JPH0739349B2 - 血圧調節剤 - Google Patents

血圧調節剤

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JPH0739349B2
JPH0739349B2 JP63094542A JP9454288A JPH0739349B2 JP H0739349 B2 JPH0739349 B2 JP H0739349B2 JP 63094542 A JP63094542 A JP 63094542A JP 9454288 A JP9454288 A JP 9454288A JP H0739349 B2 JPH0739349 B2 JP H0739349B2
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    • A61K35/56Materials from animals other than mammals
    • A61K35/62Leeches; Worms, e.g. cestodes, tapeworms, nematodes, roundworms, earth worms, ascarids, filarias, hookworms, trichinella or taenia
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P9/00Drugs for disorders of the cardiovascular system
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S530/00Chemistry: natural resins or derivatives; peptides or proteins; lignins or reaction products thereof
    • Y10S530/855Proteins from animals other than mammals or birds

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野: 本発明は血圧調節剤又は抗高血圧剤に関する。さらに詳
しく述べれば、すぐれた抗高血圧作用及び/又は抵抗血
圧作用と安定性をもち、新規でかつ進歩性のある改良製
法による薬理的に許容し得るミミズ乾燥粉末を有効成分
としてなる血圧調節剤又は抗高低血圧剤に関する。
従来の技術: 近年、老若を問わず高血圧又は低血圧の患者が多い。こ
れらの患者の治療のために、高血圧の者には血圧降下剤
を投与し、低血圧の者には必ずとは言えないが、血圧上
昇剤(又は別名、昇圧剤)を投与することが多い。
特に、近年高血圧患者の増加に伴い、多数の各種の高血
圧治療剤(又は血圧降下剤)が開発され用いられてい
る。高血圧患者は血圧降下剤の服用を開始してから、そ
の服用を中断すると、逆に、病状が昴進して重くなるこ
とがある。それゆえ、長期間薬剤を服用しなければなら
ぬことが多い。低血圧患者も薬剤を用いたときには、多
くの場合、長時間投与を受けることが多い。それゆえ、
副作用のない薬剤が望まれている。
例えば、血圧降下剤として知られているヒドララジン
は、末梢血管拡張作用があり、秀れた血圧降下作用を呈
するが、副作用として頻脈を生ずるために、β−ブロッ
カーとの併用がおこなわれている。一般に、血圧降下剤
及び血圧上昇剤は、長期間投与するため副作用のない薬
剤が特に望まれている。
一方、ミミズは太古の昔より主として東洋諸国において
蚯蚓、地竜と称し、薬として用いられてきた。従来の文
献に報告されているミミズの薬理・薬降効作用を下記に
示す。
「みみずと人生」大淵真龍著1947年(昭和22年)10
月30日、牧書房発行、第223〜226頁及び「復刻みみず」
畑井新喜司著1980年4月30日、株式会社サイエンテイス
ト社発行、第160〜163頁に、ミミズが膀胱内結石の縮小
作用剤及び体外への排出作用剤、黄疸の治療剤、分娩
剤、強壮剤、毛生薬、強精剤及び解熱剤の薬理作用を有
し、一方、ミミズ毒として、一つは神経系統を侵し、他
は赤血球の破壊即ち、溶血作用を有することを報告して
いる。
「中華人民共和国葯典」中華人民共和国衛生部葯典
委員会編、1977年版、一部第197〜198頁には、次のこと
が記載されている。
慣習的に地龍製品には2種類がある。その一つの広地龍
(Lumbricus Kwangtungesis)は、腹部を裂いて内臓と
泥砂を洗い流し、天日、日陰又は低温で乾燥させたもの
である。他の土地龍(Lumbricus Nativus)は、草木灰
の中に入れて殺したのち、灰をとり去って天日、日陰又
は低温で乾燥したもので、ミミズ体内には泥土がつまっ
ている。これらの2種の地龍は解熱剤、ひきつけ治療
剤、血行促進剤、半身不随治療剤、開節鎮痛剤、排尿
剤、気管支喘息及び高血圧症剤として4.5〜9g/日使用す
ると報告している。
「わたしたちの漢方薬シリーズ3、地龍・鳥賊骨、
中国の科学研究」1978年10月30日、松浦薬業株式会社発
行、第7頁には地竜チンキ(地竜のエチルアルコール抽
出物)には降圧作用のあることを報告している。
「天然薬物事典」奥田拓男著、昭和61年4月15日、
廣川書店発行、第215頁には、地竜が下熱剤、鎮痛剤、
利尿剤及び解毒剤に利用されていることを報告してい
る。
田中 譲〔北海道医学雑誌 第24巻、第18〜24頁
(1949年)〕は、蚯蚓乾燥細片物から泥土を除いたもの
を煮沸水で抽出し、この抽出物の濃縮液にエチルアルコ
