JPH0741515U - 光ビーム走査装置 - Google Patents

光ビーム走査装置

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JPH0741515U
JPH0741515U JP7467393U JP7467393U JPH0741515U JP H0741515 U JPH0741515 U JP H0741515U JP 7467393 U JP7467393 U JP 7467393U JP 7467393 U JP7467393 U JP 7467393U JP H0741515 U JPH0741515 U JP H0741515U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 画像読み取り機能及び画像書き込み機能を共
に有しつつ、画像読み取り光学系と画像書き込み光学系
とにおける光学部品の共通化を図ることにより、省スペ
ース化及びコストの低廉化を図ることのできる光ビーム
走査装置を提供する事である。 【構成】 画像書き込み走査面を、画像情報に応じて変
調されたレーザ光束で走査して、この走査面に画像を書
き込ませる為の画像書き込み光学系と、画像読み取り走
査面をレーザ光束で走査して、この走査面からの反射光
に基づき、画像を読み取る為の画像読み取り光学系と、
前記画像書き込み光学系の変調レーザ光束と前記画像読
み取り光学系のレーザ光束とが共通に入射され、画像書
き込み時の水平同期信号及び画像読み取り時の水平同期
信号を夫々出力する単一の受光素子とを具備する事を特
徴としている。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、画像読み取り面をレーザ光束を介して読み取り走査して、画像情 報を読み取ると共に、画像書き込み面を画像情報に応じて変調されたレーザ光束 を介して書き込み走査して、画像情報を書き込む事の出来る光ビーム走査装置に 関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば、原稿面を例えば蛍光灯等で照明し、原稿面からの反射光を 縮小・投影レンズを用いて、例えばCCDからなるラインセンサに導き、このラ インセンサからの検出出力により、画像の1ラインごとの画像情報を得ると共に 、原稿面を読み取りラインと直行する方向に沿って走査することにより、画像全 体の画像情報を得ることにより、原稿画像を全面に渡り読み取ることのできる画 像読み取り光学系が知られている。
【0003】 一方、ポリゴンミラーを用いてレーザビームを感光ドラム表面の感光層を軸方 向に走査(主走査)すると共に、感光ドラムを回転(副走査)させ、感光ドラム 表面の感光層に画像に対応した潜像を形成させる画像書き込み光学系も知られて いる。尚、この画像書き込み光学系で形成された潜像は、所謂電子写真法を利用 して、現像装置によりトナーを付着させられてトナー像を形成(現像)され、転 写装置により記録用紙上にトナー像を転写され、定着装置により転写されたトナ ー像を記録用紙上に定着させるようにして記録紙上に書き込み形成されることに なる。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、例えば、画像読み取り機能と画像書き込み機能とが共に要求さ れるファクシミリ装置やディジタル複写機等においては、上述した画像読み取り 用の縮小投影光学系と画像書き込み用のレーザ光ビーム走査装置との2つの異な る光学系を備えなければならず、省スペースの観点からも、また、コスト低減の 観点からも、改善が要望されていた。
【0005】 この考案は、上述した事情に鑑みなされたもので、この考案の目的は、画像読 み取り機能及び画像書き込み機能を共に有しつつ、画像読み取り光学系と画像書 き込み光学系とにおける光学部品の共通化を図ることにより、省スペース化及び コストの低廉化を図ることのできる光ビーム走査装置を提供する事である。
【0006】
【課題を解決する為の手段】
上述した課題を解決し、目的を達成する為、この考案に係る光ビーム走査装置 は、請求項1の記載によれば、画像書き込み走査面を、画像情報に応じて変調さ れたレーザ光束で走査して、この走査面に画像を書き込ませる為の画像書き込み 光学系と、画像読み取り走査面をレーザ光束で走査して、この走査面からの反射 光に基づき、画像を読み取る為の画像読み取り光学系と、前記画像書き込み光学 系の変調レーザ光束と前記画像読み取り光学系のレーザ光束とが共通に入射され 、画像書き込み時の水平同期信号及び画像読み取り時の水平同期信号を夫々出力 する単一の受光素子とを具備する事を特徴としている。
【0007】
【実施例】
以下に、この考案に係わる光ビーム走査装置の一実施例の構成を、添付図面の 図1乃至図12を参照して詳細に説明する。
【0008】 先ず、図1を参照して、画像読み取り光学系Rと画像書き込み光学系Wとの2 つの光学系を有する光ビーム走査装置10の構成を説明する。即ち、この光ビー ム走査装置10は、画像読み取り光学系Rと画像書き込み光学系Wとに共通の光 路及び種々の光学素子を有し、且つ、画像読み取り動作と画像書き込み動作とを 同時に実行することのできる様に構成されている。
【0009】 この一実施例に係わる光ビーム走査装置10は、図1に副走査面内での光学的 な配置を示す様に、画像書き込み光学系Wとして、第1の波長λ1(例えば、7 80μm)を有する変調レーザビームを書き込み用のレーザビームLW として出 力する半導体レーザ12a及びこの書き込み用のレーザビームLW を平行光束と するためのコリメータレンズ12bとを有する書き込み光源部としてのコリメー タ12と、副走査方向についてのみパワーを有するシリンドリカルレンズ14と 、主・副両走査方向についてパワーを有するオブジェクティブレンズ16と、入 射して来たレーザビームを反射、偏向させる光偏向手段としてのポリゴンミラー 18と、このポリゴンミラー18により反射されたレーザビームを主走査方向に ついてのみパワーを与えて折り返すシリンドリカルミラー20と、このシリンド リカルミラー20で折り返されたレーザビームに対して、主走査方向については パワーを与えず、副走査方向についてのみ正のパワーを与えるアナモフィックレ ンズとしての偏心トーリックレンズ22とを備えて構成されている。
