JPH0737747A - チップ型積層セラミックコンデンサ - Google Patents

チップ型積層セラミックコンデンサ

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JPH0737747A
JPH0737747A JP15595493A JP15595493A JPH0737747A JP H0737747 A JPH0737747 A JP H0737747A JP 15595493 A JP15595493 A JP 15595493A JP 15595493 A JP15595493 A JP 15595493A JP H0737747 A JPH0737747 A JP H0737747A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】チップ型積層セラミックコンデンサの温度サイ
クル試験による絶縁抵抗劣下を防止する。 【構成】積層セラミック素子1の実装面側に薄板9を密
着させずに配設することにより、チップ型積層セラミッ
クコンデンサに間隙11を与える。この間隙11にそっ
て、実装、温度サイクル試験により発生するクラック1
0を逃がし、積層セラミックコンデンサの絶縁抵抗劣下
を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はチップ型積層セラミック
コンデンサに関し、特にクラック防止構造に関する。
【0002】
【従来の技術】図4(a)に示すように、従来のチップ
型積層セラミックコンデンサは、導電性の内部電極を被
着形成した誘電体シートを内部電極取り出し部が相対向
するように複数枚交互に積層しその上下に保護層となる
誘電体シートを積層して一体化した後、得られた積層セ
ラミック素子1の相対向する内部電極2の取り出し面に
外部電極3を設けた構造となっていた。
【0003】また、実装時のストレス緩和のため上記の
チップ型積層セラミックコンデンサの外部電極を形成し
た面に金属製のキャップ状の部材を被覆した図4(b)
に示すような金属キャップ付きチップ型積層セラミック
コンデンサや特開平3−136308号公報の様に導電
性の内部電極を被着形成した誘電体シートを内部電極取
り出し部が相対向するよう複数枚交互に積層し、さらに
その上下に保護層となる誘電体シートを積層して一体化
した積層セラミック素子の外側に熱膨張係数の違う層を
設けその積層セラミック素子を一体焼成するチップ型積
層セラミックコンデンサが提案されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この従来のチップ型積
層セラミックコンデンサは、実装によって基板に固定す
る時あるいは固定された状態で急激な温度変化を受ける
と、基板とセラミック材料の熱膨張率の違いによって外
部電極と積層セラミック素子の界面近傍で熱応力が発生
するが、セラミック材料は金属材料と違って弾性等によ
る応力の緩和がほとんどなく、応力集中に伴う脆性破壊
を起こしやすいことから、この熱応力が外部電極と積層
セラミック素子界面近傍で集中し臨界破壊応力を超えた
ときにクラックが生じその絶縁抵抗が劣下するという問
題があった。
【0005】また、従来の金属キャップ付きチップ型積
層セラミックコンデンサは、金属キャップを付ける作業
が自動化されにくくまた金属キャップ自体がコスト的に
高いという問題がある。また特開平3−136308号
公報の様な導電性の内部電極を被着形成した誘電体シー
トを内部電極取り出し部が相対向するよう複数枚交互に
積層し、さらにその上下に保護層となる誘電体シートを
積層して一体化した積層セラミック素子の外側に熱膨張
係数の違う層を設けその積層セラミック素子を一体焼成
するチップ型積層セラミックコンデンサにおいては熱膨
張係数の異なる異種のセラミック材料を一体焼成するの
でその焼成時にデラミネーションとよばれる層剥離が発
生し易い。また熱膨張係数を合わせた積層構造により上
述の従来のチップ型積層セラミックコンデンサより臨界
破壊応力が高くなるが一体焼成しているので臨界破壊応
力を越えればクラックが生じその絶縁抵抗が劣下すると
