JP2017007965A - ピルビン酸ナトリウムの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)ピルビン酸ナトリウムの水溶液に有機溶媒を加えて、結晶を析出させることを包含している、ピルビン酸ナトリウムの製造方法。
(2)上記有機溶媒は、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、アセトン、メタノールおよびジオキサンからなる群から選択される1つ以上である、(1)に記載のピルビン酸ナトリウムの製造方法。
(3)上記有機溶媒は、アセトン、2−プロパノールまたはメタノールである、(2)に記載のピルビン酸ナトリウムの製造方法。
(4)上記有機溶媒は、メタノールおよびアセトンもしくは2−プロパノールの組合せである、(2)に記載のピルビン酸ナトリウムの製造方法。
(5)水溶液:総量の有機溶媒の容積比は、2:5〜1:20である、(1)〜(4)のいずれか1つに記載のピルビン酸ナトリウムの製造方法。
(6)上記有機溶媒を加えた後の上記水溶液を低温において静置することをさらに包含している、(1)〜(5)のいずれか1つに記載のピルビン酸ナトリウムの製造方法。
(7)上記結晶は0.35g/mL以上のかさ密度を有している、(1)〜(6)のいずれか1つに記載のピルビン酸ナトリウムの製造方法。
(8)GMPに準拠した工業生産に応用可能である、(1)〜(7)のいずれか1つに記載のピルビン酸ナトリウムの製造方法。
本発明は、ピルビン酸ナトリウムの水溶液に有機溶媒を加えて、結晶を析出させること(すなわち結晶化工程)を包含している、ピルビン酸ナトリウムの製造方法である。ピルビン酸ナトリウムの水溶液に有機溶媒を加えることによって、当該水溶液からピルビン酸ナトリウムを容易に析出させ得る。このように、上記製造方法は、結晶化工程において単純な手法に基づいているので、非常に簡便である。また、結晶化工程において、結晶をさらに回収するために他の手法と組み合わせる場合、上記製造方法は、他の手法の選択において高い自由度を有している。以上のことから、上記製造方法を用いれば、最終的に得られるピルビン酸ナトリウムの品質管理および結晶化工程の管理が容易である。
上記結晶化工程に使用され得る有機溶媒としては、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、アセトン、メタノールおよびジオキサンが挙げられる。いずれかの有機溶媒を、ピルビン酸ナトリウムの水溶液に加えれば、当該水溶液からピルビン酸ナトリウムを容易に析出させ得る。有機溶媒は、上述の1種以上から選択され得る。
水:1−プロパノール=1:2〜1:4
水:2−プロパノール=1:2〜1:4
水:アセトン=1:2〜1:4
水:メタノール=1:5〜1:10
水:ジオキサン=1:2〜1:4
水:メタノール:アセトン=1:3:2〜1:5:5
水:メタノール:2−プロパノール=1:3:2〜1:5:4。
上記結晶化工程に使用されるピルビン酸ナトリウムの水溶液は、任意の手段によって準備され得る。一実施形態において、ピルビン酸ナトリウムの水溶液は、当該分野において公知の化学反応に基づいて任意の出発物質をピルビン酸ナトリウムに変換することによって、生成され得る。化学反応の一例としては、ピルビン酸エチルエステルの、アルカリによる加水分解が挙げられる。当該アルカリの一例は、水酸化ナトリウムである。
ピルビン酸ナトリウムの水溶液に有機溶媒を加えた後に静置する時間は、特に限定されない。当該時間は、使用する有機溶媒(の組合せ)およびピルビン酸ナトリウムの水溶液の濃度に応じて、変更され得る。大量のアセトン(例えば、ピルビン酸ナトリウムの水溶液の10倍量)を、ピルビン酸ナトリウムの水溶液に加える場合、直ちにピルビン酸ナトリウムが析出するため、実質的に静置させる必要がない。上記時間は、例えば一晩〜4日間であり得る。
得られたピルビン酸ナトリウムのかさ密度は、0.08g/mL以上であり得る。0.08g/mLのかさ密度を有していれば、少なくとも1つ以上の用途における製品として有用と言える。0.08g/mLのかさ密度を有しているピルビン酸ナトリウムが実際に販売されているからである。例えば、大量のアセトンを有機溶媒として用いた場合、0.08g/mLのかさ密度を有している高い化学的純度のピルビン酸ナトリウムが、短時間かつ高収率に生成されている。
(医薬用途および医療用途)
以上の項目において説明した製造方法によって得られたピルビン酸ナトリウムは、医薬および医療の分野において使用され得る。これまでに述べた通り、上記製造方法において、得られたピルビン酸ナトリウムの品質管理および結晶化工程の管理が、非常に容易である。
20%(w/v)のピルビン酸ナトリウムの粗体を含んでいる2mLの水溶液に、当該水溶液に対する種々の比率において10種の有機溶媒のそれぞれを加えた。これらの混合物を2日間にわたって冷蔵庫(約3℃)に静置した。それから、混合物からの結晶の析出の有無を確認した。析出した結晶のそれぞれを、ろ過し、洗浄し、減圧乾燥することによって、ピルビン酸ナトリウムを得た。得られたピルビン酸ナトリウムの量に基づいて収率を算出した。これらの結果を表1にまとめた。なお、粗体のかさ密度は0.38g/mLであった。