【0010】 尚、この偏心トーリックレンズ22を通った書き込み用のレーザビームLW は 、折り返しミラー24で反射されて、走査対象面としての、即ち、書き込み走査 面としての感光ドラムPDの外周に配設された感光層表面SW に収束する様にな されている。尚、この書き込み用のレーザビームLW の光軸は、図示する様に、 感光ドラムPDの回転中心Oを外れる様に設定されている。この結果、感光ドラ ムPDの表面、即ち、書き込み走査面SW における反射光が入射光路を戻って、 書き込み用のレーザビームLW の出力レベルを一定に維持する為に、このレーザ ビームLW の一部を受光してその出力レベルを検出しているデテクタに入射する 事が未然に防止され、このデテクタを介してのレーザビームLW の出力レベルを 一定に維持する事が確実に達成される事になる。この様に、この感光ドラムPD へのレーザビームLW の入射位置は、これからの反射光が後述する読み取り光学 系Rの受光素子40に戻ることがない様に設定されている。
【0011】 ここで、上述した主走査方向は、ポリゴンミラー18によるレーザビームの偏 向方向、即ち、感光ドラムの回転軸線の延出方向として規定され、一方、副走査 方向は、主走査方向に直交する方向として規定されている。
【0012】 一方、この光ビーム走査装置10は、同様に図1に示す様に、読み取り光学系 Rとして、第2の波長λ2(例えば、680nm)を有する単調レーザビームを 読み取り検出用のレーザビームLR として出力する半導体レーザ26a及びこの 読み取り走査用のレーザビームLR を平行光束とするためのコリメータレンズ2 6bとを有する読み取り光源部としてのコリメータ26と、副走査方向について のみパワーを有するシリンドリカルレンズ28と、コリメータ26から出力され た読み取り走査用のレーザビームLR 及び読み取り走査面SR から反射されて来 た読み取り検出用の散乱光Lsを空間的に分離する為の第1のビームスプリッタ 30と、主・副両走査方向についてパワーを有するオブジェクティブレンズ32 と、この第1のビームスプリッタ30及びオブジェクティブレンズ32を通過し たコリメータ26からの読み取り走査用のレーザビームLR を、上述した画像書 き込み光学系Wの光路と同一の光路を通ってポリゴンミラー18に向けて進ませ る為(即ち、光束を合成する為)、及び、上述したポリゴンミラー18で反射さ れて来た読み取り検出用の散乱光LS を画像書き込み光学系Wと共通の光路から 波長特性に応じて分割する為の(即ち、光束を分離する為の)、レーザ光束合成 手段としての第2のビームスプリッタ34と、上述したポリゴンミラー18と、 上述したシリンドリカルミラー20と、上述した偏心トーリックレンズ22とを 備えて構成されている。
【0013】 また、この読み取り光学系Rは、この偏心トーリックレンズ22を通過した読 み取り走査用のレーザビームLR を画像書き込み光学系Wの光路から波長特性に 応じて分離する為、読み取り検出用の散乱光LS を、入射光路と同一の光路をそ のまま遡らせる為(即ち、戻らせる為)、また、読み取り走査用のレーザビーム の中で読み取り走査における水平同期信号を出力する為のレーザビーム及び書き 込み走査用のレーザビームの中で書き込み走査における水平同期信号を出力する 為のレーザビームを透過させる為の、レーザ光束分離手段としての第3のビーム スプリッタ36と、上述した第1のビームスプリッタ30により読み取り走査用 のレーザビームLR の光路から空間的に分離された読み取り検出用の散乱光LS を後述する受光素子40上で結像させるアナモフィックレンズ38と、このアナ モフィックレンズ38で収束された検出用の散乱光LS を結像状態で受光する第 1の受光素子40とを更に備えている。尚、上述したアナモフィックレンズ38 は、コリメートレンズ、シリンドリカルレンズ、オブジェクティブレンズの機能 を合わせたものであり、光の進む方向が逆なだけで、読み取り走査用のレーザビ ームLR にアナモフィックレンズを用いても良い。
【0014】 ここで、上述した折り返しミラー24は、詳細は後述するが、全反射ミラー部 24aと、この全反射ミラー部24aの側方に形成された透過部24bとから構 成されており、この折り返しミラー24の透過部24bの後方には、書き込み走 査面SW とほぼ共役な位置に、この折り返しミラー24の透過部24bを透過し てきた書き込み走査用のレーザビームの中で書き込み走査における水平同期信号 に対応したレーザビーム、及び、読み取り走査用のレーザビームの中で読み取り 走査における水平同期信号に対応したレーザビームを夫々受光して、書き込み走 査時の水平同期信号BDW 、及び、読み取り走査時の水平同期信号BDR を夫々 出力する為の第2の受光素子42が配設されている。
【0015】 尚、上述した第1の受光素子40の直前であって、読み取り走査面SR と共役 な位置に、読み取り検出用の散乱光LS が通過するに適当な開口を有し、この散 乱光LS 以外の光束、即ち、読み取り走査面SR 以外から発する光束(即ち、迷 光)が第1の受光素子40に入射するのを遮断する為の穴開き遮光板44が配設 されている。また、図5に示す様に、シリンドリカルミラー20の上半分には、 種々の光学素子からの表面反射光が迷光として第1の受光素子40に入射されな い様にする為に、迷光吸収部材としての、植毛部材46が添着されている。この 様に、この一実施例においては、迷光に対して種々の対策が施されており、この 迷光が第1の受光素子40に入してゴーストの発生等の悪影響を及ぼす事が未然 に防止されている。
【0016】 以上詳述した様に、この一実施例においては、第2及び第3のビームスプリッ タ34,36間に位置する光路部分と、この共通光路中に位置する光学素子とし てのポリゴンミラー18、シリンドリカルミラー20、偏心トーリックレンズ2 2と、水平同期信号出力用の第2の受光素子42とが、画像書き込み光学系Wと 画像読み取り光学系Rと共通な状態で配設されている。尚、図1においては、図 示の都合上、画像読み取り光学系Rのコリメータ26から第2のビームスプリッ タ34に至る光路が副走査面内で延出する様に描かれているが、図2及び図3に その実態構成を示す様に、実際には図1における紙面に直交する状態で延出する 様に配設されている。
【0017】 ここで、図2及び図3を参照して、この光ビーム走査装置10の具体的な構成 について説明する。
【0018】 即ち、この光ビーム走査装置10は、上述した全ての光学素子が取り付けられ る略平板状の取り付け基板50を備えている。図2はこの取り付け基板50の底 面への種々の光学素子の取り付け態様を示しており、図3はこの取り付け基板5 0への種々の光学素子の取り付け態様を正面視状態で示している。
【0019】 具体的には、図2及び図3に示す様に、取り付け基板50の下面には、書き込 み走査用のコリメータ12と、シリンドリカルンレズ14と、オブジェクティブ レンズ16と、ポリゴンミラー18と、読み取り走査用のコリメータ26と、オ ブジェクティブレンズ28と、第1のビームスプリッタ30と、オブジェクティ ブレンズ32と、第2のビームスプリッタ34と、アナモフィックレンズ38と 、第1の受光素子40とが取り付けられている。ここで、書き込み用及び読み取 り走査用のコリメータ12,26は、取り付け基板50の下面に沿って、書き込 み用及び読み取り走査用のレーザビームLW ,LR を夫々出力する様に取り付け られている。一方、ポリゴンミラー18は、その回転軸線が、取り付け基板50 の下面への垂線に対して、所定角度だけ傾斜する様にして、取り付け基板50の 下面に取り付けられている。
