JPH0737779Y2 - プレス機械のアングル切断金型 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） この考案はプレス機械のアングル切断金型の改良に関す
る。

（従来の技術） 従来、プレス機械にてアングル材を切断する金型は、Ｖ
字形の突型形状をしたパンチと、Ｖ字形の溝を備えたダ
イとで構成され、前記パンチを上下動させて固定したダ
イとで協働してアングル材の切断加工は行なわれてい
る。

その際、発生する切断後の抜きカスは、下部に設けたカ
ス落し穴より排出処理されている。

（考案が解決しようとする課題） ところで、上述した従来のプレス機械のアングル切断金
型は、切断後の抜きカスは一体となって落し穴より排出
されるので、落し穴の大きさによりワークの大きさ、即
ち、機械能力が制限されるという問題があった。

また、大型のアングル材を切断するには、金型や抜きカ
スの処理設備も大型となり、装置全体が大型化するため
経済性が悪化するという問題もあった。

この考案の目的は、上記問題点を改善するため、アング
ル材切断時、一工程で抜きカスを複数に分割することに
より、機械能力を向上させ、且つ、装置の小型化により
経済性の向上を図ったプレス機械のアングル切断金型を
提供することにある。

［考案の構成］ （課題を解決するための手段） 上記目的を達成するため、この考案は、Ｖ字形の突型形
状を形成したパンチと、このパンチと協働してアングル
材を切断するためのＶ字形の溝を備えたダイとからなる
プレス機械のアングル切断金型において、前記パンチの
Ｖ字形の頂部には、アングル材の切断時に発生されるア
ングル材の抜きカスを頂部断片と他の二つの断片部分と
に三分割させるための突起刃部を設けたことを特徴とす
る。

（作用） この考案では、パンチのＶ字形の頂部には、アングル材
の切断時に発生されるアングル材の抜きカスを頂部断片
と他の二つの断片部分とに三分割させるための突起刃部
を設けているので、アングル材の切断時にアングル材の
抜きカスが一体のまま落下せずに上記のように三分割さ
れて落下する。

このため、大型のアングル材でも小片に分割処理するこ
とができ、金型を大型にする必要なく、排出処理設備の
小型化が図れる。

（実施例） 以下、この考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。

第１図および第２図を参照するに、第１図はアングル切
断前の金型待機位置を示し、第２図にはアングル切断後
の金型位置を示してある。

プレス機械におけるアングル切断金型１は、上下動自在
なパンチ３と固定側であるダイ５により構成され、パン
チ3,ダイ５を保持するホルダ７の開口部９に設けられた
段部11に対向してダイ５はビス13により固着され、Ｖ字
形状の溝を形成してある。そのダイ５の上部にワークＷ
であるアングル材は挿入載置され、前記ホルダ７の開口
部９の案内面15に沿って上下動自在なパンチ３とダイ５
とで協働してワークＷの切断作業が行なわれる。

前記パンチ３の形状は、Ｖ字形の突部を備えた菱形を
し、そのＶ字形の頂部は例えば四角形状の突起刃部17が
設けてある。なお、パンチ３の片側切断面が磨耗した際
は、上下逆に組替えることにより他面が使用可能となる
よう対称的に形成されている。更に、パンチ３の切断面
には前記ダイ５の刃面に対して所定のレーキ角θが設け
てある。

そのパンチ３は、パンチホルダ19にパンチ押え21を介し
てボルト23により固着され、パンチホルダ19の上部に設
けたパンチヘッド25は、図示を省略したが一般公知のパ
ンチ上下動機構である電動機あるいは流体圧作動のシリ
ンダ等の駆動源により作動する駆動機構に連結してあ
る。

なお、前記ホルダ７の開口部９の下部には切断後の抜き
カス27を排出するための落し穴29が設けてあり、前記パ
ンチホルダ19にはパンチ３の刃部17が嵌入される溝部31
が設けてある。

上記の構成によりその作用としては、第３図を併せて参
照するに、パンチ３は上昇限にて待機しており、ダイ５
上にワークＷであるアングル材が挿入載置される。（第
１図および第３図（Ａ）参照） その状態より、パンチ３を図外の駆動源を作動させ駆動
部材を介して下降させる。パンチ３の下降が進むにつれ
て、最初ワークＷにパンチ３に設けた突起刃部17が当接
し、ダイ５と協働してワークＷであるアングル材の角部
を切断する。（第３図（Ｂ）参照）。

更に、パンチ３が下降するにつれてアングル材の両直線
部は、パンチ３とダイ５の協働により切断される。（第
２図および第３図（Ｃ）参照） パンチ３の下降限にて切断作業が終了するが、ワークＷ
であるアングル材の抜きカス27は３分割され、ホルダ７
に設けた落し穴29より排出処理される。

上述のごとく、アングル材切断時に一工程で抜きカス27
を複数に細分割することができ、小型の落し穴29でも容
易に排出することができる。

このため、大型のアングル材でも金型全体を大型にする
必要なく、抜きカス27の排出処理設備も大型にする必要
がなくなる。

金型を大きくしなくても、大型のアングル材の切断加工
が可能となり機械能力の向上を図ると共に、抜きカス27
の排出処理設備も小型で良いため、経済性の向上を図る
ことができる。

なお、上述した実施例に限定されることなく、この考案
の要旨を逸脱しない範囲において種々変更を加え得るこ
とは勿論である。本実施例ではパンチ３の頂部である突
起刃部17の形状を四角形状で説明したが、ワークＷとし
てのアングル材の角部が切断されればどんな形状であっ
ても構わない。

［考案の効果］ 以上のごとき実施例の説明より理解されるように、この
考案によれば、パンチのＶ字形の頂部にはアングル材の
切断時に発生されるアングル材の抜きカスを頂部断片と
他の二つの断片部分とに三分割させるための突起刃部を
設けているので、アングル材の切断時にアングル材の抜
きカスが一体のまま落下せずに上記のように三分割され
て落下することになる。従って、この考案を適用して金
型を構成することにより、金型の小型化を図れる。

また、抜きカスの処理設備も小型化し、機能能力の向上
と、経済性の向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図はこの考案の主要部である金型全体
の断面を示し、第１図はアングル切断加工前の金型態様
を示す断面図、第２図はアングル材切断加工後の金型態
様を示す断面図である。 第３図（Ａ）〜（Ｃ）はアングル材切断加工順を示し、
第３図（Ａ）は切断前の金型態様説明図、第３図（Ｂ）
はアングル材の頂部を切断した時の金型態様説明図、第
３図（Ｃ）は分断された抜きカスの状態説明図である。 １……アングル切断金型、３……パンチ ５……ダイ、17……刃部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】Ｖ字形の突起形状を形成したパンチと、こ
   のパンチと協働してアングル材を切断するためのＶ字形
   の溝を備えたダイとからなるプレス機械のアングル切断
   金型において、前記パンチのＶ字形の頂部には、アング
   ル材の切断時に発生されるアングル材の抜きカスを頂部
   断片と他の二つの断片部分と三分割させるための突起刃
   部を設けたことを特徴とするプレス機械のアングル切断
   金型。