JPH0741703B2 - 熱成形性とバリヤー性を有するプラスチックシート - Google Patents

熱成形性とバリヤー性を有するプラスチックシート

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JPH0741703B2
JPH0741703B2 JP62269396A JP26939687A JPH0741703B2 JP H0741703 B2 JPH0741703 B2 JP H0741703B2 JP 62269396 A JP62269396 A JP 62269396A JP 26939687 A JP26939687 A JP 26939687A JP H0741703 B2 JPH0741703 B2 JP H0741703B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、長期間の品質保持が要求される医薬品や食料
品等の包装材、特に医薬品のPTP包装材として用いられ
る熱成形性とバリヤー性を有するプラスチックシートに
関する。更に詳しくは、酸素等のガスや水蒸気の透過を
遮断するバリヤー層として塩化ビニリデン系共重合体層
を有し、かつ包装に適した所望の形状を熱成形で賦形し
得るプラスチックシートに関する。
[従来の技術] 従来、熱成形性とバリヤー性を有するプラスチックシー
トとしては、次に示すような層構成のものが知られてい
る。
(1)特公昭49−24587号 HP/PVDC/PE/PVDC/HP HP:硬質プラスチック(例えば硬質塩化ビニル樹脂) PVDC:塩化ビニリデン系共重合体樹脂 PE:ポリエチレン (2)特開昭61−268444号 PVC/PE/PVC/PVDC/PE/PVDC/PVC/PE/PVC PVC:硬質塩化ビニル樹脂 上記プラスチックシートは、PVC等のHP層によって良好
な熱成形性がもたらされると共に、内側のPVDC層によっ
てバリヤー性がもたらされるものである。
一方、上記のようなプラスチックシートにおけるPVDC層
は、PVDCエマルジョンの塗布乾燥を繰り返すことによっ
て所望の厚さに形成されるもので、良好なバリヤー性は
もとより、隣接層との接着性及び印刷性等に優れている
ことが要求される。そして、このような要求を満たすPV
DC層を形成できるPVDCエマルジョンとして、主成分とし
ての塩化ビニリデンと、メタクリル酸と、アクリロニト
リル及び/又はメタクリル酸メチルとを乳化共重合して
得られる水分散体であって、この水分散体は、樹脂固形
分に対し87〜93モル%の塩化ビニリデンユニットを有
し、アクリロニトリルとメタクリル酸メチルユニット
は、アクリロニトリル対メタクリル酸メチルがモル比で
0以上1以下となるよう含有し、1×10-4〜3×10-4
ル/g固形分のメタクリル酸ユニットを含有し、かつ1/20
規定の水酸化ナトリウム水溶液によって滴定されるメタ
クリル酸を、1.3×10-4モル/g固形分以下で前記メタク
リル酸ユニットの全メタクリル酸量の50%以下の量しか
含まないPVDC水分散体が知られている(特公昭60−5305
5号)。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、上記PVDC水分散体の塗布乾燥によって形
成されたPVDC層を有するプラスチックシートとすると、
このPVDC層が耐光性に劣るため、比較的短期間で黄褐色
化して外観が低下するだけでなく、PVDC層の脆弱化に伴
って亀裂が発生し、バリヤー性が低下してしまう問題が
ある。
[問題点を解決するための手段] 上記問題点を解決するために本発明で講じられた手段を
説明すると、本発明は、 外表層がHP層、その内側に前記特公昭60−53055号に示
される水分散体を塗布乾燥させたPVDC層を有するプラス
チックシートであって、 PVDC層より外表層側の90%吸収波長端が450〜630mμ
で、かつ全体の光線透過率が5〜65%である熱成形性と
バリヤー性を有するプラスチックシートとするという手
段を講じているものである。
更に本発明を説明する。
本発明において外表層とは、包装体としたときに外表面
となる層をいう。
本発明のプラスチックシートは、上記外表層にHP層が存
在すれば足るが、良好な熱成形性を得る上で、包装体と
したときに内表面となる内表層もHP層であることが好ま
しい。外表層となるHP層の厚みは、良好な熱成形性を得
る上で、50〜350μであることが好ましい。
