JPH074103U - タイヤ用滑り止めピン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 素材となるマニラ麻ロープは強力な繊維であ
るので、摩擦に対して耐久性に優れていると共に、水分
を吸収すると固くなるので、冬場の路面によく対応する
ことができるなどの効果を有するタイヤ用滑り止めピン
の提供を目的とするものである。 【構成】 所定長さに切断されたマニラ麻ロープ１Ａの
下端部分を外周に折曲げ縁部１Ｂを形成し、これらに合
成樹脂を含浸させてピン状に構成されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本案は、従来の所謂スパイクタイヤにおける金属製のスタッドに代わるタイヤ 用滑り止めピンの提供を目的とするものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種のものにあっては、下記のようなものになっている。 従来のスパイクタイヤはタイヤにおけるトレッド面に金属製のスタッドを群設 した構造のものになっていた。これは、滑り止めとしての効果は大きかった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の技術で述べたものにあっては、下記のような問題点を有していた。 融雪時期になると、路面より固い金属製のスタッドが直接走行路面に接するの で、この路面を削り粉塵となり、これが所謂粉塵公害の要因となっていた。 このため、その使用が禁止され、所謂スタッドレスタイヤの使用が指導されて いる。 しかし、降雪時の走行路面の状態は依然として、スパイクタイヤの使用を必要 とする状態となっている。 運転者は、スタッドレスタイヤの使用による危険におののきながら使用してい るのも実態である。 そもそもスタッドレスタイヤは、１００％ゴム構造で、このゴムは積雪路面、 アイスバーンの路面、圧雪路面では滑り易い素材である。このような素材を使用 して滑らないようにすることは不可能と云わなければならない。

【０００４】 本願は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みなされたものであり、そ の目的とするところは、上述の問題を少しでも解決できるものを提供しようとす るものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案のものは下記のようになるものである。 すなわち本願のものは、所定長さに切断されたマニラ麻ロープ１Ａの下端部分 を外周に折曲げ縁部１Ｂを形成し、これらに合成樹脂を含浸させて固化されてい るタイヤ用滑り止めピンである。 この場合、マニラ麻ロープの側壁外周を合成樹脂の筒状体で覆うと共に、この 筒状体の下端に外方に延出する合成樹脂の円盤状の底部を一体に形成することが できる。 さらに、マニラ麻ロープの高さは約２５ｍｍ、マニラ麻ロープの直径は約１０ ｍｍとすることができる。

【０００６】

【実施例】

実施例について図面を参照して説明する。 １は本案のタイヤ用滑り止めピンである。 ２はこのタイヤ用滑り止めピン１が植設される公知のタイヤで、２Ａはトレッ ド面、２Ｂはスチールベルト部分、２Ｃはカーカス部分である。

【０００７】 そこで、タイヤ用滑り止めピン１は、所定長さに切断されたマニラ麻ロープ１ Ａの下端部分を外周に折曲げ縁部１Ｂを形成し、これらに合成樹脂を含浸させて 固化されている。 なお、タイヤ用滑り止めピン１におけるマニラ麻ロープ１Ａの高さは約２５ｍ ｍ、マニラ麻ロープ１Ａの直径は約１０ｍｍである。 合成樹脂の種類は、合成ゴム系接着剤、ゴム系シリコーンシーラント、合成ゴ ム系接着テープである。

【０００８】 １１は他の実施例のタイヤ用滑り止めピンである。 そこで、タイヤ用滑り止めピン１１は、所定長さに切断されたマニラ麻ロープ １１Ａの側壁外周を合成樹脂の筒状体１１Ｂで覆うと共に、この筒状体の下端に 外方に延出する合成樹脂の円盤状の底部１１Ｃが一体に形成されている。 なお、タイヤ用滑り止めピン１１におけるマニラ麻ロープ１１Ａの高さは約２ ５ｍｍ、マニラ麻ロープ１１Ａの直径は約１０ｍｍである。

【０００９】 合成樹脂の種類は、合成ゴム系接着剤、ゴム系シリコーンシーラント、合成ゴ ム系接着テープなどである。 また、上述マニラ麻ロープに代えて、例えば棕櫚などの天然の木皮、椰子の実 などの木の実から採取できる植物繊維をマニラ麻ロープのように構成して使用す ることができる。

【００１０】 ついで、このタイヤ用滑り止めピン１，１１の取付け方法を説明する。 図３を参照して、タイヤ２に公知の構造同様に植設する。 図４，５を参照して、タイヤ２の外周を覆うように構成されたカバー状体３を 構成し、このカバー状体に植設した後、これをタイヤ２の外周に装着し、タイヤ ２を膨大させると、タイヤ２の外周がカバー状体の内周面に圧着固定されること になる。 図６を参照して、タイヤ２のトレッド面から内部に貫通するように植設して、 内側にゴムの当シート２Ｄを添着させることもできる。

【００１１】 作用について効果と共に説明する。

【００１２】

【考案の効果】

本考案は、上述の通り構成されているので次に記載する効果を奏する。 １．マニラ麻ロープは強力な繊維であるから、摩擦に対して耐久性に優れてい ると共に、水分を吸収すると固くなるので、冬場の路面によく対応することがで きる。 ２．植物で構成されているから、路面に接する場合、所謂タワシのような状態 になり、また、路上に飛散している小石や砂などが付着するので、スリップ防止 効果を向上させることができる。

【００１３】 ３．耐久性については、タイヤのトレッド面と本願のピンの先端とが平行にな り、トレッド面と同じに減ってゆくようになるので、耐久性を維持してゆくこと ができる。 すなわち、本願のピンがある限り滑り止めとしての効果を発揮することができ る。 このように、本案のものは、路面に優しく公害は最少限にとどめることができ る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本案のタイヤ用滑り止めピンの斜視図である。

【図２】タイヤ用滑り止めピンの他の実施例の斜視図で
ある。

【図３】タイヤへの植設状態を説明する断面図である。

【図４】タイヤへの植設状態の他の例を説明する断面図
である。

【図５】同上の斜視図である。

【図６】タイヤへの植設状態の他の例を説明する断面図
である。

【符号の説明】

１ タイヤ用滑り止めピン １Ａ マニラ麻ロープ １Ｂ 縁部

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 所定長さに切断されたマニラ麻ロープ
   （１Ａ）の下端部分を外周に折曲げ縁部（１Ｂ）を形成
   し、これらに合成樹脂を含浸させて固化されていること
   を特徴とするタイヤ用滑り止めピン。
2. 【請求項２】 マニラ麻ロープの側壁外周を合成樹脂の
   筒状体で覆うと共に、この筒状体の下端に外方に延出す
   る合成樹脂の円盤状の底部が一体に形成されている請求
   項１記載のタイヤ用滑り止めピン。
3. 【請求項３】 マニラ麻ロープの高さは約２５ｍｍ、マ
   ニラ麻ロープの直径は約１０ｍｍである請求項１あるい
   は請求項２記載のタイヤ用滑り止めピン。