【0020】 尚、書き込み走査用のコリメータ12とシリンドリカルレンズ14との間には 、このコリメータ12から出力された書き込み走査用のレーザビームの径を拡大 する為のビームエキスパンダ52が、また、読み取り走査用のコリメータ26と シリンドリカルレンズ28との間には、このコリメータ26から出力された読み 取り走査用のレーザビームの径を拡大する為のビームエキスパンダ54が夫々介 設されている。
【0021】 一方、この取り付け基板50には、図3に示す様に、開口56が形成されてお り、ポリゴンミラー18で反射・偏向されたレーザビームは、この開口56を介 して、取り付け基板50の上側にもたらされる。即ち、この取り付け基板50の 上面には、シリンドリカルミラー20と、偏心トーリックレンズ22と、第3の ビームスプリッタ36と、折り返しミラー24と、第2の受光素子42とが取り 付けられている。
【0022】 ここで、この一実施例においては、第3のビームスプリッタ36で反射される 読み取り走査用のレーザビームLR の延出方向と、折り返しミラー24で反射さ れる書き込み走査用のレーザビームLW の延出方向とは、互いに同一となる様に 、即ち、両延出方向は互いに平行に、且つ、同一方向となる様に、第3のビーム スプリッタ36及び折り返しミラー24の取り付け基板50への取り付け角度が 夫々規定されている。
【0023】 次に、上述した光ビーム走査装置10の構成における個々の光学素子を具体的 に説明する。
【0024】 先ず、上述した画像書き込み光学系Wにおけるシリンドリカルレンズ14は、 主走査方向についてはパワーを有さずに、副走査方向についてのみパワーを有す る様に形成され、また、オブジェクティブレンズ16は、主・副両走査方向につ いてパワーを有する様に形成されている。ここで、シリンドリカルレンズ14と オブジェクティブレンズ16との副走査方向についてのパワーは、両者を合体し た状態で、コリメータ12から出力されたレーザビームLW を、ポリゴンミラー 18の反射面の近傍で、一旦、主走査方向に沿って延出する線像を結像する様に 設定されている。また、オブジェクティブレンズ16の主走査方向についてのパ ワーは、コリメータ12から出力されたレーザビームLW を、他から何らパワー を与えられない状態で、書き込み走査面SW よりも奥側で結像する様に設定され ている。
【0025】 また、上述したポリゴンミラー18は、この一実施例においては、上述した回 転軸線回りにポリゴンモータ58により高速回転駆動され、また、図5に示して いるが、回転軸線回りに6面の反射面を、夫々が回転中心から等距離に位置する 様に備えて構成されている。即ち、各反射面は、この一実施例においては、互い に隣接する反射面同志が120度づつで交わりつつ、各々垂直に起立する状態に 設定されている。一方、書き込み走査用のコリメータ12の光軸は、ポリゴンミ ラー18に対して主走査面外から、即ち、副走査方向に所定角度を持ちつつ、ポ リゴンミラー18の回転中心に向けてレーザビームが斜め下方から入射される様 に設定されている。
【0026】 上述したシリンドリカルミラー20は、主走査面内では球面になる様に、副走 査面内では平面になる様に形成されている。即ち、主走査方向についてはここで 折り返されるレーザビームを収束させるパワーを有し、副走査方向については、 ここで折り返されるレーザビームを収束させるパワーを有しないものである。ま た、偏心トーリックレンズ22は、主走査面内では図4に示す様に、シリンドリ カルミラー20とは反対方向に湾曲して形成され、副走査面内では図1及び図3 に示す様に、その光軸が光学系の光路に対して偏心する様に配設されている。尚 、偏心トーリックレンズ22は、主走査方向についてはパワーを持たずに、副走 査方向についてのみ正のパワーを有する様に設定されており、そのパワーは周辺 から中心に向かうにつれて大きくなる様に設定されている。
【0027】 ここで、シリンドリカルミラー20は、副走査面内では平面となっているので 、ここで折り返されたレーザビームは、そのままでは、結像が湾曲する事になる 。この為、偏心トーリックレンズ22の副走査方向についてのパワーは、ポリゴ ンミラー18で反射、偏向されたレーザビームが書き込み走査面SW で直線状に 結像する様に収束される様に設定されている。また、シリンドリカルミラー20 の主走査方向についてのパワーは、オブジェクティブレンズ16のパワーにより 、一旦、書き込み走査面SW よりも奥側で結像する様に収束されたレーザビーム が、書き込み走査面SW 上で結像する様に収束される様に設定されている。
【0028】 また、ポリゴンミラー18で反射、偏向されたレーザビームは、このシリンド リカルミラー20に対しても、副走査方向に角度を持って入射し、このシリンド リカルミラー20で折り返された後、偏心トーリックレンズ22を介して書き込 み走査面SW へ向かう様に設定されている。即ち、この一実施例においては、図 1に示す様に、画像書き込み光学系Wの光路及び種々の光学素子は、主走査面内 で広がりを持った状態で配設されるだけではなく、副走査方向についても広がり を持った状態で配設されている。換言すれば、シリンリリカルミラー20は、図 5に示す様に、副走査面に平行な面内で、シリンドリカルレンズ14やオブジェ クティブレンズ16よりも上方に偏移した状態で配設されている。
【0029】 一方、画像読み取り光学系Rを構成するシリンドリカルレンズ28及びオブジ ェクティブレンズ32は、画像書き込み光学系Wを構成するシリンドリカルレン ズ14及びオブジェクティブレンズ16と実質的に同一の機能を果たす様に形成 されている。
【0030】 また、上述した第2及び第3のビームスプリッタ34,36は、共に、この一 実施例においては、入射するレーザビームLR 、LW の波長に基づき、夫々を透 過させるか反射させるかを選択する事が出来る様に形成されている。尚、以下に 、この波長選択タイプのビームスプリッタの構成を詳細に説明する。
【0031】 即ち、この一実施例における第2及び第3のビームスプリッタ34,36は、 共に、図6に示す様に、光路に対して45度だけ傾斜した状態で配設されたダイ クロイックミラーから構成されている。ここで、このダイクロイックミラーは、 第1の波長λ1(例えば、780nm)の書き込み走査用のレーザビームLW は そのまま透過させるが、第2の波長λ2(例えば、680nm)の読み取り走査 用のレーザビームLR は反射させる波長選択機能を有している。
