JPH0741453A - キノン類の製造法および中間体 - Google Patents

キノン類の製造法および中間体

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JPH0741453A
JPH0741453A JP24214493A JP24214493A JPH0741453A JP H0741453 A JPH0741453 A JP H0741453A JP 24214493 A JP24214493 A JP 24214493A JP 24214493 A JP24214493 A JP 24214493A JP H0741453 A JPH0741453 A JP H0741453A
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JP24214493A
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Inventor
Koji Hasegawa
孝司 長谷川
Juichi Shimizu
寿一 清水
Norio Minami
法夫 南
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Eisai Chemical Co Ltd
Eisai Co Ltd
Original Assignee
Eisai Chemical Co Ltd
Eisai Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 トロンボキサンA2合成酵素阻害剤、トロンボ
キサンA2受容体拮抗剤、5−リポキシゲナーゼ阻害剤、
活性酸素消去剤、抗喘息剤、肝疾患治療剤などとして有
用なキノン誘導体の工業的に優れた製造法、およびその
製造にあたり有用な中間体4−アルコキシフェノール誘
導体を提供する。 【構成】 出発原料として一般式I、の4−アルコキシ
フェノール誘導体を用いて酸化して、一般式II、のキノ
ン誘導体を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は特開昭63-45257号公報、
特願平 4-49712号公報等に開示されている、トロンボキ
サンA2合成酵素阻害剤、トロンボキサンA2受容体拮抗
剤、5−リポキシゲナーゼ阻害剤、活性酸素消去剤、抗
喘息剤、肝疾患治療剤などとして有用なキノン類(II)の
製造法、およびその製造にあたり有用な中間体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来キノン類(II)は、特開昭63-45257号
公報、特願平 4-49712号公報等に記載されているよう
に、対応するヒドロキノンを空気、酸素、フレミー塩、
塩化第二鉄、硫酸第二鉄、過酸化水素、過酸などの温和
な酸化剤で酸化するか、または対応するヒドロキノンの
ジアルコキシ誘導体を、酸化銀あるいは硝酸第二セリウ
ムアンモニウム等で酸化して得られることが知られてい
る。
【0003】
【本発明が解決しようとする問題点】従来のキノン類(I
I)の製造法においては、ヒドロキノン類を出発物質とす
る場合、ヒドロキノン類自体が非常に酸化されやすく不
安定であり、保存性が極めて悪かった。このためヒドロ
キノン類を製造した後、保存せずに直ちに次反応に移る
必要があり、要時調製しなければならず、工業的に適し
た方法とは言えなかった。さらに保存中に生成した各種
分解生成物も反応系に持ち込まれるため、最終生成物の
精製に多大な労力・資源・エネルギーが必要であり経済
的にも難点があった。
【0004】一方ヒドロキノンのジアルコキシ誘導体は
安定であるため、前述のようなヒドロキノン類が有する
欠点はないが、逆にその安定性故に反応性が低く、例え
ば硝酸第二セリウムアンモニウムを酸化剤とした場合、
目的とするキノン類(II)の収率が約45〜65%と低かっ
た。また酸化銀は非常に高価であり、工業的に大量に使
用することはできなかった。
【0005】このように従来の方法では、酸化して目的
化合物を得るにあたり、ヒドロキノン類を出発物質とす
る場合には原料の保存性ならびに操作性が劣り、ヒドロ
キノンのジアルコキシ誘導体を出発物質とする場合には
収率が低い問題点があり、いずれも工業的製法としては
不十分であった。このような背景から、適度な安定性と
反応性を有する出発物質からキノン類(II)を製造でき
る、工業的に優れた製造法が望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、上
記従来法の問題点の改善を目指して鋭意研究を重ねてき
た。その結果、出発原料として4−アルコキシフェノー
ル誘導体(I) を用いて酸化することにより、所期の目的
を達成してキノン類(II)を工業的に製造できることを見
い出し本発明を完成した。本発明における反応経路の概
略は、下記化学反応式により示される。
【0007】
【化15】
【0008】したがって本発明の目的は、トロンボキサ
ンA2合成酵素阻害剤、トロンボキサンA2受容体拮抗剤、
5−リポキシゲナーゼ阻害剤、活性酸素消去剤、抗喘息
剤、肝疾患治療剤などとして有用なキノン類(II)の工業
的に優れた製造法、およびその製造にあたり有用な中間
体を提供することにある。
【0009】本発明における4−アルコキシフェノール
誘導体(I) は下記一般式で表される。
【0010】
【化16】
【0011】式中R1 は低級アルキル基、シクロアルキ
ル基、低級アルコキシアルキル基、低級ハロゲン化アル
キル基、アリル基、アリール基、アラルキル基、シクロ
エーテル基、低級アルキルシリル基またはアリールシリ
ル基を意味する。さらに詳しくは、低級アルキル基とし
て例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピ
ル基、n-ブチル基、i-ブチル基、t-ブチル基、アミル
基、ヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基を、シク
ロアルキル基として例えばシクロプロピル基、シクロブ
チル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を、低
級アルコキシアルキル基として例えばメトキシメチル
基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、メトキシ
エチル基、エトキシエチル基、プロポキシエチル基、メ
トキシプロピル基、エトキシプロピル基、プロポキシプ
ロピル基等の上記低級アルキル基に対応する低級アルコ
キシ基で置換された炭素数1〜6のアルキル基を、低級
ハロゲン化アルキル基として例えばクロロメチル基、ジ
クロロメチル基、トリクロロメチル基、フルオロメチル
基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1−
クロロエチル基、2−クロロエチル基、1,1−ジクロ
ロエチル基、1,2−ジクロロエチル基、2,2−ジク
ロロエチル基等を、アリル基とは式 -CH2-CH=CH2で表さ
れる基を、アリール基として例えばフェニル基、クロロ
フェニル基、ニトロフェニル基、トルイル基、キシリル
基等を、アラルキル基として例えばベンジル基、メチル
ベンジル基、ジメチルベンジル基、ニトロベンジル基、
フェネチル基等を、シクロエーテル基として例えばテト
ラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等を、低
級アルキルシリル基として例えばトリメチルシリル基、
トリエチルシリル基等を、アリールシリル基として例え
ばトリフェニルシリル基等を挙げることができる。
【0012】R2 は同一または相異なる水素原子、低級
アルキル基または低級アルコキシ基を意味する。また隣
り合った2つのR2 で飽和環または芳香環を形成しても
よい。またR2 における低級アルキル基または低級アル
コキシ基の具体例は、前記R1 における具体例と同一で
ある。さらに隣り合った2つのR2 で飽和環または芳香
環を形成した場合、具体的には例えば無置換または置換
されていてもよい1,2,3,4−テトラヒドロナフタ
レン、インダン、ナフタレン、インデン等を挙げること
ができる。
【0013】R3 は水素原子、低級アルキル基、低級ア
ルコキシ基、下記一般式で表される基、
【0014】
【化17】
【0015】または下記一般式で表される基
【0016】
【化18】
【0017】を意味する。またR3 における低級アルキ
ル基または低級アルコキシ基の具体例も、前記R1 の場
合と同一である。さらに[化17]あるいは[化18]
で示される置換基において、n は1〜10の整数を意味す
る。なおこれらの置換基を有する4−アルコキシフェノ
