JPH07390B2 - 印字媒体のガイド装置 - Google Patents

印字媒体のガイド装置

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JPH07390B2
JPH07390B2 JP61210795A JP21079586A JPH07390B2 JP H07390 B2 JPH07390 B2 JP H07390B2 JP 61210795 A JP61210795 A JP 61210795A JP 21079586 A JP21079586 A JP 21079586A JP H07390 B2 JPH07390 B2 JP H07390B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、印字媒体のガイド装置に係り、特に通帳等の
冊子類を挿入/排出口と印字部を経て、この印字部を完
全に通過した位置とに往復搬送するために好適な印字媒
体のガイド装置に関する。
[従来の技術] この種、印字媒体(以下、「媒体」という)のガイド装
置の従来技術としては、実開昭54-182003号に記載の技
術がある。
第11図は前記従来技術を示す断面図である。
この図に示すガイド装置は、固定ガイド1と、この固定
ガイド1の途中に設けられた空隙2内に配置された可動
ガイド3と、前記空隙2に対応する位置に設置された印
字ヘッド4とプラテン5とを有する印字部と、固定ガイ
ドとの一端部に形成された媒体8の挿入/排出口6と、
固定ガイド1の内部に形成された媒体8の搬送路7とを
有している。前記固定ガイド1における空隙2側の一方
の端部1aは、櫛歯状に形成されている。前記可動ガイド
3における一方の端部3aは、前記固定ガイド1の櫛歯状
の端部1aと係合する櫛歯状に形成されている。この可動
ガイド3は、媒体8への印字前は印字位置に配置されて
おり、印字時には印字を妨害しないように、印字位置か
ら外された位置に摺動可能に設けられている。前記可動
ガイド3における媒体8の挿入方向の前端部の内面3b
は、固定ガイド1の空隙2側における媒体8の挿入方向
の前端部の内面1bよりもΔx突出されており、第11図に
矢印で示す媒体8の挿入方向に媒体8をスムーズに搬送
し得るように、意識的に段差が設けられている。
そして、前記従来技術では、媒体8を挿入/排出口6か
ら挿入し、搬送路7に沿って印字部方向に搬送する。
印字前の状態では、可動ガイド3が印字位置に配置され
ており、前記媒体8は前記空隙2に差し掛かっても、固
定ガイド1の櫛歯状の端部1aと可動ガイド3の櫛歯状の
端部3aの係合部、および可動ガイド3の内面である搬送
面によりガイドされ、印字位置に搬送される。
印字時には、可動ガイド3へ印字を妨害しない位置に摺
動操作され、印字ヘッド4とプラテン5とにより媒体8
の印字面に印字する。
印字後、媒体1は搬送路7に沿い、挿入/排出口6に向
かって搬送され、排出される。
排出後、可動ガイド3は初期位置に摺動操作される。
[発明が解決しようとする問題点] ところで、昨今の印字装置では、取り扱う媒体が単票に
止まらず、冊子類にも自由に印字可能とされている。し
かも、特に最近、通帳に印字する印字装置では、通帳の
ページを自動的にめくる自動ページ替え機能付き印字装
置も出現している。
この自動ページ替え機能付き印字装置では、印字部との
間に、媒体である通帳が印字部を完全に離れる距離をお
いて配置された通帳自動ページ替え部まで通帳を搬送
し、この印字部を完全に通過した位置から通帳を再び印
字部まで搬送し、さらに印字部から挿入/排出口方向に
搬送する必要があり、印字部を通帳が完全にかつ自由に
通過し得るように構成する必要がある。
しかるに、前記従来技術では、単票の媒体を印字部まで
搬送し、この印字部から挿入/排出口まで戻すために有
効に構成されているものの、印字部を完全に通過する位
置まで媒体である通帳をいったん搬送し、その位置から
排出方向に搬送する時に、媒体の排出方向の前端部が固
定ガイドの内面と可動ガイドの内面間にΔx突出させて
設けられた段差に引っ掛かり、媒体がつっかえてしま
う、いわゆる搬送ジヤムが発生し、搬送不能または媒体
折れが発生する問題があった。
本発明の目的は、前記従来技術の問題を解決し、媒体が