上記HP層の構成材料としては、例えばPVCシート、ポリ
スチレンシート、無延伸ポリプロピレンシート、セルロ
ーズアセテートシート、ポリカーボネートシート、無延
伸高密度ポリエチレンシート等を挙げることができる。
本発明においてHP層である外表層の内側に設けられるPV
DC層は、外表層より内側(包装体としたときの内表層寄
り)であれば、外表層と相隣接している必要はなく、外
表層とPVDC層との間に他の層が介在していてもよい。
上記PVDC層は、特公昭60−53055号公報に示されるPVDC
水分散体を塗布乾燥することによって形成されるもので
ある。即ち、主成分としての塩化ビニリデンと、メタク
リル酸と、アクリロニトリル及び/又はメタクリル酸メ
チルとを乳化共重合して得られる水分散体であって、こ
の水分散体は、樹脂固形分に対し87〜93モル%の塩化ビ
ニリデンユニットを有し、アクリロニトリルとメタクリ
ル酸ユニットは、アクリロニトリル対メタクリル酸メチ
ルがモル比で0以上1以下となるよう含有し、1×10-4
〜3×10-4モル/g固形分のメタクリル酸ユニットを含有
し、かつ1/20規定の水酸化ナトリウム水溶液によって滴
定されるメタクリル酸を、1.3×10-4モル/g固形分以下
で、前記メタクリル酸ユニットの全メタクリル酸量の50
%以下の量しか含まないPVDC水分散体を塗布乾燥させる
ことによって形成されるものである。
上記PVDC水分散体の調整の際に用いる乳化剤、重合開始
剤、界面活性剤等の種類は特に問わない。しかし、乾燥
塗膜中に多量に残存すると、バリヤー性が低下するの
で、その使用量はできるだけ少ない方が好ましく、乳化
重合に続いて透析処理を行い、可能な限り除去すること
が好ましい。
PVDC水分散体の塗布は、PVDC層と隣接させるべき層上
に、エアナイフコート法、グラビアコート法、スムージ
ングコート法、ロールコート法等で行われる。
PVDC水分散体の塗布後は、水分を蒸発させ、PVDCの結晶
化を進行させるために乾燥させる必要がある。コーター
の乾燥温度としては、被塗布側のプラスチックシートが
熱による変形を起こさない温度範囲が選ばれる。一方乾
燥温度が低過ぎるとPVDC水分散体の乾燥が十分になされ
ないため、PVDCの結晶化が十分進行せず、良好なバリヤ
ー性が得られなくなる。これらの条件を満たすために
は、90〜150℃の温度で乾燥を行うことが好ましい。
上述のようにして形成されるPVDC層の厚みは、10〜100
μであることが好ましい。厚みが10μ未満では十分なバ
リヤー性が得にくく、100μを越えると、前記PVDC水分
散体の塗布乾燥回数が増大して製造効率が低下し、また
さほどバリヤー性の向上は望めない。
本発明においては、PVDC層より外表層側の90%吸収波長
端が450〜630mμ、好ましくは480〜580mμであることが
必要である。これは、高い波長側の光の透過を許容する
ことによって透視性を維持すると共に、PVDC層を劣化さ
せやすい低波長側の光を遮断して、PVDC層を光劣化から
保護するためのもので、次のようにして調整することが
できる。
第一の調整方法は、外表層となるHP層に着色剤及び紫外
線吸収剤を添加することである。この着色剤としては、
例えばアゾレーキ、不溶性アゾ、縮合型ポリアゾ等のア
ゾ系顔料や、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、
キナクリドン系顔料の黄色及び赤色の有機顔料が挙げら
れる。また、紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェ
ノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系
等の紫外線吸収剤が挙げられる。
上記HP層における着色剤の添加量は、前記90%吸収波長
端と、後述する本プラスチックフィルム全体の光線透過
率とを満足するよう定めるが、通常は0.1〜5重量%程
度である。また、外表層となるHP層とPVDC層との間に他
のプラスチック層を介在させる場合、このプラスチック
層に着色剤を添加することもできる。
第二の調整方法は、外表層となるHP層に印刷を施し、こ
の印刷層によって所期の90%吸収波長端を得ることであ
る。印刷は、印刷層の剥離を防止する上で、HP層の内面
に施すことが好ましい。また、外表層となるHP層とPVDC
層との間に他のプラスチック層を介在させる場合、この
プラスチック層に対して印刷を施すこともできる。