ール誘導体(I) は、特開昭63-45257号公報、特願平4-49
712 号公報等に記載されている方法に従って製造するこ
とができる。
【0018】4−アルコキシフェノール誘導体(I) とし
てさらに具体的には、例えば下記化合物を挙げることが
できるが、本発明における4−アルコキシフェノール誘
導体(I) はこれらに限定されない。
【0019】(1) 3−(2’−ヒドロキシ−4’,5’
−ジメトキシ−3’,6’−ジメチルフェニル)−2−
[5”−(3”’−ピリジル)ペンチル]−2−プロペ
ン酸 (2) 3−(2’−ヒドロキシ−4’,5’−ジメトキシ
−3’,6’−ジメチルフェニル)−2−[4”−
(3”’−ピリジル)ブチル]−2−プロペン酸 (3) 3−(2’−ヒドロキシ−4’,5’−ジメトキシ
−3’,6’−ジメチルフェニル)−2−[6”−
(3”’−ピリジル)ヘキシル]−2−プロペン酸 (4) 3,6−ジメチル−2−(3’−ピリジル)メチル
−4−メトキシフェノール (5) 3,6−ジメチル−2−[2’−(3”−ピリジ
ル)エチル]−4−メトキシフェノール (6) 3,6−ジメチル−2−[3’−(3”−ピリジ
ル)プロピル]−4−メトキシフェノール (7) 2,5,6−トリメチル−4−メトキシフェノール (8) 4,5,6−トリメトキシ−2−メチルフェノール (9) 2−メチル−4−メトキシ−1−ナフトール
【0020】また本発明において、キノン類(II)は下記
一般式で表される。
【0021】
【化19】
【0022】式中におけるR2 、R3 は前記の4−アル
コキシフェノール誘導体(I) における定義と同一であ
り、置換基として同様な具体例を挙げることができる。
キノン類(II)としてさらに具体的には、例えば下記化合
物を挙げることができるが、本発明におけるキノン類(I
I)はこれらに限定されない。
【0023】(1) 3−(2’−メトキシ−3’,6’−
ジメチル−1’,4’−ベンゾキノン−5’−イル)−
2−[5”−(3”’−ピリジル)ペンチル]−2−プ
ロペン酸 (2) 3−(2’−メトキシ−3’,6’−ジメチル−
1’,4’−ベンゾキノン−5’−イル)−2−[4”
−(3”’−ピリジル)ブチル]−2−プロペン酸 (3) 3−(2’−メトキシ−3’,6’−ジメチル−
1’,4’−ベンゾキノン−5’−イル)−2−[6”
−(3”’−ピリジル)ヘキシル]−2−プロペン酸 (4) 2,6−ジメチル−3−(3’−ピリジル)メチル
−1,4−ベンゾキノン(5) 2,6−ジメチル−3−
[2’−(3”−ピリジル)エチル]−1,4−ベンゾ
キノン (6) 2,6−ジメチル−3−[3’−(3”−ピリジ
ル)プロピル]−1,4−ベンゾキノン (7) 2,3,5−トリメチル−1,4−ベンゾキノン (8) 2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾ
キノン (9) 2−メチル−1,4−ナフトキノン
【0024】次に本発明における、2−アルケニル−4
−アルコキシフェノール誘導体(III) および2−アルケ
ニル−1,4−ベンゾキノン類(IV)は、それぞれ下記一
般式で表される。
【0025】
【化20】
【0026】
【化21】
【0027】これらの化合物の一般式中におけるR1
2 および nは、前記4−アルコキシフェノール誘導体
(I) の場合と同様の意味を有する。化合物(III) はさら
に具体的には、4−アルコキシフェノール誘導体(I) の
3 が、前記の式[化17]で表される基で置換された
ものである。
【0028】次に本発明におけるヒドロキシベンズアル
デヒド誘導体(V) は下記一般式で表される。
【0029】
【化22】
【0030】式中R1 およびR2 は、前記4−アルコキ
シフェノール誘導体(I) の場合と同様の意味を有する。
さらにヒドロキシベンズアルデヒド誘導体(V) の代表例
として、例えば下記化合物を挙げることができるが、本
発明におけるヒドロキシベンズアルデヒド誘導体(V) は
これらに限定されない。 (1) 2−ヒドロキシ−4,5−ジメトキシ−3,6−ジ
メチルベンズアルデヒド (2) 6−ヒドロキシ−3−メトキシ−2,4−ジメチル
ベンズアルデヒド (3) 2−ヒドロキシ−5−メトキシ−3,4,6−トリ
メチルベンズアルデヒド (4) 2−ヒドロキシ−3,4,5−トリメトキシ−6−
メチルベンズアルデヒド (5) 1−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−メチル−2−
ナフトアルデヒド
【0031】本発明において有機リン化合物(VI)および
(VII) は、それぞれ下記一般式で表される。
【0032】
【化23】
【0033】
【化24】
【0034】これらの有機リン化合物は、一般にウィテ
ィッヒ・ホーナー・エモンズ(Wittig Horner Emmons)試
薬あるいはウィティッヒ(Wittig)試薬と呼ばれるオレフ
ィン合成に用いられる化合物であり、式中R4 は低級ア
ルキル基、シクロアルキル基、低級アルコキシアルキル
基、低級ハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール
基、アラルキル基、シクロエーテル基、低級アルキルシ
リル基またはアリールシリル基を意味する。またR5
低級アルコキシ基を意味する。これらの置換基としてさ
らに具体的には、前記4−アルコキシフェノール誘導体
(I) のR1 、R2において示した例と同様な具体例を挙
げることができるが、メトキシ基、エトキシ基またはプ
ロポキシ基がより好ましい。またR6 は低級アルキル基
またはアリール基を意味する。さらに具体的には、前記
4−アルコキシフェノール誘導体(I) のR1 、R2 にお
いて示した例と同様な具体例を挙げることができるが、
メチル基、エチル基またはフェニル基がより好ましい。
また nは1〜10の整数を意味する。これらの有機リン
化合物は、特願平4-49712 号公報に記載されている方法
に従って製造することができる。
【0035】次に、本発明にかかるエステル側鎖フェノ
ール誘導体(VIII)は、下記一般式で表される。
【0036】
【化25】
【0037】式中R1 、R2 、R4 、n は前記と同様の
意味を有する。さらにエステル側鎖フェノール誘導体(V
III)の代表例として、例えば下記化合物を挙げることが
できるが、本発明におけるエステル側鎖フェノール誘導
体(VIII)はこれらに限定されない。 (1) 3−(2’−ヒドロキシ−4’,5’−ジメトキシ
−3’,6’−ジメチルフェニル)−2−[5”−
(3”’−ピリジル)ペンチル]−2−プロペン酸エチ
ル (2) 3−(2’−ヒドロキシ−4’,5’−ジメトキシ
−3’,6’−ジメチルフェニル)−2−[4”−
(3”’−ピリジル)ブチル]−2−プロペン酸エチル (3) 3−(2’−ヒドロキシ−4’,5’−ジメトキシ
−3’,6’−ジメチルフェニル)−2−[6”−
(3”’−ピリジル)ヘキシル]−2−プロペン酸エチ
ル (4) 3−(2’−ヒドロキシ−5’−メトキシ−3’,
4’,6’−トリメチルフェニル)−2−[5”−
(3”’−ピリジル)ペンチル]−2−プロペン酸エチ
ル (5) 3−(2’−ヒドロキシ−3’,4’,5’−トリ
メトキシ−6’−メチルフェニル)−2−[5”−
(3”’−ピリジル)ペンチル]−2−プロペン酸エチ
ル (6) 3−(1’−ヒドロキシ−4’−メトキシ−3’−
メチルナフト−2’−イル)−2−[5”−(3”’−
ピリジル)ペンチル]−2−プロペン酸エチル
【0038】さらに、本発明にかかるジアルコキシベン
ズアルデヒド誘導体(IX)は、下記一般式で表される。
【0039】
【化26】
【0040】式中R1 、R2 は前記と同様の意味を有す
る。またジアルコキシベンズアルデヒド誘導体(IX)の代
表例として、例えば下記化合物を挙げることができる
が、本発明におけるジアルコキシベンズアルデヒド誘導
体(IX)はこれらに限定されない。 (1) 2,4,5−トリメトキシ−3,6−ジメチルベン
ズアルデヒド (2) 3,6−ジメトキシ−2,4−ジメチルベンズアル
デヒド (3) 2,5−ジメトキシ−3,4,6−トリメチルベン
ズアルデヒド (4) 2,3,4,5−テトラメトキシ−6−メチルベン
ズアルデヒド (5) 1,4−ジメトキシ−3−メチル−2−ナフトアル
デヒド
【0041】なお本発明におけるなお出発物質であるジ
アルコキシベンズアルデヒド誘導体(IX)は公知物質であ
り、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイエティ(J.Che
m.Soc.),Perkin Translation 1,(11),1353-4(1974). ま
たは同誌,Perkin Translation 1,(19),1979-85(1975).