通帳等の冊子類であっても、媒体をその挿入方向に印字
部を完全に通過する位置まで搬送する時、またこの位置
から媒体をその排出方向に再び印字部を通って挿入/排
出口まで搬送する時とも、媒体を搬送ジャムが発生しな
いようにガイドし、スムーズに搬送し得る媒体のガイド
装置を提供することにある。
[問題点を解決するための手段] 前記目的は、可動ガイドを、固定ガイドの外側でかつ印
字部と干渉しない第1の位置と、前記空隙を埋めかつ固
定ガイドの搬送面より内側に突出すると共に、空隙にお
ける固定ガイドの端部との間に微小隙間を有する第2の
位置とに移動可能に設け、前記制御回路を、印字媒体の
搬送路における挿入方向の搬送時には、印字媒体の挿入
方向の前端部が空隙内に進入する前に前記可動ガイドを
第1の位置から第2の位置に移動させ、印字時には、可
動ガイドを第2の位置から第1の位置へ移動させ、印字
媒体の通帳自動ページ替え部から排出方向への搬送時に
は、印字媒体の排出方向の前端部が空隙内に設定長さ突
出した時点で、可動ガイドを第1の位置から第2の位置
へ移動させ、かつ印字媒体が搬送路における可動ガイド
より排出側の位置に搬送された時点で、可動ガイドを第
2の位置から第1の位置に移動させるように構成したこ
とにより、達成される。
[作用] 本発明では、媒体をその挿入方向に印字部まで搬送する
時は、媒体の挿入/排出口への挿入検出後、媒体が搬送
路の空隙内に進入する前に、制御回路により可動ガイド
を、搬送路の外部であって印字部と干渉しない第1の位
置から、搬送路における印字部の位置に形成された空隙
を埋める第2の位置に移動させる。
その結果、可動ガイドにより媒体がガイドされ、搬送路
から印字部の位置へスムーズに搬送される。
媒体への印字時には、可動ガイドが印字を妨害しないよ
うに、制御回路により可動ガイドを前記第2の位置から
第1の位置へ移動させる。
媒体をその挿入方向に印字部を完全に通過し、通帳自動
ページ替え部まで搬送した後、その位置から媒体を排出
方向に搬送する時は、媒体の排出方向への搬送検出後、
媒体の排出方向の前端部が空隙内に設定長さ突出した時
点で、制御回路により可動ガイドを前記第1の位置から
第2の位置へ移動させ、可動ガイドにより前記空隙内に
進出した媒体の前端部を抑えると同時に、空隙を埋め
る。
その結果、可動ガイドにより媒体がガイドされ、印字部
の位置から搬送路へスムーズに搬送され、さらに搬送路
を経て挿入/排出口に搬送され、排出される。
したがって、媒体が冊子類であっても、媒体をその挿入
方向において挿入/排出口から印字部の位置まで搬送
後、さらに印字部を完全に通過し、通帳自動ページ替え
部まで搬送し、ついでこの位置から媒体をその排出方向
に搬送し、再び印字部を通って挿入/排出口まで、可動
ガイドのガイド作用により、媒体を搬送ジャムが発生し
ないようにガイドし、スムーズに搬送することが可能と
なる。
[実施例] 以下、本発明の実施例を図面により説明する。
第1図〜第10図は本発明の一実施例を示すもので、その
第1図は縦断側面図、第2図は可動ガイドの拡大斜視
図、第3図(イ)〜(ホ)は媒体をその挿入方向に搬送
する時の各部の動作説明図、第4図は可動ガイドを第1
の位置から第2の位置に移動させずに媒体をその挿入方
向に搬送した場合に予想されるトラブルの説明図、第5
図(イ)〜(ホ)は媒体を挿入方向において印字部を完
全に通過する位置まで搬送後、排出方向に搬送する時の
各部の動作説明図、第6図は第5図において可動ガイド
を第1の位置から第2の位置に移動させるタイミングの
説明図、第7図および第8図は第5図において可動ガイ
ドを第1の位置から第2の位置へ移動させるタイミング
がずれた場合の予想されるトラブルの説明図、第9図は
媒体をその挿入方向に搬送する時の可動ガイドと各部の
連係を示すフローチャート、第10図は媒体を排出方向に
搬送する時の可動ガイドと各部の連係を示すフローチャ
ートである。
これらの図に示す実施例の媒体のガイド装置は、媒体11
として通帳を対象としている。この実施例に示すもの
は、第1図に示すように、固定ガイド12,13,14と搬送ロ
ーラ対20a,20b;〜23a,23bと、印字ヘッド25とプラテン2
6とを有する印字部24と、既印字位置の検出器(図示せ
ず)と、可動ガイド27と、媒体11の検出器31〜33と、可
