JPH0737859Y2 - 樹脂成形部品の接合構造 - Google Patents

樹脂成形部品の接合構造

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JPH0737859Y2
JPH0737859Y2 JP1993013433U JP1343393U JPH0737859Y2 JP H0737859 Y2 JPH0737859 Y2 JP H0737859Y2 JP 1993013433 U JP1993013433 U JP 1993013433U JP 1343393 U JP1343393 U JP 1343393U JP H0737859 Y2 JPH0737859 Y2 JP H0737859Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、複数の樹脂成形部品を
溶融樹脂により接合する構造に関し、詳しくは、複数の
樹脂成形カウリング部品の端部を溶着することにより一
体化し、目的とする樹脂成形カウリングを製造するため
の接合構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、樹脂成形品を製造する方法と
しては、目的とする製品を一体的に成形して目的の製品
を得る方法(以下、一体型成形方法という)と、複数の
部品を別体でまず成形し、それらの成形部品を溶着する
ことにより一体化して、目的の製品を得る方法(以下、
分割型成形方法という)がある。
【0003】上記一体型成形方法は、その製品全体を一
体的に製造することが可能な製品を収容できる大きさの
金型を製作し、該金型内に溶融樹脂を射出して目的とす
る製品を製造する。この方法で製造した製品は、接合部
がなく、外観が美しい製品となる。
【0004】しかし、製品全体を一体的に成形するので
製品が大きい場合には、上記金型は非常に大きくなり、
この結果、成形装置全体も大型化してしまうという不都
合がある。また、この場合には、装置を設置するための
広いスペースが必要となる。
【0005】更に、技術的にも、大型化した金型は、広
い成形面全てにわたって高精度をだすことが難しく、更
にまた、成形に際し嵌合して一体的になる上金型,下金
型の分割は、製品の形状が複雑な場合、その分割箇所及
び分割形状等の形成が製作技術上非常に難しくなり、金
型の製作が非常に困難になる場合もある。また、製作可
能な形状の場合にも、上述のような理由から、金型等を
含めた装置の製造に膨大な費用が必要となる。
【0006】一方、上記分割型成形方法は、上述のよう
に、製品全体を、別体になった複数の成形部品をそれら
の接続すべき各端部間を溶着して、一体的に成形する。
このため、外観に接合部が現れてしまう。しかし、一方
において、製品全体が収納できるような大きな金型を製
作する必要がなく、従って、大きな成形装置を必要とし
ない利点がある。また、この方法では、接合部を溶着す
る溶着装置があれば、全体の成形が可能であるので、各
成形部品を成形する成形装置、及び各部品の金型は比較
的小さなものでよく、装置の製造費用も少ない利点があ
る。
【0007】上述したように、上記二つの成形方法に
は、それぞれ特長があり、一般的に、一体型成形方法
は、比較的小さな製品あるいは形状が比較的単純な製品
を製作する場合に用いられ、分割型成形方法は、比較的
大型で形状が複雑な製品を製作する場合に用いられてい
る。
【0008】ところで、樹脂成形により製作される製品
の一つとして、自動二輪車のカウリングがあるが、この
カウリングは、近年、空気抵抗の減少及び美観の点か
ら、ハンドル上部からエンジン下部にわたって覆うもの
が多く、大型化し、しかも空気抵抗を極力減少させるた
め形状も複雑化している。
【0009】このように、大型で複雑な形状をしたカウ
リングの製造には、上記した理由から、上述の分割型成
形方法が用いられている。
【0010】現在の分割型成形方法において用いられて
いる自動二輪車のカウリングの溶着方法の主なものは、
図11及び図12に示すような第1の方法と、図13及
び図14に示すような第2の方法とがある。
【0011】第1の溶着方法は、図11及び図12に示
すように、二つの成形部品51,61の端部に、一方は外面
側から、もう一方は内面側から、それぞれ接続しようと