【0032】 具体的には、この一実施例において、第1の波長λ1は第2の波長λ2よりも 長く設定されている。また、このダイクロイックミラーは、図7に示す様に、第 1の波長λ1と第2の波長λ2との間に、反射率を実質的に0%と100%との 間で切り換える切り換え波長領域を有する様に設定され、この切り換え波長領域 よりも長い第1の波長λ1を有するレーザビームLW が入射されると、このダイ クロイックミラーをそのまま透過させ、切り換え波長領域よりも短い第2の波長 λ2を有するレーザビームLR が入射されると、そのまま反射させることが出来 る事になる。即ち、入射するレーザビームの波長に基づき、透過または反射が選 択される事により、レーザビームの光束が合成または分離される事になる。
【0033】 尚、図2に示す様に、読み取り走査用のコリメータ26から射出されるレーザ ビームLR の光軸は、書き込み走査用のコリメータ12から射出されるレーザビ ームLW の光軸に対して直交した状態で交わる様に規定されている。従って、読 み取り走査用のコリメータ26から射出されたレーザビーム(波長λ2)LR は 、第1のビームスプリッタ30をそのまま透過し、第2のビームスプリッタ34 で反射され、書き込み走査用のコリメータ12から射出されたレーザビーム(波 長λ1)LW と合成された状態で、ポリゴンミラー18に向けて進行する事とな る。また、ポリゴンミラー18で反射され、シリンドリカルミラー20で折り返 された後に、偏心トーリックレンズ22を透過したレーザビームLW ,LR は、 第1の波長λ1を有する書き込み走査用のレーザビームLW のみが、第3のビー ムスプリッタ36を透過し、折り返しミラー24で反射された後、書き込み走査 面SW に収束され、一方、第2の波長λ2を有する読み取り走査用のレーザビー ムLR は、この第3のビームスプリッタ36で反射され、読み取り走査面SR に 収束される事になる。
【0034】 一方、読み取り走査面SR で走査されたレーザビームLR は、ここで反射され 散乱光となるが、この散乱光の波長は依然として第2の波長λ2のままである。 従って、反射された散乱光の中で、入射光軸に沿って戻る散乱光の光束は読み取 り検出用の散乱光LS として第3のビームスプリッタ36に向かう事になる。そ してこの読み取り検出用の散乱光LS は、第3のビームスプリッタ36で反射さ れて、第3のビームスプリッタ36へのレーザビームLW ,LR の入射光路と同 一の光路をそのまま遡る様に合成される事になる。また、ポリゴンミラー18で 反射された読み取り検出用の散乱光LS は、第2のビームスプリッタ34で反射 され、それまでの光路から分離されて、読み取り走査用のコリメータ26に向か う事になる。
【0035】 ここで、第2のビームスプリッタ34は、上述した構成のダイクロイックミラ ーが全面に渡り形成されている。一方、第3のビームスプリッタ36は、図8に 示す様に、書き込み走査用のレーザビームLW の書き込み走査範囲及び読み取り 走査用のレーザビームLR の読み取り走査範囲に渡り形成された所の、上述した 構成のダイクロイックミラーから構成されたダイクロイック部36aと、このダ イクロイック部36aの側方に配設され、上述した書き込み走査範囲外に規定さ れた書き込み時の水平同期信号BDW を規定するレーザビーム、及び、上述した 読み取り走査範囲外に規定された読み取り時の水平同期信号BDR を規定するレ ーザビームが夫々透過する透過部36bとを備えて構成されている。この一実施 例においては、この透過部36bは、第1及び第2の波長を夫々有するレーザビ ームがそのまま透過可能なガラス板から構成されているが、これに限定されるこ となく、例えば、透孔から構成する様にしても良い。
【0036】 一方、折り返しミラー24は、図8に括弧付けでその参照符号を示す様に、上 述した第3のビームスプリッタ36と同一形状に形成されており、ダイクロイッ ク部36aに対応する全反射ミラー部24aは、ここに入射したレーザビームを 全反射して書き込み走査面SW に向けて折り返す様に形成されている。また、透 過部24bは、上述したダイダンのビームスプリッタ36の透過部36bを透過 してきた書き込み時の水平同期信号BDW を規定するレーザビーム、及び、上述 した読み取り走査範囲外に規定された読み取り時の水平同期信号BDR を規定す るレーザビームをそのまま透過させて、上述した第2の受光素子42に受光され る事を許容する様に形成されている。
【0037】 この様に第3のビームスプリッタ36を構成する事により、水平同期信号BD R を規定する読み取り走査用のレーザビームLR は、この第3のビームスプリッ タ36で反射されずに、これの透過部36bを透過して折り返しミラー24に至 り、これの透過部24bを透過した状態で、第2の受光素子42で受光される事 になる。尚、水平同期信号BDW を規定する書き込み走査用のレーザビームLW も、同様に、この第3のビームスプリッタ36の透過部36bを透過して折り返 しミラー24に至り、これの透過部24bを透過した状態で、第2の受光素子4 2で受光される事になる。
【0038】 ここで、この一実施例においては、書き込み走査用の水平同期信号BDW 、及 び、読み取り走査用の水平同期信号BDR を、1つの受光素子42を介して検出 して出力する様に構成されている。この為、図9に示す様に、水平同期信号出力 回路60が構成されている。即ち、この水平同期信号出力回路60は、第1乃至 第3のコンパレータ62a〜62cと、第1及び第2のコンパレータ62a,6 2bの出力信号が入力されるEX−ORゲート回路64と、第3のコンパレータ 62cの出力信号とEX−ORゲート回路64からの出力信号が入力されるOR ゲート回路66とを備えている。そして、このORゲート回路66の出力端子6 8から、書き込み走査用のレーザビームLW の水平同期信号BDW を出力する第 1の水平同期信号出力端子が規定され、第2のコンパレータ62bの出力端子7 0から、読み取り走査用のレーザビームLR の水平同期信号BDR を出力する第 2の水平同期信号出力端子が規定されている。
【0039】 即ち、図10に示す様に、第1のコンパレータ62aの基準電圧Vref1と、第 2のコンパレータ62bの基準電圧Vref2とは、第1の波長λ1を有する書き込 み走査用のレーザビームLW が第2の受光素子42に受光する事により、この第 2の受光素子42から出力される検出信号の電圧レベルが、両者の中間値となる 様に規定されている。また、第2のコンパレータ62bの基準電圧Vref2と、第 3のコンパレータ62bの基準電圧Vref3とは、第2の波長λ2を有する読み取 り走査用のレーザビームLR が第2の受光素子42に受光する事により、この第 2の受光素子42から出力される検出信号の電圧レベルが、両者の中間値となる 様に規定されている。また、図11に示す様に、第3のコンパレータ62bの基 準電圧Vref3は、書き込み走査用のレーザビームLW 及び読み取り走査用のレー ザビームLR が第2の受光素子42に同時に受光する事により、この第2の受光 素子42から出力される検出信号の電圧レベルよりも低い値となる様に規定され ている。