動ガイド27の制御回路(図示せず)と、通帳自動ページ
替え部34とを備えて構成されている。
前記固定ガイド12,13は、一方向に設置されており、固
定ガイド14は前記固定ガイド12,13に対して一定の間隔
をおいて平行に設置されている。
前記固定ガイド12,14間には、第1図に示すように、媒
体11の挿入/排出口15と、この挿入/排出口15から印字
部24にわたる搬送路16が形成されている。
前記固定ガイド13,14間には、第1図に示すように、印
字部24から通帳自動ページ替え部34にわたる搬送路17が
形成されている。
前記固定ガイド12,13間には、第1図に示すように、空
隙18が形成されている。この空隙18は第3図〜第5図に
示すように、印字部24の印字ヘッド25を印字行方向に摺
動させるために必要な範囲l0に形成されている。
前記固定ガイド12における空隙18に臨む端部12aは、搬
送路16の外側に向かってせり上げられ、かつ櫛歯状に形
成されている。
前記固定ガイド14には、第1図に示すように、印字部24
のプラテン26を挿通する切欠部19が形成されている。
前記ローラ対20a,20b;〜23a,23bは、それぞれ同じ周速
で回転するように制御され、第1図に矢印x5で示す方向
と、矢印x6で示す方向とに可逆回転駆動され、それぞれ
2個のローラ間に媒体11をはさんで第1図に矢印x3で示
す挿入方向と、矢印x4で示す排出方向とに搬送可能に設
けられている。そして、搬送ローラ対20a,20b;21a,21b
は挿入/排出口15から印字部24に至る搬送路16間に、互
いに間隔をおいて設置され、搬送ローラ対22a,22b;23a,
23bは印字部24から通帳自動ページ替え部34に至る搬送
路17間に、互いに間隔をおいて設置されている。
前記印字部24は、第1図,第3図〜第8図に示すよう
に、固定ガイド12,13間に形成された空隙18側に配置さ
れた印字ヘッド25と、固定ガイド14に形成された切欠部
19に挿通されかつ前記印字ヘッド25に対向させて配置さ
れたプラテン26とを有して構成されている。前記印字ヘ
ッド25は、前記空隙18内を印字行方向に摺動可能に配置
されている。前記プラテン26は、第1図に矢印x1,x2
示すように、印字ヘッド25に対して接近,離間する方向
に移動可能に設けられている。また、プラテン26は、非
印字時には引っ張りばね(図示せず)により第1図の矢
印x2方向に引っ張られており、プラテン26の作用面26a
は固定ガイド14の搬送面14aと同一レベールに設定され
ている。前記印字部24は、プラテン26と固定ガイド13と
の間に媒体11が停止された時点で、プラテン26を第1図
の矢印x1方向に移動させ、プラテン26と固定ガイド13間
で媒体11を挟持し、ワイヤマトリクス方式の印字ヘッド
24の場合には、印字ヘッド25を媒体11の印字行方向に摺
動させ、ワイヤ(図示せず)を選択的に駆動させ、媒体
11の印字面にドットの組み合わせからなる印字情報をイ
ンパクト印字するようになっている。
前記既印字位置の検出器は、媒体11が印字部24の位置に
搬送された時点で、既印字位置を例えば光学的に読み取
り、その検出信号を演算部に送り込む。前記演算部で
は、媒体11の印字面に印字可能なスペースの有,無を判
定する。演算部で判定の結果、印字可能なスペースがあ
る場合には、印字部24の駆動部に印字動作すべく指令を
送る。印字可能なスペースがない場合には、媒体11を、
印字部24の位置を通過させ、かつ通帳自動ページ替え部
34の駆動部にページめくりを行うべく指令を送る。
前記可動ガイド27は、第1図および第2図に示すよう
に、側面から見てほぼそり型に形成されている。この可
動ガイドの一方の端部27bは、固定ガイド12の櫛歯状の
端部12aに係合し得る櫛歯状に形成されている。また、
可動ガイド27は第2図に示すように、第1,第2のリンク
28,29を有する平行リンク機構に支持されている。この
平行リンク機構は、揺動駆動源30に連結されている。そ
して、前記可動ガイド27は平行リンク機構の揺動駆動源
30と、平行リンク機構とを介して第1図に矢印θで示
しかつ破線で示すように、固定ガイド12,14の外側でか
つ印字部24と干渉しない第1の位置と、第1図に矢印θ