本プラスチックシートは、全体の光線透過率が5〜65
%、好ましくは8〜58%であることが必要である。光線
透過率が低過ぎると、包装体としたときに、本プラスチ
ックシートを通して内容物を見ることができなくなり、
包装材としての利用価値が失われる。逆に光線透過率が
高過ぎると、前記した90%吸収波長端を満足させにく
く、光劣化からの有効なPVDC層の保護を図れなくなる。
上記光線透過率と前記90%吸収波長端を満足させる上
で、着色剤を添加する層以外のプラスチック層は透明で
あることが好ましい。
本プラスチックシートは、外表層にHP層、このHP層より
内側にPVDC層が位置していれば、HP層とPVDC層間や、PV
DC層より更に内側に他のプラスチック層が設けられてい
てもよい。好ましい層構成としては、例えばPVC/PVDC/P
E/PVDC/PVC、PVC/PVDC/PE/PVC、PVC/PE/PVC/PVDC/PE/PV
DC/PVC/PE/PVC等を挙げることができる。
各層間の接着力を高めるため、層間にアンカーコート剤
を用いることもできる。アンカーコート剤としては、例
えばアルキルチタネート系、ポリイソシアネート系、ポ
リアルキレンイミン系等のアンカーコート剤(AC剤)が
挙げられる。
PVC/PVDCの界面にはイソシアネート系のアンカーコート
剤が好ましく、また、PVDC又はPVC/PEの界面にはポリア
ルキレンイミン系、特にポリエチレンイミン系のアンカ
ーコート剤が好ましい。
本プラスチックシートは、例えばPTP包装材として好適
に利用されるものである。
第1図は、本プラスチックシートを用いたPTP包装体の
縦断面図で、図中1は本プラスチックシート、2は金属
箔、3は医薬品等の被包装物である。
本プラスチックシート1は、硬質プラスチック層を外側
にして、被包装物3の収容部が熱成形されており、そこ
に被包装物3を収容した状態で金属箔2に融着されてい
る。本プラスチックシート1の熱成形は、本プラスチッ
クシート1の外表層側を成形型に押し付けて行われるも
ので、このとき外表層たる硬質プラスチック層は、本プ
ラスチックシート1が成形型に融着してしまうのを防ぎ
やすくする役割をなす。また、本プラスチックシート1
と金属箔2との融着を容易にするため、本プラスチック
シート1の内表層と金属箔2の上面は、シーラント層と
しておくことが好ましい。
PTP包装体は、第1図左側に示すように、上方より押圧
して、金属箔2を押し破って被包装物3を取出すもの
で、下面は金属箔2により、また上面は本プラスチック
シート1により十分なバリヤー性が保たれ、かつ本プラ
スチックシート1を介して被包装物3を目視により確認
できるものである。
[作用] 本発明は、本発明におけるPVDC層が、バリヤー層として
優れた性質を有するのに反し、耐光性に劣り、外表層た
るHP層に通常の紫外線吸収剤を添加しても十分な光劣化
を防止できないことを見出した結果なされたものであ
る。即ち、本発明によれば、PVDC層より外表層側のプラ
スチック層への着色剤の添加や印刷層の形成等によっ
て、PVDC層を劣化させやすい波長の光を確実に遮断し、
PVDC層の光劣化を防止することができる。また、全体の
光線透過率を5〜65%に保つことにより、包装体とした
ときの内容物の透視性を維持することができるものであ
る。
[実施例] 次に本発明を実施例と比較例で説明する。
まず、実施例と比較例において測定した測定値の測定方
法と使用器械、及び実施例と比較例で使用したPVDC水分
散体を説明する。
(1)WVTR 測定方法 JIS Z 0208 使用器械 タバイ(TABAI)社製ラボスター ヒューミディティ キャビネット (Laboster Humidity Cabinet)「LH−11」 (2)光線透過率 測定方法 JIS K 6714 使用器械 日本電色工業社製ヘイズメーター (Haze Meter)「NDH−2B」 (3)90%吸収波長端 測定方法 紫外可視分光光度計による測定 使用器械 日立製作所社製スペクトロフォトメーター (Spectrophotometer)「124」 (4)色調変化 測定方法 フェードメーターで紫外線を照射 して色差計で測定 使用器械 東洋理化社製フェードメーター「FA−2型」 ミノルタ社製色差計「C光源」 (5)実施例1〜3と比較例2及び4で用いたPVDC水分
散体(試作PVDC水分散体) 塩化ビニリデン92.14重量部、メタクリル酸メチル7.86