する部品方向へ突出する板厚が半分になった接合部52,
62をそれぞれ形成し、これらの接合部52,62を接合した
状態で、その接合している部分の複数箇所を超音波溶着
機により溶着(図に於いて溶着部を×印で表す)して一
体化させるものである。
【0012】第2の溶着方法は、図13及び図14に示
すように、二つの成形部品51,61の接合部52,62を突き
合わせた状態で接合し、その接合している部分に、内面
(裏面)より補強板55を密接させ(所謂裏当てし)、そ
の重合部(重なっている部分をいう)56, 66を超音波溶
着機により溶着(図に於いて溶着部を×印で表す)して
一体化させるものである。
【0013】上述したような従来の溶着方法は、いずれ
も接合部の外面側では二つの接合部の端面を突き合わせ
た状態で、重なっている部分を超音波溶着機により、所
謂スポット溶着を行うものである。
【0014】このため、上記二つの接合部の接合箇所の
外面には、何れも、隙間(凹部という; 例えば凹部54)
が生じる。従って、溶着後その接合箇所の外面にできる
凹部(54)を接着剤で埋めて隙間を塞ぎ、乾燥させた後、
その接合部分の外面より突出凝固した上記接着剤を削り
取るとともに研磨して、平滑に仕上げている。
【0015】その後、上記接合部が仕上げられ一体とな
ったカウリングは塗装工程へ送られ、所望の塗装色が塗
られて最終製品(部品;カウリング)となる。
【0016】この種の先行技術として、成形部品の溶着
部における分割部分の強度の低下防止と、この部分でズ
レや段差を生じさせないことを目的とした「フェアリン
グの製造方法」(特公昭60-26754号公報)がある。
【0017】
【考案が解決しようとする課題】ところで、上述した分
割型成形方法では、接合しようとする樹脂成形部品のそ
れぞれの端部に板厚を半分にした接合部を突出・形成す
ることより、樹脂成形部品の接合部に隣接する部分と該
接合部との境に肉厚変化部を生じる。また、一方、スポ
ット溶着は、接合部の中央部を中心におこなわれ、この
肉厚変化部では溶着がなされないため、この肉厚変化部
の外面には、溶着の残留応力等により、ひけやそりを生
じてしまい、製品の美観を損なうこととなっている。
【0018】更に、上述のように、接合部外面に形成さ
れる凹部 (隙間) を、接着剤により埋める等して最終的
に仕上げていたので、以下のような不都合も生じる。
【0019】即ち、凹部を接着剤により埋める等処理し
て後に焼付け塗装すると、塗装時の熱により、上記接着
剤の中に混入した空気が膨張し、塗膜(塗料被膜)の剥
がれや塗装面にピンホール等を生じることがある。この
場合には、製品の美観を損ねてしまうので、再度凹部を
接着剤により修正して乾燥させた後、外面を平滑に仕上
げて再塗装を行っている。
【0020】しかし、上述したような修正を要する製品
は、塗装工程で加熱することにより初めて発見されるこ
とになるので、発見後再び上述の接着作業へと戻し、再
び上述の一連の工程を繰り返すため、多くの工程を重複
し、生産性を悪化させることになる。
【0021】この改善のため、現在、塗装工程の前に修
正工程を設け、ここで接合部を予備加熱して接着剤内の
混入空気を膨張させ、予め接合部に混入空気を有する製
品のみ選別し、再びその部分に上記接着材による修正処
理を加える。そして、混入空気をなくした製品のみを、
次の塗装工程へ送り、焼付け塗装を行うようにしてい
る。
【0022】ところが、実際の製造をみると、製品全体
に占める上述の修正あるいは再修正を要する製品の割合
が高く、この結果、生産コストの上昇と、なによりも修
正工程のための多大なスペースを要する事態が生じてい
るのが現状である。特に修正工程では、接着材の乾燥時
間(12時間程度) だけ保管しなければならず、カウリン
グのように一つの製品の容積が大きなものでは、多大な
スペースが必要となる。
【0023】本考案の目的とするところは、複数の樹脂
成形カウリング部品の接合部を金型内で溶融樹脂で溶着
することにより一体化した樹脂成形カウリングを製造
し、接合部への空気の混入を排除し、塗装工程において
上記不都合を生じなくし、且つ簡単に接合部の外観を美
しく仕上げることができるような樹脂成形部品の接合構
造を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本考案における樹脂成形部品の接合構造は、複数の