に記載された方法に従って製造することができる。
【0042】次に本発明にかかる製法の各工程につい
て、以下に詳しく述べる(前記化学反応式[化15]参
照)。工程1 本工程は、ジアルコキシベンズアルデヒド誘導体(IX)を
ルイス酸で処理して脱メトキシ化し、ヒドロキシベンズ
アルデヒド誘導体(V) を製造する工程である。一般的に
は、ヘルベチカ・キミカ・アクタ(Helvetica Chimica A
cta),47(7),2031-2037,1964.、テトラヘドロン・レター
ズ(Tetrahedron Letters),1966(35),4153-4159. または
テトラヘドロン(Tetrahedron),9,139-144,1960. 等に記
載された方法に従って実施することができるが、本発明
においては、ジアルコキシベンズアルデヒド誘導体(IX)
を溶媒に溶解し、冷却下ルイス酸を加え、反応液を水に
加えることにより製造することができる。
【0043】溶媒としては、ジアルコキシベンズアルデ
ヒド誘導体(IX)あるいはルイス酸に対して不活性なもの
であれば限定されない。具体例としては、例えば塩化メ
チレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタ
ン、1,1,1-トリクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタ
ン、トリクレン、1,1,1,2-テトラクロロエタン、1,1,2,
2-テトラクロロエタン、1-クロロプロパン、2-クロロプ
ロパン、1,1-ジクロロプロパン、1,2-ジクロロプロパ
ン、1,3-ジクロロプロパン、2,2-ジクロロプロパン、ニ
トロメタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ニトロベ
ンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、テトラヒ
ドロフラン、1,2-ジメトキシエタン、エチルエーテル、
イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、酢酸メチル、
酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、プロ
ピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル、1,4-ジオキ
サン、1,3-ジオキソラン等を挙げることができるが、好
ましくは塩化メチレン、1,2-ジクロロエタン、1,1,1-ト
リクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、トリクレ
ン、1,2-ジクロロプロパン、1,3-ジクロロプロパン、2,
2-ジクロロプロパン、ベンゼン、トルエン、キシレン、
ニトロベンゼン、クロロベンゼンであり、さらに好まし
くは塩化メチレン、1,2-ジクロロエタン、1,1,1-トリク
ロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、トリクレン、ニ
トロベンゼン、クロロベンゼンである。
【0044】溶媒の使用量は限定されないが、通常はジ
アルコキシベンズアルデヒド誘導体(IX)の1重量に対し
て約 0.5〜100 容を、好ましくは約 0.5〜50容を、さら
に好ましくは約 1〜20容を用いる。なお溶媒は単独でも
2種類以上の混合物を用いてもいずれでもよい。
【0045】また本発明におけるルイス酸の具体例とし
ては、例えば四塩化チタン、塩化アルミニウム、塩化第
二スズ、塩化亜鉛、塩化第二鉄または三フッ化ホウ素・
エーテル錯体等を挙げることができる。触媒の使用量は
限定されないが、通常はジアルコキシベンズアルデヒド
誘導体(IX)に対して約 0.1〜10当量を、好ましくは約0.
5〜7 当量を、さらに好ましくは約 1〜5 当量を使用す
る。
【0046】本工程の反応温度は -40℃〜溶媒還流温度
において行うことができるが、氷冷下にルイス酸を加
え、その後加熱還流することが好ましい。また反応は通
常1〜12時間程度で終了する。
【0047】なお生成したヒドロキシベンズアルデヒド
誘導体(V) は、再結晶、シリカゲルカラムクロマトグラ
フィー等の常法により精製することができる。
【0048】工程2 この工程は、工程1で得られたヒドロキシベンズアルデ
ヒド誘導体(V) 等の4−アルコキシ−1−ヒドロキシベ
ンズアルデヒド誘導体と、有機リン化合物(VI)または(V
II) を反応させて、エステル側鎖フェノール誘導体(VII
I)を製造する工程である。一般的にはシンセティック・
コミュニケーションズ(Synthetic Communications),18
(11),1241-1245,1988. あるいはテトラヘドロン・レタ
ーズ(Tetrahedron Letters),26(1),53-56,1985. 等に記
載されたウィティッヒ・ホーナー・エモンズ(Wittig Ho
rner Emmons)反応、あるいはウィティッヒ(Wittig)反応
の常法に準じて実施することができる。
【0049】すなわち有機リン化合物(VI)を用いる場合
には、溶媒に有機リン化合物(VI)を溶解または懸濁し、
窒素気流・氷冷下に塩基を加え、次いでヒドロキシベン
ズアルデヒド誘導体(V) を加えて製造することができ
る。
【0050】ここで用いる溶媒としては、有機リン化合
物(VI)、塩基あるいはヒドロキシベンズアルデヒド誘導
体(V) に対して不活性な溶媒であれば限定されないが、
具体例としては、例えばテトラヒドロフラン、N,N-ジメ
チルホルムアミド、ビス(2-メトキシエチル)エーテ
ル、ジメチルスルホキシド、1,2-ジメトキシエタン、1,
4-ジオキサン、1,3-ジオキソラン、n-ヘキサン、ペンタ
ン、オクタン、石油エーテル、ベンゼン、トルエン、キ
シレン等を挙げることができるが、好ましくはテトラヒ
ドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、ビス(2-メト
キシエチル)エーテル、ジメチルスルホキシド、1,2-ジ
メトキシエタンである。溶媒の使用量は限定されない
が、通常は4−アルコキシ−1−ヒドロキシベンズアル
デヒド誘導体の1重量に対して、約 0.5〜100 容を用い
るが、好ましくは約 0.5〜50容を、さらに好ましくは約
1〜20容を用いる。なお溶媒は単独でも2種類以上の混
合物を用いてもいずれでもよい。
【0051】また有機リン化合物(VI)を反応させる際に
用いる塩基としては、具体的には、例えば炭酸セシウ
ム、相間移動触媒、炭酸カリウムと相間移動触媒、炭酸
水素カリウムと相間移動触媒、フッ化カリウムと相間移
動触媒、炭酸ナトリウムと相間移動触媒、炭酸リチウム
と相間移動触媒、炭酸水素ナトリウムと相間移動触媒、
水酸化バリウムと相間移動触媒等を挙げることができ
る。ここで本発明における相間移動触媒とは、陰イオン
移動性の4級アンモニウム塩またはホスホニウム塩であ
れば限定されないが、具体的には例えば臭化テトラ−n-
ブチルアンモニウム、ヨウ化テトラ−n-ブチルアンモニ
ウム、ヨウ化テトラメチルアンモニウム、塩化ベンジル
トリメチルアンモニウム、ヨウ化N-メチルピリジニウ
ム、塩化テトラメチル−2-ブチルアンモニウム、臭化t-
ブチルエチルジメチルアンモニウム、塩化トリメチルシ
クロプロピルアンモニウム、ヨウ化トリエチルメチルホ
スホニウム、臭化テトラ−n-ブチルホスホニウム、臭化
ベンジルトリフェニルホスホニウム、ヨウ化メチルトリ
フェノキシホスホニウム等を挙げることができる。塩基
の使用量は限定されないが、通常は有機リン化合物(VI)
に対して約 0.8〜5 当量を、好ましくは約 0.9〜3 当量
を、さらに好ましくは約 1〜2 当量を使用する。なお相
