JPH0739439Y2 - 回転円盤型製麹装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本考案は、回転円盤型製麺装置の改良に関するもので、
特に高層堆積により醤油麺を製造する場合に有効な製造
に関するものである。

【従来の技術】

多孔円板からなる回転円盤（４）上に麺基質を所定の厚
さで載せて、回転させながら通気して麺菌の培養を行な
う回転円盤型製麺装置においては、第６図にその様子を
示したが、麺菌の増殖に伴って麺層が収縮したり、麺層
が回転して側板（３）との摩擦により麺層（２）外周と
円筒状の側板（３）との間に隙間が発生し、送風空気の
一部がショートパスすることとなる。通常、麺基質は25
cm厚程度であるが、40〜60cmと厚い高層堆積の場合、風
量及び風圧を高める必要があるので、特にショートパス
し易い。 そこで、従来は、作業者が製麺装置の中へ入って外周
部分を均したり、その非能率的かつ雑菌の侵入のおそれ
があるのを避けるため作業を機械化して、手入れ後に
排出スクリュー又は排出板を麺表面の位置に合わせ、円
盤を一周以上回転させて麺表面全体を均す作業がなされ
ていた。

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上述した排出スクリュー等により麺層全体を均
す作業は、製麺経過により麺層の厚さが微妙に変化する
ため、高さのセットが困難であり、設置位置が少しでも
低いと麺層表面全体が外周側に移動するため、麺が側板
に押し付けられて、側板の変形や破損を生じる結果とな
っていた。

【課題を解決するための手段】

このような課題を本考案では回転円盤型製麺装置を次の
ような構造とすることにより解決した。すなわち、水平
な回転円盤（４）上の側板近傍の麺層（２）上層部にス
クレーパ（１）が設置され、該スクレーパ（１）は、そ
の下端部がほぼ水平に延び、両端の一方の先部（1a）が
他方の後部（1b）よりも回転円盤（４）の中心側でかつ
一方の先部（1a）が回転円盤（４）の回転方向において
後方となるように設置されてなる。

【作用】

このようにスクレーパ（１）を設置すると、外周付近の
麺層が回転に伴ってならされて外周方向へ移動し、麺層
（２）外周と側板（３）との隙間を麺が埋める。そこ
で、円盤床下層からの通気のショートパスも無くなる。

【実施例】

以下図面によって本考案の実施例を詳細に説明する。 第１図は回転円盤型製麺装置内部の平面図、第２図は第
１図中Ａ−Ａ断面拡大図である。第３図は第２図中Ｂ−
Ｂ部断面図である。 これらの図にみられるうに、第１実施例のこの回転円盤
型製麺装置は、多孔円板からなる回転円盤（４）上の麺
層（２）の外周付近である側板上層部に麺層表面をなら
す位置にスクレーパ（１）を設置し、該スクレーパ
（１）の設置方向は麺層（２）の回転方向に対して上流
側すなわち回転方向において後方となるスクレーパの端
部である先部（1a）が回転円盤（４）の中心側で、下流
側のスクレーパの端部である後部（1b）が回転円盤
（４）の外周側となるよう回転円盤（４）の半径線の水
平面内で半径線と先部（1a）側のスクレーパとのなす角
が鋭角の角度（α）変位してあり、かつスクレーパ
（１）は、下端部がほぼ水平に延び、その大きさは、こ
のスクレーパで麺層表面をならしたとき、麺が側板との
隙間を埋めるに十分な長さに設定している。このスクレ
ーパ（１）は固定タイプであって、製麺装置本体（10）
の内壁へ設けられた取付桟（11）から下方へ上層部の麺
層（２）に接するよう適当な高さで、しかも側板（３）
との間が数cm〜十数cm離れた位置へ設けられている。こ
れは掻き寄せた麺が側板を押圧することがないよう配慮
したためである。そして、第３図にみられるように、ス
クレーパ（１）の幅方向（Ｚ）と回転円盤（４）の垂線
（Ｙ）との間に角度（β）を設けている。角度（β）は
０°＜β＜90°であるが、図のように傾斜させることに
より、麺の層厚を変更して製麺する場合に、スクレーパ
（１）が麺層（２）内に埋没した状態になっても、スク
レーパに加わる力を少なくすることが可能である。 第4,5図は本考案の第２実施例を示しており、スクレー
パ（１）を昇降可能とした例である。この例ではスクレ
ーパ（１）は製麺装置本体の内壁へ設けられた水平方向
の取付桟（11）から下方垂直方向に平行に設けられた２
本のガイド棒（６）（６）に対して上下動可能に取付け
られ、エアシリンダ（５）の伸縮ロッド先端に固着され
ている。スクレーパ（１）には第５図にみられるよう
に、下端部から所定位置上方に水平方向プレートからな
るストッパー（７）が設けられており、その先行側は反
り構造となっており、沈み込むのを防ぐ機能を有してい
る。 スクレーパ（１）がこのような構造であると、麺の層厚
を変更して製麺する場合に直ちに対応させて上下位置を
変更することができる。エアシリンダ（５）によってス
クレーパ（１）は通常麺層（２）表面よりやや上方に引
上げられており、麺を側板（３）側に掻き寄せる場合
は、先ず、エアシリンダ（５）を解除又は下向きの力を
加えることでスクレーパ（１）を麺層（２）に差し込
む。そして、ストッパー（７）によりスクレーパ（１）
の位置を決定し、回転円盤（４）を回転させるのであ
る。 なお、スクレーパ（１）は第１図にみられるように、複
数個設けることが望ましい。回転円盤（４）の回転が少
なくて１回転しない場合でも効果が得られるからであ
る。 また、スクレーパ（１）は各部分で鋭角の角度（α）が
保たれて回転円盤の回転方向との関係において、先部
（1a）が回転円盤の中心側に向いておれば、全体を上方
からみて湾曲した形にしてもよい。

【考案の効果】

以上詳述したような構造としたことにより、回転円盤型
製麺装置の回転円盤の外周部における通気量が均一化さ
れ、側板内面に沿って起こるショートパスが防止される
こととなり、麺基質の品質を均一化することができて、
良質の麺製品が得られる効果が得られた。

【図面の簡単な説明】

第１図は回転円盤型製麺装置内部の平面図、第２図は第
１図中Ａ−Ａ拡大断面図である。第３図は第２図中Ｂ−
Ｂ部断面図である。第４図は他の実施例のスクレーパの
正面図であり、第５図は同側面図である。第６図は従来
の麺基質の様子を示す第２図相当断面図である。 （１）スクレーパ、（２）麺層 （1a）スクレーパ先部、（1b）スクレーパ後部 （３）側板、（４）回転円盤 （４）エアシリンダ、（６）ガイド棒 （７）ストッパー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】水平な回転円盤（４）上の側板近傍の麺層
   （２）上層部にスクレーパ（１）が設置され、該スクレ
   ーパ（１）は、その下端部がほぼ水平に延び、両端の一
   方の先部（1a）が他方の後部（1b）よりも回転円盤
   （４）の中心側でかつ一方の先部（1a）が回転円盤
   （４）の回転方向において後方となるように設置されて
   なる回転円盤型製麺装置。