樹脂成形部品からなる自動二輪車のカウリング部品の端
部を溶融樹脂によりほぼ同一の厚みで溶着して一体化す
る樹脂成形カウリングの接合構造であって、前記樹脂成
形カウリング部品の接続すべきそれぞれの端部に、その
近傍の厚みより薄くなった接合部を設け、該接合部の端
部に該接合部近傍の厚みと同一又はほぼ同一高さとなる
突起を所定間隔で接合部と平行に複数個形成して接合部
間を溶融樹脂でほぼ同一厚みで溶着して一体化したこと
を特徴とするものである。
【0025】
【作用】上記構成からなる接合構造によれば、複数の樹
脂成形カウリング部品の接続しようとする端部に、その
近傍の厚みより薄くなった接合部をそれぞれ設け、この
接合部に樹脂成形カウリング部品端部の厚みと同一又は
ほぼ同一高さの突起を形成しているため、この接合部を
金型で両側から覆うと、突起が金型内壁面と接触した状
態で空間が形成される。そして、この金型内に形成され
た空間に溶融樹脂を射出して、該溶融樹脂によって上記
接合部間を溶着して一体化すると、その接合部分はほぼ
同一の厚みで平滑に接合することができる。この時、突
起により接合部縁部の浮き上がりが防止される。
【0026】また、溶融樹脂によって樹脂成形カウリン
グ部品とほぼ同一の厚みで接合部の表面部分全体を接合
するので、接合による応力でひけやそりを生じない。
【0027】更に、金型内において接合しようとする接
合部間を、溶融樹脂により溶着させるので、接合部分へ
の空気の混入はない。
【0028】
【実施例】以下、本考案にかかる樹脂成形部品の接合構
造で自動二輪車のカウリングを製造する場合を、図面
(図1〜図10)を参照しながら説明する。
【0029】まず本考案に係る接合構造の概要を図1〜
図3に基づいて説明すると、図1及び図2は樹脂成形部
品(カウリングを構成する樹脂成形カウリング部品)の
接合部の形状を示し、共に、溶着しようとする樹脂成形
部品の接合部を当接させた状態を内面(裏面)側から見
た斜視図である。
【0030】図1において、1 , 11はそれぞれ接合しよ
うとする2個の樹脂成形部品(樹脂成形カウリング部
品)で、この2個の樹脂成形部品1 , 11の各端部には、
接合部2 , 12が形成されている。この接合部2 , 12は、
樹脂成形部品1 , 11の内面側の端部に段状の断面変化部
4が形成されることにより、その近傍(断面変化部4の
反接合部側;図1において両端部)の厚みより薄くなる
よう構成されている。また、接合部2 , 12の縁部3 , 13
は、溶接における「開先」のように端部で薄くなったエ
ッジ状に形成されている。
【0031】また、図2において、2 , 12は接合部で、
この接合部2 , 12の場合、図1の接合部と異なり、断面
変化部4 から樹脂成形部品1 , 11の縁部3 , 13に向け
て、厚みが徐々に薄くなるよう形成されている。
【0032】そして、上記図1、図2の接合部2 , 12間
が、図3の断面図に示すように、後述する接合装置の上
金型35a と下金型35b により上下から挟着され、この接
合部2 , 12が溶融樹脂R により溶着されることによっ
て、一体状のカウリングC が形成される。
【0033】この溶着されて形成されるカウリングC
は、上記図1あるいは図2の何れの構成の接合部2 , 12
で溶着しても、その接合部2 , 12がその近傍の厚みより
薄くなっているため、溶着された後に樹脂成形部品1 ,
11の接合部2 , 12がその近傍部分の厚みと同じ厚みにな
る。また、上記溶着は、接合部全面(正確には当接面と
内面(裏面)全面)で溶融樹脂により溶着される。この
ため、後加工(仕上げ加工)する必要がなく、また、接
合部2 , 12の断面変化部4 でひけあるいはそりは殆ど生
じない。
【0034】特に、図2に示すように、接合部2 , 12の
断面を徐々に変化させれば、図1に示す構成の場合より
も、断面変化部4 に内部応力等が集中することがより少
なくなるため、該断面変化部4 のひけあるいはそりがさ
らに生じ難い構成となる。
【0035】以上のような概要で構成された本考案にお
いて、各接合部2 , 12の縁部3 , 13付近に、本考案の特
徴部分である突起5 を、樹脂成形部品1 , 11の接合部2
, 12近傍部分の厚みと等しいかあるいは若干突出する