85gのピルビン酸ナトリウムの市販の粗体を含んでいる350gの水溶液に、2540mLのアセトンを加えた。混合物から一度に析出した結晶を、ろ過し、洗浄し、減圧乾燥することによって、69gのピルビン酸ナトリウムの結晶を得た。得られたピルビン酸ナトリウムの結晶は、0.08g/mLのかさ密度および99.0%以上の純度を有していた。以上のことから、ピルビン酸ナトリウムの水溶液に大量のアセトンを加えると、純度の高い結晶が短時間に得られることが分かった。
25%(w/v)のピルビン酸ナトリウムの粗体を含んでいる20mLの水溶液に、当該水溶液に対する種々の比率において3種の有機溶媒のそれぞれを加えた。混合物を4日間にわたって冷蔵庫(約3℃)に静置した。析出した結晶のそれぞれを、ろ過し、洗浄し、減圧乾燥することによって、ピルビン酸ナトリウムを得た。得られたピルビン酸ナトリウムの量に基づいて収率を算出した。得られたピルビン酸ナトリウムの結晶を粉砕した後に、結晶のかさ密度を測定した。これらの結果を表2にまとめた。なお、粗体のかさ密度は0.08g/mLであった。
この実施例では、ピルビン酸ナトリウムの、水に対する溶解度(32.3%(w/v))に近い30%(w/v)のピルビン酸ナトリウムの市販の粗体を含んでいる20mLの水溶液を用いた。当該水溶液に対する種々の比率において3種の有機溶媒を、単独にか、または2種の組合せにおいて、当該水溶液に加えた。混合物を一晩にわたって冷蔵庫(約3℃)に静置した。析出した結晶のそれぞれを、ろ過し、洗浄し、減圧乾燥することによって、ピルビン酸ナトリウムを得た。得られたピルビン酸ナトリウムの量に基づいて収率を算出した。得られたピルビン酸ナトリウムの結晶を粉砕した後に、結晶のかさ密度を測定した。これらの結果を表3にまとめた。なお、粗体のかさ密度は0.38g/mLであった。
(水蒸気の吸着性)
実施例4において水:メタノール:2−プロパノールが1:5:4である条件で得られたピルビン酸ナトリウムの結晶(以下、実施例と記載する)を、水蒸気の吸着性について実施例4の粗体(以下、比較例と記載する)と比較した。2gの試料の水蒸気の吸着性を、動的水蒸気吸脱着装置(DVS Intrinsic)を用いて測定した。装置内の相対湿度を0%から90%まで10%単位において上昇させたときの、各試料の重量変化に基づいて水蒸気の吸着性を決定した。測定温度を25℃に設定した。測定結果を表4に示す。イタリックによって示した数値は、6時間にわたって90%の相対湿度を維持しても平衡に達しなかったことを表している。
実施例および比較例の水分含量を、カールフィッシャー法の電量滴定法にしたがって測定した。その結果を表5に示す。
再結晶化における収率に対するpHの影響を次の通りに決定した。50mLの水に15gのピルビン酸ナトリウム(30%(w/v))を溶解させた水溶液(pH6.85)を準備した。0.1mol/Lの塩酸または水酸化ナトリウムを水溶液に加えた酸性水溶液(pH4.16)およびアルカリ性水溶液(pH8.37)を準備した。3つの水溶液に、250mLのメタノールおよび200mLの2−プロパノールを加えて、結晶を析出させた。析出した結晶を精製し、その重量に基づいて各水溶液からの収率を決定した。その結果を表6に示す。
Claims (8)
- ピルビン酸ナトリウムの水溶液に有機溶媒を加えて、結晶を析出させることを包含している、ピルビン酸ナトリウムの製造方法。
- 上記有機溶媒は、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、アセトン、メタノールおよびジオキサンからなる群から選択される1つ以上である、請求項1に記載のピルビン酸ナトリウムの製造方法。
- 上記有機溶媒は、アセトン、2−プロパノールまたはメタノールである、請求項2に記載のピルビン酸ナトリウムの製造方法。
- 上記有機溶媒は、メタノールおよびアセトンもしくは2−プロパノールの組合せである、請求項2に記載のピルビン酸ナトリウムの製造方法。
- 水溶液:有機溶媒の容積比は、2:5〜1:20である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のピルビン酸ナトリウムの製造方法。
- 上記有機溶媒を加えた後の上記水溶液を低温において静置することをさらに包含している、請求項1〜5のいずれか1項に記載のピルビン酸ナトリウムの製造方法。
- 上記結晶は0.35g/mL以上のかさ密度を有している、請求項1〜6のいずれか1項に記載のピルビン酸ナトリウムの製造方法。
- GMPに準拠した工業生産に応用可能である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のピルビン酸ナトリウムの製造方法。
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CN113896625A (zh) * | 2021-11-24 | 2022-01-07 | 安徽一如生物科技有限公司 | 一种二乙酸钠的合成方法 |
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