【0040】 この結果、書き込み走査用のレーザビームLW が第2の受光素子42に受光さ れた場合には、第1の水平同期信号出力端子68から書き込み走査用の水平同期 信号BDW が出力され、読み取り走査用のレーザビームLR が第2の受光素子4 2に受光された場合には、第2の水平同期信号出力端子70から読み取り走査用 の水平同期信号BDR が出力され、書き込み走査用のレーザビームLW 及び読み 取り走査用のレーザビームLR が第2の受光素子42に同時に受光された場合に は、第1及び第2の水平同期信号出力端子68,70から、書き込み用及び読み 取り走査用の水平同期信号BDW ,BDR が夫々出力される事になる。
【0041】 また、コリメータ26から出力された読み取り走査用のレーザビームLR 及び 読み取り走査面SR から反射されて来た読み取り検出用の散乱光LS を空間的に 分離する為の第1のビームスプリッタ30は、図12に示す様に、中心に円形状 の開口30aを有する円板状の穴開きミラーとして形成されている。ここで、こ の第1のビームスプリッタ30は、コリメータ26から射出されるレーザビーム の光軸に対して45度だけ傾いた状態で配設されている。また、開口30aは、 ここを読み取り走査用のコリメータ26から出力される読み取り走査用のレーザ ビームLR がそのまま透過することが出来る様に形成され、その大きさは、読み 取り走査用のレーザービームLR の光束を何らケル事がない様に設定されている 。一方、この第1のビームスプリッタ30の画像書き込み光学系W側の面は、反 射面30bとして形成されている。また、この反射面30bの大きさは、読み取 り検出用の散乱光LS の光束の第1の受光素子40への取り込み量を決定し、第 1の受光素子40の感度を考慮して設定されている。また、この開口30aの形 状は、レーザビームLR がケラれない形状に設定されている。
【0042】 従って、第2のビームスプリッタ34で反射、分離された読み取り検出用の散 乱光LS は、この第1のビームスプリッタ30において、開口30aを透過する 光束を除いて、反射面30bで反射され、アナモフィックレンズ38で収束され 、第1の受光素子40で結像される事になる。この第1の受光素子40は、ここ に結像される読み取り検出用の散乱光LS の光度の強弱に応じて、読み取り検出 信号を図示しない画像読み取り装置に出力する様に構成されている。ここで、読 み取り検出用の散乱光LS の光度は、読み取り走査面SR における黒白情報に基 づいて変化するものであり、読み取り走査面SR における読み取り用レーザビー ムLR の反射部位が黒い場合には、読み取り検出用の散乱光LS の光度は低くな り、白い場合には高くなる。この様にして、第1の受光素子40からの読み取り 検出信号に基づき、垂直同期信号及び第2の受光素子42から出力される水平同 期信号により検出位置を特定する事で、画像読み取り装置において、読み取り走 査面SR の画像を検出(認識)することが出来る事になる。
【0043】 以上の様に構成された一実施例の光ビーム走査装置10においては、画像書き 込み走査用のコリメータ12から出力された変調レーザビームLW は、シリンド リカルレンズ14及びオブジェクティブレンズ16のパワーにより、主走査方向 及び副走査方向の両方に関して収束されつつ、第1の波長λ1を有しているので 第2のビームスプリッタ34をそのまま透過し、ポリゴンミラー18に対して、 主走査面外から、即ち、副走査方向に角度を持ちつつ、ポリゴンミラー18の回 転中心に向けて入射する事になる。ここで、ポリゴンミラー18に入射するレー ザビームLW は、シリンドリカルレンズ14のパワーにより、副走査方向により 強く収束しており、この結果、ポリゴンミラー18の反射面の近傍で、一旦、主 走査方向に沿って延出する線像を形成する事になる。
【0044】 そして、ポリゴンミラー18で反射、偏向されたレーザビームLW は、シリン ドリカルミラー20に対しても副走査方向に角度を持ちつつ入射し、ここで折り 返された後、偏心トーリックレンズ22を通って、第1の波長λ1を有している ので第3のビームスプリッタ36をそのまま透過して、書き込み走査面SW に向 かう事になる。ここで、書き込み走査面SW に向かうレーザビームLW は、主走 査方向に関しては、一旦、オブジェクティブレンズ16において、書き込み走査 面SW の奥側で結像する様に収束され、シリンドリカルミラー20のパワーによ り、書き込み走査面SW 上で結像する様に収束される事になる。一方、書き込み 走査面SW に向かうレーザビームLW は、副走査方向に関しては、シリンドリカ ルレンズ14、オブジェクティブレンズ16、そして、偏心トーリックレンズ2 2により収束され、書き込み走査面SW 上で結像される事になる。この様にして 、書き込み走査面SW 上では、コリメータ12から出力されたレーザビームLW の変調内容に応じて、画像書き込み動作が実行される事になる。
【0045】 一方、画像読み取り走査用のコリメータ26から出力された単調レーザビーム LR は、シリンドリカルレンズ28及びオブジェクティブレンズ32のパワーに より、主走査方向及び副走査方向の両方に関して収束されつつ、第1のビームス プリッタ30の開口30aを透過し、第2の波長λ2を有しているので第2のビ ームスプリッタ34で反射されて書き込み走査用のレーザビームLW と合成され た状態で、ポリゴンミラー18に対して、主走査面外から、即ち、副走査方向に 角度を持ちつつ、ポリゴンミラー18の回転中心に向けて入射する事になる。こ こで、ポリゴンミラー18に入射する画像読み取り走査用のレーザビームLR は 、画像書き込み走査用のレーザビームLW と同様に、シリンドリカルレンズ28 のパワーにより、副走査方向により強く収束しており、この結果、ポリゴンミラ ー18の反射面の近傍で、一旦、主走査方向に沿って延出する線像を形成する事 になる。
【0046】 そして、ポリゴンミラー18で反射、偏向されたレーザビームLR は、シリン ドリカルミラー20に対しても副走査方向に角度を持ちつつ入射し、ここで折り 返された後、偏心トーリックレンズ22を通り、第2の波長λ2を有しているの で第3のビームスプリッタ36において、読み取り走査面SR に向けて反射され る事になる。読み取り走査用のレーザビームLR は、読み取り走査面SR で反射 されることにより、読み取り検出用の散乱光LS となる。この散乱光LS は、第 3のビームスプリッタ36で読み取りレーザビームLR の光路と同一の光路を戻 る様に反射され、再び、偏心トーリックレンズ22を通り、シリンドリカルミラ ー20で折り返された後、ポリゴンミラー18で反射、偏向されて、第2のビー ムスプリッタ34に向かう事になる。