で示しかつ実線で示すように、前記空隙18を埋める第
2の位置とに移動可能に構成されている。また、可動ガ
イド27は第2の位置にセットされた状態において、第1
図に示すように、可動ガイド27の搬送面27aが固定ガイ
ド13の搬送面13aよりも内側にΔx突出するようになっ
ており、さらに可動ガイド27の他方の端部27cと固定ガ
イド13の端部13bとの間に、微小隙間Δsを形成し得る
ように設定されている。その結果、可動ガイド27は微小
隙間Δsの存在により、第1の位置から第2の位置への
移動時において固定ガイド13との衝突を防止し、また搬
送路17内にΔx突出させたことにより、微小隙間Δsか
ら媒体11が飛び出すことによって発生する搬送ジャムを
防止している。
前記媒体11の検出器31〜33は、それぞれ発光素子と受光
素子とを組み合わせて構成されている。
前記検出器31は、媒体11の挿入方向に向かって搬送ロー
ラ対20a,20bの後方に配置されており、媒体11の挿入方
向の前端部11aを検出した時、その検出信号を搬送ロー
ラ対20a,20b;〜23a,23bの可逆回転型の回転駆動源(図
示せず)に送り、この回転駆動源を介して搬送ローラ対
20a,20b;〜23a,23bを第1図の矢印x5方向に回転させる
ようになっている。
前記検出器32は、媒体11の挿入方向に向かって搬送ロー
ラ対21a,21bの前方に配置されており、媒体11の挿入方
向の前端部11aを検出した時、可動ガイド27の制御回路
に検出信号を送るようになっている。
前記検出器33は、媒体11の排出方向に向かって搬送ロー
ラ対22a,22bの後方に配置されており、媒体11の排出方
向の前端部11bを検出した時、可動ガイド27の制御回路
に検出信号を送るようになっている。
前記可動ガイド27の制御回路は、次のように構成されて
いる。すなわち、 (i)媒体11の挿入方向への搬送時には、検出器32によ
り媒体11の挿入方向の前端部11aを検出した検出信号に
より、可動ガイド27の平行リンク機構の揺動駆動源30に
指令を送り、可動ガイド27を第1図に破線で示す第1の
位置から実線で示す第2の位置に移動させる。
(ii)媒体11をその挿入方向への搬送時において、印字
時には前記検出器32により媒体11の挿入方向の前端部11
aを検出してから、前記媒体11の前端部11aが印字部24の
位置を通過し、搬送路17に入るまでに必要な時間経過
後、可動ガイド27の平行リンク機構の揺動駆動源30に指
令を送り、可動ガイド27を第2の位置から第1の位置に
移動させる。
(iii)媒体11の排出方向への搬送時には、検出器33に
より媒体11の排出方向の前端部11bを検出し、前記媒体1
1の前端部11bが固定ガイド13の端部13bから空隙18内に
設定長さl1突出するまでに必要な時間経過後、可動ガイ
ド27の平行リンク機構の揺動駆動源30に指令を送り、可
動ガイド27を第1の位置から第2の位置へ移動させる。
(iv)媒体11の排出方向への搬送時において、印字時に
は検出器32により媒体11の排出方向の前端部11bを検出
した検出信号により、可動ガイド27の平行リンク機構の
揺動駆動源30に指令を送り、可動ガイド27を第2の位置
から第1の位置へ移動させる。
前記制御回路の(i)〜(iv)の機能は、スイッチやタ
イマ等を組み合わせることによって、電気的に実現する
ことができる。
前記通帳自動ページ替え部34は、搬送路17を通じて媒体
11としての通帳を受け取り、前記印字可能なスペースの
有,無を判定する演算部からの、スペースなしの判定に
基づいて通帳のページめくりを行い、ついで搬送路17に
引き渡すようになっており、そのため、搬送17において
印字ヘッド25と反対側の端部に設置されている。
次に、前記実施例の動作を説明する。
まず、主に第3図(イ)〜(ホ)および第9図により、
媒体11をその挿入方向に搬送して印字する場合について
説明する。
初期状態、つまり媒体11を挿入/排出口15に挿入する前
の状態では、第3図(イ)に示すように、可動ガイド27
は第1の位置に待避している。したがって、空隙18は空
いている。
この状態から、第3図(ロ)に示すように、媒体11を挿
入/排出口15に挿入し、その前端部11aを検出器31が検
出すると、その検出信号により搬送ローラ対20a,20b;〜