間移動触媒の使用量も限定されないが、通常は触媒量で
よい。
【0052】反応温度は -40℃〜溶媒還流温度において
行うことができるが、氷冷下内温を-20〜10℃に保ちな
がら塩基、続いて4−アルコキシ−1−ヒドロキシベン
ズアルデヒド誘導体を加え、その後さらに溶媒還流温度
で行うことが好ましい。また反応は、通常1〜24時間程
度で終了する。
【0053】一方、有機リン化合物(VII) を用いる場合
には、溶媒に有機リン化合物(VII)を溶解または懸濁
し、必要により窒素気流下に、4−アルコキシ−1−ヒ
ドロキシベンズアルデヒド誘導体を加えて製造すること
ができる。
【0054】反応温度は -40〜溶媒還流温度において行
うことができる。また反応は通常10分〜6時間程度で終
了する。また得られたエステル側鎖フェノール誘導体(V
III)の粗生成物は、シリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー等の常法により精製することができる。
【0055】工程3 工程3は、工程2で得られたエステル側鎖フェノール誘
導体(VIII)を加水分解して、2−アルケニル−4−アル
コキシフェノール誘導体(III) 等の4−アルコキシフェ
ノール誘導体(I) を製造する工程である。本工程はエス
テルを加水分解する際の常法に従い、塩基性または酸性
条件下に実施することができる。
【0056】工程4 本工程は、2−アルケニル−4−アルコキシフェノール
誘導体(III) 等の4−アルコキシフェノール誘導体(I)
を酸化してキノン類(II)とする工程である。具体的には
4−アルコキシフェノール誘導体(I) を溶媒に溶解もし
くは懸濁し、酸化剤として硝酸、塩化第二鉄、硝酸第二
セリウムアンモニウム、硫酸第二セリウム、空気−塩化
第二銅、酸化銀から選ばれた1種以上を用いて酸化する
工程である。
【0057】酸化剤として硝酸を用いる場合、硝酸の濃
度は限定されず、いずれの濃度の硝酸でも使用すること
ができる。また硝酸の使用量も限定されないが、通常は
4−アルコキシフェノール誘導体(I) に対して約 1〜50
当量を、好ましくは約 5〜40当量を、さらに好ましくは
約10〜30当量を用いる。また溶媒は使用しても無使用で
もいずれでもよいが、使用する場合の具体例としては、
例えば水、酢酸、トリフルオロ酢酸等を挙げることがで
きる。溶媒の使用量も限定されないが、通常は4−アル
コキシフェノール誘導体(I) の1重量に対して、約 0.5
〜100 容を用いるが、好ましくは約 0.5〜50容を、さら
に好ましくは約 1〜20容を用いる。なお溶媒は単独でも
2種類以上の混合物を用いてもいずれでもよい。本反応
は発熱反応であるため、冷却下に硝酸を滴下し、その後
さらに室温で行うことが好ましい。反応時間は、硝酸を
滴下後、通常1分〜2時間程度で終了する。
【0058】塩化第二鉄を用いる場合には、4−アルコ
キシフェノール誘導体(I) を溶媒に溶解し、そこに塩化
第二鉄の水溶液またはアルコール溶液を加えて反応させ
る。塩化第二鉄の使用量は限定されないが、通常は4−
アルコキシフェノール誘導体(I) に対して約 1〜50当量
を、好ましくは約 1.5〜30当量を、さらに好ましくは約
2〜10当量を用いる。さらに塩化第二鉄には無水物、6
水和物等が市販されているが、本発明においてはいずれ
でもよく限定されない。また本発明には溶媒を用いるが
含水溶媒が好ましく、具体例としては、例えば水、メタ
ノール、エタノール、プロパノール、酢酸メチル、酢酸
エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪
酸メチル、酪酸エチル、アセトニトリル等を挙げること
ができる。溶媒の使用量は限定されないが、通常は4−
アルコキシフェノール誘導体(I)の1重量に対して、約
0.5〜100 容を用いるが、好ましくは約 0.5〜50容を、
さらに好ましくは約 1〜20容を用いる。なお溶媒は単独
でも2種類以上の混合物を用いてもいずれでもよい。本
反応は -40℃〜溶媒還流下において実施することができ
るが、通常は室温で実施できる。また反応時間は通常30
分〜12時間程度で終了する。
【0059】硝酸第二セリウムアンモニウムを用いる場
合には、4−アルコキシフェノール誘導体(I) を溶媒に
溶解し、そこに硝酸第二セリウムアンモニウムの水溶液
またはアルコール溶液を加えて反応させる。硝酸第二セ
リウムアンモニウムの使用量は限定されないが、通常は
4−アルコキシフェノール誘導体(I) に対して約 1〜50
当量を、好ましくは約 1.2〜30当量を、さらに好ましく
は約 1.5〜10当量を用いる。また本反応には溶媒を用い
るが含水溶媒が好ましく、具体例としては、例えば水、
メタノール、エタノール、プロパノール、アセトニトリ
ル、ピリジン、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキソラン、酢
酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオ
ン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル等を挙げることが
できるが、アセトニトリル、酢酸エチル、水がより好ま
しい。溶媒の使用量は限定されないが、通常は4−アル
コキシフェノール誘導体(I) の1重量に対して、約 0.5
〜100 容を用いるが、好ましくは約 0.5〜50容を、さら
に好ましくは約 1〜20容を用いる。なお溶媒は単独でも
2種類以上の混合物を用いてもいずれでもよい。本反応
は -40℃〜溶媒還流下において実施することができる
が、通常は氷冷下に実施するのが好ましい。また反応時
間は通常 5分〜6時間程度で終了する。
【0060】硫酸第二セリウムを用いる場合には、4−
アルコキシフェノール誘導体(I) を溶媒に溶解し、そこ
に硫酸第二セリウムまたはその溶液を加えて反応させ
る。硫酸第二セリウムには各種水和物があるが、本発明
においては限定されず、いずれでも利用することができ
る。硫酸第二セリウムの使用量は限定されないが、通常
は4−アルコキシフェノール誘導体(I) に対して約1〜
50当量を、好ましくは約1.2〜30当量を、さらに好まし
くは約 1.5〜10当量を用いる。また本反応には溶媒を用
いるが含水溶媒が好ましく、具体例として、例えば水、
メタノール、エタノール、プロパノール、アセトニトリ
ル、ピリジン、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキソラン、酢
酸エチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、プロピオ
ン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル等を挙げることが
できるが、酢酸エチル、酢酸メチル、アセトニトリル、
メタノール、ピリジン、水がより好ましい。溶媒の使用
量は限定されないが、通常は4−アルコキシフェノール
誘導体(I) の1重量に対して約 0.5〜100 容を、好まし
くは約 0.5〜50容を、さらに好ましくは約 1〜20容を用
いる。なお溶媒は単独でも、2種類以上の混合物を用い
てもいずれでもよい。本反応は氷冷〜溶媒還流下におい
て行うことができるが、通常は室温にて実施できる。ま
た反応時間は通常30分〜 6時間程度で終了する。
【0061】空気−塩化第二銅を用いる場合には、4−
アルコキシフェノール誘導体(I) を溶媒に溶解または懸
濁し、塩化第二銅に、触媒として塩酸ヒドロキシルアミ
ンと酸、オキシムと酸またはアミンと酸の1種以上を加
え、そこに空気を吹き込んで反応させる。
【0062】本反応に用いる溶媒は具体例として、例え
ば水、メタノール、エタノール、n-プロパノール、i-プ
ロパノール、アセトニトリル、ピリジン、1,4-ジオキサ