ールを添加して得た沈殿物質(Lumbrofebrin)をリンゲ
ル氏液に溶解し、この液を麻酔下の猫に精脈注射すると
急激な血圧降下をきたし、かつショックに比例して血液
凝固の促進が認められたと報告している。
居川賢二郎〔山口医学第9巻、第571〜576頁(1960
年)〕は地竜の生理食塩水の抽出液、地竜のエチルアル
コール又はアセトン抽出乾燥物を生理食塩水に溶解した
液を成熟家兎に静脈注射して血圧降下を認めた。
「中葯大辞典」下巻、江蘇新医学院編、1980年、上
海科学技術出版社発行、第2112頁には、広地龍チンキ、
蚯蚓乾燥粉末懸濁液、蚯蚓の熱水浸せき液、蚯蚓の煎じ
液等を麻酔下の犬、大きなネズミ、猫又は慢性腎性高血
圧のハツカネズミに投薬したら緩慢にして持続的な血圧
降下作用がみられた。麻酔下の犬又は猫に地龍エキスを
静脈注射したところ血圧降下作用が急速に現われた。た
だし、経口投薬したり、臨床への応用では効果がなかっ
たと報告している。更に、同誌第2114頁には濃度40%の
地龍チンキ(地龍40gを60度のエチルアルコール100mlに
浸せき)を毎回10ml、一日に3度〔即ち、地龍12g/日に
相当する(本発明者が換算)〕服用する。チンキを飲め
ない者は、純粋な地龍粉末に水を加えて丸薬(少量の賦
形剤を加える)をつくり、毎回3〜4g、一日に3度〔地
龍9〜12g/日に相当(本発明者が換算)〕服用し、30〜
60日間服用続けると本態性高血圧症に効果がある。又、
地龍B1液(HgCl2を用いてヒポキサンチンを除き、イオ
ン交換樹脂を用いて血圧降下成分を分離しとり出したも
の)を毎回2ml(生薬の地龍8gを含む)を一日に3度
〔地龍24g/日に相当(本発明者が換算)〕服用すると本
態性高血圧症に効果があったと報告している。
従来の慣習的なミミズの乾燥物又は乾燥粉末の製法は大
別すれば次のとおりである。
i ミミズの腹部を裂いて体内の内容物(内臓と泥土)
をとり去って天日、日陰又は低温(通常50℃以下)で乾
燥する方法。
ii ミミズを草木灰の中に入れて殺したのち、灰をとり
去って天日、日陰又は低温(通常50℃以下)で乾燥し、
ミミズ体内に泥土がつまったままのものを得る方法。
iii ミミズ体内の泥土をとり去ったのち、草木灰又は
火灰の中に入れて乾燥する方法。
などである。これらの乾燥物は必要時又は使用時に粉砕
して使用していた。これらの製法は簡易かつ経済的な方
法で、家庭でも安易に実行できる長所がある。然しなが
ら、これらの製法で得たミミズの乾燥物又は乾燥粉末は
0〜5℃の冷蔵庫内、又は5〜45℃の室温に開放状態で
貯蔵したとき約6ケ月以内、密閉状態で貯蔵したとき1
年以内の短期間内に黴が発生し使用不可能となる欠点が
ある。
前記iiの製法のように、体内に泥土がつまったまま乾燥
したミミズ、又はiiiの製法のように草木灰もしくは火
灰の中で乾燥したミミズは、薬として用いるときにはほ
とんどの場合、熱水で抽出又は煮沸水で煎じたのち過
し、液を服用することが多い。特に、iiの製法による
ミミズの乾燥物又は乾燥粉末は地竜チンキ又は粉末のま
ま、もしくは丸薬などにして服用することは稀である。
iの製法によるミミズは熱水浸せき液、煎じ液として服
用する他に、地竜チンキ又は地竜粉末のまま、もしく
は、粉末に少量の水もしくは少量の賦形剤を加えて丸薬
として服用することが多い。ii及びiiiの製法によると
き、生きミミズから水分10〜16%の乾燥ミミズの収率は
5〜9%,同じくiiの製法によるときの収率は13〜19%
(本発明者らの実測値)である。
最近、本発明者の一人である石井陽一は、ミミズの蛋白
質及び脂質を主成分とする健康食品又はその製造法〔日
本特許出願公開公報第59−216572号(公開日1984年12月
6日)」を報告した。この製造は、健康食品としてのミ
ミズ乾燥粉末を得るためには、一つのすぐれた方法であ
る。然し動脈硬化剤(別名、抗高脂血症剤)、糖尿病治
療剤及び血圧調節剤などの薬用を目的としたミミズ乾燥
粉末の製法としては、薬効の点で十分でないことが判明
した。すなわち、生きミミズの生体内に残っている排泄
物を除去するために外的な作用を施すときには、糞土の
みを選択的に除去することができない。いくら注意深く
操作しても、薬効上、重要な役割をなす成分を多く含有
する内臓及び体液が、糞土と一緒に除去されるので薬効
不足となることがわかった。又、生きミミズに対する収
率は10〜19%と少ない。更に、大きな問題は、最終仕上
げ工程の真空乾燥を80℃、0.3トールの真空度で20時間
以上の長時間操作するために、薬理・薬効上、重要な作
用をなすミミズ乾燥粉末中の酵素類が破壊又は失活する
ことがわかった。従って、本発明の製法で得られたミミ
ズ乾燥粉末に比較すると、日本特許出願公開公報昭59−
216572号で得たミミズ乾燥粉末の高血圧治療剤の薬効は
約50%であった。
最近、本発明者の一人である美原 恒とその他の共同研
究者等により、ミミズの線溶活性物質は至適pHが8〜1
0、安定pHが5〜10、トラジロール(商標名)、トラン
サミン(商標名)、大豆トリプシンインヒビター及び血
清で阻害され、プラスミノーゲン活性化作用及びフイブ
リン溶解作用を有し、フイブリノーゲン溶解作用を有し
ない諸性質を保有する酵素蛋白質であることが確認され
た。
ミミズからの水性溶媒の抽出法による粗製酵素蛋白質画
分と、その精製処理による精製酵素蛋白質画分からなる
線溶活性物質の製造法の出願特許即ち、日本特許出願公
開公報昭58−148824号(出願日1982年2月27日)と、こ
れの優先権主張による外国出願のアメリカ特許出願No.4
70394(出願日1983年2月28日)、イギリス特許出願No.
