JPH0741534Y2 - トランスファプレスのクロスバー用アタッチメント装着装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、トランスファプレスの
ワーク搬送用フィードバー間に取り付けられるクロスバ
ーにワーク保持用アタッチメントを装着する装着装置に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、トランスファプレスはフィードバ
ーと直角方向に設けられたクロスバーにワーク保持用の
アタッチメントが取り付けられている。そしてこのプレ
ス機において、金型交換を行う場合、アタッチメントも
金型交換台車に載せられて、プレス機外に搬出され、そ
して人手によりクロスバーへのアタッチメントの付け替
えが行われ、新しい金型と一緒にプレス機内に搬入され
て、アタッチメントの交換作業が行われていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】上記従来の構成による
と、通常、クロスバーには、複数個のワーク保持具を有
するアタッチメント（例えば、吸着カップ）が取り付け
られており、これらを１つずつクロスバーの所定位置に
人手により取り付ける作業は、非常に面倒であるととも
に、取付位置を間違えたり、クロスバーへの装着が不完
全であったりするという問題があった。

【０００４】そこで、本考案は上記課題を解消し得るト
ランスファプレスのクロスバー用アタッチメント装着装
置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本考案は、左右一対のフィードバー間にわたって配置
されるクロスバーに嵌脱自在な溝形断面のアタッチメン
ト取付部材を設け、クロスバーとアタッチメント取付部
材の一方にアタッチメント取付部材の位置決め用突起を
設けるとともに、他方に位置決め用突起の嵌合凹部を設
け、アタッチメント取付部材にワーク保持具を設けると
ともに、アタッチメント取付部材の両端部で両側面にそ
れぞれクランプ用受け部材を設け、クロスバーに前記ク
ランプ用受け部材に嵌入方向から圧接するクランプレバ
ーを回動自在に設けるとともに、このクランプレバーを
トグルリンク機構を介して回動させるクランプレバー駆
動装置を設けたものである。

【０００６】

【作用】上記構成において、アタッチメントの装着を行
う場合、定位置にアタッチメント取付部材を開口面をク
ロスバー側に向けて配置し、クロスバーをアタッチメン
ト取付部材側に移動して嵌入し位置決め用突起と嵌合凹
部を嵌合させる。そしてクランプレバー駆動装置を駆動
しトグルリンク機構を介してクランプレバーを回動して
クランプ用受け部材に嵌入方向から圧接させ、アタッチ
メント取付部材の底部側をクロスバー側に押し付けてク
ランプする。

【０００７】このようにクランプレバーをトグルリンク
機構を介してクランプ用受け部材に当て付けるので、大
きい保持力が得られ、アタッチメント取付部材を強固に
クロスバーに固定することができる。

【０００８】

【実施例】以下、本考案の一実施例を図１〜図12に基づ
き説明する。図１〜図６において、１は左右一対のフィ
ードバー間に亘って配置される四角筒状のクロスバー
で、その取付部に配設された回転駆動装置により軸心回
りに回転可能に支持されている。このクロスバー１に
は、吸着カップ等のワーク保持具（図示せず）が複数個
取り付けられるアタッチメント取付部材２が外嵌して装
着可能に構成されており、アタッチメント取付部材２は
前記底板２ａと前後側板２ｂ，２ｂからなる断面溝型状
に形成されている。

【０００９】前記クロスバー１には、図１，図２および
図６に示すように、アタッチメント取付部材２の装着時
にアタッチメント取付部材２を位置決めする為の位置決
め用ピン３が底面１ａに左右一対突設されている。一
方、アタッチメント取付部材２の底板２ａ内面には前記
位置決め用ピン（位置決め用突起）３に対応して位置決
め用ピン穴（嵌合凹部）４が形成されている。

【００１０】また前記クロスバー１には、外嵌状態のア
タッチメント取付部材２を保持解放自在な保持装置５が
設けられている。すなわち、図１〜図４に示すように、
アタッチメント取付部材２の両側板２ｂ外面の両端部に
は、受け面６ａが底板２側に形成されたクランプ用受け
部材６が突設されている。