【0047】 そして、ポリゴンミラー18で反射された後の読み取り検出用の散乱光LS は 、第2のビームスプリッタ34で反射され、この後、第1のビームスプリッタ3 0の反射面30bで反射され、アナモフィックレンズ38で収束されて、第1の 受光素子40の検出面上で結像される。この様にして、第1の受光素子40から の読み取り検出信号に基づき、画像読み取り動作が実行される事になる。
【0048】 また、この一実施例においては、読み取り時の水平同期信号BDR 及び書き込 み時の水平同期信号BDW を一つの受光素子42を介して検出・出力する様に構 成している為、これら水平同期信号BDR ,BDW の調整が極めて簡単に行われ 得る事となり、また、構成が簡単となり、装置全体の低廉化を達成することが出 来る事になる。
【0049】 以上詳述した様に、この一実施例の光ビーム走査装置10によれば、画像書き 込み動作と画像読み取り動作とが、全く独立した状態で実行される事になり、こ の為、画像書き込み動作と画像読み取り動作とを同時に実行する事が可能となる 。この結果、例えば、この光ビーム走査装置10をファクシミリ装置に適用した 場合において、画像読み取り光学系Rを用いて、送信用の原稿を読み取り走査す るのと同時に、電話回線を通じて送られて来た受信原稿を図示しない記録紙上に 画像書き込み光学系Wを用いて、画像形成させることが出来る事になる。詳細に は、送信用の原稿を読み取り走査している最中において、電話回線を通じて他所 から原稿が送信されて来た場合においても、この受信した原稿を一旦メモリに記 憶させることなく、受信動作に同期してこの受信画像を書き込み動作することが 出来る事になる。また、見方を変えると、パソコンに対して読み取ったイメージ を画像読み取り光学系Rを用いて入力すると同時に、パソコンに記憶しおいた画 像を画像書き込み光学系Wを用いてプリントアウトする事の出来るイメージリー ダ機能を有するパソコン用プリンタを提供することが出来る事になる。
【0050】 また、上述した一実施例における光ビーム走査装置10においては、ポリゴン ミラー18の回転中心に向けてレーザビームLR ,LW を入射させる事により、 ポリゴンミラー18の大きさに対して、走査可能な角度範囲を大きく設定するこ とが出来る為、ポリゴンミラー18の大きさを一定とすれば、広範囲の走査が可 能となり、また、走査範囲を一定とすれば、ポリゴンミラー18の径を小さくす ることが出来る事になる。また、像面湾曲が光軸に関して対称に発生する為、そ の補正も容易となる。
【0051】 但し、レーザビームLR ,LW は、ポリゴンミラー18に対して、副走査方向 に角度を持って入射している為、ポリゴンミラー18の回転に伴って、光束にス キュー歪みが発生し、線像の方向が回転角度によって変化する事になる。この様 に光束にスキュー歪みが発生すると、レーザビームLR ,LW の波面収差が劣化 し、書き込み走査面SW や読み取り走査面SR 上でのスポットの収束性能を劣化 させる事になる。ここで、光束のスキュー歪みは、走査範囲の周辺部程大きくな る為、走査範囲が小さい場合には、特に対策を講じなくても実質的な問題を引き 起こさないものである。しかしながら、この一実施例においては、走査範囲を広 く確保している為、ポリゴンミラー18によって生じた光束のスキュー歪みは、 上述した様に偏心トーリックレンズ22の光軸を副走査方向に光路に対して偏心 させる事により相殺している。
【0052】 一方、この一実施例の画像読み取り光学系Rにおいて、ノイズに対して有利な 構成、即ち、第1の受光素子40に入射する読み取り検出用の散乱光LS にノイ ズが乗り難い構成になっており、以下にこの対ノイズ性能について説明する。
【0053】 先ず第1に、この一実施例においては、読み取り光源部としてのコリメータ2 6から出力された読み取り走査用のレーザビームLR を、画像書き込み走査用の レーザビームLW と合成する為、また、これから分離する為に、入射光量の半分 だけを反射し、残り半分を透過させるハーフミラーを全く用いておらず、入射す る波長に応じて透過/反射を選択するダイクロイックミラーで第2及び第3のビ ームスプリッタ36,36を構成している。また、読み取り走査面SR で反射し て戻って来た読み取り検出用の散乱光LS を読み取り走査用のレーザビームLR の光路から空間的に分離する穴開きミラーで、第1のビームスプリッタ30を構 成している。
【0054】 ここで、仮に、ビームスプリッタとしてハーフミラーを用いる場合には、光束 がハーフミラーを通る毎に、その光量が半減する事となり、読み取り走査用のレ ーザビームLR が読み取り走査面SR に到達するまでに、3回ハーフミラーを通 る事となり、出力時の光量の1/8となり、また、読み取り検出用の散乱光LS の光量は、読み取り走査面SR における全反射光のコンマ数%以下であり、しか も、読み取り検出用の散乱光LS が第1の受光素子40に到達するまでに、3回 ハーフミラーを通る事となり、反射時の光量の1/8となる。この様に、読み取 り検出用の散乱光LS の光量は、出力時の光量と比較して極めて小さいものとな る。この結果、ビームスプリッタとしてハーフミラーを用いる場合には、この読 み取り検出用の散乱光LS は、ノイズの影響を極めて強く受け易い事となる。特 に、第1のビームスプリッタ30としてハーフプリズムを用いる場合には、読み 取り走査用のレーザビームLR のプリズム面の内面反射光が第1の受光素子40 に入射される事となり、この光量は、散乱光LS の受光量を越える事になる。
【0055】 この様にして、画像読み取り走査系Rにハーフプリズムを用いる場合には、画 像読み取り情報を有する読み取り検出用の散乱光LS は、第1の受光素子40に 入射される際に、同時に第1の受光素子40に入射される読み取り走査用のレー ザビームLR の一部がノイズとして乗る事となり、画像読み取り情報がほとんど ノイズの中に隠れてしまい、実質的に画像読み取り動作を実行することが出来な い事になる。
【0056】 しかしながら、この一実施例においては、第1のビームスプリッタ30は光束 を空間的に分離するものであり、また、第2及び第3のビームスプリッタ36, 36は光束を波長に基づき分離するものであり、この様にして、第1乃至第3の 各ビームスプリッタ30,34,36を透過、または、分離される際の光束の光 量の減少は実質的にない様に構成されている。また、第1のビームスプリッタ3 0で読み取り走査用のレーザビームLR が反射されて、その反射成分が第1の受 光素子40に入射する事はない様に構成されている。