8305359(出願日1983年2月25日)、イタリア特許出願N
o.47795A(出願日1983年2月25日)、フランス特許出願
No.03165(出願日1983年2月25日)、西ドイツ特許出願
No.P3306944.1(出願日1983年2月28日)及びカナダ特
許出願No.422034(出願日1983年2月21日)が報告され
ている。
さらに、美原恒らによりミミズからの6種の新規なプロ
テアーゼの物質特許の出願、即ち日本特許出願公開昭59
−63184号(出願日、昭和57(1982)年10月2日)及び
これらのプロテアーゼを有効成分とする血栓溶解剤の特
許出願即ち、日本特許出願公開公報昭59−184131号(出
願日、昭58(1983)年3月31日)と、これらの併合出願
の優先権主張の外国特許出願即ち、韓国特許出願第2990
号(出願日1983年6月30日)をはじめ次の特許出願が報
告〔AU.P.App.16293(出願日1983年6月27日)、CA.P.A
pp.431387(出願日1983年6月28日)、DK.P.App.3008
(出願日1983年6月29日)、EP.P.App.83106288.0(出
願日1983年6月28日)、ES.P.App.523754(出願日1983
年6月30日)、FI.P.App.832383(出願日1983年6月29
日)、NO.P.App.2399(出願日1983年6月30日)、PH.P.
App.29151(出願日1983年6月30日)、TW.P.App.721198
3(出願日1983年6月18日)、US.P.App.508163(出願日
1983年6月27日)〕されている。
本発明者等の調査結果では、蚯蚓、地竜及びミミズ乾燥
粉末を有効成分とする抗低圧血圧剤の作用活性を報告し
た文献を見出すことができなかった。さらに、高血圧及
び/又は低血圧の患者に、ミミズ乾燥粉末を投与した場
合、そのヒトの最高血圧と最低血圧を正常値にもってく
る等、ミミズ乾燥粉末の血圧調節作用について報告した
文献を見出すことができなかった。
発明が解決しようとする問題点: 血圧降下剤と血圧上昇剤とは、それぞれ別個に作用する
薬剤であると考えられている。すなわち、血圧降下剤は
血圧を降下させる作用を有し、血圧上昇剤は血圧を上昇
せしめる作用を有するので、常に専門医師の監視下に服
用しなければならない。例えば、血圧降下剤の場合は、
一定の降圧効果が確認されたときにはその段階に応じて
薬剤の種類を変更したり、又、服用一時休止するなどの
処置がとられる。再度、血圧上昇が現われたときにはそ
れに対応した薬剤の服用を再開しなければならない。一
つの薬剤で高血圧及び/又は低血圧患者を治癒すること
ができることが望ましい。すなわち、高血圧及び/又は
低血圧患者の最高血圧と最低血圧を正常値にもってくる
薬剤が必要である。又、この抗高低血圧剤は長期間の服
用を伴うので、安全で副作用のない薬剤が特に必要であ
る。そのため、本発明者らは、天然物の生薬から副作用
のない安全性の高い医薬品の創製を目的として長年鋭意
研究してきた。
前記の先行文献に示すように、ミミズの乾燥物が血圧降
下作用を有することは公知である。然しながら、古典的
な従来の技術によるミミズ乾燥物の収率は生きミミズに
対し5〜19%と少ないばかりか、5〜45℃の室温に密閉
状態で貯蔵したときでも1年以内に黴が発生したり、又
は変質し、薬用としては不適当となる。又は、ミミズ乾
燥物中の酵素が破壊又は失活しているなど薬効不十分又
は薬効不足、もしくは副作用の欠点があった。従って、
本発明ではミミズ乾燥物中の酵素の破壊又は失活させる
ことがなく、かつ、赤血球の破壊すなわち溶血作用及び
頻脈発生などの副作用がなく、安全性が高く、その上、
密閉状態で少なくとも4年間貯蔵又は保管が可能な無菌
ミミズの乾燥粉末を高い収率で得るために詳細に研究し
た。
問題点を解決するための手段: 上記の問題点を解決するために、詳細に研究した結果、
次に示すミミズ乾燥粉末の新規でかつ進歩性のある改良
製法を確立した。
製法1.: 生きミミズを真水中又は酢酸、クエン酸、コハク酸、リ
ンゴ酸、酒石酸、乳酸などの有機酸又はリン酸、硫酸、
塩酸などの無機酸またはこれらの酸のナトリウム又はカ
リウム塩の少なくとも1種類の化合物を0.3(重量)%
以下含有、好ましくは0.1(重量)%以下含有の低濃度
又はpH3〜6.5の微酸性の水溶液中に温度1〜25℃にて0.
