JPH0740021U - エンドミル - Google Patents

エンドミル

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JPH0740021U
JPH0740021U JP6919193U JP6919193U JPH0740021U JP H0740021 U JPH0740021 U JP H0740021U JP 6919193 U JP6919193 U JP 6919193U JP 6919193 U JP6919193 U JP 6919193U JP H0740021 U JPH0740021 U JP H0740021U
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gash
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blades
angle
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忠義 三好
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 切りくずが十分に排出されて高い切削性能が
得られると共に、底刃の負荷が大きくなる切削加工に用
いられた場合にも、底刃の欠損が生じ難いエンドミルを
提供する。 【構成】 それぞれの底刃の刃先側において隣接した部
分には、底刃のすくい面を形成するためのギャッシュ2
4,24、26,26、28,28が、全てその外周側
端部と底面との距離(ギャッシュ深さ)Lが一定値とな
るように、底刃に沿って設けられている。そのため、長
刃12のギャッシュ24、中刃14のギャッシュ26、
および短刃16のギャッシュ28が、それぞれ底面と成
す角(ギャッシュ角)θは、θ1 が11〜14°に、θ
2 が16〜20°に、θ3 が21〜25°に設定されて
いる。また、上記ギャッシュ深さLは、エンドミル10
の直径の0.10〜0.14倍の長さにされている。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、フライス盤或いはマシニングセンタ等に用いられるエンドミルの改 良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
略円柱状を成し、一方の端面に設けられたその円柱の半径よりも大きい長さを 有してその軸心を通る底刃(以下、長刃という)と上記半径よりも小さい長さを 有する底刃(以下、短刃という)とを含む少なくとも2つ以上の底刃と、それら 各底刃のすくい面をそれぞれ形成するためのギャッシュと、それら各ギャッシュ にそれぞれ連続するねじれ溝とを備えたエンドミルが知られている。このエンド ミルにおいて上記端面に設けられているギャッシュは、すくい面を形成して切れ 味を確保すると共に、ねじれ溝に連続することによって切りくずの排出を良好に するために設けられているものである。
【0003】
【考案が解決すべき課題】
ところで、従来、上記のように長さの異なる2つ以上の底刃を備えたエンドミ ルにおいては、上記一方の端面とギャッシュの底面との成す角(以下、ギャッシ ュ角という)θは、全てのギャッシュに関して等しく設定されていた。このため 、その端面における切りくずの排出に係わる容積が長刃側と短刃側とで大きく異 なっていた。したがって、ギャッシュ角θを比較的小さい値とした場合には短刃 側での切りくずの排出が十分に行われ得ないため、切りくず詰まりが発生して切 削性能が損なわれるという問題があり、反対にギャッシュ角θを比較的大きい値 とした場合には長刃側の強度が不充分となるため、特に底刃の負荷が大きくなる 切削加工、すなわち高能率仕上げ加工や、比較的引張強さが高い(例えば125 0MPa以上)高硬度の被削材の切削加工に用いられた際に、底刃が欠損し易い という問題があった。
【0004】 本考案は、以上の事情を背景として為されたものであって、その目的は、切り くずが十分に排出されて高い切削性能が得られると共に、上記のような底刃の負 荷が大きくなる切削加工に用いられた際にも、底刃の欠損が生じ難いエンドミル を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
斯かる目的を達成するため、本考案の要旨とするところは、前記のようなエン ドミルにおいて、前記ギャッシュ角θを10乃至25°とすると共に、前記一方 の端面と上記ギャッシュの外周側端部における底面との距離(以下、ギャッシュ 深さという)を、前記円柱の直径の0.10乃至0.15倍の大きさの一定値と したことにある。
【0006】
【作用および考案の効果】
