JPH0740682Y2 - 燃料回収チャンバー - Google Patents

燃料回収チャンバー

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JPH0740682Y2
JPH0740682Y2 JP10232690U JP10232690U JPH0740682Y2 JP H0740682 Y2 JPH0740682 Y2 JP H0740682Y2 JP 10232690 U JP10232690 U JP 10232690U JP 10232690 U JP10232690 U JP 10232690U JP H0740682 Y2 JPH0740682 Y2 JP H0740682Y2
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晴光 杉山
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加藤発条株式会社
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  • Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、自動車の燃料タンク内に設置されて、エンジ
ン側からの回帰燃料を回収するチャンバーの改良に関す
るものである。
「従来の技術」 この種チャンバーは、通常、下端口部に吸引フィルター
を接続し上端口部に燃料の供給パイプを接続した電動式
ポンプを内部に保持して、燃料タンクの底壁面に該タン
ク内と連通する状態に設置され、上記供給パイプを介し
てエンジン側に送られた燃料のうち余分な燃料を、回帰
パイプを通して回収するために使用されるものである。
斯る目的に使用される従来チャンバーは、第4図・第5
図に示す如く、合成樹脂製のボックス体1から成り、該
ボックス体1の後端部側を除く底部周縁に、回帰燃料の
導入通路2を独立して形成して、該導入通路2の入口2a
側に上記回帰パイプ3の先端部を接続すると共に、該導
入通路2の出口2b側をボックス体1の内部に連通させる
一方、ボックス体1の先端部側に、回帰燃料の外部への
流出を防止する覆い蓋部4を一体に形成し、且つ、ボッ
クス体1の後端部側の内外に、上記電動式ポンプ8の保
持具を固定するロック孔部5とロック爪部6を夫々形成
する構成となっている。
尚、電動式ポンプ8を上記ボックス体1内に保持する保
持具は、図示する如く、半円弧状を呈する一対の受け部
材9A・9Bから構成されて、一方の受け部位9A側に上記ロ
ック孔部5に差し込まれる係止脚10と上記ロック爪部6
に係止する係止腕11を夫々形成して、一対の受け部材9A
・9B同士を弾性爪12と係止孔13を介して連結することに
より、内側に電動式ポンプ8を保持して、ボックス体1
の後端部側に固定されるものである。
そして、実際の作動に際して、エンジン側に燃料を供給
する場合には、キースイッチと連動して電動式ポンプ8
を駆動させると、燃料タンク内の燃料が、吸引フィルタ
ー14を経て供給パイプ15を通ってエンジン側に供給され
て、該供給燃料は、ここで、噴射弁等を介してエンジン
の燃焼室内に噴射され、他方、供給パイプ15を介して送
られてきた燃料のうち余分な燃料は、エンジン側の圧力
調整部から分岐する回帰パイプ3を通って、ボックス体
1内に回収されて、ここで、エンジン側に再供給される
こととなる。
従って、タンク内に燃料が十分に満たされている場合に
は問題はないが、例えば、タンク内の燃料残量が少なく
なって、傾斜角度のある路面等を走行するような場合に
は、チャンバーの存在により、燃料の有効使用が十分に
可能となる。
「考案が解決しようとする課題」 この為、チャンバーを構成するボックス体1には、自動
車の走行時に、回収された回帰燃料がボックス体1の内
部から外部に流出することを防止する覆い蓋部4が当然
に必要となる訳である。
然し乍ら、従来のチャンバーにあっては、既述した如
く、ボックス体1の先端部側に所望大の覆い蓋部4を一
体に形成する構成を採用している関係で、この覆い蓋部