5〜72時間、好ましくは温度2〜15℃、1〜40時間放置
して生きミミズ自身が有する排泄力によって生きミミズ
の消化管内の糞土を十分排泄させたのち、水で生きミミ
ズの体表面に付着している汚物を洗い落とし、湿式粉砕
を行なった。
湿式粉砕されたミミズを−5℃以下の低温、好ましくは
−10〜−60℃の低温で凍結したのち、次に、凍結・真空
乾燥を行なった。凍結・真空乾燥の条件は温度−60〜+
90℃、真空度100mmHg以下、好ましくは−40〜+80℃で3
0mmHg以下の真空度で温度を階段的に上げながら5〜100
時間、好ましくは10〜60時間凍結・真空乾燥を行なって
無菌のミミズの乾燥粉末を得た。
製法2.: 生きミミズの体表面に付着している汚物を水で洗い落と
したのち、真水中又は酢酸、クエン酸、コハク酸、リン
ゴ酸、酒石酸、乳酸などの有機酸又はリン酸、硫酸、塩
酸などの無機酸又はこれらの酸のナトリウム又はカリウ
ム塩の少なくとも1種類の化合物を0.3(重量%)以下
含有、好ましくは0.1(重量)%以下含有の低濃度又はp
H3〜6.5の微酸性の水溶液中に、温度1〜25℃にて、0.5
〜72時間、好ましくは温度2〜15℃にて1〜40時間放置
して生きミミズ自身が有する排泄力によって生きミミズ
の消化管内の糞土を十分排泄させたのち、湿式粉砕を行
なった。湿式粉砕されたミミズを−5℃以下の低温、好
ましくは−10〜−60℃の低温で凍結したのち、次に、凍
結・真空乾燥を行なった。この凍結・真空乾燥の条件は
温度−60〜+90℃、真空度100mmHg以下、好ましくは−4
0〜+80℃、30mmHg以下の真空度で温度を段階的に上げ
ながら5〜100時間、好ましくは10〜60時間凍結・真空
乾燥を行なって無菌のミミズの乾燥粉末を得た。
ミミズの湿式粉砕方法、即ち、ミミズの組織(細胞)破
壊方法としては、ホモジナイザー、ブレンダー、ホモミ
キサー、擂潰機、加圧型細胞破壊装置の機器を利用して
懸濁液又は均質液とすることが好ましい。この湿式粉砕
時の温度は1〜25℃、好ましくは2〜15℃が望ましい。
前記の操作により生きたミミズから黄褐色又は褐色のミ
ミズ乾燥粉末を収率20〜35%で得ることができた。通常
の場合、このミミズ乾燥粉末の水分は5〜16%、好まし
くは7〜14%、灰分は3〜8%、好ましくは4〜7%、
窒素は1〜11%、好ましくは6〜11%含有するように調
製した。又、ミミズ乾燥粉末中にはアスパラギン酸、ス
レオニン、セリン、グルタミン酸、プロリン、グリシ
ン、アラニン、システィン、バリン、メチオニン、イソ
ロイシン、ロイシン、チロシン、フェニルアラニン、ト
リプトフアン、リジン、ヒスチジン、アルギニンの18種
又はそれ前後のアミノ酸を含有する。
試験例1 前記の製法1.及び2.の方法で得たミミズ乾燥粉末の粗分
析結果を表−1に示す。
試験例2 製法1.の方法で得たミミズ乾燥粉末製品のM−2とM−
4及び製法2.の方法で得たミミズ乾燥粉末製品M−5の
成分分析結果を表−2に示す。
試験例3 製法1.の方法で得たM−2とM−4及び製法2.の方法で
得たM−5のミミズ乾燥粉末製品中の粗蛋白質のアミノ
酸分析をおこない、蛋白食品のフィシュミール及び大豆
粉の分析値と比較した結果を表−3に示した。
表−2及び表−3より、製法1及び2の方法により得た
ミミズ乾燥粉末中には粗蛋白質、粗脂質及び各種金属類
が豊富に含有していることがわかり、又粗蛋白質中のア
ミノ酸組成では必須アミノ酸を多量に含有していること
がわかった。
前記製法1の方が、製法2で得られたミミズ乾燥粉末よ
りも若干好ましい製品が得られた。又、前記の有機酸又
は無機酸又はこれらの両酸のナトリウム又はカリウム塩
の少なくとも1種類の化合物を上記のような低濃度に含
む水溶液中に生きミミズを放置した方が、真水中に放置
するよりも生きミミズの消化管内の糞土の排泄が早く、
かつ排泄率が大きい。
美原恒ら〔日本特許出願公開公報昭59−63184号及び昭5
9−184131号〕は、ミミズから線溶酵素の6種の新規プ
ロテアーゼを分画した。即ち、美原恒らはミミズ乾燥粉
末に10倍量の生理的食塩水を加えて2日間のインキュベ
ーション(Incubation)を行なった上清液について硫安
分画を行なったのち、その沈渣をSephacry1 S−200によ
るゲル過を行ない、得られた蛋白分画についてDEAE−
セルロースイオン交換クロマトグラフィーを行なった結
果、カゼイン分解とフイブリン分解活性を有するI、I
I、III分画の蛋白を得た。このI、II、IIIの分画につ
いて更にDEAE−セルロース、SephadexG−75、トヨパー
ルWH55、ACH−Sepharose、Benzamidine−Sepharoseなど
による精製処理を行なった結果、6分画の精製酵素を得
た。SDS−PAGEで分子量を測定すると分画1−0の分子
量が一番低く、23,500と計算され、その後、順次にI−
1、I−2、II、III−1、III−2と分子量が増加し、
III−2は分子量34,200であった。また等電点電気泳動
でこの6分画の等電点を測定するとI−0が最も高く、
pH4.12であり、その後、順次pHは低くなり、III−2でp
H3.52であった。これらの6分画はセリン酵素とも異な
る新しい蛋白分解酵素であり、また、これらの6分画の
蛋白分解酵素の至適pHは8付近またはpH8〜10、安定pH
は4〜12または5〜12、至適温度50℃または50〜60℃、
失活条件は70℃で60分間であったと報告している。
前記の製法1及び2で得たミミズの乾燥粉末製品M−4
及びM−5に10倍量の生理的食塩水を加え、その上清を
標準フイブリン平板で測定すると、表−4に示すよう
に、直ぐに線溶活性が認められた。このM−4のミミズ
乾燥粉末の生理的食塩水溶液を37℃でインキュベートし
ておくと、表−4に示すようにその上溝の線溶活性は10
日目で約4倍となり、50日目で5倍、75日目で5.5倍と
なる。この事実は、ミミズの凍結乾燥粉末中にはこの蛋
白分解酵素の前駆物質が大量に存在し、自己消化により
酵素活性の発現があるものと考えられる。この50日目の
上清の活性をウロキナーゼの国際単位に換算して比較す
ると約8,000IU/mlと計算された。また、この酵素はプラ
スミノゲン・フリーフイブリン平板、標準フイブリン平
板とも溶解し、標準フイブリン平板の方がプラスミノゲ
ン・フリー平板に比較して溶解窓が大きく、フイブリン
を直接分解する酵素活性とともに、プラスミノゲン・ア
クチベータ活性も示された。前記操作においてM−4の
代りにM−5のミミズ乾燥粉末を用いて測定した結果は
表−4と同一結果が得られた。
本発明品(すなわち、ミミズ乾燥粉末のことである。以
下同じ意味である。)をラット及びヒトへ経口投与する
ことにより血圧調節作用効果、すなわち、抗高血圧作用
及び/又は抗低血圧作用効果を示す理由についての詳細
なは不明であるが、ミミズ乾燥粉末中に含有されている
蛋白分解酵素(蛋白質)自体又はこの酵素の前駆物質
(蛋白質)自体もしくは蛋白質又は脂質物質もしくはそ
の他の未知化合物自体又はこれらの併合の作用によるも
のと考えられる。血圧調節剤又は抗高低血圧剤として最
も好ましい本発明品の窒素含有量は7〜10%、即ち粗蛋
白含量43.8〜62.5%のものである。
次に前記の製法1及び2の方法で得たミミズの湿式粉砕
による懸濁液の凍結・真空乾燥操作の好ましい具体例を
示すと次のとおりである。
ミミズの湿式粉砕物、すなわち、ミミズの懸濁液を−10
〜−60℃、好ましくは−30〜−50℃で5〜60時間凍結し
たのち、同温度で0.01〜0.2mmHgの真空下、5〜12時間
の凍結乾燥する。次に20〜30℃で5〜15時間、0.01〜0.
