊り金具を引掛けるための爪と、電灯の安 定器を水平に載置する載置面を設けたのである。

【０００９】 また、この考案のソケットは、ソケット基部の一方の側面をソケット嵌合溝の リブ間隔より小さい幅で形成し、その側面と直向する方向の側面を上記リブ間隔 より大きい幅で形成し、この大きい幅の側面にリブ間隔より小さい幅の円弧状溝 を設け、基部の上面に、配線を引き出すための突起を設けたのである。

【００１０】

【作用】

上記のバー材においては、バー材の上面に安定器を取付け、そのバー材の爪に 吊り金具を引掛けて吊下げ、ソケット嵌合溝の底部に、電灯装着に必要なソケッ ト間距離で貫通孔を形成する。次に、ソケット嵌合溝に嵌合させたソケットを長 さ方向にスライドさせて貫通孔の位置にセットし、そのソケットの配線を貫通孔 からバー材の上面側に引き出して、安定器に接続する。

【００１１】 また、上記のソケットでは、小さい幅の側面をリブ側に向けてソケット嵌合溝 に挿入し、円弧状溝とリブが一致する位置でソケットを９０°回転し、大きい幅 の側面をリブに向かうようにすると、ソケットがリブにより抜け止めされる。こ のとき、ソケット嵌合溝の底部に設けた貫通孔にソケット基部上面の突起が嵌合 するように取付けると、ソケットは突起とリブにより水平方向と上下方向に位置 決めされる。

【００１２】

【実施例】

図１乃至図４は、この考案の第１の実施例を示している。 実施例のバー材１は、断面形状が略Ｈ字形に形成され、両側面の下部に、天井 板Ａを支えるための腕２、２が突出している。

【００１３】 バー材１の下面には、長さ方向全体にわたり、電灯のソケット基部１１がスラ イド可能に嵌合するソケット嵌合溝３が設けられている。そのソケット嵌合溝３ の両側面には、長さ方向にリブ４、４が形成され、このリブ４、４がソケット基 部１１の両側面に設けた溝１２に嵌合し、ソケット１０の抜け落ちを防止するよ うになっている。

【００１４】 バー材１の上面には、両側面に沿って一対の脚５、５が突出しており、その各 脚５、５の上端部に、それぞれ吊り金具Ｂのクリップを引掛けるための爪６、６ が長さ方向全長にわたって形成されている。

【００１５】 また、上記両脚５、５の上端には全長にわたり平坦な載置面７、７が形成され 、この載置面７、７上に電灯の安定器（トランス）１３が水平にセットされるよ うになっている。なお、この場合、図３及び図４に示すように、安定器１３の下 面両側に両脚５、５の間に嵌まり込む位置決め金具１４を取付けておけば、安定 器１３をバー材１に安定してセットすることができる。

【００１６】 実施例のバー材は上記のような構造であり、組立て作業は、先ず、バー材１に おいて電灯を装着しようとする位置の上面の載置面７に安定器１３をセットし、 そのバー材１上端の爪６、６に吊り金具Ｂを引掛け、バー材１を吊り下げ支持す る。

【００１７】 次に、バー材１のソケット嵌合溝３の底部に、電灯装着に必要なソケット間距 離で貫通孔８を形成し、ソケット嵌合溝３に嵌合させたソケット１０を長さ方向 にスライドさせて貫通孔８の位置にセットする。

【００１８】 ついで、ソケット１０から出る配線１５を貫通孔８からバー材１の上面に引き 出し、それを安定器１３に接続して作業を終了する。

【００１９】 このように実施例のバー材を使用すると、バー材１の組立てと、ソケット取付 けや安定器への配線作業とを同時に行なえるので、同じ作業者が短時間で連続し て両方の作業を行なうことができる。