23a,23bの回転駆動源(図示せず)が駆動され、前記搬
送ローラ対20a,20b;〜23a,23bが矢印X5方向に回転す
る。その結果、媒体11は搬送路16内を印字部24に向かっ
て矢印x3方向に搬送される。
ついで、第3図(ハ)に示すように、検出器32の位置に
媒体11の挿入方向の前端部11aが差し掛かると、検出器3
2はこれを検出し、可動ガイド27の制御回路(図示せ
ず)に検出信号を送る。前記制御回路は、検出器32から
の検出信号に基づいて可動ガイド27の平行リンク機構の
揺動駆動源30に指令を送る。前記揺動駆動源30は、可動
ガイド27を第1の位置から矢印θで示すように第2の
位置に移動させ、この第2の位置にセットし、固定ガイ
ド12,13間に形成された空隙18を埋める。この時、固定
ガイド12の櫛歯状の端部12aと可動ガイド27の櫛歯状の
一方の端部27bとが係合し、これらの端部間の隙間から
媒体11の挿入方向の前端部11aが飛び出すことによって
発生する搬送ジャムを防止する。また、可動ガイド27の
搬送面27aが固定ガイド13の搬送面13aよりも内側にΔx
を突出する位置にセットされ、これにより可動ガイド27
の他方の端部27cと固定ガイド13の端部13b間に形成され
ている微小隙間Δsから媒体11の挿入方向の前端部11a
が飛び出すことによって発生する搬送ジャムを防止す
る。したがって、媒体11は可動ガイド27の搬送面27aに
よりガイドされ、搬送路16から印字部24の位置にスムー
ズに搬送される。
ところで、前記空隙18の可動ガイド27で埋めない場合に
は、カールぐせや折れぐせのついている媒体11では第4
図に示すように、ことごとく空隙18から搬送路16の外へ
飛びだし、搬送ジャムが発生することが予想される。
前記検出器32で媒体11の挿入方向の前端部11aを検出
し、その前端部11aが印字部24の位置を通過し、搬送路1
7に入るまでに必要な時間経過後、可動ガイド27の制御
回路から可動ガイド27の平行リンク機構の揺動駆動源30
に指令が送られ、この揺動駆動源30は第3図(ニ)に示
すように、可動ガイド27を第2の位置から矢印θ方向
に、つまり第1の位置に移動させる。その結果、印字部
24の印字ヘッド25が自由に摺動し、印字動作を行うこと
が可能となる。
前記媒体11を印字部24の位置に搬送する過程で、既印字
位置の検出器(図示せず)により媒体11に対する既印字
位置を検出し、その検出信号を演算部(図示せず)に送
る。前記演算部では、検出器から送られてきた既印字位
置の検出信号に基づいて媒体11の印字面に印字可能なス
ペースの有,無を判定する。そして、判定の結果、スペ
ースがある場合には、印字動作させるべく印字部24の駆
動部に指令を送る。判定の結果、スペースがない場合に
は、印字部24を動作させずに媒体11を通過させ、通帳自
動ページ替え部34方向に送る。
前記演算部における判定の結果、媒体11の印字面に印字
可能なスペースがある場合には、搬送ローラ対20a,20b;
23a,23bの回転を停止させ、媒体11の搬送をいったん停
止させる。ついで、第2図(ニ)に示すように、プラテ
ン26をx1方向、つまり印字ヘッド25に接近する方向に移
動させ、媒体11をプラテン26の作用面26aと固定ガイド1
3の搬送面13a間で挟持し、印字ヘッド25を動作させて媒
体11の印字面に印字する。所期の印字後、プラテン26を
x2方向に移動させて原位置に戻し、媒体11を搬送可能に
解放する。
前記媒体11を搬送可能に解放後、再び搬送ローラ対20a,
20b;〜23a,23bを矢印x5方向に回転させ、第3図(ホ)
に示すように、媒体11を通帳自動ページ替え部34内の設
定位置までいったん搬送する。
これまでの順序動作の要点を第9図に簡潔に示してい
る。
次に、主に第5図(イ)〜(ホ)および第10図により、
媒体11を入排方向に搬送する場合について説明する。
前述のごとく、通帳のページめくりの必要がある場合に
は、演算部からの指令により通帳自動ページ替え部34に
よってページめくりを行い、またページめくりの必要が
ない場合には、通帳自動ページ替え部34内の設定位置
で、媒体11は第5図(イ)に示すように、停止してい
る。
ここで、搬送ローラ対20a,20b;〜23a,23bの回転駆動源
