JPH0740624A - サーマルプリンタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】１つのモータでサーマルヘッドのアップダウン
動作と用紙の搬送とを行なうことによって部品数を減ら
し、小型で安価なサーマルプリンタを提供する。 【構成】第１の駆動伝達手段２ａ，２ｂ，３によって接
離手段４へ駆動を伝達してサーマルヘッド６をプラテン
１０に対し接離させる動作と、第２の駆動伝達手段２
ａ，２ｃによって用紙搬送手段７，８，９，１０に駆動
を伝達してサーマルヘッド６の副走査方向に用紙を搬送
させる動作とを単一のモータによって行なう。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ライン方式のサーマル
プリンタに関し、特にサーマルヘッドのアップダウンと
用紙の搬送を１つのモータで駆動するサーマルプリンタ
に関する。

【０００２】

【従来の技術】サーマルプリンタでは、印刷をすると
き、サーマルヘッドとプラテンで用紙をはさみ付ける必
要がある。はさみ付ける方法としては、サーマルヘッド
を手動または、モータ等のアクチュエータを使って自動
で動かしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、手動の
場合はモータは不要であるが、適切なヘッド押し付け圧
力を得るために大きな力がいる。また自動の場合は、サ
ーマルヘッドを動かすためのモータ等のアクチュエータ
を余分に必要とし、製品の大型化やコストアップの要因
となっていた。

【０００４】本発明のサーマルプリンタはこのような課
題に着目してなされたものであり、その目的とするとこ
ろは、１つのモータで用紙の搬送とサーマルヘッドのア
ップダウン動作を行なうことによって部品数を減らし、
小型で安価なサーマルプリンタを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のサーマルプリンタは、主走査方向に複数
の発熱素子をアレー状に配列したサーマルヘッドと、該
サーマルヘッドに対し対向配置したプラテンと、前記サ
ーマルヘッドを前記プラテンに対し接離させる接離手段
と、前記サーマルヘッドの副走査方向に用紙を搬送させ
る用紙搬送手段とを有するサーマルプリンタにおいて、
モータと、該モータより前記接離手段に駆動を伝達する
第１の駆動伝達手段と、前記モータより前記用紙搬送手
段に駆動を伝達する第２の駆動伝達手段とを有し、単一
の前記モータによりサーマルヘッドとプラテンの接離動
作及び用紙の搬送を行う。

【０００６】

【作用】すなわち、本発明のサーマルプリンタにおいて
は、第１の駆動伝達手段によってモータから接離手段へ
駆動を伝達してサーマルヘッドをプラテンに対し接離さ
せる動作と、第２の駆動伝達手段によってモータから用
紙搬送手段に駆動を伝達してサーマルヘッドの副走査方
向に用紙を搬送させる動作とを単一のモータによって行
なう。

【０００７】

【実施例】以下、図面を参照して本発明に係るサーマル
プリンタの一実施例を説明する。図１は本実施例に係る
サーマルプリンタの全体構成を示す図である。同図にお
いて、印字部はプラテン１０とサーマルヘッド６とによ
って構成され、このプラテン１０とサーマルヘッド６と
の間に用紙２２及びインクリボン２３が搬送される。サ
ーマルヘッド６には主走査方向に多数の発熱素子が設け
られ、印字データに従って選択的に発熱し、インクリボ
ン２３のインクを用紙２２に転写する。

【０００８】用紙２２はリール２４に巻装されており、
プラテン１０の回転により取り出され、印字後はカッタ
ー２１により切断される。一方、インクリボン２３は供
給リール２５に巻装され、用紙２２と同様にプラテン１
０によって繰り出され、印字が終了すると巻取リール２
６に巻き取られる。インクリボン２３は供給リール２
５、巻取リール２６、さらに各ガイドコロ２７とともに
カセット化されて装置本体に着脱可能とされている。

【０００９】図２は、サーマルヘッド６のアップダウン
動作、すなわち、サーマルヘッド６とプラテン１０の接
離動作と、用紙の搬送とを切り替えて行なうためのチェ
ンジギア群２の構成を示す図である。チェンジギア群２
の構成は、不図示のモータが連結されたモータギア１か
らの動力を伝える中継ギア２ａと、中継ギア２ａに接続
されたダウンギア２ｂ、アップギア２ｃと、これら３つ
のギアを接続させて中継ギア２ａと同じ軸上で自由に回
転できるように取り付けられているブラケット２ｄと、
クラッチを形成するスプリング２ｅとからなる。