【００１１】一方、クロスバー１の両端部前後面１ｂ，
１ｂには、コーナー部が前後方向の支持ピン７を介して
矢印Ａ，Ｂ方向に回動自在に支持されたＬ形のクランプ
レバー７がそれぞれ配設され、このクランプレバー８の
一方の端部に前記クランプ用受け部材６の受け面６ａに
圧接可能なクランプ爪部８ａが設けられている。クロス
バー１内には、前後のクランプレバー８を回動可能なク
ランプレバー駆動シリンダー装置９がクロスバー１の長
さ方向に配設されている。このクランプレバー駆動シリ
ンダー装置９は本体後部が取付ピンを介して取付ブラケ
ット９ｂに支持されるとともに、ピストンロッド９ａ
が、クロスバー１の前後面１ｂ，１に貫設された駆動軸
１０の駆動レバー１１にピン連結されている。

【００１２】そしてこの駆動軸１０の外端部と前記クラ
ンプレバー７の他端部の間に、センターピン１２ａを介
して互いに回動自在に連結された２本のリンク１２ｂ，
１２ｃが連結ピン１２ｄを介してそれぞれ連結されて、
トグルリンク機構１２を構成している。前記駆動レバー
１１は駆動軸１０側のリンク１２ｂはほぼ同一形状に形
成されて同一角度で駆動レバー１１に固定されている。

【００１３】したがって、クランプレバー駆動シリンダ
ー装置９を伸縮してリンク１２ｂ，１２ｃのくの字形状
を圧して潰す運動を加えることにより、リンク１２ｃの
クランプレバー８との接続端に極めて大きい力を発生さ
せてクランプレバー８を回動させることができ、クラン
プレバー８のクランプ爪部８ａを大きいクランプ力でク
ランプ用受け部材６の受け面６ｂに圧接させることがで
きる。さらに、クロスバー１内にクランプレバー駆動シ
リンダー装置９を配設するとともにクロスバー１の両側
部にクランプレバー８を配設し、駆動軸１０を介して連
動連結したので、クロスバー１には駆動軸１０の貫通穴
だけ形成すればよく、クロスバー１の剛性の確保が可能
となる。

【００１４】また、図５に示すように、ワーク保持具の
駆動源として、作動流体（例えば、吸着カップの場合に
は排出空気）を必要とするため、クロスバー１とアタッ
チメント取付部材２との装着位置の対向部位に、クロス
バー１内に配管自動継手１３が配設され、アタッチメン
ト取付部材２に配管接続孔１４が形成されている。

【００１５】次に、アタッチメントの交換作業を図７〜
図１２を参照して説明する。図７〜図１２において、２
１はアタッチメント取付部材２に配設されたワーク保持
具である吸着カップ、２２はフィードバー、２３はベッ
ド上にプレスラインから出退可能に配置された金型交換
台車で、金型交換台車２３上に下金型２４と上金型２５
が載置されている。また、下金型２４にはアタッチメン
ト取付部材２を保持するアタッチメント支持台２６が設
けられ、さらにこのアタッチメント支持台２６上のアタ
ッチメント取付部材２をフィードバー２２の装着位置ま
で移送するために、アタッチメント取付部材２を支持可
能な移載台２７と、この移載台２７を昇降自在でかつ移
動自在に支持する可動支柱２８とが金型交換台車２３に
配設されている。

【００１６】まず、プレス機から金型交換台車により金
型およびアタッチメントが取り外された状態において、
あらかじめ吸着カップ２１が所定位置に固定されたアタ
ッチメント取付部材２は、金型交換台車２３上に載置さ
れた下金型２４側のアタッチメント支持台２６上に載置
される。

【００１７】この状態で金型交換台車２３をプレスライ
ンに搬入した後、可動支柱２８をアタッチメント支持台
２６の下方に移動させて、伸展し移載台２７を上昇させ
てアタッチメント支持台２６上のアタッチメント取付部
材２を保持させる（図７）。そして、アタッチメント支
持台２６からアタッチメント取付部材２を持ち上げて
（図８）、クロスバー１の対向位置まで上昇させる（図
９）。