よう形成した実施例を、図4の断面図と図5の要部拡大
断面図に基づいて以下に説明する。
【0036】図示するように、上述した樹脂成形部品1
, 11の各接合部2 , 12の縁部3 , 13付近に、樹脂成形
部品1 , 11の接合部2 , 12近傍の部分の厚みと等しいか
あるいは若干突出した突起5 が形成されている。そし
て、このように突起5 を形成することにより、上述の金
型35で接合部2 , 12を挟着したときに、この突起5 の上
端5aと金型内壁面が接触して、この接合部2 , 12が金型
35内で浮き上がろうとするのを防止でき、金型内の所定
位置に保持 (押圧) することが可能となる。
【0037】この結果、射出成形時に接合部2 ,12 、特
にその縁部3 , 13の浮き上がり防止ができ、本来接合部
2 , 12と金型35とが接触すべき部分へ流れ込もうとする
溶融樹脂R の流れ込みを防ぐことができる。
【0038】また、溶着の際に、この突起5 の外周面も
溶融樹脂R と溶着され、溶着面積が増加することになる
ので、樹脂成形部品1 , 11間をより一体化させることに
もなる。
【0039】なお、この突起5 を、図6に示すように、
縁部3 , 13と接合部2 , 12の中央付近等に複数形成する
ようにして、接合部2 , 12全面を金型35内壁面に押圧す
るようにしてもよい。
【0040】上記実施例では、突起5 の形状を円柱状と
して複数形成しているが、図7に示すように、縁部3 ,
13に方形の突起5Aを形成してもよく、この形状は特に限
定されるものではない。
【0041】また、図8に示すように、厚みを薄くした
接合部2 , 12の溶着面を波型に形成すれば、溶着面積を
増加させることができるので、図1あるいは図2に図示
するように接合部2 , 12の溶着面を平面に形成した場合
に比べて、接合部2 , 12の長さを短くしても同等の溶着
強度を得ることができる。
【0042】ところで、図9及び図10に図示する装置
は、上述した構成よりなる樹脂成形部品1 , 11を溶着す
る接合装置 (溶着装置) である。
【0043】図9,図10において、31は床面30に載置
された本装置の基台で、この基台31上にはC型フレーム
32が配設され、さらにこのC型フレーム32上にはスライ
ドベット33が配設されている。このスライドベット33上
には、カウリングC を保持する保持台34が、液圧シリン
ダ37によりスライド自在に載置され、保持台34の上部に
金型35を構成する下金型35b が配設されている。従っ
て、上記下金型35b は、この液圧シリンダ37を伸縮する
ことにより保持台34と共に、その下方のスライドベット
33上を、図9に実線及び二点鎖線で示すように、装置の
前後方向(図9の左右方向)に摺動する。
【0044】また、上記C型フレーム32の上部には、金
型35を嵌合離脱させる作動手段としての液圧シリンダ36
のシリンダ部分が、そのロッド部分が下方に向けて伸縮
自在になるよう配置されている。そして、このシリンダ
36のロッド36a 先端には、上金型35a が配設されてい
る。従って、この上金型35a は、液圧シリンダ36のロッ
ド36a を伸縮させることにより、図9の実線及び二点鎖
線で示すように、上下方向に移動可能な構成となってい
る。
【0045】また、上記C型フレーム32の背面側の中央
付近には、射出成形機38が設けられており、この射出成
形機38の射出口38a が上記金型35の嵌合面35c 付近の湯
口(図示せず)に連設されている。
【0046】なお、上記例では接合部2 , 12(図4参
照)がその近傍と同じ厚さになるように、上記金型35
は、嵌合して形成される内部の空間が樹脂成形部品の端
部近傍の厚みに等しくなるよう形成されている。
【0047】また、図9において、39はカウリングC を
保持台34に着脱するときの作業台である。
【0048】しかして、上記構成からなる装置により、
上記樹脂成形部品1 , 11の接合部2,12 を溶着する場合
は、まず、図9の二点鎖線で示すように、液圧シリンダ
36を収縮させて上金型35a を上方に上げ、且つ液圧シリ
ンダ37を伸長させて下金型35b (保持台34) を図9にお
いて左端に移動させる。この状態で、下金型35b の上部
に溶着しようとする樹脂成形部品1 , 11を載置する。こ