4付のボックス体1全体を合成樹脂で一体に成形するこ
とは、型抜き等の問題から事実上不可能であった。
そこで、従来にあっては、斯る一体成形が不可能なボッ
クス体1を、覆い蓋部4と上記ロック孔部5とロック爪
部6を有する上側部1Aと、導入通路2を有する下側部1B
とに2分割して、該上側部1Aと下側部1Bを夫々合成樹脂
で別体に成形し、後から、上側部1Aの下端縁に形成され
たフランジ部7aと下側部1Bの上端縁に形成されたフラン
ジ部7b同士を溶着接合することにより、上記ボックス体
1を最終的に組み立てているのが実情である。
しかし、ボックス体1を上側部1Aと下側部1Bに2分割し
て、各部1A・1Bを別体に成形することは、各部側が共に
複雑な形状を呈している関係で、金型費が徒にかかるば
かりか、上側部1Aと下側部1Bを接合するための溶着作業
が別途要求されることとなるので、いずれにしても、チ
ャンバー自体がコスト高となってしまう大きな問題点を
有していた。
而して、本考案は、斯る従来チャンバーの課題を有効に
解決することのできる新規チャンバーを提供せんとする
ものである。
「課題を解決するための手段」 上記目的を達成するために、本考案は、燃料タンク内に
設置される合成樹脂製のボックス体から成り、該ボック
ス体の底部周縁に回帰燃料を導入する導入通路を形成し
て、該導入通路の入口側に燃料の回帰パイプを接続し、
導入通路の出口側をボックス体の内部と連通させる一
方、ボックス体の内部に吸引フィルターと燃料の供給パ
イプを接続した電動式ポンプを保持する構成の燃料回収
チャンバーを前提として、上記ボックス体を上面側が全
て開口する箱型形状となして、該ボックス体に形成され
る導入通路の所定域を、ボックス体の外側壁と該外側壁
と平行して立設される内側壁とで画成する一方、導入通
路のうち、少なくとも、回帰燃料の流出し易い部位の外
側壁と内側壁とを、夫々平行して内方に傾斜させる構成
を採用した。
又、本考案は、斯るチャンバーの下で、ボックス体の外
側壁面にホルダー部を一体に形成して、該ホルダー部に
オイルレベルの検出手段を装着する構成を採用した。
「作用」 依って、本考案にあっては、ボックス体の外側壁と内側
壁とで画成される導入通路のうち、特に、回帰燃料の流
出し易い部位の外側壁と内側壁を夫々内方に傾斜させて
いるので、従来の如く、ボックス体に覆い蓋部を一体に
形成しなくとも、この両壁の内方への傾斜により、回帰
燃料の外部への流出を効果的に防止することが可能とな
る。
従って、本考案のチャンバーは、覆い蓋部を不要とする
ことにより、ボックス体自体を合成樹脂で一体に成形す
ることが初めて可能となるので、従来のチャンバーと比
較すると、金型費の大巾な低減が可能となるばかりか、
ボックス体の上側部と下側部とを接合するための溶着作
業も全く不要とするので、これにより、チャンバー自体
のコスト低廉化に大いに貢献できることとなる。
又、本考案にあっては、回帰燃料の導入通路をボックス
体の外側壁と内側壁とで画成する関係で、導入通路は上
面側で開口することとなるが、この場合においても、外
側壁と内側壁とが夫々内方に傾斜している関係で、導入
通路内を通過する回帰燃料が、その上面側開口から不用
意に跳上がることをも併せて防止できると共に、導入通
路の通過時には、回帰燃料はこの内外側壁の各壁面に急
激に衝突して、泡を効率良く消失させることが可能とな
るので、多量の泡が吸引フィルター面に付着して、燃料
の吸込機能を低下させる心配も全くなくなる。
更に、本考案にあっては、ボックス体の外側壁面にオイ
ルレベルの検出手段を装着するホルダー部を一体に形成
することにより、燃料タンク内にチャンバーと独立した
上記検出手段のホルダー手段を別に設ける必要が全くな
くなるので、燃料タンク自体の簡素化も十分に可能とな
る。
「実施例」 以下、本考案を図示する一実施例に基づいて詳述すれ
ば、該実施例に係るチャンバーも、第1図乃至第3図に
示す如く、燃料タンクの底壁面に設置されるボックス体
21の後端部側を除く底部周縁に、回帰燃料の導入通路22
に形成して、該導入通路22の入口22a側に燃料の回帰パ
イプ23を接続し、導入通路22の出口22b側をボックス体2