2mmHgの真空下で乾燥する。次に35〜50℃、0.1〜0.5mmH
gの真空下で10〜20時間乾燥する。次の最終仕上げ工程
の真空乾燥は0.01〜0.5mmHgの真空下、70〜80℃好まし
くは75〜80℃で5〜10時間真空乾燥すると無菌で且つ水
分5〜15%含有のミミズ乾燥粉末を得ることができた。
特に最終仕上げの真空乾燥が重要操作である。ミミズ乾
燥粉末中に含まれる蛋白分解酵素及びその酵素の前駆物
質の活性を失活させることがなく、ミミズの乾燥粉末を
無菌状態に仕上げるために本発明者は詳細に研究した結
果、凍結・真空乾燥の最終工程の真空乾燥条件の真空
度、加温温度、時間の3要素の組合わせが重要条件であ
ることを見出し、前記の運転条件を確立した。
前記に示すように、ミミズ乾燥粉末からの精製蛋白分解
酵素の6種共(日本特許出願公開公報昭59−63184号及
び昭59−184131号)70℃、60分間で失活することが報告
されているが、本発明の製造で得たミミズ乾燥粉末中の
蛋白分解酵素は表−4に示すように失活されていない。
製法1及び2の方法で得たミミズ乾燥粉末は、5〜45℃
の室温に密閉状態で5年間、保存した例では黴の発生そ
の他の物性及び化学的な変質は全く認められなかった。
本発明において使用するミミズはアカミミズ(Lumbricu
s rubellus)、LTミミズ(別名ツリミミズ)(Lumbricu
s terrestris)、シマミミズ(Eisenia foetida)、カ
ッショクツリミミズ(Allolobophora caliginosa)、ム
ラサキツリミミズ(Dendrobaena octaedra)、サクラミ
ミズ(Allolobophora japonica Michaelsen)、ハッタ
ミミズ(Drawida hattamimizu Hatai)セグロミミズ(P
heretima divergens Michaelsen)、フツウミミズ(Phe
retima communissima)、ハタケミミズ(Pheretima agr
estis)、シーボルトミミズ(Pheretima sieboldi Hors
t)、ヒトツモンミミズ(Pheretima hilgendorfi)、イ
ソミミズ(Pontodrilus matsushimensis Iizuka)、イ
トミミズ(Tubifex hattai Nomura)、コドウイトミミ
ズ(別名:ユリミミズ)〔Limnodrilus gotoi Hatai=
L,socialis Stephenson〕などであり、通常生育し、か
つ有毒でないミミズならいずれのミミズでも利用でき
る。
本発明品のミミズ乾燥粉末は臨床治療用として投与する
ときの形態は経口剤又は非経口剤のいずれでもよいが、
特に経口投与が好ましい。本発明品の経口用の剤形とし
ては、本発明品自体又は適宜な薬理的に許容される医薬
担体と混合してカプセル剤、錠剤、顆粒剤、散剤(粉
剤)、コーティング剤、糖衣錠、乳剤などの製剤が用い
られる。
医薬担体としては、例えば賦形剤として乳糖、白糖、マ
ニトール、ブドウ糖、デン粉、ソルビトール、グリシ
ン、リン酸カルシウム、微結晶セルロースなど;結合剤
としてデン粉、ゼラチン、アラビアゴム、ブドウ糖、白
糖、ソルビトール、マニトール、トラガント、ヒドロキ
シプロピルセルロース、ヒドロキシプロポキシメチルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロース、2−メチル−
5−ビニルピリジン−メタアクリル酸−アクリル酸メチ
ルエチル共重合体、ポリビニルピロリドン、アルギン酸
ナトリウムなど;滑沢剤としてステアリン酸、硬化油、
ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、
ポリオキシエチレンモノステアレート、タルク、酸化ケ
イ素、ポリエチレングリコールなど;崩壊剤としてバレ
イショデン粉、界面活性剤などを含むデン粉;湿潤剤と
してラウリル硫酸ナトリウムなどがあげられる。更に非
経口的に投与する場合には坐剤として用いることができ
る。特に坐剤の基剤としてカカオ脂、ウイテプソール
(Witepsol)、サバナール(Subanal)、ポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、グリセロゼラ
チン、ゼラチンカプセルなどが用いられる。その他、メ
チルパラヒドロキシベンゾエート、プロピルパラヒドロ
キシベンゾエート、ブチルパラヒドロキシベンゾエー
ト、ブチルヒドロキシアニソールなどの公知の安全な防
腐剤、その他の安全な色素を配合して用いる。
本発明の血圧調節剤又は抗高低血圧剤のミミズ乾燥粉末
の投与量は、投与方法、患者の年齢、体重、状態及び疾
患の種類によっても変動するが、通常ヒトに一日当り0.