ン、1,3-ジオキソラン、酢酸エチル、酢酸メチル、プロ
ピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪
酸エチル等を挙げることができるが、水、n-プロパノー
ル、i-プロパノール、酢酸エチル、酢酸メチル、アセト
ニトリル、メタノール、ピリジンがより好ましい。溶媒
の使用量は限定されないが、通常は4−アルコキシフェ
ノール誘導体(I) の1重量に対して約 0.5〜100 容を、
好ましくは約 0.5〜50容を、さらに好ましくは約 1〜20
容を用いる。なお溶媒は単独でも、2種類以上の混合物
を用いてもいずれでもよい。
【0063】また塩化第二銅の使用量は限定されない
が、通常は4−アルコキシフェノール誘導体(I) に対し
て約 0.1〜20当量を、好ましくは約 0.5〜10当量を、さ
らに好ましくは約 0.8〜5 当量を用いる。
【0064】触媒として塩酸ヒドロキシルアミンと酸を
用いる場合には、塩酸ヒドロキシルアミンの使用量は限
定されないが、通常は4−アルコキシフェノール誘導体
(I)に対して約 0.5〜50当量を、好ましくは約1〜30当
量を、さらに好ましくは約 1.5〜10当量を用いる。酸は
必要に応じて添加すればよく、使用量は限定されない。
なお本発明における酸とは、具体的には例えば塩酸、硫
酸、硝酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、過塩素酸、リン
酸等の無機酸、またはメタンスルホン酸、エタンスルホ
ン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、カ
ンファースルホン酸等のスルホン酸等を挙げることがで
きる。
【0065】触媒としてオキシムと酸を用いる場合、オ
キシムとは具体的には、例えばアセトンオキシム、2−
ブタノンオキシム、2−ペンタノンオキシム、3−ペン
タノンオキシム、シクロペンタノンオキシム、シクロヘ
キサノンオキシム、アセトフェノンオキシム、ベンゾフ
ェノンオキシム等を挙げることができる。オキシムの使
用量は限定されないが、通常は4−アルコキシフェノー
ル誘導体(I) に対して約 0.5〜50当量を、好ましくは約
1〜30当量を、さらに好ましくは約 1.5〜10当量を用い
る。さらに酸は、オキシムとの塩を形成していてもよい
し、フリーのオキシムに別途添加してもよい。酸の使用
量は通常はオキシムに対して約1〜30当量を使用する。
なお本発明における酸とは、前記の塩酸ヒドロキシルア
ミンの場合における酸と同様である。
【0066】触媒としてアミンと酸を用いる場合、本発
明におけるアミンとはアルキルアミンまたはアリールア
ミンを意味し、さらに具体的には、アルキルアミンとし
て例えばメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミ
ン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミ
ン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピ
ルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ト
リエタノールアミン等を、アリールアミンとして例えば
ピリジン、N,N-ジメチルアニリン、イミダゾール等を挙
げることができる。アミンの使用量は限定されないが、
通常は4−アルコキシフェノール誘導体(I) に対して約
0.5〜50当量を、好ましくは約1〜30当量を、さらに好
ましくは約 1.5〜10当量を用いる。さらに酸は、アミン
との塩を形成していてもよいし、フリーのアミンに別途
添加してもよい。酸の使用量は通常はアミンに対して約
1〜30当量を使用する。なお本発明における酸とは、前
記の塩酸ヒドロキシルアミンの場合における酸と同様で
ある。
【0067】本反応はいずれの触媒を用いた場合でも、
氷冷〜溶媒還流下において行うことができるが、通常は
室温にて実施できる。また反応時間は通常30分〜 6時間
程度で終了する。
【0068】酸化銀を用いる場合には、4−アルコキシ
フェノール誘導体(I) を溶媒に溶解し、酸化銀と脱水剤
を加えて室温で攪拌する。本発明における脱水剤とは、
例えばモレキュラーシーブス、酸化カルシウム等を挙げ
ることができ、その使用量は限定されない。また本反応
には溶媒を用いる溶媒の具体例としては、例えばエチル
エーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、1,2-ジメトキシエタン、1,4-ジオキサン、1,3-ジオ
キソラン、酢酸エチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチ
ル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル、ア
セトン、アセトニトリル、ピリジン、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等を挙げることができるが、エチルエーテ
ル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2-
ジメトキシエタン、酢酸エチル、酢酸メチル、ピリジン
がより好ましい。溶媒の使用量は限定されないが、通常
は4−アルコキシフェノール誘導体(I) の1重量に対し
て約0.5〜100 容を、好ましくは約 0.5〜50容を、さら
に好ましくは約 1〜20容を用いる。なお溶媒は単独で
も、2種類以上の混合物を用いてもいずれでもよい。本
反応は室温〜溶媒還流下において行うことができるが、
通常は室温にて実施できる。また反応時間は通常1〜24
時間程度で終了する。
【0069】次に下記一般式を有する4−アルコキシフ
ェノール誘導体(X) は新規化合物であり、キノン類(II)
を製造するにあたり、中間体として有用である。
【0070】
【化27】
【0071】式中R1 、R2 は前記と同様の意味を有す
る。R7 は水素原子、ホルミル基、低級アルキル基、低
級アルコキシアルキル基、下記一般式で表される基
【0072】
【化28】
【0073】(式中 nは前記と同様の意味を有し、R8
は水素原子、低級アルキル基、シクロアルキル基、低級
アルコキシアルキル基、低級ハロゲン化アルキル基、ア
リル基、アリール基、アラルキル基、シクロエーテル
基、低級アルキルシリル基またはアリールシリル基を意
味する。)、または下記一般式で表される基
【0074】
【化29】
【0075】(式中 nは前記と同様の意味を有する。)
を意味する。さらに具体的な代表例としては、例えば下
記化合物を挙げることができるが、本発明にかかる中間
体である4−アルコキシフェノール誘導体(X) は、これ
らに限定されない。
【0076】(1) 3−(2’−ヒドロキシ−4’,5’
−ジメトキシ−3’,6’−ジメチルフェニル)−2−
[5”−(3”’−ピリジル)ペンチル]−2−プロペ
ン酸 (2) 3−(2’−ヒドロキシ−4’,5’−ジメトキシ
−3’,6’−ジメチルフェニル)−2−[4”−
(3”’−ピリジル)ブチル]−2−プロペン酸 (3) 3−(2’−ヒドロキシ−4’,5’−ジメトキシ
−3’,6’−ジメチルフェニル)−2−[6”−
(3”’−ピリジル)ヘキシル]−2−プロペン酸 (4) 3,6−ジメチル−2−(3’−ピリジル)メチル
−4−メトキシフェノール (5) 3,6−ジメチル−2−[2’−(3”−ピリジ
ル)エチル]−4−メトキシフェノール (6) 3,6−ジメチル−2−[3’−(3”−ピリジ
ル)プロピル]−4−メトキシフェノール (7) 2,5,6−トリメチル−4−メトキシフェノール (8) 4,5,6−トリメトキシ−2−メチルフェノール (9) 2−メチル−4−メトキシ−1−ナフトール (10)3−(2’−ヒドロキシ−4’,5’−ジメトキシ