1の内部と連通させる一方、導入通路22が形成されてい
ない後端部側の内外に、電動式ポンプを保持する保持具
の係止脚を差し込むロック孔部24と係止腕を係止するロ
ック爪部25とを形成する構成を前提とするものである
が、特徴とするところは、以下の点にある。
これを具体的に説明すると、本実施例にあっては、図示
する如く、上記ボックス体21を上面側が全て開口する箱
型形状となして、該ボックス体21に形成される導入通路
22を、その入口22a側の一定域を除いて、ボックス体21
の外側壁26と該外側壁26と平行して立設される内側壁27
とで画成する一方、回帰燃料が外部へ流出し易い部位、
即ち、ボックス体21の円弧状先端部側に位置する外側壁
26と内側壁27とを、夫々平行して内方に傾斜させると共
に、型抜きを容易とするために、後端部側の外側壁26を
同一角部をもって外方に傾斜させる構成となしたもので
ある。
従って、本実施例にあっては、ボックス体21に回帰燃料
の流出を防止する従来の如き覆い蓋部を形成する必要が
全くなくなるので、上記箱型状のボックス体21自体を合
成樹脂で一体に成形することが初めて可能となるばかり
か、回帰燃料の流出し易い部位の外側壁26と内側壁27を
夫々内方に傾斜させることにより、従来の如く、ボック
ス体21に覆い蓋部を一体に形成しなくとも、回帰燃料の
外部への流出を効果的に防止できることとなる。
依って、斯る構成のチャンバーにあっても、具体的には
図示しないが、従来と同様に、電動式ポンプを保持した
保持具の係止脚を上記ロック孔部24に差し込みながら、
その係止腕をロック爪部25に係止すれば、電動式ポンプ
がボックス体21の内部に確実に保持されて、吸引フィル
ターがボックス体21の底部に位置することとなるので、
後は、ボックス体21の底部両側に設けられている止着部
28に、燃料タンク側に設けられている固定用ブラケット
を嵌合すれば、燃料タンクの底壁面に確実に設置される
こととなる。
そして、キースイッチと連動して電動式ポンプを駆動さ
せると、従来と同様に、タンク内の燃料が、吸引フィル
ターを経て供給パイプからエンジン側に供給されて、該
供給燃料は、ここで、噴射弁等を介してエンジンの燃焼
室内に噴射されることとなり、又、供給パイプを介して
送られてきた燃料のうち余分な燃料は、回帰パイプ23か
ら上記導入通路22を通って、再び、燃料タンク内に設置
されているボックス体21の内部に回収されて、エンジン
側に再供給されることとなるので、この回収された回帰
燃料の再使用により、相当距離の走行が保障されること
となる。
尚、本実施例のチャンバーは、従来の如き覆い蓋部を有
していないが、この覆い蓋部を必要とする部位の導入通
路22の外側壁26と内側壁27とを内方に積極的に傾斜させ
ているので、これにより、回帰燃料が外部へ流出してし
まう心配が全くなくなるばかりか、回帰燃料が導入通路
22を通過して回収される場合でも、外側壁26と内側壁27
の内方傾斜により、導入通路22の上面側開口から回帰燃
料が不用意に跳上がることをも併せて防止できることと
もなる。
その上、回収時に、高温に加熱された回帰燃料が、初め
からボックス体21の導入通路22内に存在する低温の燃料
と混合して、多量の泡を発生させたとしても、本実施例
にあっては、導入通路22をボックス体21の外側壁26と内
側壁27とで画成して、その高さ寸法を可能な限り大きく
してあるので、これにより、回帰燃料は通過過程で各壁
面に急激に衝突して、泡を効率良く消失させることが可
能となる。従って、多量の泡が吸引フィルター面に付着
して、燃料の吸込機能を著しく低下させる心配も全くな
くなる。
又、本実施例にあっては、第2図に示す如く、ボックス
体21の外側壁の側面に、オイルレベルの検出手段(図示
せず)等を簡単に装着できるホルダー部29を一体に形成
する構成となしているので、該ホルダー部29にオイルレ
ベルの検出手段を装着すれば、燃料タンク内にチャンバ
ーと独立した別のホルダー手段を設ける必要が全くなく
なり、燃料タンク自体の簡素化が図れることともなる。
「考案の効果」 以上の如く、本考案は、ボックス体の外側壁と内側壁と