のときに、図10に図示するように、保持台34の下方に
設けられた複数の支持腕34a で、上記樹脂成形部品1 ,
11を、該保持台34に所定位置状態で保持する。
【0049】そして、次に、上記液圧シリンダ37を収縮
することにより、保持台34を図9において右側の所定位
置へ移動させる。
【0050】このように、保持台34が所定位置にセット
されると、上記液圧シリンダ36のロッド36a を伸長させ
て、上金型35a を下降させる。そして、上金型35a が完
全に下降すると、樹脂成形部品1 , 11の接合部2 ,12
(図4,図5参照)は、上金型35a と下金型35b によっ
て上下から覆われる。
【0051】上記一連の動作により、接合部2 , 12(図
4,図5参照)の溶着準備が完了する。
【0052】溶着準備が完了した状態において、2個の
樹脂成形部品1 , 11の接合部2 , 12は、図4の断面図に
示すように、上金型35a と下金型35b により接合部2 ,
12の周辺が上下から挟着され、このとき、金型35a の内
壁と接合部2 , 12との間に空間S が、また接合部2 と接
合部12の間に小さな隙間S ′が形成される。
【0053】このように溶着準備が完了すると、装置
は、射出成形機38の射出口38a から溶融樹脂R (図1,
図2参照)を射出する。この溶融樹脂R は、樹脂成形部
品1 ,11と異なる樹脂であっても、溶着可能なものであ
ればよいが、樹脂成形部品1 ,11と同じ樹脂を用いるこ
とが望ましい。あるいは、樹脂の中にカーボンファイバ
ー等の補強繊維を混入したものを使用してもよい。
【0054】上記射出された溶融樹脂R は、金型35内の
図示しない湯口から、上記空間S 内および接合部2 ,12
間の隙間S ′に流れ込み、接合部2 , 12間を溶着して二
つの樹脂成形部品1,11を一体化する。そして、溶融樹脂
R が凝固することにより溶着が完了する(図3及び図4
参照)。また、この時、図1に示す接合部2 , 12のよう
に縁部3 , 13をエッジ状に形成したり、図2に示す接合
部2 , 12のように縁部3 , 13に向けて徐々に薄肉化する
と共に接合部2 , 12間に隙間S ′を設けることにより、
縁部3 , 13における溶着を容易にして縁部3 , 13での溶
着を強化することができる。
【0055】なお、上述した一連の動作は、オペレータ
の操作及び図示しない制御装置により制御される。
【0056】また、一般には、複数の樹脂成形部品1 ,
11を上述の方法で一体化した後、塗装工程により所望の
着色を施して樹脂成形品を完成させるが、塗装工程を必
要としない材質(例えば、ポリプロピレン等)を用いた
場合には、複数の同一色の樹脂成形部品1 , 11の接合部
2 , 12の当接する間に形成される隙間(図2〜図8参
照)に、他色の溶融樹脂R を射出して溶着するようにす
れば、この隙間に溶融樹脂R の色のラインを、上記樹脂
成形部品1 , 11の色の間に形成することもできる。
【0057】更に、異なった色の樹脂成形部品1 , 11を
溶着することにより一体化する場合でも、どちらかの樹
脂成形部品1 , 11と同じ溶融樹脂R により溶着するよう
にすれば、接合部2 , 12の美しい樹脂成形品が得られ
る。
【0058】上述した金型35は、金型35の嵌合面35c の
近傍に設けられた射出口38a から射出された溶融樹脂
が、金型35内に設けられた湯道を通り空間S あるいはS
′内へと流れ込む構造であるが、この湯道を多数形成
することにより、樹脂の配向を樹脂成形部品1 , 11の配
向と同一方向にすることができ、これにより、接合部2
,12の強度と美観をより向上させることもできる。
【0059】また、この実施例は、二分割構成のカウリ
ングC を溶着する構成であるので、上記金型35の有効幅
も、接合部2 , 12の幅(図3及び図4参照)に、樹脂成
形部品1 , 11を確実に押圧し且つ接合部2 , 12の外側へ
溶融樹脂R が流出しないだけの幅を加えた幅があればよ
い。このため、金型自体も小さくてよく、金型35の製作
費用も安価になる。
【0060】また、ひけ等の影響がでない範囲で、上金
型35a の表面に凹凸形状を形成すれば、接合部2,12の表
面に凹凸形状を形成することができ、樹脂成形品の外面
に、凹凸模様を形成させることも可能である。