−3’,6’−ジメチルフェニル)−2−[5”−
(3”’−ピリジル)ペンチル]−2−プロペン酸エチ
ル (11)3−(2’−ヒドロキシ−4’,5’−ジメトキシ
−3’,6’−ジメチルフェニル)−2−[4”−
(3”’−ピリジル)ブチル]−2−プロペン酸エチル (12)3−(2’−ヒドロキシ−4’,5’−ジメトキシ
−3’,6’−ジメチルフェニル)−2−[6”−
(3”’−ピリジル)ヘキシル]−2−プロペン酸エチ
ル (13)3−(2’−ヒドロキシ−5’−メトキシ−3’,
4’,6’−トリメチルフェニル)−2−[5”−
(3”’−ピリジル)ペンチル]−2−プロペン酸エチ
ル (14)3−(2’−ヒドロキシ−3’,4’,5’−トリ
メトキシ−6’−メチルフェニル)−2−[5”−
(3”’−ピリジル)ペンチル]−2−プロペン酸エチ
ル (15)3−(1’−ヒドロキシ−4’−メトキシ−3’−
メチルナフト−2’−イル)−2−[5”−(3”’−
ピリジル)ペンチル]−2−プロペン酸エチル (16)2−ヒドロキシ−4,5−ジメトキシ−3,6−ジ
メチルベンズアルデヒド (17)6−ヒドロキシ−3−メトキシ−2,4−ジメチル
ベンズアルデヒド (18)2−ヒドロキシ−5−メトキシ−3,4,6−トリ
メチルベンズアルデヒド (19)2−ヒドロキシ−3,4,5−トリメトキシ−6−
メチルベンズアルデヒド (20)1−ヒドロキシ−4−メトキシ−3−メチル−2−
ナフトアルデヒド
【0077】次に、本発明にかかる出発物質の具体的な
製造例を掲げるが、本発明にかかる出発物質がこれらに
限定されないことは言うまでもない。製造例1 2,5−ジメトキシ−3,6−ジメチルフェ
ノールの合成
【0078】
【化30】
【0079】2,5−ジメトキシ−3,6−ジメチルベ
ンズアルデヒド 94g(0.48mol) に塩化メチレン(660ml)
を加え、室温で攪拌した。70% m-クロロ過安息香酸 130
g(0.53mol)を少しずつ加え、その後30分間加熱還流し
た。氷およびチオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、析出し
た結晶を濾取した。結晶を少量の塩化メチレンで洗い、
先の濾液と合わせた。有機層を 1N-水酸化ナトリウム水
溶液(500ml) 、次いで飽和食塩水で洗浄した後、無水硫
酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をメタノー
ル(250ml) に溶解し、28%-ナトリウムメチラート・メタ
ノール溶液(120ml) を加え、室温で30分間攪拌した。反
応液に氷水を加えて冷却後、 2N-塩酸で中和した。析出
した結晶を水洗し、標題化合物 77gを白色粉末として得
た。
【0080】製造例2 4−ヒドロキシ−2,5−ジメ
トキシ−3,6−ジメチルベンズアルデヒドの合成
【0081】
【化31】
【0082】2,5−ジメトキシ−3,6−ジメチルフ
ェノール 154g(0.85mol)を塩化メチレン(1000ml)に溶解
した。氷冷攪拌下、内温を10℃以下に保ちながら、四塩
化チタン 121ml(1.11mol) を滴下した。そのまま15分間
反応させた後、次に内温を15℃以下に保ちながら、ジク
ロロメチルメチルエーテル 116ml(1.28mol) を滴下し
た。その後、室温にて3時間反応させた。反応液に水を
加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗、乾燥、減
圧濃縮した。残渣をエーテル−n-ヘキサンの混合溶媒で
洗い、標題化合物 114g を得た。
【0083】製造例3 2,4,5−トリメトキシ−
3,6−ジメチルベンズアルデヒドの合成
【0084】
【化32】
【0085】4−ヒドロキシ−2,5−ジメトキシ−
3,6−ジメチルベンズアルデヒド 114g(0.55mol)をN,
N-ジメチルホルムアミド(1000ml)に溶解した。氷冷攪拌
下、60%-水素化ナトリウム 24g(0.6mol)を少しずつ加え
た。15分間反応させた後、ヨウ化メチル(37ml)を滴下し
た。その後室温で3時間反応させた後、反応液に水を加
え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗、乾燥、減圧
濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(酢酸エチル:n-ヘキサン系)で精製し、標題化合物 1
22g を得た。
【0086】次に本発明を具体的に説明するため、以下
に実施例を掲げるが、本発明がこれらに限定されないこ
とは言うまでもない。
【0087】
【実施例】実施例1 2−ヒドロキシ−4,5−ジメトキシ−3,
6−ジメチルベンズアルデヒドの合成
【0088】
【化33】
【0089】2,4,5−トリメトキシ−3,6−ジメ
チルベンズアルデヒド 35.4g(158mmol) を1,2−ジク
ロロエタン(350ml) に溶解した。氷冷下、ここに四塩化
チタン 17.4ml(158mmol)を3分間で滴下した後、油浴上
50℃にて4時間30分加熱攪拌した。反応液を冷却後、氷
(300g)・ 1N-塩酸(1000ml)中に注ぎ、酢酸エチル( 1000
ml×3)で抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水
硫酸ナトリウムを加えて乾燥し、減圧濃縮した。油状残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチ
ル:n-ヘキサン系)で精製して標題化合物の淡黄色油状
物を得た。これを氷冷して淡黄色固体 31.3gを得た。
(収率; 94%)
【0090】融点; 28−29℃1 H-NMR(400MHz,CDCl3); δ(ppm) 2.12(3H,s)、2.48(3
H,s)、3.73(3H,s)、3.92(3H,s)、10.17(1H,s) 、12.34
(1H,s) MS(FAB) ; m/z: 210(M+)
【0091】実施例2 3−(2’−ヒドロキシ−
4’,5’−ジメトキシ−3’,6’−ジメチルフェニ
ル)−2−[5”−(3”’−ピリジル)ペンチル]−
2−プロペン酸の合成
【0092】
【化34】
【0093】2−ヒドロキシ−4,5−ジメトキシ−
3,6−ジメチルベンズアルデヒド 5.04g(24.0mmol)と
2−ジエチルホスホノ−7−(3’−ピリジル)ヘプタ
ン酸エチル 10.6g(28.6mmol)をテトラヒドロフラン(50m
l)に溶解した。ここに炭酸セシウム 11.7g(36.0mmol)を
懸濁した後、18時間加熱還流した。反応液を冷却し、水
酸化カリウム 10.8g(192mmol) の水(45ml)溶液とメタノ
ール(50ml)を加え、2時間加熱還流した。反応液を氷冷
し、水(50ml)を加え、エーテル(100ml×2)で洗浄した。
水層を氷冷して 5N-塩酸(80ml)を加え、エーテル(100ml
×2)で洗浄した。水層を氷冷し、 5N-水酸化ナトリウム
水溶液(25ml)と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し
た。ここから酢酸エチル(300ml×1, 150ml×2)で抽出
し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを加えて
乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(塩化メチレン:メタノール系)で精製し
て、標題化合物の無色非晶質固体 6.53gを得た。(収
率; 68%)
【0094】1H-NMR(400MHz,CDCl3); δ(ppm) 1.22(2
H,tt,J=7.0, 7.0Hz)、1.46(2H,tt,J=7.0, 7.0Hz)、1.55(2