【0057】 従って、この一実施例によれば、読み取り検出用の散乱光LS に第1のビーム スプリッタ30で反射された読み取り走査用のレーザビームLR がノイズとして 乗る事が確実に防止され、第1の受光素子40には、読み取り検出用の散乱光L S のみが入射される事になる。この様にして、読み取り検出用の散乱光LS に含 まれる画像情報に基づき、第1の受光素子40からは読み取り検出信号が確実に 出力される事になる。
【0058】 また、この一実施例においては、第2に、ポリゴンミラー18と読み取り走査 面SR との間に、fθレンズを備えずに、このfθレンズに代わる光学素子とし てシリンドリカルミラー20を備える様に光学系を構成している。
【0059】 ここで、仮に、fθレンズを備える構成においては、ポリゴンミラー18で偏 向されたレーザビームの中に、このfθレンズにこれの光軸に沿って入射するレ ーザビームが発生する事になる。即ち、このレーザビームの主光線は、fθレン ズに対して垂直に入射する事になる。この結果、このfθレンズに垂直に入射し ようとするレーザビームの主光線は、この入射面で表面反射成分を有する事にな る。即ち、この表面反射成分は、入射光路を遡り、出力部(即ち、半導体レーザ )に向けて戻る事となる。
【0060】 一方、読み取り検出用の散乱光LS は、読み取り走査用のレーザビームLR の 入射光路をそのまま遡り、fθレンズを再び通って、第1のビームスプリッタに 向けて戻る事になる。この結果、読み取り走査用のレーザビームLR のfθレン ズでの表面反射成分と読み取り検出用の散乱光LS とは、fθレンズに対して垂 直となる成分において合体される事となる。この様にして、第1の受光素子40 に入射される読み取り検出用の散乱光LS には、fθレンズに垂直に入射する成 分において、強い光量を持つノイズ成分が乗る事になる。即ち、このノイズ成分 により、読み取り画像の中央部には、白い輝点が発生する事になる。
【0061】 しかしながら、この一実施例においては、fθレンズは全く用いられておらず 、これに代わりシリンドリカルミラー20が用いられている。この為、レンズを 透過する際の表面反射の問題は全く発生せず、しかも、シリンドリカルミラー2 0に対して、副走査方向に角度を持って斜めに入射する様に設定され、且つ、偏 心トーリックレンズ22の光軸から偏移した位置に入射する様に設定されている ので、表面反射成分が入射光路に沿って戻り、ノイズ成分として読み取り検出用 の散乱光LS に乗る事が確実に阻止される事になる。この結果、この一実施例に おいては、第1の受光素子40に表面反射成分がノイズ成分として入射する事が 防止され、受光素子には、読み取り検出用の散乱光LS のみが入射される事にな る。この様にして、読み取り検出用の散乱光LS に含まれる画像情報に基づき、 第1の受光素子40からは読み取り検出信号が確実に出力される事になる。
【0062】 一方、この一実施例においては、読み取り走査面SR で反射して戻って来た読 み取り検出用の散乱光LS を、読み取り走査用のレーザビームLR の光路から分 離するに際しては、両方の光が共に同一の波長を有している為、上述したダイク ロイックミラーからなるビームスプリッタを用いることが出来ない。この為、従 来においては、波長に関係なく分離出来るハーフミラーが用いられている。しか しながら、この一実施例においては、読み取り検出用の散乱光LS を読み取り走 査用のレーザビームLR の光路から分離する為に、両者の光束の拡がりの違いに 基づく空間分離の概念を導入し、第1のビームスプリッタ30を用いる事により 、両者を空間的に分離することが出来る事になる。
【0063】 また、上述した一実施例においては、以上の説明から明白な様に、従来の走査 光学系で普通に用いられていたfθレンズを全く用いずに、これに代わる光学素 子としてシリンドリカルミラー20を備える様に構成されている。ここで、透過 系のfθレンズは極めて高価の光学素子であり、これに対して、シリンドリカル ミラー20は反射系の光学素子である為、比較的安価に製造することが出来るも のである。この様にして、この一実施例においては、fθレンズを用いずに、走 査光学系を構成することが出来た為、この観点からも、コストの低廉化を達成す ることが出来る事になる。
【0064】 尚、この一実施例においては、光源部を、半導体レーザとコリメートレンズと から構成する様に説明したが、He−NeやAR レーザの様に、ほぼ平行光束を 得られるガスレーザを使用し、変調が必要な場合には、変調器を用いる様に構成 しても良い。
【0065】 この考案は、上述した一実施例の構成に限定されることなく、この考案の要旨 を逸脱しない範囲で種々変形可能である事は言うまでもない。
【0066】 例えば、上述した一実施例においては、水平同期信号を検出・出力する第2の 受光素子42は、画像書き込み走査用のレーザビームLW を画像書き込み面SW に向けて半反射する為のハーフミラー24の後方に配設される様に説明したが、 この考案は、この様な構成に限定されることなく、偏心トーリックレンズ22を 通過した画像書き込み走査用のレーザビームLW 及び画像読み取り走査用のレー ザビームLR を一旦反射ミラーで夫々折り返した後、夫々のレーザビームLW , LR が受光される位置に配設する様に構成しても良い。
【0067】
【考案の効果】
以上詳述した様に、この考案によれば、画像読み取り機能及び画像書き込み機 能を共に有しつつ、画像読み取り光学系と画像書き込み光学系とにおける光学部 品の共通化を図ることにより、省スペース化及びコストの低廉化を図ることので きる光ビーム走査装置が提供される事になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案に係る光ビーム走査装置の一実施例の
構成を、副走査面内の配設状態で概略的に示す正面図で
ある。
【図2】図1に示す光ビーム走査装置の取り付け基板の
下面への種々の光学素子の取り付け態様を示す底面図で
ある。
【図3】図1に示す光ビーム走査装置の取り付け基板へ
の種々の光学素子の取り付け態様を、画像読み取り走査
面へ向かう様に画像読み取り走査用のレーザビームを選
択的に反射する第3のビームスプリッタの配設角度と、
画像書き込み走査面へ向かう様に画像書き込み走査用の
レーザビームを半反射するハーフミラーの配設角度と
が、画像読み取り走査面へ向かう画像読み取り走査用の
レーザビームと、画像書き込み走査面へ向かう画像書き
込み走査用のレーザビームとが、互いに平行になる状態
で示す正面図である。
【図4】図1に示すトーリックレンズの面形状を模式的
に示す斜視図である。