【００１０】上記した構成において、モータギア１が正
転すなわち図２のＦの方向（時計方向）に回転すると、
中継ギア２ａはＦとは反対の反時計方向に回転する。そ
れに併せて、ダウンギア２ｂも回転しようとするが、ス
プリング２ｅによってブラケット２ｄとダウンギア２ｂ
の間に発生している摩擦力によってあるトルクを越えな
いと回転できないようになっている。ところがブラケッ
ト２ｄは中継ギア２ａと同じ回転軸で自由に回転できる
ようになっているので、スプリング２ｅの作用・反作用
により、中継ギア２ａの回転にあわせてチェンジギア群
２全体が左回転すなわちＦ´の方向に回転する。

【００１１】一方、モータギア１が逆転すなわちＲの方
向（反時計方向）に回転するときも同様に作用して、ス
プリング２ｅの作用・反作用により、中継ギア２ａの回
転にあわせてチェンジギア群２全体がＲ´の方向に回転
する。

【００１２】次に、図３〜図７を使ってサーマルヘッド
６がヘッドアップした状態（初期状態）からヘッドダウ
ン、印字、さらにヘッドアップするまでの一連の動きを
説明する。

【００１３】図３はサーマルヘッド６が完全にプラテン
１０から離れた状態を示す図である。この位置をヘッド
アップ完了位置および初期状態とする。この状態からモ
ータギア１が正転すなわち図４のＦ方向に回転すると、
図２で説明したようにスプリング２ｅの作用・反作用に
よりチェンジギア群２全体が反時計方向に回転すなわち
図２のＦ′方向に回転し、図４に示すようにカムギア３
にダウンギア２ｂが噛み合う。チェンジギア群２のブラ
ケット２ｄはこの時点で反時計方向の回転ができなくな
り、スプリング２ｅのバネ力に抗してダウンギア２ｂが
時計方向に回転を始める。ダウンギア２ｂとカムギア３
はこの時点で押圧力を受けて噛み合っており、カムギア
３は反時計方向に回転する。カムギア３のカム溝は、図
７のカム線図に表したように、反時計方向回りで内から
外へ向かってヘッドアーム４のカム軸４ａを移動させる
ようになっている。したがって、カムギア３の回転によ
りヘッドアーム４が動き始めアーム軸４´を中心に反時
計方向に回転してサーマルヘッド６がプラテン１０に近
ずく。

【００１４】そのままモータを回し続けると、やがてサ
ーマルヘッド６はプラテン１０にあたり、更にヘッドア
ーム４とヘッド固定台５の間に取り付けたスプリングに
より所定のヘッド押し付け荷重がかかる。カムギア３に
は図のように歯を一部欠いている部分、すなわち、溝３
ａが存在し、チェンジギア群２のダウンギア２ｂがその
溝３ａに落ちるまでカムギア３は回転する。

【００１５】図５はチェンジギア群２のダウンギア２ｂ
が溝３ａに落ち込み、アップギア２ｃがギア７に噛んだ
状態、すなわち、ヘッドダウンが完了して印刷中である
ことを示している。この時点でカムギア３の回転が停止
し、ギヤチェンジされてアップギア２ｃがブラケット２
ｄの回転でギア７と噛み合うようになり、動力はギア
７、ギア８、プラテンギア９と伝わりプラテン１０を反
時計方向に回して、用紙１２を送り印字することが出来
る。

【００１６】図６はヘッドアップ中、すなわち、印字が
終わり、モータを逆転すなわち図６のＲの方向に回転さ
せてサーマルヘッド６をプラテン１０から離した状態を
示す図である。すなわち、モータの逆転を開始すると、
図２で説明したようにスプリング２ｅの作用・反作用に
よりチェンジギア群２全体が今度は時計方向に回転すな
わち図２のＲ′方向に回転し、図５の状態からアップギ
ア２ｃはギア７から離れ、カムギア３に噛むようにな
る。モータが更に逆転すると、カムギア３はチェンジギ
ア群２と同調して時計方向に回転する。そして、カムギ
ア３が図３に示す位置まで回転するとヘッドアーム４も
完全にヘッドアップした状態になり、アップギア２ｃが
カムギア３の溝３ｂに落ち込み、カムギア３に動力が伝
わらなくなり、完全に停止する。