01gから3g程度が好ましい。最も好ましいのは一日当り
0.02gから2gで一日1〜3回に分けて投薬することであ
る。
作 用: 本発明のミミズ乾燥粉末の毒性及び高血圧治療効果又は
血圧降下の薬理試験法とその結果について、以下、詳細
に説明する。
A.急性毒性試験: 体重30±2gのddy系雄マウス及び体重100±2gのウイスタ
ー(Wistar)系雄ラット各一群5匹を用いて経口投与で
の急性毒性試験を行なった。本発明のミミズ乾燥粉末M
−1(水分10.2%、灰分5.1%、窒素9.4%含有);同M
−2(水分10.4%、灰分5.3%、窒素8.6%含有);同M
−3(水分10.7%、灰分5.2%、窒素9.2%含有);同M
−4(水分10.6%、灰分5.6%、窒素9.6%含有);同M
−5(水分9.5%、灰分4.5%、窒素7.8%含有);同M
−6(水分9.2%、灰分4.7%、窒素8.4%含有)のそれ
ぞれの服用量を0.1g/Kgから8g/Kgに増加して前記のマウ
ス(0.1から5g/Kg)及びラット(2から8g/Kg)に咽喉
さぐり棒で強制投与によって個々に投薬した。試験期間
中動物は動物室温度22〜23℃に維持し、投薬後14日間観
察した。投薬された服用量での死亡は全く認められなか
った。投薬後の中毒症及び行動を経時的に観察したが、
正常動物群と何等の相違は認められなかった。又、体重
増加も正常動物群とほとんど差がなかった。試験後に実
施した検視において主要器管のいかなる部分にも何等巨
視的障害は認められなかった。従って、本発明のミミズ
乾燥粉末は非常に低い毒性のためにLD50値を決定するこ
とができなかった。
B.自然発生高血圧性ラット(以下SHRという。)に対す
る作用: 薬理試験1 SHRに対する血圧降下作用と心拍数試験: 一昼夜絶食させた10〜12週令(体重200〜300g、血圧150
〜200mmHg)の雄のSHRに、0.5%のカルボキシメチルセ
ルロース水溶液に懸濁した検体のミミズ乾燥粉末(M−
4)を100mg/Kg(対照薬の塩酸ヒドララジンは10mg/K
g)の割合で経口投与し、0、1、2、4、6時間に血
圧を測定した(3〜4匹の平均値)。すなわち、検体投
与前の血圧及び心拍数と検体投与後の血圧及び心拍数を
比較することにより、検体の血圧降下作用と心拍数増加
を判定した。
血圧の測定はSHRをあらかじめ45〜50℃で約5分間加温
した後、自動血圧記録計を用いてtail Plethysmograph
法〔サ・ジャーナル・オブ・ラボラトリー・アンド・ク
リニカル・メデジン第78巻、第957頁(1971年)〕によ
り尾動脈の収縮期圧を非観血的に測定した。この試験結
果は表−5に示した。
投与前の収縮期圧から最大の減少分を血圧降下作用効果
として示した。製法1の方法で得た製品(M−2とM−
4)及び製法2の方法で得た製品(M−5とM−6)の
すべての検体のミミズ乾燥粉をSHRに100mg/Kg経口投与
により、投与後1〜2時間で最大の降圧作用を示した。
即ち、該SHRの血圧を28〜35mmHg低下させ、この作用を
6時間持続させた。
さらに、心拍数の増加分を測定した結果を表−5に示し
た。すべての検体のミミズの乾燥粉末は、対照薬の塩酸
ヒドララジンのように頻脈などの心臓に対して好ましく
ない副作用を及ぼさないことがわかった。
C.溶血作用 薬理試験2 製法1で得た製品(M−2とM−4)及び製法2で得た
製品(M−5とM−6)4種の各検体のミミズの乾燥粉
末1部(重量)に生理食塩水5部(重量)を加え、よく
懸濁したのち、5℃の冷蔵庫内に24時間放置したのち、
減圧過し、液を水抽出液とする。
エチルアルコール又はアセトン抽出成分は、4種の各検
体のミミズの乾燥粉末1部(重量)に5部(重量)のエ
チルアルコール又はアセトンを加え、よく懸濁したの
ち、15〜20℃に24時間放置したのち減圧過し、液を
40〜45℃にて減圧乾固した。これを1%カルボキシメチ
ルセルローズを加えた生理食塩水にて30%溶液を調製し
た。溶血作用試験は次の方法によりおこなった。体重約
3Kgの成熟家兎の耳静脈より採血し、脱繊維素処理にお
こない脱繊維素血液とする。前記水抽出液、エチルアル
コール及びアセトン抽出液の各部を生理食塩水で5、
1、0.1、0.01、0.001、0.0001(重量)%に希釈し、こ
れらを5mlの小試験管にとり、脱繊維素血液をピペット
にて1滴滴下、1時間後、溶血成績を判定した。この試
験結果は、表−6に示すように、ミミズ乾燥粉末のすべ
ての検体において、いずれの場合も溶血を認めなかっ
た。
従来の先行文献には、ミミズ毒としてミミズ乾燥物(地
竜)には、赤血球の破壊すなわち、溶血作用を有すると
報告〔みみずと人生:大淵真龍著、1947年10月30日、牧
書房発行、第223〜226頁及び復刻みみず:畑井真喜司
著、1980年4月30日、株式会社サイエンステイスト社発
行、第160〜163頁〕があり、又ミミズ乾燥物(地竜)の
水抽出液及びエチルアルコール抽出物は部分溶血作用を
有すると報告〔居川賢二浪:山口医学第9巻、第571〜5
76頁(1960年)〕があるが、本発明の製法によるミミズ
乾燥粉末はかかる溶血作用を有しないことが判明した。
D.ミミズ乾燥粉末のヒトに対する抗高低血圧剤の経口投
与試験: 本試験に賛同を得た高血圧患者8人(男4人、女4人)
と低血圧患者6人(男3人、女3人)の計14人(男7
人、女7人)のボランティア(Volunteer)に、後述の
実施例4で製造したカプセルA〔1カプセル剤にミミズ
乾燥粉末(前記のM−2、水分10.4%、灰分5.3%、窒
素8.6%)150mg含有〕、実施例11で製造したカプセル剤
E〔1カプセル剤にミミズ乾燥粉末(前記のM−4、水
分10.6%、灰分5.6%、窒素9.6%)150mg含有〕及び実
施例12で製造したカプセルF〔1カプセル剤にミミズ乾
燥粉末(前記のM−5、水分9.5%、灰分4.5%、窒素7.