H,tt,J=7.0, 7.0Hz)、2.07(3H,s)、2.15(3H,s)、2.23(2H,
t,J=7.0Hz)、2.56(2H,t,J=7.0Hz)、3.76(3H,s)、3.84(3H,
s)、7.28(1H,dd,J=7.5, 4.5Hz)、7.44(1H,s)、7.53(1H,d,J
=7.5Hz)、8.45(1H,bd,J=4.5Hz)、8.49(1H,bs) MS(FAB) ; m/z: 400(MH+)
【0095】実施例3 3―(2’―ヒドロキシ―
4’, 5’―ジメトキシ―3’, 6’―ジメチルフェニ
ル)―2―[ 5”―(3”’―ピリジル)ペンチル] ―
2―プロペン酸エチルの合成
【0096】
【化35】
【0097】2―ヒドロキシ―4, 5―ジメトキシ―
3, 6―ジメチルベンズアルデヒド 1.00g(4.76mmol)と
2―ジエチルホスホノ―7―(3’―ピリジル)ヘプタ
ン酸エチル 2.17g(5.83mmol)をテトラヒドロフラン(10m
l)に溶解した。ここに炭酸カリウム 2.10g(15.2mmol)と
臭化テトラ―n-ブチルアンモニウム 0.77g(2.4mmol) を
懸濁した後、22時間加熱還流した。反応液を冷却し、塩
化アンモニウム 8.4g の水(50ml)溶液の中へ加えた。こ
こから酢酸エチル(50mlx2)で抽出し、水および飽和食塩
水で順次洗浄した。無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥
し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(n-ヘキサン:酢酸エチル系)で精製して、標
題化合物の淡黄褐色油状物 1.42gを得た。(収率; 70
%)
【0098】1H-NMR(400MHz,CDCl3) ; δ(ppm) 1.21(2
H,tt,J=7.5, 7.5Hz)、1.35(3H,t,J=7.0HZ)、1.40(2H,tt,J
=7.5, 7.5Hz)、1.48(2H,tt,J=7.5, 7.5Hz)、2.07(3H,s)、
2.15(3H,s)、2.20(2H,t,J=7.5Hz)、2.49(2H,t,J=7.5Hz)、
3.75(3H,s)、3.83(3H,s)、4.29(2H,q,J=7.0Hz)、4.86(1H,
s)、7.17(1H,dd,J=8.0, 4.5Hz)、7.37(1H,s)、7.40(1H,bd,
J=8.0Hz)、8.36(1H,bs)、8.41(1H,bd,J=4.5Hz) MS(FAB) ; m/z: 428(MH+)
【0099】実施例4 3―(2’―ヒドロキシ―
4’, 5’―ジメトキシ―3’, 6’―ジメチルフェニ
ル)―2―[ 5”―(3”’―ピリジル)ペンチル] ―
2―プロペン酸エチルの合成
【0100】2―ヒドロキシ―4, 5―ジメトキシ―
3, 6―ジメチルベンズアルデヒド 216mg(1.03mmol)と
2―ジエチルホスホノ―7―(3’―ピリジル)ヘプタ
ン酸エチル 465mg(1.25mmol)をアセトニトリル(3ml) に
溶解した。ここにフッ化カリウム 251mg(4.32mmol)と臭
化テトラ―n-ブチルアンモニウム 169mg(0.52mmol)を懸
濁した後、26時間加熱還流した。反応液を冷却し、飽和
塩化アンモニウム水溶液(50ml)の中へ加えた。ここから
酢酸エチル(50mlx2)で抽出し、飽和食塩水で洗浄した。
無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥し、減圧濃縮した。残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサ
ン:酢酸エチル系)で精製して、標題化合物の淡黄色油
状物 166mgを得た。(収率; 38%)
【0101】実施例5 3―(2’―ヒドロキシ―
4’, 5’―ジメトキシ―3’, 6’―ジメチルフェニ
ル)―2―[ 5”―(3”’―ピリジル)ペンチル] ―
2―プロペン酸エチルの合成
【0102】2―ヒドロキシ―4, 5―ジメトキシ―
3, 6―ジメチルベンズアルデヒド 217mg(1.03mmol)と
2―ジエチルホスホノ―7―(3’―ピリジル)ヘプタ
ン酸エチル 453mg(1.22mmol)をテトラヒドロフラン(3m
l) に溶解した。ここに炭酸水素カリウム 528mg(5.27mm
ol)と臭化テトラ―n-ブチルアンモニウム 167mg(0.52mm
ol)を懸濁した後、32時間加熱還流した。反応液を冷却
し、飽和塩化アンモニウム水溶液(50 ml) の中へ加え
た。ここから酢酸エチル(50mlx2)で抽出し、飽和食塩水
で洗浄した。無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥し、減圧
濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(n-ヘキサン:酢酸エチル系)で精製して、標題化合物
の淡黄褐色油状物 243mgを得た。(収率; 55%)
【0103】実施例6 3―(2’―ヒドロキシ―
4’, 5’―ジメトキシ―3’, 6’―ジメチルフェニ
ル)―2―[ 5”―(3”’―ピリジル)ペンチル] ―
2―プロペン酸エチルの合成 2―ヒドロキシ―4, 5―ジメトキシ―3, 6―ジメチ
ルベンズアルデヒド 213mg(1.01mmol)と2―ジエチルホ
スホノ―7―(3’―ピリジル)ヘプタン酸エチル 459
mg(1.24mmol)をテトラヒドロフラン(1ml) に溶解した。
ここにフッ化テトラ―n-ブチルアンモニウムの 1.0M-テ
トラヒドロフラン溶液 3.0ml(3.0mmol)を加え、得られ
た溶液を、22時間加熱還流した。反応液を冷却し、飽和
塩化アンモニウム水溶液(50ml)の中へ加えた。ここから
酢酸エチル(50mlx2)で抽出し、飽和食塩水で洗浄した。
無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥し、減圧濃縮した。残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサ
ン:酢酸エチル系)で精製して、標題化合物の淡褐色油
状物 264mgを得た。(収率; 61%)
【0104】実施例7 3―(2’―ヒドロキシ―
4’, 5’―ジメトキシ―3’, 6’―ジメチルフェニ
ル)―2―[ 5”―(3”’―ピリジル)ペンチル] ―
2―プロペン酸エチルの合成 2―ヒドロキシ―4, 5―ジメトキシ―3, 6―ジメチ
ルベンズアルデヒド 217mg(1.03mmol)と2―ジエチルホ
スホノ―7―(3’―ピリジル)ヘプタン酸エチル 453
mg(1.22mmol)をテトラヒドロフラン(3ml) に溶解した。
ここに炭酸カリウム 479mg(3.47mmol)と臭化テトラ―n-
ブチルアンモニウム 170mg(0.53mmol)を懸濁し、さらに
水(0.08ml)を加えた後、26時間加熱還流した。反応液を
冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液(50ml)の中へ加え
た。ここから酢酸エチル(50mlx2)で抽出し、飽和食塩水
で洗浄した。無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥し、減圧
濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(n-ヘキサン:酢酸エチル系)で精製して、標題化合物
の淡黄褐色油状物 300mgを得た。(収率; 68%)
【0105】実施例8 3―(2’―ヒドロキシ―
4’, 5’―ジメトキシ―3’, 6’―ジメチルフェニ
ル)―2―[ 5”―(3”’―ピリジル)ペンチル] ―