重量部(合計100重量部)に対しメタクリル酸1.98重量
部を加えた単量体プレミックスを調合した。
上記単量体プレミックスのうちの10重量%を、ガラスラ
イニングを施した鉄製耐圧反応容器中に準備しておいた
脱イオン水90重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソー
ダ0.08重量部、過硫酸ソーダ0.05重量部からなる水相プ
レミックス中に添加し、密封かきまぜ下に55℃に保ち、
過硫酸ソーダ0.05重量部の稀薄水溶液をおよそ18時間で
添加が終了する速度にて連続添加を続けた。
反応器内圧の変化の監視にて、仕込んだ単量体の概ね全
部の重合が進行したと認められた時点で、ラウリル硫酸
ソーダ0.65重量部の水溶液を反応器内に注入し、引続き
単量体プレミックスの残部(すなわち90重量%)を15時
間で添加し終る速度で連続添加した。なおこの間、過硫
酸ソーダ水溶液は、引続き連続添加され、単量体プレミ
ックスの添加を終了すると同時にその添加も停止した。
その後引続き55℃に保ち反応器内圧が十分に低くなるま
で反応を進行せしめ水分散体を得た。この水分散体にラ
ウリル硫酸ソーダを添加し、空気との界面張力が20℃で
42dyne/cmとなる様調合した後、毎時0.4重量%にあたる
水蒸気を吹き込み、しかも水分散体の温度が60℃に保た
れる様減圧を保つことで未反応のまま残存した単量体の
除去に努め、残留する未反応塩化ビニリデンの量を水分
散体あたり10ppm以下とした。
しかる後にセルロース系半透膜を用い、純水との間で透
析処理を行ない、透析可能な親水性物質の可能な限りの
除去に努め、比電導度が2.5×10-3Ωcm-1以下となるま
で処理してPVDC水分散体を得た。
(6)比較例1及び3で用いたPVDC水分散体(市販PVDC
水分散体) 旭化成工業株式会社製 「サランラテックスL−509」 実施例1 下記組成物をヘンシェルミキサーで混合し、混練機で予
備混練した後、カレンダー圧延法により、厚さ100μの
着色PVCシートを得た。
ベース PVC(重合度800) 100 重量部 Ca・Zn系安定剤 1.0 〃 エポキシ化大豆油 2.0 〃 滑剤(脂肪酸エステル系) 1.1 〃 紫外線吸収剤 0.2 〃 補強剤 10 〃 着色剤 アゾレーキ系赤色顔料 1.0 〃 不溶性アゾ系黄色顔料 0.8 〃 上記着色PVCシートについて90%吸収波長端を測定した
結果を第1表に示す。
上記着色PVCシートにグラビアコート法でイソシアネー
ト系のアンカーコート剤(日本ポリウレタン工業社製
「コロネートL」と東洋紡製「バイロン30−S」をその
まま重量比で12:2の割合で混合し、その混合物を更に酢
酸エチルで希釈して混合物として5重量%の溶液に調整
したもの)を塗布乾燥してから、前述の試作PVDC水分散
体をエアナイフコート法で、合計厚みが25μとなるよ
う、塗布乾燥を繰り返して巻き取り、着色PVCとPVDCの
積層シートのロールを2本作成した。
上記両ロールの積層シートのPVDC層面に、ポリエチレン
イミン系のアンカーコート剤をグラビアコート法で塗布
乾燥した後、このアンカーコート面間にT−ダイからPE
を厚み35μで押し出し、着色PVC/PVDC/PE/PVDC/着色PVC
の層構成のプラスチックシートを得た。
上記プラスチックシートについてWVTR、光線透過率、色
調変化を測定した結果を第1表に示す。
実施例2 着色剤を、アゾ系レーキ赤色顔料0.2重量部、アゾ系レ
ーキ黄色顔料0.4重量部とした他は実施例1と同様にし
て、厚さ230μの着色PVCシートを得た。
上記着色PVCシートについて90%吸収波長端を測定した
結果を第1表に示す。
上記着色PVCに、実施例1と同様にして厚さ15μのPVDC
を積層し、着色PVC/PVDCの層構成のプラスチックシート
を得た。
上記プラスチックシートについてWVTR、光線透過率、色
調変化を測定した結果を第1表に示す。
実施例3 着色剤を、アゾ系レーキ赤色顔料1.5重量部、不溶性ア
ゾ黄色顔料1.2重量部とした他は実施例1と同様にし
て、厚さ150μの着色PVCシートを得た。
上記着色PVCシートについて90%吸収波長端を測定した
結果を第1表に示す。
上記着色PVCに、実施例1と同様にして厚さ50μのPVDC
を積層した積層シートを作製すると共に、実施例1のベ
ースのみを用いた厚さ50μの透明PVCを作製し、両者間
に、実施例1と同様に、厚み35μでPEを押し出して、着
色PVC/PVDC/PE/透明PVCの層構成のプラスチックシート