このようにすれば、全ての底刃のギャッシュ深さが同じ値とされているため、 長刃側でのギャッシュ角θは比較的小さくなり、反対に短刃側でのギャッシュ角 θは比較的大きくなる。そのため、長刃側と短刃側との切りくずの排出に係わる 容積の差が比較的小さくされて、長刃側のギャッシュ角θを底刃の強度を十分確 保するために比較的小さくした場合にも、短刃側での切りくずの排出が十分に行 われるようにすることが可能である。したがって、ギャッシュ深さを前記円柱の 直径の0.10乃至0.15倍の大きさに、ギャッシュ角θを10乃至25°の 大きさに設定することによって、切りくずの排出が十分に行われて高い切削性能 を有すると共に、底刃の強度が十分に確保されて前記のような底刃の負荷が高く なる切削加工の際にも欠損が生じ難いエンドミルが得られる。
【0007】
【実施例】
以下に、本考案の一実施例を図面を参照して説明する。
【0008】 図1は、本考案の一実施例であるエンドミル10の底面を示す図である。刃先 部分の一部を切り欠いた正面図である。このエンドミル10は、超硬合金、超高 圧焼結体、セラミックス、サーメット、高速度工具鋼、或いはこれらを母材とし て表面に各種コーティングが施された素材から成るもので、全体が略円柱状を成 しており、その軸心と垂直に形成された底面には、長さの異なる三種の各々一対 の底刃が軸心回りに等分割角で、一対の底刃が軸心を挟んで対向する位置となる ように設けられている。最も長い長刃12,12は、エンドミル10の半径より も大きい長さを有している。中刃14,14および短刃16,16は、エンドミ ル10の半径よりも小さい長さを有しており、短刃16は中刃14よりも短くさ れている。また、これら6つの底刃のそれぞれの刃先18,18、20,20、 22,22は、それぞれ一対の底刃の刃先が軸心を通る直線から互いに反対方向 に僅かな所定距離隔てた位置となるように設けられている。これらの刃先18, 20,22の径方向先端は、全てエンドミル10の軸心を中心とした一円周上に 位置させられていると共に、刃先18,20,22の軸方向先端は全て軸心に垂 直な一平面内に設けられている。
【0009】 また、それぞれの底刃の刃先側において隣接した部分には、底刃のすくい面を 形成するためのギャッシュ24,24、26,26、28,28が、図2(a)(b) (c) に示すように、全てその外周側端部と底面との距離(ギャッシュ深さ)Lが 一定値となるように、底刃に沿って設けられている。そのため、長刃12のギャ ッシュ24、中刃14のギャッシュ26、および短刃16のギャッシュ28が、 それぞれ底面と成す角(ギャッシュ角)θはθ1 <θ2 <θ3 とされている。本 実施例においては、θ1 が11〜14°に、θ2 が16〜20°に、θ3 が21 〜25°に設定されている。また、上記ギャッシュ深さLは、エンドミル10の 直径の0.10〜0.14倍の長さにされている。なお、図2(a)(b)(c) は、そ れぞれ図1におけるa,b,cの方向からエンドミル10を見た状態を上側半面 に示すと共に、その上側半面に現れたギャッシュ24,26,28のギャッシュ 深さLおよびギャッシュ角θを説明するための断面をそれぞれ下側半面に示す概 念的な図である。
【0010】 また、エンドミル10の外周には、上記ギャッシュ24,26,28からそれ ぞれ切りくずを排出するためのねじれ溝30が、それらのギャッシュ24,26 ,28に連続して形成されている。このねじれ溝30は、各々のギャッシュ24 ,26,28に連続するように6条設けられており、ねじれ溝30の溝底直径は 、エンドミル10の直径の0.7乃至0.9倍とされている。なお、ギャッシュ 24,26,28、或いはねじれ溝30が設けられた結果、エンドミル10の外 周面にも外周刃32が形成されている。
【0011】 以上のように構成されたエンドミル10は、図示しない工作機械の回転軸に取 り付けられ、図1における左回りに自転するように回転させられると共に、被削 材に対して相対移動させられることにより、底刃12,14,16および外周刃 32によって溝切削や座ぐり切削等の切削加工が行われる。
【0012】 上記のエンドミル10を用いて溝加工を行った結果を、試験条件と併せて従来 のギャッシュ角θが一定とされたエンドミルと比較して表1に示す。表から明ら かなように、比較的底刃12,14,16の負荷が高くなる本試験条件において 、本実施例のエンドミル10が、底刃12,14,16の欠損や切りくずの詰ま りが生じ難いのに対し、従来のギャッシュ角θが一定とされたエンドミルは、ギ ャッシュ角θが小さい場合には切りくずの詰まりが発生し易く、大きい場合には 底刃の欠損が生じ易い。すなわち、図2(a)(b)(c) に対応する図3(a)(b)(c) に 示すように、ギャッシュ角θを一定とした場合には、長刃12のギャッシュ深さ L1 、中刃14のギャッシュ深さL2 、短刃16のギャッシュ深さL3 は、L1 <L2 <L3 の大小関係となる。そのため、例えばギャッシュ角θを14°と比 較的小さくした場合には短刃16のギャッシュ深さL3 =0.6mmとなって切 りくず詰まりが発生し易くなり、反対にギャッシュ角θを19°,24°程度と 比較的大きくした場合には長刃12のギャッシュ深さL1 =1.6mm,2.0 mmとなって欠損し易くなるのである。
