JPH0740945B2 - 発酵法によるピルビン酸の製造法 - Google Patents

発酵法によるピルビン酸の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は発酵法によるピルビン酸の製造法に関するもの
である。
ピルビン酸は生体代謝の重要な中間体であり、各種医・
農薬などの有効な合成原料であるのみならず酵素法によ
るL−トリプトファン、L−システィン、L−チロシン
などのアミノ酸合成の主要原料である。よって安価に製
造し得れば、種々の合成原料として有用である。
<従来の技術> トルロプシス属微生物を用いて、発酵法によりピルビン
酸が製造できることは、既に知られている(日本農芸化
学会誌第32巻第573ページ,特開昭62−14789号公報)。
<発明が解決しようとする問題点> しかしながら、かかる従来法においてはピルビン酸の蓄
積量、収率が低く、工業的に実用化することはできな
い。すなわち、日本農芸化学会誌第32巻第573ページに
よると、トルロプシス・キヤンデイダを用いたピルビン
酸の蓄積量は高々0.5g/と低い。また、特開昭62−147
89号公報によると、トルロプシス・エツチエルシーを用
いたピルビン酸の蓄積量は高々5.1g/と低い。<<問
題点を解決するための手段> したがって本発明者らは、上記問題点を解決することが
でき、さらに生産性の高いピルビン酸の製造方法につい
て鋭意研究した結果、トルロプシス属に属し、ピルビン
酸生産能を有する微生物のピルベードデカルボキシラー
ゼ活性(以下、PDC活性と略す)を低下させることによ
り、ピルビン酸の蓄積濃度、生成収率が著しく向上する
ことを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の上記目的は、トルロプシス属に属
し、ピルビン酸生産能を有する微生物のうち、PDC活性
低下株を培養することにより培地中にピルビン酸を生成
蓄積させ、これを採取することにより達成されるのであ
る。
すなわち、本発明はトルロプシス(Torulopsis)属に属
し、ピルビン酸生産能を有し、かつピルベートデカルボ
キシラーゼ活性がその親株よりも低い変異株を培養し
て、培養液中にピルビン酸を生成蓄積せしめ、培養液中
よりピルビン酸を採取することを特徴とする発酵法によ
るピルビン酸の製造法である。
次に、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられる変異株はトルロプシス属に属し、PD
C活性の低下した変異株であり、かつピルビン酸生産能
を有する変異株であればいかなるものであってもよい。
本発明に用いられる変異株の代表的なものとしては、例
えばトルロプシス・グラブラータAC II33(FERM BP−1
424)(ニコチン酸、チアミン、ピリドキシン、ビオチ
ン要求、PDC活性低下)が挙げられる。
この変異株は、トルロプシス・グラブラータIFO 0005
(ニコチン酸、チアミン、ピリドキシン、ビオチン要
求)より誘導されたものである。
このような変異株は、野生株または親株にUV照射、ある
いはN−メチル−N′−ニトロ−N−ニトロソグアニジ
ン処理、あるいはエチルメタンスルホネート(以下、EM
Sと略す)処理などの常法により変異処理された菌体か
ら、酢酸を含む培地で、親株に比べ有意に生育の良好な
菌株を選定することによって得ることができる。
本発明におけるPDC活性は、超音波処理、フレンチプレ
スを用いる高圧法、その他の方法により、細胞を破壊
し、遠心分離した上澄粗酵素液を用い、ピルビン酸を基
質に、チアミンピロリン酸を補酵素として反応し、生成
したアセトアルデヒドを2,4−ジニトロフェニルヒドラ
ジンと反応させ、高速液体クロマトグラフィーにより反
応したアセトアルデヒドの2,4−ジニトロフェニルヒド
ラゾンを定量分析する方法により測定される。
ここで、本発明で用いられる微生物のPDC活性は親株のP
DC活性を100%として表わした場合の相対活性で示すも
のとする。
本発明において使用するPDCの活性が親株よりも低い菌
株としては、親株を基準としてその70%以下、好ましく
は50%以下にPDC活性が低下したものが望ましく用いら
れる。
たとえ、親株を基準としてその70%以下にPDCの活性が
低下していなくとも、その菌株の誘導されたもととなる
野生株を基準としてその70%以下にPDC活性が低下して
いれば、本発明と同様な効果が達成されるものであるの
で、そのような菌株を用いることは本発明の範囲内に包
含される。
本発明で用いられる培地は発酵に通常使用される炭素
源、窒素源、無機塩類、ビタミン類などをほどよく含有
するものであればよいが、炭素源としては、グルコース
などの糖質、有機酸、エタノール、メタノールなどの使
用酵母菌が利用し得るものが使用される。窒素源として
は硫安、硝安、塩安、尿素、ペプトン、肉エキス、味
液、その他の有機および無機窒素化合物が使用される
が、望ましくはアミノ酸をバランスよく含む有機窒素化
合物がよい。無機塩類としてはリン酸カリウム、硫酸マ
グネシウム、鉄、マンガン、その他の無機塩類が用いら
れ、さらに必要に応じてチアミン、ナイアシン、ピリド
キシン、ビオチンなどの要求ビタミン、またはこれらを
含有する酵母エキス、コーンスチーブリカー、その他の
天然物の添加した培地を使用すればよい。
培養中はピルビン酸の生成蓄積にともない、pHの低下が
