JPH073960Y2 - 壁面支持具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はボード壁に棚等を支持する壁面支持具に関す
る。

（従来の技術） 近年では建物の内壁に石膏ボード、ベニヤ板、石綿板等
のボード類が多用されるようになり、建物完成後このよ
うな壁材の壁面に棚、箱、その他板状の部材を取付ける
必要が生じている。

例えば石膏ボードや石綿板等は脆弱なために釘や木ビス
打込んでも木材のように締付ける力が作用しないので固
定されにくく、また木質のベニヤ板等でも薄手のもので
は釘や木ビスの作用範囲が短いので周囲が破壊されやす
く固定されにくい。

そこでこのようなボード壁に棚や箱を取付ける場合には
ボード裏側に配置されている木軸や軽量鉄骨等の下地構
造材の位置を探し出し、この下地構造材の位置に合せて
棚や箱の被取付物側から釘や木ビス等を打込み、ボード
を貫通させて下地構造に固定し棚や箱等を支持してい
る。

（考案が解決しようとする問題点） ところが下地構造材が棚、箱等の取付けの所定の位置に
配置されていない場合には支持が不完全になることがあ
る。さらに例えばGL工法等に見られるようなボード類を
コンクリート躯体に直貼りする工法では、釘や木ビスを
支持できる下地構造材が配置されず、棚、箱等の支持が
困難である。

このような場合には、棚や箱等の側から釘や木ビス等を
打込んでボード類のみで支持する場合があるが、後に釘
や木ビスが外れて棚や箱が落下する恐れがあり危険であ
る。

本考案はこのような実状に鑑みてなされたもので、取付
けが容易で、釘や木ビスが支持されにくいボード壁に
棚、箱等を確実に支持可能な壁面支持具を提供すること
を目的としている。

（問題を解決するための手段） 上記の問題点を解決するために本考案は、板状硬質素材
の一面に壁面に接着する接着層を形成し、他面には被取
付物に接着する接着層を形成してなり、前記両方の粘着
層を剥離可能な保護シートによって保護すると共に、板
状硬質素材表面には任意の大きさに切断するための縦横
の溝と、ビスあるいはネジ等を挿通するための無数の凹
欠部を穿設してなり、 所定の大きさに切断した壁面支持具を壁面に取付けた
後、被取付物を壁面支持具表面に粘着支持すると共に、
ビスあるいはネジ等で壁面支持具を介して壁面に固定す
ることを特徴とする。

（作用） 本考案の壁面支持具は、壁面とこの壁面に取付けられる
被取付物との接合面に配置され、壁面と被取付物の双方
に圧着して被取付物を壁に保持する。このとき被取付物
の荷重は粘着層を介して板状硬質素材で受け止められる
が、板状硬質素材は曲がりにくくしかも所定の圧着面積
を確保して壁面に圧着するので、荷重が壁面に均等に拡
散して伝達され被取付物の保持が確実になる。

（実施例） 次に添付図面と共に本考案の実施例を詳細に説明する。
図中、第１図は本考案の一実施例を示す壁面支持具の一
部切欠斜視図、第２図は棚の取付状況を示す断面図、第
３図は同正面図である。

図中符号１は壁面支持具であり、板状硬質素材としての
鉄板２の両面に粘着層3a、3bを貼付けて形成されてい
る。

前記鉄板２の表面にはビス絞めの際にビス先端の逃げを
防止するための微小な凹穴部４、４…が無数に形成さ
れ、さらにこの鉄板２の表面には任意の大きさに切断す
るための縦横の溝５、５…が刻まれている。上記鉄板２
の両面に構成した粘着層３、３の表面には容易に剥離可
能な保護シート６が貼り付けられている。

次にこのように構成した本実施例の作用を説明する。地
下構造材の配置されない石膏ボード７の壁面7aに棚８を
取付ける場合には、第２図及び第３図に示すように、ま
ず壁面支持具１を溝５に沿って任意の大きさに切り取
り、壁面の粘着層3aの保護シート６を剥がして石膏ボー
ド７の壁面7aの所定部位に数個所圧着する。

次に、壁面7aに圧着された壁面支持具１のもう一方の粘
着層3bの保護シート６を剥がしてから、棚８の取付位置
に棚８の裏板8aを当てがい棚８を圧着する。この後、裏
板8aを更に確実に鉄板２に接合させるために、裏板8aの
表側からビス９を鉄板２に螺合する。

即ち、棚８の荷重は粘着層3bとビス９を介して鉄板２で
受け止められるが、鉄板２は硬質で曲がりにくく、しか
も広い圧着面積で壁面7aに圧着しているので、棚８の荷
重が壁面に均等に拡散して伝達され、棚８を壁面7aに確
実に保持する。

また、壁面支持具１は鉄板２の表面の縦横の溝５で目的
に応じて所定の大きさに容易に切断でき、更に鉄板２の
表面に構成した微小な凹穴部４で、ビス絞めの際にビス
先端の逃げを防止することができるので、取付けが簡単
かつ正確に行うことができる。

上述の実施例では、壁面支持具１は最小単位のものを複
数用いて棚８を壁面7aに取付けるようにした。しかし壁
面支持具１の大きさは適宜決定できる。例えば壁面支持
具１を被取付体より大きく構成して壁面7aに取付け、こ
の壁面支持具１の表面に、凹穴部４を利用してネジある
いはビス止めすることにより被取付物を取付けることも
できる。そのため壁面7aが弱い場合でも、本考案の壁面
支持具１を使用することにより、棚、台などを取付ける
ことが可能となる。

また、壁面支持具１は上記の溝５あるいは凹穴部４によ
り縦あるいは横に自由に切断したり曲折することができ
るため、壁の表面形状にあわせて容易に取付けることが
できる。

また板上硬質素材としては鉄板２に限らずステンレス板
としてもよく、更に金属板に限定されず木ビスを支持で
きる硬質な材料であればその他の材料でもよい。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案の壁面支持具は、壁面とこ
の壁面に取り付けられる被取付物との各々に接着する粘
着層を板状硬質素材の各々の面に貼付けして形成され
る。この板状硬質素材は曲がりにくくしかも所定の圧着
面積を確保して壁面に圧着するので、荷重が壁面に均等
に拡散して伝達され、釘や木ビスが支持されにくいボー
ド壁にも棚、箱等の被取付物を確実にしかも容易に保持
することができる。また、縦横に刻設した溝または無数
に穿設された凹欠部にて任意の大きさに切断できるので
被取付物の大きさに合わせて所望の大きさの壁面支持具
を得ることができる。さらに凹欠部が無数に穿設されて
いるので壁面支持具の任意の個所にビス、ネジ等を挿通
でき被取付物の保持力を増大することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は壁面支持
具の一部切欠斜視図、第２図は棚の取付状況を示す断面
図及び第３図は同正面図である。 １……壁面支持具、２……鉄板 3a、3b……粘着材、４……凹穴部 ５……溝、６……保護シート ７……石膏ボード、８……棚、９……木ビス

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】板状硬質素材の一面に壁面に接着する接着
   層を形成し、他面には被取付物に接着する接着層を形成
   してなり、前記両方の粘着層を剥離可能な保護シートに
   よって保護すると共に、板状硬質素材表面には任意の大
   きさに切断するための縦横の溝と、ビスあるいはネジ等
   を挿通するための無数の凹欠部を穿設してなり、 所定の大きさに切断した壁面支持具を壁面に取付けた
   後、被取付物を壁面支持具表面に粘着支持すると共に、
   ビスあるいはネジ等で壁面支持具を介して壁面に固定す
   る壁面支持具。