【0061】なお、本考案は、上述したような二分割構
成の樹脂成形部品(樹脂成形カウリング部品)を溶着す
るための装置に限定されるものではなく、複数の樹脂成
形部品を溶着できるように構成することも可能である。
【0062】
【考案の効果】本考案は、上述のように、複数の樹脂成
形カウリング部品の接続しようとする端部に形成された
接合部を金型で両側から覆うと接合部に形成した突起が
金型内壁面と接触した状態で空間が形成されるため、突
起により接合部端部が金型面に接触した状態で溶融樹脂
を射出して溶着する。従って、その接合部分はほぼ同一
の厚みで平滑に接合することができ、この時、突起によ
り接合部端部の浮き上がりが防止された状態で確実に溶
着することができる。
【0063】また、金型内において接合しようとする接
合部間を、溶融樹脂により溶着させるので、接合部分へ
の空気の混入が防止できる。このため、従来のように修
正工程を設ける必要もなくなり、樹脂成形カウリングの
生産性が著しく高くなるとともに、修正工程に要する製
造スペースも必要なくなる。そして、このことにより生
産コストも大幅に削減することができる。
【0064】更に、樹脂成形カウリング部品の接合部
を、溶融樹脂により樹脂成形カウリング部品の厚みと略
同一に溶着することができるので、溶着後に、樹脂成形
カウリング部品の接合部にひけやそりを生じなくなり、
外観の美しい樹脂成形カウリングを製作することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案における樹脂成形部品の接合部の概要構
成(形状)を示す内面 (裏面)側から見た斜視図であ
る。
【図2】図1とは別の、本考案における樹脂成形部品の
接合部の概要構成(形状)を示す内面 (裏面) 側から見
た斜視図である。
【図3】図1に示す接合部を金型で覆った状態を示す断
面図である。
【図4】本考案に係る樹脂成形部品の接合構造の接合部
を金型で覆った状態を示す断面図である。
【図5】図4に示す樹脂成形部品の接合部を示す要部拡
大断面図である。
【図6】本考案に係る接合部の実施例を内面 (裏面) 側
から見た斜視図である。
【図7】本考案に係る接合部の他の実施例を内面 (裏
面) 側から見た斜視図である。
【図8】本考案に係る接合部のその他の実施例を内面
(裏面) 側から見た斜視図である。
【図9】本考案に係る樹脂成形部品の接合部を接合する
ための接合装置を示す側面図である。
【図10】接合装置を示す図9のA−A断面図である。
【図11】従来の溶着方法の第1例を示す斜視図であ
る。
【図12】図11の溶着部断面図である。
【図13】従来の溶着方法の第2例を示す斜視図であ
る。
【図14】図13の溶着部断面図である。
【符号の説明】
1 , 11…樹脂成形部品(樹脂成形カウリング部品) 2 , 12…接合部 3 , 13…縁部 4 …断面変化部 5 …突起 30…床面 31…基台 32…C型フレーム 33…スライドベッド 34…保持台 35…金型 35a …上金型 35b …下金型 36…液圧シリンダ 37…液圧シリンダ 38…射出成形機 38a …射出口 C …カウリング R …溶融樹脂 S …空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−96075(JP,A) 特開 昭51−135978(JP,A) 特開 昭48−80155(JP,A) 特開 昭52−153193(JP,A) 実開 昭62−33415(JP,U)

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の樹脂成形部品からなる自動二輪車
    のカウリング部品の端部を溶融樹脂によりほぼ同一の厚
    みで溶着して一体化する樹脂成形カウリングの接合構造
    であって、 前記樹脂成形カウリング部品の接続すべきそれぞれの端
    部に、その近傍の厚みより薄くなった接合部を設け、該
    接合部の端部該接合部近傍の厚みと同一又はほぼ同一
    高さとなる突起を所定間隔で接合部と平行に複数個形成
    して接合部間を溶融樹脂でほぼ同一厚みで溶着して一体
    化したことを特徴とする樹脂成形部品の接合構造。
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