【００１７】上記したように、本実施例は、主走査方向
に複数の発熱素子をアレー状に配列したサーマルヘッド
６と、サーマルヘッド６に対し対向配置したプラテン１
０と、サーマルヘッド６をプラテン１０に対し接離させ
る接離手段としてのヘッドアーム４と、サーマルヘッド
６の副走査方向に用紙を搬送させる用紙搬送手段として
のギヤ７，８，プラテンギヤ９、プラテン１０を有する
サーマルプリンタにおいて、モータよりヘッドアーム４
に駆動を伝達する第１の駆動伝達手段としての中継ギヤ
２ａ、ダウンギヤ２ｂ、カムギヤ３と、モータよりギヤ
７，８，プラテンギア９，プラテン１０に駆動を伝達す
る第２の駆動伝達手段としての中継ギヤ２ａ、アップギ
ヤ２ｃを有し、単一の前記モータによりサーマルヘッド
６とプラテン１０の接離動作及び用紙の搬送を行うもの
である。

【００１８】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明のサーマル
プリンタは、１つのモータで用紙の搬送とサーマルヘッ
ドのアップダウン動作をこなすことが出来るので、部品
数が減り、装置の小型軽量化及び製造コストの低減が行
なえるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例に係るサーマルプリンタの全体構成を
示す図である。

【図２】チェンジギア群の構成を示す図である。

【図３】サーマルヘッドの一連の動作において、ヘッド
アップ完了の状態を示す図である。

【図４】サーマルヘッドの一連の動作において、ヘッド
ダウン中の状態を示す図である。

【図５】サーマルヘッドの一連の動作において、ヘッド
ダウン完了の状態を示す図である。

【図６】サーマルヘッドの一連の動作において、ヘッド
アップ中の状態を示す図である。

【図７】ヘッドアームのカム軸の移動のようすを示すカ
ム線図である。

【符号の説明】

２…チェンジギア群、４…ヘッドアーム、６…サーマル
ヘッド、７，８…ギア、９…プラテンギア、１０…プラ
テン。

【手続補正書】

【提出日】平成６年２月１４日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１１

【補正方法】変更

【補正内容】

【００１１】一方、モータギア１が逆転すなわちＲの方
向（反時計方向）に回転するときも同様に作用して、ス
プリング２ｅの作用・反作用により、中継ギア２ａの回
転にあわせてチェンジギア群２全体がＲ′の方向に回転
する。なお、小トルクのモータを使用する場合はチェン
ジギア群を図８に２′として示すように、中継ギアをモ
ータギア１′に噛み合う小径中継ギア２ａ′と大径中継
ギア２ａ″で２段に構成すれば、減速比を大きくとるこ
とができ充分な駆動トルクを得る事ができる。

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】図８

【補正方法】追加

【補正内容】

【図８】チェンジギア群の他の構成を示す図である。

【手続補正３】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】符号の説明

【補正方法】変更

【補正内容】

【符号の説明】 ２、２′…チェンジギア群、４…ヘッドアーム、６…サ
ーマルヘッド、７、８、９…プラテンギア、１０…プラ
テン。

【手続補正４】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図８

【補正方法】追加

【補正内容】

【図８】

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 主走査方向に複数の発熱素子をアレー状
   に配列したサーマルヘッドと、該サーマルヘッドに対し
   対向配置したプラテンと、前記サーマルヘッドを前記プ
   ラテンに対し接離させる接離手段と、前記サーマルヘッ
   ドの副走査方向に用紙を搬送させる用紙搬送手段とを有
   するサーマルプリンタにおいて、 モータと、該モータより前記接離手段に駆動を伝達する
   第１の駆動伝達手段と、前記モータより前記用紙搬送手
   段に駆動を伝達する第２の駆動伝達手段とを有し、単一
   の前記モータによりサーマルヘッドとプラテンの接離動
   作及び用紙の搬送を行うことを特徴とするサーマルプリ
   ンタ。