を得た。
上記プラスチックフィルムについてWVTR、光線透過率、
色調変化を測定した結果を第1表に示す。
比較例1 着色剤を添加しないベースのみで作製した透明PVCシー
トを着色PVCシートの代りに使用し、かつ試作PVDC水分
散体の代りに市販PVDC水分散体を用いて50μの厚みにPV
DC層を形成した他は実施例1と同様にしてプラスチック
シートを作り、これについて測定を行った。結果を第1
表に示す。
比較例2 着色剤を添加しないベースのみで作製した透明PVCシー
トを着色PVCシートの代りに使用した他は試作PVDC水分
散体を使用して実施例1と同様にしてプラスチックシー
トを作り、これについて測定を行った。結果を第1表に
示す。
比較例3 着色剤を添加しないベースのみで作製した透明PVCシー
トを着色PVCシートの代りに使用し、かつ試作PVDC水分
散体の代りに市販PVDC水分散体を用いて30μの厚みにPV
DC層を形成した他は実施例2と同様にしてプラスチック
シートを作り、これについて測定を行った。結果を第1
表に示す。
比較例4 着色剤を添加しないベースのみで作製した透明PVCシー
トを着色PVCシートの代りに使用した他は試作PVDC水分
散体を使用して実施例2と同様にしてプラスチックシー
トを作り、これについて測定を行った。結果を第1表に
示す。
比較例1と2のWVTRの対比並びに比較例3と4のWVTRの
対比から明らかなように、試作PVDC水分散体を用いる
と、市販PVDC水分散体を用いた場合に比して、1/2のPVD
C層の厚みで、同水準のバリヤー性が得られる。しか
し、比較例1と2の色調変化の対比並びに比較例3と4
の色調変化の対比から明らかなように、上記優れたバリ
ヤー性を奏する試作PVDC水分散体によるPVDC層ではある
が、厚みが1/2であるにも拘らず、市販PVDC水分散体に
よるPVDC層に比して色調変化が著しく、大きな外観低下
となって表われて、PVDC層の光劣化が進行していること
が分る。
これに対して実施例1〜3においては、同じ試作PVDC水
分散体でPVDC層を形成しているにも拘らず、ほとんど色
調変化を生じておらず、著しく耐光性が向上しているこ
とが分る。
[発明の効果] 以上の説明から明らかなように、本発明によれば、得ら
れるPVDC層が耐光性に劣るために実用的な活用が困難で
あったPVDC水分散体に実用性を持たすことができ、この
PVDC水分散体から得られるPVDC層の長所を活用して、従
来の約1/2の塗布量で十分なバリヤー性を得ることによ
り、製造効率を大幅に向上させた上で、熱成形性とバリ
ヤー性を兼ね備えたプラスチックシートの提供を可能と
するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本プラスチックシートを用いたPTP包装体の縦
断面図である。 1:本プラスチックシート 2:金属箔 3:被包装物

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外表層が硬質プラスチック層、その内側に
    下記の水分散体を塗布乾燥させた塩化ビニリデン系共
    重合体層を有するプラスチックシートであって、下記
    の条件を満たすことを特徴とする熱成形性とバリヤー性
    を有するプラスチックシート。 主成分としての塩化ビニリデンと、メタクリル酸
    と、アクリロニトリル及び/又はメタクリル酸メチルと
    を乳化共重合して得られる水分散体であって、この水分
    散体は、樹脂固形分に対し87〜93モル%塩化ビニリデン
    ユニットを有し、アクリロニトリルとメタクリル酸メチ
    ルユニットは、アクリロニトリル対メタクリル酸メチル
    がモル比で0以上1以下となるよう含有し、1×10-4
    3×10-4モル/g固形分のメタクリル酸ユニットを含有
    し、かつ1/20規定の水酸化ナトリウム水溶液によって滴
    定されるメタクリル酸を、1.3×10-4モル/g固形分以下
    で前記メタクリル酸ユニットの全メタクリル酸量の50%
    以下の量しか含まない塩化ビニリデン系共重合体の水分
    散体。 塩化ビニリデン系共重合体層より外表層側の90%吸
    収波長端が450〜630mμで、かつ全体の光線透過率が5
    〜65%。
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