JPH0620102U

JPH0620102U - 滑り止めタイヤ

Info

Publication number: JPH0620102U
Application number: JP1964892U
Authority: JP
Inventors: 勝清水
Original assignee: 勝清水
Priority date: 1992-03-02
Filing date: 1992-03-02
Publication date: 1994-03-15

Abstract

(57)【要約】【目的】本考案は、金属粉塵を舞い上がらせることな
く、凍結路面の凹凸になじんで密植繊維材３を該路面に
突き刺し、確実に氷雪面をつかむとともに、制動時には
該氷雪面の凹凸になじんでヤスリのように作用し、しか
も制動時に発生する融雪水を繊維間に吸収して氷雪面と
の抵抗を大にし、制動性能を向上した滑り止めタイヤａ
を提供する。【構成】本考案の滑り止めタイヤａはタイヤ１のクラ
ウン部に配設される所要のトレッドパターン２の中央部
に所要高さの起毛状の密植繊維材３を嵌着接合して成
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は氷雪路面走行用の滑り止めタイヤに関する。

【０００２】

【従来の技術】

スパイクタイヤによる粉塵公害が表面化し、該スパイクタイヤの全面的な使用禁止の方向の中で、走行の安全性を確保するために、各種のスタッドレスタイヤが提供されている。しかし、これ等のスタッドレスタイヤは新雪や軟弱な圧雪状態の路面ではスパイクタイヤと同程度の制動性能を発揮するが、硬い氷雪路面ではその制動性能が低く、スリップ事故の多発化と極度の交通渋滞を誘発するなどの問題を抱えているものである。

【０００３】そこで、アスファルトなどの露出路面を損傷することなく、硬い圧雪路面や氷雪路面には鋭く突き刺さって制動能力を向上できるとする、細い鋼鉄線の集合体を円柱状ゴム材に収納して成るブレーキピンをトレッドに埋設したスタッドレスタイヤ（実公平３ー２４４０５号）が提案されているが、埋設される鋼鉄線は５〜１０本程度であるため、氷雪走行路面の凹凸になじみながら大なる接触面積で制動に関与するものではなく、しかも鋼鉄線であることからタイヤの摩耗とともに摩耗し、金属粉塵として大気中に舞い上がることは必然である。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は金属粉塵を舞い上がらせることなく、氷雪路面の凹凸になじんで密植繊維材を該路面に突き刺すとともに、制動時に発生する水膜を吸収して抵抗を大にし、制動性能を向上させた滑り止めタイヤを提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案の滑り止めタイヤは、タイヤのクラウン部に配設される所要のトレッドパターンの中央部に全周にわたって所要高さの起毛状の密植繊維材を所要に嵌着接合して成るものである。ここに、密植繊維材を所要に嵌着接合するとは、ブロック状に密植した繊維材を直接トレッドパターン内に圧入接着するものから、固定ベースを介してブロック状にトレッドパターン内に圧入接着するものをも含む。また、密植繊維材とは、木質繊維材はもちろんのこと合成樹脂などの合成繊維材も対象となるものである。

【０００６】

【作用】

起毛状の密植繊維材が氷雪路面に突き刺さり、しかも制動時に発生する水膜は該繊維材間に吸収され、路面との非接触領域において、遠心力でタイヤ外に放散される。

【０００７】

【実施例】

本考案を実施例により説明すると、図１に示すように、タイヤ１のクラウン部のトレッドパターン２の中央部には全周にわたってブロック状に起毛状の密植繊維材３を接着剤等を介して嵌着接合して成るものである。この場合、密植繊維材３はその頂部がタイヤ１の外周と略同一外周を形成するとともにトレッドパターン２におけるゴム質材が図２に示すように頂部近傍を保持するか、或いは図３に示すように密植繊維材３をタイヤ１のゴム質材と同等の凹状の固定ベース４に圧入嵌着し、該ベース４の周縁５で該繊維材３の頂部近傍を保持し、固定ベース４をトレッドパターン２に嵌着接合して密植繊維材３にへたりを発生しないようにしている。

【０００８】このようにして成る滑り止めタイヤａは、氷雪路面の走行において細かい密植繊維材３が該路面に突き刺さり、確実に氷雪路面をつかむとともに制動時には該氷雪路面の凹凸になじんでヤスリのように作用し、しかも、制動時に発生する融雪水を繊維間に吸収して水膜を形成させないから氷雪路面との抵抗を大にし、抜群の制動力を発揮するものである。また、密植繊維材３の摩耗粉塵は金属粉塵と異なり体内に突き刺さるようなことはなく、タイヤ１の摩耗粉塵と同等に処理されるものである。

【０００９】

【考案の効果】

以上のように本考案の滑り止めタイヤａによれば、密植繊維材３が走行時には氷雪路面に突き刺さって確実に該路面をつかみ、制動時には氷雪路面の凹凸になじんでヤスリのように作用するとともに、水膜を形成させないから極めて高い制動性能を発揮し、人体に対する粉塵公害抑止とのバランスを保持しながら、スリップ事故の減少と交通渋滞の緩和に寄与するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係わる滑り止めタイヤの要部を示す斜
視図である。

【図２】要部の部分拡大断面図である。

【図３】要部の他の実施例における部分拡大断面図であ
る。

【符号の説明】

１タイヤ２トレッドパターン３密植繊維材４固定ベース５周縁ａ滑り止めタイヤ

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】タイヤのクラウン部に配設される所要の
トレッドパターンの中央部に全周にわたって所要高さの
起毛状の密植繊維材を所要に嵌着接合して成る滑り止め
タイヤ。
【請求項２】タイヤのクラウン部に配設される所要の
トレッドパターンの中央部に全周にわたって所要高さの
起毛状の密植繊維材を固定ベースを介して所要に嵌着接
合して成る滑り止めタイヤ。
【請求項３】密植繊維材が木質繊維材から成る請求項
１又は請求項２記載の滑り止めタイヤ。
【請求項４】密植繊維材が合成繊維材から成る請求項
１又は請求項２記載の滑り止めタイヤ。