【図5】図1に示す光ビーム走査装置の画像書き込み光
学系を取り出した状態で示す斜視図である。
【図6】第2及び第3のビームスプリッタを構成するダ
イクロイックミラーの波長選択性を説明する為の図であ
る。
【図7】図4に示すダイクロイックミラーの反射率に対
する波長特性を示す線図である。
【図8】第3のビームスプリッタの具体的構成を示す正
面図である。
【図9】水平同期信号出力回路の構成を示す回路図であ
る。
【図10】書き込み走査用及び読み取り走査用のレーザ
ビームを夫々受光した際の第2の受光素子の出力信号の
出力レベルと、第1乃至第3のコンパレータの基準電圧
との関係を示す線図である。
【図11】書き込み走査用及び読み取り走査用のレーザ
ビームを同時に受光した際の第2の受光素子の出力信号
の出力レベルと、第3のコンパレータの基準電圧との関
係を示す線図である。
【図12】第1のビームスプリッタを構成する穴開きミ
ラーの構成を取り出して示す斜視図である。
【符号の説明】
10 光ビーム走査装置 12 書き込み用コリメータ 12a 第1の波長λ1のレーザビームを出力する半
導体レーザ 12b コリメータレンズ 14 シリンドリカルレンズ 16 オブジェクティブレンズ 18 ポリゴンミラー 20 シリンドリカルミラー 22 偏心トーリックレンズ 24 折り返しミラー 24a 全反射ミラー部 24b 透過部 26 読み取り用コリメータ 26a 第2の波長λ2のレーザビームを出力する半
導体レーザ 26b コリメータレンズ 28 シリンドリカルレンズ 30 第1のビームスプリッタ(穴開きミラー) 30a 開口 30b 反射面 32 オブジェクティブレンズ 34 第2のビームスプリッタ 36 第3のビームスプリッタ 36a ダイクロイックミラー部 36b 透過部 38 アナモフィックレンズ 40 第1の受光素子 42 第2の受光素子 44 穴開き遮光板 46 植毛部材

Claims (9)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】画像書き込み走査面を、画像情報に応じて
    変調されたレーザ光束で走査して、この走査面に画像を
    書き込ませる為の画像書き込み光学系と、 画像読み取り走査面をレーザ光束で走査して、この走査
    面からの反射光に基づき、画像を読み取る為の画像読み
    取り光学系と、 前記画像書き込み光学系の変調レーザ光束と前記画像読
    み取り光学系のレーザ光束とが共通に入射され、画像書
    き込み時の水平同期信号及び画像読み取り時の水平同期
    信号を夫々出力する単一の受光素子とを具備する事を特
    徴とする光ビーム走査装置。
  2. 【請求項2】前記画像情報に応じて変調されたレーザ光
    束は第1の波長特性を有し、 前記画像読み取り走査面を走査されるレーザ光束は、前
    記第1の波長特性とは異なる第2の波長特性を有する事
    を特徴とする請求項1に記載の光ビーム走査装置。
  3. 【請求項3】前記受光素子は、前記第1の波長特性を有
    するレーザ光束が入射された場合には、画像書き込み用
    の水平同期信号を出力し、前記第2の波長特性を有する
    レーザ光束が入射された場合には、画像読み取り用の水
    平同期信号を出力する事を特徴とする請求項2に記載の
    光ビーム走査装置。
  4. 【請求項4】前記画像書き込み光学系の変調レーザ光束
    と前記画像読み取り光学系のレーザ光束とを合成して共
    通光路を進ませるレーザ光束合成手段と、 このレーザ光束合成手段の共通光路中に配設され、合成
    されたレーザ光束を反射、偏向させる光偏向手段と、 この光偏向手段で偏向されたレーザ光束を波長特性に応
    じて分離するレーザ光束分離手段とを更に具備する事を
    特徴とする請求項3に記載の光ビーム走査装置。
  5. 【請求項5】前記レーザ光束合成手段は、第1及び第2
    の波長特性の一方の波長特性を有するレーザ光束を反射
    し、第1及び第2の波長特性の他方の波長特性を有する
    レーザ光束を透過する様に構成されダイクロイックミラ
    ーを備える事を特徴とする請求項4に記載の光ビーム走
    査装置。
  6. 【請求項6】前記レーザ光束分離手段は、第1及び第2
    の波長特性の一方の波長特性を有するレーザ光束を、前
    記画像書き込み走査面及び前記画像読み取り走査面の一
    方に向けて反射し、第1及び第2の波長特性の他方の波
    長特性を有するレーザ光束を透過する様に構成されダイ
    クロイック反射部と、このダイクロイック反射部の側方
    に配設され、水平同期信号を規定する第1及び第2の波
    長特性を有するレーザ光束を夫々透過する透過部とを有
    するダイクロイックミラーを備える事を特徴とする請求
    項4に記載の光ビーム走査装置。
  7. 【請求項7】前記ダイクロイックミラーの後方には、該
    ダイクロイックミラーのダイクロイック反射部を透過し
    た前記他方の波長特性を有するレーザ光束を、前記画像
    書き込み走査面及び前記画像読み取り走査面の他方に向
    けて全反射する反射ミラー部と、この反射ミラー部の側
    方に配設され、前記ダイクロイックミラーの透過部を透
    過したレーザ光束を透過する透過部とを有する折り返し
    ミラーが配設されている事を特徴とする請求項6に記載
    の光ビーム走査装置。
  8. 【請求項8】前記受光素子は、前記ダイクロイックミラ
    ーの透過部及び前記折り返しミラーの透過部を順次透過
    してきた第1及び第2の波長特性を有するレーザ光束を
    夫々受光して、前記画像書き込み時の水平同期信号及び
    画像読み取り時の水平同期信号を夫々出力する事を特徴
    とする請求項7に記載の光ビーム走査装置。
  9. 【請求項9】前記ダイクロイックミラーは、前記第1の
    波長特性を有するレーザ光束を透過し、前記第2の波長
    特性を有するレーザ光束を画像読み取り走査面に向けて
    反射する様に構成され、 前記折り返しミラーは、前記ダイクロイックミラーのダ
    イクロイック反射部を透過してきた前記第1の波長特性
    を有するレーザ光束を、画像書き込み走査面に向けて反
    射する様に構成される事を特徴とする請求項6に記載の
    光ビーム走査装置。
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JP2010145486A (ja) * 2008-12-16 2010-07-01 Sharp Corp 光学走査装置および画像形成装置

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