8%)150mg含有〕を1回1カプセル剤、1日3回を朝・
昼・夜食後の30分以内に経口服用した。投与開始後、2
ケ月間は1〜2週間毎に、その後は、1ケ月毎に1度症
状を観察しながら2〜11ケ月間経口投与した。その結果
は表−7に示すように高血圧患者に投与した場合、最高
及び最低血圧を略同数の30mmHg前後下げた。すなわち、
高血圧患者の最高血圧は30〜39mmHg、最低血圧は26〜34
mmHgの血圧を下げた。血圧が正常値に至ったのちは3〜
7ケ月の期間、正常維持が認められた。又、低血圧患者
に投与した場合は、血圧を15〜30mmHg上昇させた。すな
わち、低血圧患者の最高血圧を20〜30mmHg上げ、最低血
圧を15〜22mmHg上昇させた。正常値に至ったのちは3〜
5ケ月の期間、血圧の正常維持が認められた。又、本発
明のミミズ乾燥粉末のカプセルを2〜11ケ月間の長期投
与においてヒトの血圧の異常な降下及び/又は異常な上
昇の発現は皆無であり、その他の副作用は全く認められ
なかった。
本発明のミミズ乾燥粉末を有効成分として成る血圧調節
剤又は抗高低血圧剤はヒトにおける血圧降下及び/又は
血圧上昇作用が緩和であり、緩和な降下及び/又は昇圧
が発現し、高低血圧症の治療剤のほかに、それらの予防
剤としても安全で長期間投与できる薬剤であることが判
明した。
実施例1. 錠 剤 A ミミズの乾燥粉末 (成分は前記M−3と同じ) 150mg マニトール 123 ヒドロキシプロポキシメチルセルローズ 7 タ ル ク 5 微結晶セルロース 60 水素化ヒマシ油 計350mg 錠 剤 B ミミズの乾燥粉末 (成分は前記M−3と同じ) 150mg トウモロコシデン粉 60 乳糖 80 タ ル ク 7 ステアリン酸マグネシウム 計300mg 錠 剤 C ミミズの乾燥粉末 (成分は前記M−3と同じ) 150mg 可溶性デン粉 20 トウモロコシデン粉 125 微結晶セルロース 45 酸化ケイ素 6 ステアリン酸マグネシウム 計350mg 上記処方に従い均一によく混合した粉末を打錠機によ
り、各種重量の錠剤を製造した。
実施例2. 顆粒剤 A ミミズの乾燥粉末 (成分は前記M−2と同じ) 150mg 乳糖 20 微結晶セルロース 60 トウモロコシデン粉 15 ヒドロキシプロピルセルロース 計250mg 上記処方に従い、流動層造粒装置を用い、ミミズの乾燥
粉末、乳糖、微結晶セルロース及びトウモロコシデン粉
をよく混合し、ヒドロキシプロピレンセルロースの5%
水溶液を結合剤として噴霧し、低温乾燥後顆粒とした。
実施例3. 顆粒剤 B ミミズの乾燥粉末 (成分は前記M−2と同じ) 100 mg マニトール 10 微結晶セルロース 85 カルボキシメチルセルロースカルシウム 2 ステアリン酸マグネシウム 1.5 硬 化 油 1.5 計200.0mg 顆粒剤 C ミミズの乾燥粉末 (成分は前記M−2と同じ) 150mg 乳糖 53 トウモロコシデン粉 39 バレイショデン粉 2 タ ル ク 3 ステアリン酸マグネシウム 計250mg 上記処方に従い、よく混合した粉末を抽出機で顆粒剤を
製造した。
実施例4. カプセル剤 A ミミズの乾燥粉末 (成分はM−2と同じ) 150mg 乳糖 28 微結晶セルロース 47 マニトール 10 トウモロコシデン粉 10 ポリビニルピロリドン 2 ヒドロキシプロピルセルロース 計250mg 上記処方のうち、ヒドロキシプロピルセルロース以外の
成分を流動層造粒装置を用いてよく混合したのち、ヒド
ロキシプロピルセルロースの5%水溶液を結合剤として
噴霧し、低温乾燥後顆粒とした。この顆粒を硬カプセル
に250mgずつ充填して硬カプセル剤を製造した。
実施例5. カプセル剤 B 実施例3により製造した顆粒剤Cを硬カプセルに、250m
gずつ充填して硬カプセル剤を製造した。
実施例6. カプセル剤 C ミミズの乾燥粉末 (成分は前記M−3と同じ) 150mg リン酸−水素カルシウム 60 リン酸−水素ナトリウム 10 マニトール 28 ステアリン酸マグネシウム 250mg 上記処方したものをよく混合し、この混合粉末をNo.1の
ゼラチンカプセルに250mgずつ充填し、カプセル剤を製
造した。
実施例7. 腸溶錠剤 ミミズ乾燥粉末 (成分は前記M−1と同じ) 100 mg マニトール 10 微結晶セルロース 85 カルボキシメチルセルロースカルシウム 2 ステアリン酸マグネシウム 1.5 硬 化 油 1.5 計200 mg 上記の処方に従い、均一に混合した粉末を打錠機にて素
錠を製造したのち、次に示す腸溶剤皮のコーティング剤
でコーティングし、腸溶錠剤を製造した。
コーティング剤 ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート14.8mg ジオクチルフタレート 2.3 ステアリン酸 2.3 軽質酸化ケイ素 0.6 計20.0mg 実施例8. 散 剤 A ミミズ乾燥粉末 (成分は前記M−4と同じ) 150mg マニトール 50 トウモロコシデン粉 50 計250mg 散 剤 B ミミズ乾燥粉末 (成分は前記M−4と同じ) 150mg リン酸−水素カルシウム 20 トウモロコシデン粉 80 計250mg 上記成分をそれぞれ円錐混合機中で均一によく混合して