2―プロペン酸の合成 2―ヒドロキシ―4, 5―ジメトキシ―3, 6―ジメチ
ルベンズアルデヒド 4.57g(21.8mmol)と2―ジエチルホ
スホノ―7―(3’―ピリジル)ヘプタン酸エチル 9.6
9g(26.1mmol)をテトラヒドロフラン(45ml)に溶解した。
ここに炭酸カリウム 9.06g(65.6mmol)と臭化テトラ―n-
ブチルアンモニウム 3.52g(10.9mmol)を懸濁した後、23
時間加熱還流した。反応液を冷却し、水酸化カリウム
6.20g(111mmol) の水(27ml)溶液とメタノール(18ml)加
え、2時間加熱還流した。反応液を氷冷し、水(50ml)を
加え、エーテル(50ml)で洗浄した。水層を氷冷して 5N-
塩酸(50ml)を加え、エーテル(50ml)で洗浄した。水層を
氷冷し、 2N-水酸化ナトリウム水溶液(25ml)で中和し
た。ここから酢酸エチル(150mlx2) で抽出し、飽和食塩
水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥し、減圧
濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(塩化メチレン:メタノール系)で精製して、標題化合
物の無色非晶質固体 5.13gを得た。(収率; 59%)
【0106】実施例9 3−(2’−メトキシ−3’,
6’−ジメチル−1’,4’−ベンゾキノン−5’−イ
ル)−2−[5”−(3”’−ピリジル)ペンチル]−
2−プロペン酸の合成
【0107】
【化36】
【0108】3−(2’−ヒドロキシ−4’,5’−ジ
メトキシ−3’,6’−ジメチルフェニル)−2−
[5”−(3”’−ピリジル)ペンチル]−2−プロペ
ン酸 5.01g(12.5mmol)を 1N-塩酸 12.8ml(12.8mmol) と
水(25ml)の混合液に溶解した。氷冷下、ここに濃硝酸
9.6ml(150mmol) を4分間で滴下し、その後室温で50分
間攪拌した。反応液を氷冷し、氷を加えた後、飽和炭酸
水素ナトリウム水溶液で中和した。ここから塩化メチレ
ン(200ml×2)で抽出した。食塩水で洗浄後、無水硫酸ナ
トリウムを加えて乾燥した。溶媒を減圧留去し、得られ
た橙色結晶をエタノールから再結晶し、標題化合物の黄
色結晶 3.59gを得た。(収率; 75%)
【0109】融点; 134-135 ℃1 H-NMR(400MHz,CDCl3); δ(ppm) 1.26(2H,tt,J=7.0,
7.0Hz)、1.50(2H,tt,J=7.0, 7.0Hz)、1.61(2H,tt,J=7.0,
7.0Hz)、1.95(3H,s)、1.96(3H,s)、2.12(2H,t,J=7.0Hz)、2.
60(2H,t,J=7.0Hz)、4.01(3H,s)、7.26(1H,s)、7.27(1H,dd,
J=5.0, 8.5Hz)、7.55(1H,bd,J=8.5Hz)、8.44(1H,bd,J=5.0
Hz)、8.50(1H,bs)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式で表される4−アルコキシフ
    ェノール誘導体(I) を 【化1】 [式中R1 は低級アルキル基、シクロアルキル基、低級
    アルコキシアルキル基、ハロゲン化低級アルキル基、ア
    リル基、アリール基、アラルキル基、シクロエーテル
    基、低級アルキルシリル基、アリールシリル基またはト
    リフェニルメチル基を意味する。R2 は同一または相異
    なる水素原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基
    を意味する。また隣り合った2つのR2 で飽和環または
    芳香環を形成してもよい。R3 は水素原子、低級アルキ
    ル基、低級アルコキシ基、下記一般式で表される基 【化2】 (式中 nは1〜10の整数を意味する。)、または下記
    一般式で表される基 【化3】 (式中 nは前記と同様の意味を有する。)を意味す
    る。]を酸化することを特徴とする、下記一般式で表さ
    れるキノン類(II)の製造法。 【化4】 [式中R2 、R3 は前記と同様の意味を有する。]
  2. 【請求項2】 4−アルコキシフェノール誘導体(I) が
    下記一般式で表される2−アルケニル−4−アルコキシ
    フェノール誘導体(III) 【化5】 [式中R1 、R2 、n は前記と同様の意味を有する。]
    であり、キノン類(II)が下記一般式で表される2−アル
    ケニル−1,4−ベンゾキノン類(IV) 【化6】 [式中R2 、n は前記と同様の意味を有する。]である
    請求項1記載のキノン類(II)の製造法。
  3. 【請求項3】 下記一般式で表されるヒドロキシベンズ
    アルデヒド誘導体(V) 【化7】 [式中R1 、R2 は前記と同様の意味を有する。]と下
    記一般式で表される有機リン化合物(VI)を 【化8】 [式中R4 は低級アルキル基、シクロアルキル基、低級
    アルコキシアルキル基、低級ハロゲン化アルキル基、ア
    リル基、アリール基、アラルキル基、シクロエーテル
    基、低級アルキルシリル基またはアリールシリル基を意
    味し、n は前記と同様の意味を有する。R5 は低級アル
    コキシ基を意味する。]塩基の存在下に反応させるか、
    または下記一般式で表される有機リン化合物(VII) 【化9】 [式中R4 、n は前記と同様の意味を有する。R6 は低
    級アルキル基またはアリール基を意味する。]を反応さ
    せて下記一般式で表されるエステル側鎖フェノール誘導
    体(VIII)とし、 【化10】 [式中R1 、R2 、R4 、n は前記と同様の意味を有す
    る。]次いで加水分解して2−アルケニル−4−アルコ
    キシフェノール誘導体(III) とし、さらに酸化すること
    を特徴とする2−アルケニル−1,4−ベンゾキノン類
    (IV)の製造法。
  4. 【請求項4】 下記一般式で表されるジアルコキシベン
    ズアルデヒド誘導体(IX) 【化11】 [式中R1 、R2 は前記と同様の意味を有する。]をル
    イス酸と処理してヒドロキシベンズアルデヒド誘導体
    (V) とし、次いで有機リン化合物(VI)を塩基の存在下に
    反応させるかまたは有機リン化合物(VII) を反応させて
    エステル側鎖フェノール誘導体(VIII)とし、次いで加水
    分解して4−アルコキシフェノール誘導体(I) とし、さ
    らに酸化することを特徴とする2−アルケニル−1,4
    −ベンゾキノン類(IV)の製造法。
  5. 【請求項5】 酸化剤が硝酸、塩化第二鉄、硝酸第二セ
    リウムアンモニウム、硫酸第二セリウム、空気−塩化第
    二銅、酸化銀から選ばれた1種以上である請求項1ない
    し4記載のキノン類(II)の製造法。
  6. 【請求項6】 下記一般式で表される4−アルコキシフ
    ェノール誘導体(X) 。 【化12】 [式中R1 、R2 、n は前記と同様の意味を有する。R
    7 は水素原子、ホルミル基、低級アルキル基、低級アル
    コキシアルキル基、下記一般式で表される基 【化13】 (式中 nは前記と同様の意味を有し、R8 は水素原子、
    低級アルキル基、シクロアルキル基、低級アルコキシア
    ルキル基、低級ハロゲン化アルキル基、アリル基、アリ
    ール基、アラルキル基、シクロエーテル基、低級アルキ
    ルシリル基またはアリールシリル基を意味する。)、ま
    たは下記一般式で表される基 【化14】 (式中 nは前記と同様の意味を有する。)を意味す
    る。]
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