が駆動されると、第5図(ロ)に示すように、搬送ロー
ラ対20a,20b;〜23a,23bが矢印x6方向に回転し、これに
伴い媒体11が矢印x4方向、つまり排出方向に向かって搬
送される。
前記媒体11の排出方向の前端部11bが第5図(ハ)に示
すように、検出器33に差し掛かると、この検出器33によ
り検出され、検出器33から可動ガイド27の制御回路に検
出信号が送られる。
前記可動ガイド27の制御回路では、検出器33からの検出
信号を受け取った時から媒体11の排出方向の前端部11b
が空隙18内に設定長さl1突出する時間経過後、可動ガイ
ド27の平行リンク機構の揺動駆動源30に指令を送る。
前記可動ガイド27の平行リンク機構の揺動駆動源30は、
第5図(ニ)および第6図に示すように、媒体11の排出
方向の前端部11bが空隙18内に設定長さl1突出した時点
で、可動ガイド27を第1の位置から矢印θで示すよう
に第2の位置に移動させ、この第2の位置にセットす
る。その結果、媒体11の排出方向の前端部11bが抑え込
まれる形となり、空隙18から飛び出すことによって発生
する搬送ジャムを防止でき、媒体11を可動ガイド27の搬
送面27aによりガイドし、印字部24の位置にスムーズに
搬送することができる。
なお、可動ガイド27の第1の位置から第2の位置に移動
させるタイミングが遅れると、第7図に示すように、媒
体11の排出方向の前端部11bが空隙18から飛び出し、搬
送ジャムの発生が予想される。
また、可動ガイド27を第1の位置から第2の位置に移動
させるタイミングが早過ぎると、可動ガイド27を固定ガ
イド13の搬送面13aに対して可動ガイド27の搬送面27aが
内側にΔx突出した位置にセットするようにしているた
め、第8図に示すように、可動ガイド27の他方の端部、
つまり固定ガイド13側の端部27cに媒体11の排出方向の
前端部11bが突き当たり、搬送ジャムが発生することが
十分予想される。
次に、前記検出器33により媒体11の排出方向の前端部11
bを検出してから、その前端部11bが搬送路16に入るまで
に必要な時間経過後、可動ガイド27の制御回路から可動
ガイド27の平行リンク機構の揺動駆動源30に指令が送ら
れ、第5図(ホ)に示すように、可動ガイド27が第2の
位置から第1の即ち、媒体11の排出方向の前端部11bが
可動ガイド27より排出側の位置に搬送されたとき、可動
ガイド27は第2の位置から第1の位置に戻される。
ここで、前記通帳自動ページ替え部34でページめくりし
た通帳の場合には、搬送ローラ対20a,20b;〜23a,23bの
回転をいったん停止させ、印字部24で印字を行う。
ついで、再び搬送ローラ対20a,20b;〜23a,23bを矢印x6
方向に回転させ、媒体11を矢印x4方向に搬送し、挿入/
排出口15から排出する。
媒体11の排出方向への搬送時において、媒体11に印字す
る必要がない場合には、前記媒体11を、印字部24の位置
をそのまま通過させ、挿入/排出口15に搬送して排出す
る。
これまでの順序動作の要点を第10図に簡潔にまとめて示
している。
以上説明したところから分かるように、この実施例で
は、媒体11をその挿入方向に印字部24を完全に通過する
位置まで搬送する時、および前記印字部24を通過した位
置から、媒体11をその排出方向に再び印字部24を通過さ
せて挿入/排出口15まで搬送する時とも、可動ガイド27
の作用により搬送ジャムを防止し、媒体11をスムーズに
搬送することが可能となる。したがって、この実施例に
よれば、媒体11が通帳のごとく冊子類であっても、また
印字部24を通過した位置に通帳自動ページ替え部34が設
置されている印字装置であっても、搬送ジャムによる媒
体11の搬送不能、媒体折れ等のトラブルを全て解消する
ことができる。
なお、本発明において各部の具体的な構造は図面に示す
実施例に限らず、所期の機能を有するものであればよ
い。
[発明の効果] 以上説明した本発明では、固定ガイドの外側でかつ印字
部と干渉しない第1の位置と、前記空隙を埋める第2の
位置とに移動可能な可動ガイドを設け、この制御回路
を、媒体の挿入方向への搬送時には、媒体の挿入方向の
前端部が空隙内に進入する前に前記可動ガイドを第1の
位置からの第2の位置に移動させ、印字時には、同可動
ガイドを第2の位置から第1の位置へ移動させ、媒体の