散剤とした。
実施例9. 坐 剤 A ミミズの乾燥粉末 (成分は前記M−5と同じ) 200mg ウィテップソール (Witepsol)E−85 540 ウィテップソール (Witepsol)W−35 1,454 メチルパラヒドロキシベンゾエート 3 ブチルパラヒドロキシベンゾエート 計2,200mg 坐 剤 B ミミズの乾燥粉末 (成分は前記M−6と同じ) 200mg ブチルヒドロキシアニソール 6 半合成グリセリド 2,900 計3,106mg 上記処方したものをそれぞれよく混合した熔融物をアル
ミニウム製の型に注入し、冷却して坐剤を製造した。
実施例10. カプセル剤D ミミズ乾燥粉末 (成分は前記M−2と同じ) 150mg ラウリル硫酸ナトリウム 4 リン酸−水素ナトリウム 1 マニトール 93 ステアリン酸マグネシウム 計250mg 上記処方したものをよく混合する。この混合粉末をNo.1
のゼラチンカプセルに250mgずつ充填し、カプセル剤を
製造した。
実施例11. カプセル剤E ミミズの乾燥粉末 (成分は前記M−4と同じ) 150mg リン酸−水素カルシウム 60 リン酸−水素ナトリウム 10 マニトール 28 ステアリン酸マグネシウム 計250mg 上記処方したものをよく混合し、この混合粉末をNo.1の
ゼラチンカプセルに250mgずつ充填し、カプセル剤を製
造した。
実施例12.カプセル剤F ミミズ乾燥粉末 (成分は前記M−5と同じ) 150mg ラウリル硫酸ナトリウム 2 リン酸−水素ナトリウム 4 マニトール 92 ステアリン酸マグネシウム 計250mg 上記処方したものをよく混合する。この混合粉末をNo.1
のゼラチンカプセルに250mgずつ充填し、カプセル剤を
製造した。
発明の効果: 上記に述べたように、本発明はミミズ乾燥粉末を有効成
分として成る血圧調節剤又は抗高低血圧剤に関する。本
発明のミミズ乾燥粉末は、溶血作用及び頻脈などの副作
用がなく、安全で、すぐれた血圧降下作用と共に血圧上
昇作用を有し、貯蔵性又は保管性がよい。
次に、高血圧患者8人と低血圧患者6人の計14人のボラ
ンティアに、本発明のミミズ乾燥粉末カプセル剤(150m
g含量)を1回1剤、1日3回朝・昼・夜食後、経口で
2〜11ケ月間投与した。本発明の製剤は高血圧患者の血
圧を下げると共に、低血圧患者の血圧を上げ、ヒトの血
圧を正常値にもってくる作用効果を有する。しかも、本
発明製剤によって正常値に至った血圧は3〜7ケ月間、
正常な血圧の維持が見られた。この投薬の期間、ヒトの
血圧の異常な降下及び/又は異常な上昇の発現は皆無で
あり、その他の副作用は全く認められなかった。
すなわち、本発明の製剤は、安全で、かつ、すぐれた血
圧調節剤又は抗高低血圧剤もしくは高低血圧症の予防剤
であることがわかった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ミミズ乾燥粉末を有効成分としてなる血圧
    調節剤。
  2. 【請求項2】生きミミズを有機酸、無機酸、有機酸ナト
    リウム塩、無機酸ナトリウム塩、有機酸カリウム塩及び
    無機酸カリウム塩から成る群から選ばれた少なくとも1
    種類の化合物を0.3(重量)%以下含有する水溶液中又
    は真水中に放置して生きミミズの消化管内の糞土をはか
    せたのち、生きミミズの体表面に付着する汚物を水で洗
    浄除去し、次に湿式粉砕をおこない、この懸濁液を−10
    〜−60℃で凍結したのち、−60〜80℃の範囲内で温度を
    段階的に上げながら10mmHg以下の真空度で10〜100時間
    凍結・真空乾燥をおこない、この内、最終工程の真空乾
    燥を70〜80℃で0.01〜0.5mmHgの真空下で5〜10時間乾
    燥することを特徴とするミミズ乾燥粉末を有効成分とし
    てなる血圧調節剤。
  3. 【請求項3】生きミミズの体表面に付着する汚物を水で
    洗浄除去したのち、生きミミズを有機酸、無機酸、有機
    酸ナトリムウ塩、無機酸ナトリウム塩、有機酸カリウム
    塩及び無機酸カリウム塩からなる群から選ばれた少なく
    とも1種類の化合物を0.3(重量)%以下含有する水溶
    液中又は真水中に放置して生きミミズの消化管内の糞土
    をはかせたのち、次に湿式粉砕をおこない、この懸濁液
    を−10〜−60℃で凍結したのち、−60〜80℃の範囲内で
    温度を段階的に上げながら10mmHg以下の真空度で10〜10
    0時間凍結・真空乾燥をおこない、この内、最終工程の
    真空乾燥を70〜80℃で0.01〜0.5mmHgの真空下で5〜10
    時間乾燥することを特徴とするミミズ乾燥粉末を有効成
    分としてなる血圧調節剤。
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