JPH0739711Y2 - シートベルト保持構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （考案の技術分野） 本考案はシートベルト保持構造、さらに詳細にはシート
クッションとシートバックとの間隙にベルトが落ち込ま
ないようにしたシートベルト保持構造に関する。

（従来技術） 第１図に示すように、従来この種のシートベルト固定装
置としては、実開昭51−97929号公報に開示され、この
図より明らかなように、シートベルト固定装置は、一端
にベルトウェビング２を挿通させるための挿通支持部31
を有する先端部３とベルトウェビング２をガイドするた
めのガイド部分４を有しており、このガイド部４は自動
車床面に取り付けるための取付部５を有した構造になっ
ている。そして、一端でアンカプレート６を介して前記
取付部５と一体的に自動車床面に取りつけられるベルト
ウェビング２は前記ガイド部分４の上面にガイドされて
先端部３の挿通支持部31を挿通し、バックル７に連結し
ている。

このようなシートベルト固定装置は、アンカプレート６
に穿設されたボルト穴61に対応する位置に同様なボルト
穴を有しており、このボルト穴でボルトによってアンカ
プレート６とともに床面に取り付けるものであるが、こ
のとき、固定装置はボルトの回転方向にずれを生じやす
いという欠点があり、取付作業が困難であった。

また、シートクッションが前方に傾倒するような構造の
シートの場合、前記固定装置のガイド部分４の裏面とシ
ートクッションが傾倒の際に擦れ合い、シートクッショ
ンの表皮に傷つける恐れがあるという欠点もある。

（考案の目的） 本考案は上述の点に鑑みなされたものであり、シートク
ッションとシートバックの間隙にシートウェビングが落
ち込まないばかりでなく、取り付けが容易で、かつシー
トクッションが前方に傾倒する場合においても、シート
クッションと擦れ合わないシートベルト保持装置を提供
することを目的とする。

（考案の構成） 上記目的を達成するため、本考案によるシートベルト保
持構造は、床面に取り付けるためのアンカプレートに設
けられたベルトウェビング挿通用の支持穴に係合するよ
うな係止片を後端部に有し、先端部にベルトウェビング
を挿通するためのリング状保持部を設けた保持具の前記
係止片をアンカプレートの前記支持穴に係止するととも
に前記後端部をアンカプレートに固定し、さらに前記ベ
ルトウェビングを前記支持穴に前記保持具の裏面側より
挿通し、前記挿通されたベルトウェビング部分のみを前
記リング状保持部に挿通したことを特徴としている。

（実施例） 第２図は本考案によるシートベルトの保持構造の一実施
例の一部斜視図であるが、この図より明らかなように、
自動車の床面に取り付けるためのアンカプレート６は鉤
状に形成されており、この鉤状のアンカプレート６の折
曲部中央にはベルトウェビング２を挿通するための支持
穴62が設けられている。そして前記アンカプレート６に
は自動車床面に固定するためのボルト穴63が設けらた構
造になっている。

前記ベルトウェビング２を保持するための保持具８は全
体として樹脂など若干の弾性を有する材料で製造されて
おり、その先端部にリング状保持部81を有し、かつ後端
部82には、前記支持穴62に係止する係止片83が設けられ
た構造になっている（第３図参照）。そして前記支持穴
62に前記保持具８の係止片83を係止するとともに、前記
保持具の後端部82をアンカプレート６の立設部分64にリ
ベット９によって固定されている。

前記ベルトウェビング２は前記保持具８の裏面側より前
記アンカプレート６の支持穴62に捲回するように挿通さ
れ、挿通されたベルトウェビング部分2₁はリング状保持
部81のリング部分を挿通し、バックル７に連結している
（第４図参照）。

このようなシートベルト保持構造を使用する場合、第４
図に示すように自動車床面10の所定位置にアンカプレー
トプレート６をボルト11などによって固定する。

前記アンカプレート６の立設部分64には保持具８の後端
部82がリベット９によって固定されており、一方保持具
８の先端リング状部分81はシートクッション12とシート
バック13の間隙から前方に突出している。そして、ベル
トウェビング２の一端はバックル７に接続しているとと
もに、前記アンカプレート６の支持穴62に裏面方向より
挿通されており、挿通されたベルトウェビング部分2
₁は、保持具８のリング状保持部81のリング部分を挿通
し、同様にバックル７に固定されている。

このような構造になっているため、前記ベルトウェビン
グ２がシートクッション12とシートバック13の間隙より
シートの裏面方向に落ち込もうとすると、前記保持具８
が突っ張って落ち込みを防止する。

また、前記シートクッション12を前方に傾倒する（矢印
参照）場合、ベルトウェビング２がシートクッション12
と接触し、保持具８自体には接触することはないので、
シートクッション12の表皮を傷める心配がない。

さらに、保持具８はアンカプレート６にリベット９など
によって、あらかじめ固定されているため、保持具８が
ボルトの回転方向に回動するという従来の欠点は除去さ
れ、取付作業が容易になるという利点がある。

また、アンカプレート６の支持穴62に保持具８の係止片
83を係止しているため、挿通されたウェビング２が損傷
しにくい利点もある。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案によるシートベルトの保持
構造によれば、アンカプレートの支持穴に係止片を係止
し、リベットなどによって固定した保持具によって、シ
ートベルトを保持するためアンカプレートを正確に取付
位置に取り付けるだけで、保持具を取り付けることがで
きる。このため保持具の取付作業が容易になるという利
点がある。

さらに、ベルトウェビングを裏面方向より支持穴に挿通
するとともに、挿通された部分のみを保持具先端のリン
グ状保持部に挿通させているため、シートクッションを
前方に傾倒するような構造のシートであっても、シート
クッションの表皮を傷めることはないとう利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のシートベルト固定装置の斜視図、第２図
は本考案によるシートベルト保持構造の一部斜視図、第
３図はアンカプレートと保持具の取付状態を示す断面
図、第４図はシートに自動車床面に取り付けシートに適
用した場合の一部断面図である。 ２……ベルトウェビング、2₁……ベルトウェビング部
分、６……アンカプレート、62……支持穴、７……バッ
クル、８……保持具、81……リング状保持部、82……後
端部、83……係止片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】床面に取り付けるためのアンカプレートに
   設けられたベルトウェビング挿通用の支持穴に係合する
   ような係止片を後端部に有し、先端部にベルトウェビン
   グを挿通するためのリング状保持部を設けた保持具の前
   記係止片をアンカプレートの前記支持穴に係止するとと
   もに前記後端部をアンカプレートに固定し、さらに前記
   ベルトウェビングを前記支持穴に前記保持具の裏面側よ
   り挿通し、前記挿通されたベルトウェビング部分のみを
   前記リング状保持部に挿通したことを特徴とするシート
   ベルト保持構造。