【0013】
【表1】
【0014】 これに対してエンドミル10は、全ての底刃12,14,16のギャッシュ深 さLが、その直径の0.10〜0.14倍の大きさである比較的小さい一定値( 本実施例においては1.2mm)とされているため、全ての底刃12,14,1 6の強度が十分に確保されて欠損が生じ難いのである。また、ギャッシュ深さL が同じ値とされた結果、長刃12のギャッシュ角θ1 は比較的小さい値13°に なり、反対に短刃16のギャッシュ角θ3 は比較的大きい値23°になるため、 長刃12と短刃16との切りくずの排出に係わる容積の差が比較的小さくされ、 短刃16の切りくず排出に係わる容積が比較的大きくなって切りくずの排出が十 分に行われるのである。したがって、本実施例のエンドミル10は、切りくずの 排出が十分に行われて高い切削性能を有すると共に、底刃12,14,16の強 度が十分に確保されて、上記のような底刃12,14,16の負荷が高くなる切 削加工、すなわち高能率仕上げ切削加工や、比較的引張強さが高い(例えば12 50MPa以上)高硬度被削材の切削加工においても、欠損が生じ難いのである 。
【0015】 以上、本考案の一実施例を図面を参照して詳細に説明したが、本考案は更に別 の態様でも実施される。
【0016】 例えば、前述の実施例においては、底刃を12,14,16各一対の3種6つ としたが、これらの種類数およびそれぞれの数は適宜変更される。例えば、軸心 を挟んで対向する位置に長刃12と短刃16とを各1つづつ設けて底刃の総数を 2つとしても良いし、長刃12と短刃16とをそれぞれ一対づつ設けて総数を4 つとしても良い。但し、回転の安定性を考慮すれば、軸心を挟んで対向する位置 に同じ長さの底刃が位置するように配置することが好ましい。
【0017】 また、前述の実施例においてはギャッシュ角θは前記の範囲が最も好ましいが 、それぞれθ1 が10〜15°、θ2 が15〜20°、θ3 が20〜25°の範 囲の値をとっても良い。なお、上述のように底刃の数が前述の実施例と異なる場 合にも、ギャッシュ角θは10〜25°の範囲で適宜設定される。この範囲を越 え、ギャッシュ角θが10°よりも小さくなると、切りくずの詰まりが発生し易 くなり、反対に25°よりも大きくなると、底刃12,14,16が欠損し易く なるのである。
【0018】 また、ギャッシュ深さLは、エンドミル10の直径Dの0.10乃至0.15 倍の範囲で設定され得る。Lが0.10Dよりも小さくなると切りくず詰まりが 発生し易くなり、0.15Dよも大きくなると、底刃の欠損強度が不足するとい う問題が生じる。なお、切りくず詰まりの防止と、底刃の欠損強度の確保の面か らは、実施例で示した0.10D乃至0.14Dの範囲が最も好ましい。
【0019】 その他、一々例示はしないが、本考案はその主旨を逸脱しない範囲で種々変更 を加え得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例であるエンドミルの底面を示
す図である。
【図2】(a) ,(b) ,(c) は、図1のエンドミルをそれ
ぞれa,b,cの方向から見た状態を上側半面に示すと
共に、その上側半面に現れたギャッシュの形状を説明す
るための断面を下側半面に示す概念的な図である。
【図3】従来のエンドミルにおいて、図2に対応する図
である。
【符号の説明】
10:エンドミル 12:長刃 16:短刃 24,26,28:ギャッシュ 30:ねじれ溝

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略円柱状を成し、一方の端面に設けられ
    た該円柱の半径よりも大きい長さを有して該円柱の軸心
    を通る底刃と該半径よりも小さい長さを有する底刃とを
    含む少なくとも2つ以上の底刃と、該各底刃のすくい面
    をそれぞれ形成するためのギャッシュと、該各ギャッシ
    ュにそれぞれ連続するねじれ溝とを備えたエンドミルに
    おいて、 前記軸心に垂直な面と前記ギャッシュの底面との成す角
    を10乃至25°とすると共に、前記一方の端面と該ギ
    ャッシュの外周側端部における底面との距離を、前記円
    柱の直径の0.10乃至0.15倍の大きさの一定値と
    したことを特徴とするエンドミル。
JP1993069191U 1993-12-24 1993-12-24 エンドミル Expired - Lifetime JP2588581Y2 (ja)

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