排出方向への搬送時には、媒体の排出方向の前端部が空
隙内に設定長さ突出した時点で、同可動ガイドを第1の
位置から第2の位置へ移動させ、かつ媒体が搬送路にお
ける可動ガイドより排出側の位置に搬送された時点で、
同可動ガイドを第2の位置から第1の位置に移動させる
ように構成している。したがって、本発明によれば、媒
体が通帳のごとく冊子類であっても、また印字部を通過
した位置に通帳自動ページ替え部が設置されている印字
装置であっても、媒体をその挿入方向に印字部を完全に
通過する位置まで搬送する時、およびこの位置から媒体
をその排出方向に再び印字部を通って挿入/排出口まで
搬送する時とも、媒体を搬送ジャムが発生しないように
ガイドし、スムーズに搬送し得る効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第10図は本発明の一実施例を示すもので、その
第1図は縦断側面図、第2図は可動ガイドの拡大斜視
図、第3図(イ)〜(ホ)は媒体をその挿入方向に搬送
する時の各部の動作説明図、第4図は可動ガイドを第1
の位置から第2の位置に移動させずに媒体をその挿入方
向に搬送した場合に予想されるトラブルの説明図、第5
図(イ)〜(ホ)は媒体を挿入方向において印字部を完
全に通過する位置まで搬送後、排出方向に搬送する時の
各部の動作説明図、第6図は第5図において可動ガイド
を第1の位置から第2の位置に移動させるタイミングの
説明図、第7図および第8図は第5図において可動ガイ
ドを第1の位置から第2の位置へ移動させるタイミング
がずれた場合の予想されるトラブルの説明図、第9図は
媒体をその挿入方向に搬送する時の可動ガイドと各部の
連係を示すフローチャート、第10図は媒体を排出方向に
搬送する時の可動ガイドと各部の連係を示すフローチャ
ート、第11図は従来技術を示す断面図である。 11……媒体、12〜14……固定ガイド、15……媒体の挿入
/排出口、16,17……同搬送路、18……印字部の位置に
形成された空隙、20a,20b;〜23a,23b……媒体の搬送ロ
ーラ対、24……印字部、27……可動ガイド、28,29……
可動ガイドの第1,第2のリンク、30……可動ガイドの揺
動駆動源、31〜33……媒体の検出器、34……通帳自動ペ
ージ替え部、Δx……可動ガイドが搬送面より内側に突
出する寸法、Δs……微小隙間、l1……設定長さ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定ガイドにより構成され、一端部に印字
    媒体の挿入/排出口を形成すると共に、他端部に通帳自
    動ページ替え部を設置し、かつ途中位置に空隙及び切欠
    部を形成した搬送路と、印字媒体に印字するため、空隙
    側に配置される印字ヘッドと切欠部に配置されるプラテ
    ンとを有する印字部と、搬送路の空隙に配置され、印字
    時、印字部による印字を妨害しない位置に移動する可動
    ガイドと、可動ガイドの移動を制御する制御回路とを有
    する印字媒体のガイド装置において、前記可動ガイド
    を、固定ガイドの外側でかつ印字部と干渉しない第1の
    位置と、前記空隙を埋めかつ固定ガイドの搬送面より内
    側に突出すると共に、空隙における固定ガイドの端部と
    の間に微小隙間を有する第2の位置とに移動可能に設
    け、前記制御回路を、印字媒体の搬送路における挿入方
    向の搬送時には、印字媒体の挿入方向の前端部が空隙内
    に進入する前に前記可動ガイドを第1の位置から第2の
    位置に移動させ、印字時には、可動ガイドを第2の位置
    から第1の位置へ移動させ、印字媒体の通帳自動ページ
    替え部から排出方向への搬送時には、印字媒体の排出方
    向の前端部が空隙内に設定長さ突出した時点で、可動ガ
    イドを第1の位置から第2の位置へ移動させ、かつ印字
    媒体が搬送路における可動ガイドより排出側の位置に搬
    送された時点で、可動ガイドを第2の位置から第1の位
    置に移動させるように構成したことを特徴とする印字媒
    体のガイド装置。
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