で画成される導入通路のうち、特に、回帰燃料の流出し
易い部位の外側壁と内側壁を夫々内方に傾斜させたこと
を特徴とするものであるから、従来の如く、ボックス体
に覆い蓋部を一体に形成しなくとも、斯る各側壁の内方
に対する傾斜により、回帰燃料の外部への流出を効果的
に防止することが可能となる。
従って、本考案にあっては、覆い蓋部を不要とすること
により、ボックス体自体を合成樹脂で一体に成形するこ
とが初めて可能となるので、従来のチャンバーと比較す
ると、金型費を大巾に低減できるばかりか、ボックス体
の上側部と下側部とを接合するための溶着作業も全く不
要となるので、これにより、チャンバー自体のコスト低
廉化に大いに貢献できることとなった。
又、本考案にあっては、導入通路をボックス体の外側壁
と内側壁とで画成する関係で、導入通路は上面側で開口
することとなるが、この場合においても、外側壁と内側
壁とが夫々内方に傾斜しているので、導入通路内を通過
する回帰燃料が、上面側開口から不用意に跳上がること
も併せて防止できると共に、回帰燃料はこの内外側壁の
各壁面に急激に衝突して、泡を効率良く消失させること
も可能となるので、多量の泡が吸引フィルター面に付着
して、燃料の吸込機能を低下させる心配もなくなった。
更に、ボックス体の外側壁面にホルダー部を形成して、
該ホルダー部にオイルレベルの検出手段を装着すること
により、燃料タンク内にチャンバーと独立した別のホル
ダー手段を設ける必要が全くなくなるので、燃料タンク
自体の簡素化にも貢献できることとなった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の実施例に係る燃料回収チャンバーを示
す斜視図、第2図は同チャンバーの平面図、第3図は同
チャンバーを一部切欠して示す正面図、第4図は従来の
チャンバーと電動式ポンプと保持具の関係を示す分解斜
視図、第5図A・Bは従来チャンバーの縦横断面図であ
る。 8……電動式ポンプ、14……吸引フィルター、15……供
給パイプ、21……ボックス体、22……導入通路、22a…
…同入口、22b……同出口、23……回帰パイプ、26……
ボックス体の外側壁、27……ボックス体の内側壁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02M 37/20 A

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料タンク内に設置される合成樹脂製のボ
    ックス体から成り、該ボックス体の底部周縁に回帰燃料
    を導入する導入通路を形成して、該導入通路の入口側に
    燃料の回帰パイプを接続し、導入通路の出口側をボック
    ス体の内部と連通させる一方、ボックス体の内部に吸引
    フィルターと燃料の供給パイプを接続した電動式ポンプ
    を保持する構成の燃料回収チャンバーにおいて、 上記ボックス体を上面側が全て開口する箱型形状となし
    て、該ボックス体に形成される導入通路の所定域を、ボ
    ックス体の外側壁と該外側壁と平行して立設される内側
    壁とで画成する一方、導入通路のうち、少なくとも、回
    帰燃料の流出し易い部位の外側壁と内側壁とを、夫々平
    行して内方に傾斜させたことを特徴とする燃料回収チャ
    ンバー。
  2. 【請求項2】上記ボックス体の外側壁面にホルダー部を
    一体に形成したことを特徴とする実用新案登録請求の範
    囲第1記載の燃料回収チャンバー。
  3. 【請求項3】上記ホルダー部にオイルレベルの検出手段
    を装着したことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第
    2項記載の燃料回収チャンバー。
JP10232690U 1990-09-29 1990-09-29 燃料回収チャンバー Expired - Fee Related JPH0740682Y2 (ja)

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