【００２０】 図５は第２の実施例を示し、この例では、両脚５、５の間隔を左右に拡大し、 各脚５、５とソケット嵌合溝３の間に補強用リブ９、９を設けている。

【００２１】 また、ソケット嵌合溝３の上部をバー材１上面より突出させ、その嵌合溝３の 上面を安定器の載置面７としている。

【００２２】 なお、他の構造は第１の実施例と同じであるため、同一の部分には同一の符号 を付し、その説明を省略する。

【００２３】 一方、図６乃至図８は第３の実施例を示している。 この例においては、ソケット基部２１の一方の側面２１ａの幅ｔ₁ を、バー材 １のソケット嵌合溝３におけるリブ４、４間の間隔Ｘよりも小さく（ｔ₁ ＜Ｘ） 形成し、その側面２１ａに対して直角方向の側面２１ｂの幅ｔ₂ を、上記リブ間 の間隔Ｘよりも大きく（Ｘ＜ｔ₂ ）形成している。

【００２４】 また、上記大きい幅の側面２１ｂにおいて基部上面２２から若干下側の位置に 、上記リブ４、４間の間隔Ｘよりも幅の小さい円弧状溝２３、２３を形成してい る。

【００２５】 さらに、基部上面２２の中央部に円筒状の突起２４を設け、その突起２４の上 部から配線２５を引き出している。

【００２６】 上記の構造で成るソケット２０においては、バー材１のソケット嵌合溝３の底 部に必要な間隔で貫通孔８を形成し、その貫通孔８の位置にソケット基部２１の 突起２４を一致させた状態で、小さい幅の側面２１ａをリブ４、４側に向けてソ ケット基部２１をソケット嵌合溝３に挿入する。

【００２７】 そして、円弧状溝２３、２３とリブ４、４が一致する位置でソケット２０を９ ０°回転させ、大きい幅の側面２１ｂをリブ４、４に向かい合うようにすると、 大きい幅の側面２１ｂの上端部がリブ４、４に干渉し、ソケット２０が抜け止め される。

【００２８】 このように抜け止めした状態では、リブ４、４がソケット２０を上下方向と横 方向に位置決めし、貫通孔８に嵌合した突起２４がソケット２０を長さ方向に位 置決めするため、ソケット２０は１回の挿入操作で確実に位置決めすることがで きる。

【００２９】

【効果】

以上のように、この考案の複合天井用バー材は、バー材の取付けと同時にソケ ット取付けや配線作業を行なえるので、同じ作業者がバー材の組立てと電灯の取 付け作業とを連続して行なうことができ、複合天井組立ての作業能率を大きく向 上させることができる。

【００３０】 また、この考案のソケットは、バー材のソケット嵌合溝にソケット基部を挿入 するだけで定位置にセットできるので、ソケットの取付け作業を大幅に簡略化で きる利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１の実施例を示す縦断面図

【図２】同上のバー材を示す斜視図

【図３】同上のバー材への安定器のセット方法を示す斜
視図

【図４】同上のバー材に電灯を装着した状態を示す一部
切欠き側面図

【図５】第２の実施例を示す縦断面図

【図６】第３の実施例のソケットを示す斜視図

【図７】同上のソケットをバー材に取付けた状態で示す
縦断面図

【図８】図７のVIII−VIII線の断面図

【符号の説明】

１ バー材 ２ 腕 ３ ソケット嵌合溝 ４ リブ ６ 爪 ７ 載置面 ８ 貫通孔 １０、２０ ソケット １１、２１ ソケット基部 １３ 安定器 １５、２５ 配線 ２３ 円弧状溝 ２４ 突起 Ａ 天井板 Ｂ 吊り金具

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 吊り金具によって支持され、両側面に突
   出した腕により天井板を支える複合天井用バー材であっ
   て、下面に、電灯のソケット基部が長さ方向にスライド
   可能に嵌合するソケット嵌合溝を設け、このソケット嵌
   合溝の両側にソケット基部の両側面の溝に嵌合するリブ
   を設け、上面の長さ方向全長にわたって、吊り金具を引
   掛けるための爪と、電灯の安定器を水平に載置する載置
   面を設けた複合天井用バー材。
2. 【請求項２】 ソケット基部の一方の側面を上記ソケッ
   ト嵌合溝のリブ間隔より小さい幅で形成し、その側面と
   直向する方向の側面を上記リブ間隔より大きい幅で形成
   し、この大きい幅の側面に上記リブ間隔より小さい幅の
   円弧状溝を設け、上記基部の上面に、配線を引き出すた
   めの突起を設けたバー材用ソケット。