起こるので炭酸カルシウム、苛性ソーダ、苛性カリ、ア
ンモニアなどのアルカリでpH3〜7に調節することがピ
ルビン酸生産には有効である。培養中の温度は22℃〜32
℃が適当である。培養終了後、系内に蓄積したピルビン
酸は常法により、単離採取することができる。
例えば、酸性エーテル抽出、フェニルヒドラゾン化して
沈澱単離する方法なども採用することができる。
<作 用> 本発明においてPDC活性レベルを低下させることは、ピ
ルビン酸がアセトアルデヒドへと代謝されるのを少なく
し、グルコースからピルビン酸への変換率を高めるの
に、役立ち、そのためピルビン酸の蓄積量が増加すると
推定される。
<実施例> 以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。
実施例1 A.(PDC活性低下株の取得) トルロプシス・グラブラータIFO 0005(ニコチン酸、
チアミン、ピリドキシン、ビオチン要求)の菌体を常法
によりEMS処理(1W/V%、30℃で3時間)したのち、栄
養寒天培地(GP寒天培地、大五栄養化学株式会社製)に
接種し、30℃で2日間培養し、第1表に示す成分からな
る基本寒天培地(A)と、酢酸ナトリウム3水和物を5g
/を含む基本寒天培地(B)に各々レプリカした。次
に30℃で3日間培養した本寒天培地(B)での生育が基
本寒天培地(A)での生育より有意によいコロニーを釣
菌し、第1表に示す成分からなる発酵培地でピルビン酸
発酵を行いピルビン酸の蓄積量、対糖収率を調べ収率の
向上した株AC II33(FERM BP−1424)を得た。次にそ
の株AC II33とその親株について、以下のようにして、P
DC活性を測定した。
B.(PDC活性の測定) 第1表に示す基本培地を500mlの坂口フラスコに100mlづ
つ分注し、115℃15分間滅菌し、培地に試験菌株IFO 00
05およびAC II33を各々接種し、30℃で30時間振とう培
養した。培養液から菌体を分離し、pH7.2の0.2Mカリウ
ム−リン酸緩衝液で2回洗浄し、上記緩衝液10mlに懸濁
し、超音波処理(20分間)し、遠心分離して不溶分を除
き、得られた上清を酵素液とした。
次に、第2表に示す酵素反応液を調整し、30℃で20分間
酵素反応を行い、2N塩酸に溶かした0.5mMの2,4−ジニト
ロフェニルヒドラジンを1ml加え、反応を停止し、生成
アルデヒドをヒドラゾン化するため15分間静置し、メタ
ノールを2ml加えヒドラゾン化合物を溶解し、高速液体
クロマトグラフィーにてアセトアルデヒドの2,4−ジニ
トロフェニルヒドラゾンを定量分析した。
なお、対照液としてはピルビン酸を除いた反応液を用い
た。
結果は第3表に示すごとく、AC II33株のPDC活性は親株
の約1/2に低下している。
実施例2 (ピルビン酸の生産) 第1表に示す成分からなる発酵培地に酢酸ナトリウム・
3水和物5g/添加した培地を1のマイヤーフラスコ
に40mlづつ分注し、115℃で15分間滅菌した。次に、菌
株IFO 0005およびAC II33を各々一白金耳づつ接種し、
30℃で60時間回転振とう培養した。培養液中に、生成し
たピルビン酸を高速液体クロマトグラフィーにて定量し
た。結果を第4票に示す。
なお、対糖収率は消費グルコースに対するピルビン酸の
重量で表わした。
第3表の結果より明らかなように、本発明例のトルロプ
シス・グラブラータAC II33を用いた方法は、ピルビン
酸の蓄積濃度、生成収率ともに親株より顕著に向上して
いる。向上の原因はPDC活性の低下により生成ピルビン
酸のアセトアルデヒドへの代謝が抑制され、グルコース
からピルビン酸への変換率が高まったものと推定され
る。
次に、AC II33の培養液200mlを除菌後、上澄液に塩酸を
加え、pH2.0とし、エチルエーテル抽出し、次いで苛性
ソーダでpHを5.5に中和した後40℃で減圧濃縮し5ml程度
とした。この濃縮液にエタノールを滴下させピルビン酸
ソーダ6.62g(純度98%)を得た。
<発明の効果> 本発明方法によればピルビン酸の蓄積量、収率が向上
し、より安価なピルビン酸の生産が可能になった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トルロプシス(Torulopsis)属に属し、ピ
    ルビン酸生産能を有し、かつピルベートデカルボキシラ
    ーゼ活性がその親株よりも低い変異株を培養して、培養
    液中にピルビン酸を生成蓄積せしめ、培養液中よりピル
    ビン酸を採取することを特徴とする発酵法によるピルビ
    ン酸の製造法。
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IT1294728B1 (it) * 1997-09-12 1999-04-12 Biopolo S C A R L Ceppi di lievito per la riproduzione di acido lattico
DE10129711B4 (de) * 2001-06-22 2007-08-23 Forschungszentrum Jülich GmbH Verfahren zur fermentativen Herstellung von Pyruvat
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