【００１８】つぎに、フィードバー２２を長さ方向に移
動させて、クロスバー１をアタッチメント取付部材２に
嵌入させる。この時、クロスバー１の位置決め用ピン３
がアタッチメント取付部材２の対応して位置決め用ピン
穴４に嵌合され位置決めされる。そして、クランプレバ
ー駆動シリンダー装置９により、トグルリンク機構１２
を介してクランプレバー８が回動され、クランプ爪部８
ａをクランプ用受け部材６の受け面６ａに圧接させてア
タッチメント取付部材２を強固にクロスバー１に固定す
る（図１０）。その後可動支柱２８を収縮させて移載台
２７を下降させ、クロスバー１を軸心回りに９０度回転
させる（図１１，図１２）。また、この逆の作業でアタ
ッチメント取付部材２の取外しを行うことができる。

【００１９】

【考案の効果】以上のように本考案の構成によると、ア
タッチメント取付部材をクロスバーに嵌脱自在な溝形断
面に形成するとともに、クロスバーとアタッチメント取
付部材に位置決め用突起とその嵌合凹部を設け、アタッ
チメント取付部材の両端部で両側面に突設されたクラン
プ用受け部材を嵌入方向から圧接するクランプレバーを
設け、クランプレバーをクランプレバー駆動装置により
トグルリンク機構を介して回動させるように構成したの
で、クランプレバーをクランプ用受け部材に大きい保持
力で圧接してクランプすることができ、アタッチメント
取付部材を強固にクロスバーに固定することができる。

【００２０】また、このトグルリンク機構により、クラ
ンプレバー駆動装置に駆動源の供給が停止されることが
あっても、アタッチメント取付部材を保持することがで
き、アタッチメント取付部材の落下事故を防止でき、さ
らに大きい保持力が得られるので、クランプレバー駆動
装置を小型化することができてクロスバー内に配設する
ことが可能となり、全体をコンパクトにできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るアタッチメント装着装置の一実施
例を示す保持装置の一部切欠正面図である。

【図２】同保持装置の平面図である。

【図３】同クランプレバー駆動装置の正面断面図であ
る。

【図４】図１に示すＣ−Ｃ断面図である。

【図５】図１に示すＤ−Ｄ断面図である。

【図６】図１に示すＥ−Ｅ断面図である。

【図７】アタッチメントの交換作業を説明する概略側面
図である。

【図８】アタッチメントの交換作業を説明する概略側面
図である。

【図９】アタッチメントの交換作業を説明する概略側面
図である。

【図１０】アタッチメントの交換作業を説明する概略側
面図である。

【図１１】アタッチメントの交換作業を説明する概略側
面図である。

【図１２】アタッチメントの交換作業を説明する概略正
面図である。

【符号の説明】

１ クロスバー ２ アタッチメント取付部材 ３ 位置決め用ピン ４ 位置決め用ピン穴 ５ 保持装置 ６ クランプ用受部材 ７ 支持ピン ８ クランプレバー ９ クランプレバー駆動シリンダー装置 11 駆動レバー 12 トグルリンク機構

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 左右一対のフィードバー間にわたって配
   置されるクロスバーに嵌脱自在な溝形断面のアタッチメ
   ント取付部材を設け、クロスバーとアタッチメント取付
   部材の一方にアタッチメント取付部材の位置決め用突起
   を設けるとともに、他方に位置決め用突起の嵌合凹部を
   設け、アタッチメント取付部材にワーク保持具を設ける
   とともに、アタッチメント取付部材の両端部で両側面に
   それぞれクランプ用受け部材を設け、クロスバーに前記
   クランプ用受け部材に嵌入方向から圧接するクランプレ
   バーを回動自在に設けるとともに、このクランプレバー
   をトグルリンク機構を介して回動させるクランプレバー
   駆動装置を設けたことを特徴とするトランスファプレス
   のクロスバー用アタッチメント装着装置。