いう問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のチップ型積層セ
ラミックコンデンサは、導電性の内部電極を被着形成し
た誘電体シートを内部電極取り出し部が相対向するよう
複数枚交互に積層し、さらにその上下に保護層となる誘
電体シートを積層して一体化した積層セラミック素子の
相対向する内部電極取り出し面に外部電極を設けてなる
チップ型積層セラミックコンデンサにおいて、すくなく
ともその実装面側に薄板が重ね保持されていることを特
徴とした構造を有する。
【0007】その重ね保護手段としては上記を外部電極
の一部を共用して保持することや、接着剤によって保持
する構造が好ましい。
【0008】
【実施例】次に本発明について図面を参照して説明す
る。
【0009】図1は、本発明の一実施例によるチップ型
積層セラミックコンデンサの斜視図である。図2は図1
の断面図である。
【0010】以下に、製造方法を説明する。
【0011】化学式ABO3(A,Bは金属元素、Oは
酸素)で表わされ、結晶構造がペロブスカイト構造を持
つ誘電体セラミック粉末と有機バインダーを混合しスラ
リー状にしたものをテープキャスト法にて成膜し乾燥さ
せた誘電体シート上に、銀・パラジウムからなる内部電
極2を形成しその取り出し部が相対向するように積層す
る。さらに、その上下に保護層となる誘電体シートを積
層し一体化する。そして、熱圧着・脱バインダーを行っ
た後、焼結することで積層セラミック素子1を得る。次
に、上記誘電体セラミックと同じセラミック材料等の耐
熱性のある薄板9をその下面または両面に配設し、銀を
主体とする外部電極3を内部電極2取り出し面に形成し
てチップ型積層セラミックコンデンサを得る。この様に
して得られたチップ型積層セラミックコンデンサは、従
来のチップ型積層セラミックコンデンサが図5のように
実装によって基板7に固定される時あるいは固定された
状態で急激な温度変化の影響を受けると、基板材料、外
部電極3に比べてセラミック材料の熱膨張率が一桁小さ
いことから外部電極3と積層セラミック素子間に生じる
熱応力により発生したクラック10を積層セラミック素
子1と薄板9の間隙11にそって逃がすことができる。
そして、クラック10を積層セラミック素子1の内部に
入れないことにより積層セラミックコンデンサの絶縁抵
抗劣下を防ぐことができる。
【0012】この効果は、特に、温度サイクル試験によ
って裏付けられる。表1は温度サイクル試験における寿
命特性を本実施例と従来のチップ型積層セラミックコン
デンサで比較したものである。試験条件(JIS C
5102に準ずる)を以下に示す。
【0013】 最低使用温度: −55℃ 最高使用温度: 125℃ サイクル数 : 1000回 不良判定基準:絶縁抵抗の初期値からの2桁以上の劣化 サンプル数 : 100個 基板材料 :アルミニウム
【0014】
【表1】
【0015】以上から明らかなように薄板をコンデンサ
本体に密着させないで、間隙11を設けたことにより温
度サイクルに対して優れた実力を持つチップ型積層セラ
ミックコンデンサが得られる。
【0016】図3に示す実施例2は本発明の第二実施例
であり、セラミックやプラスチック等の薄板9が接着剤
6において固定されている。本実施例のチップ型積層セ
ラミックコンデンサは温度サイクル試験での寿命特性で
実施例1と同等の値を示す。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、チップ型
積層セラミックコンデンサにおいて薄板を密着させずに
設けた構造を持っているので、従来のチップ型積層セラ
ミックコンデンサが実装によって基板に固定されると
き、あるいは固定された状態で急激な温度変化の影響を
受けると基板材料、外部電極に比べてセラミック材料の
熱膨張が一桁小さいことから外部電極と積層セラミック
素子間に生じる熱応力により発生するクラックによる絶
縁抵抗の劣下を、薄板を設けたことにより間隙11にク
ラックを逃がし絶縁抵抗の劣下を防ぐ効果がある。
【0018】なお、薄板の材料としては積層セラミック
コンデンサ本体のセラミック材料と同一材料とすれば、
大きなコストアップが抑制される点で好ましい。クラッ
ク防止の意味では実装基板とコンデンサ本体との中間の
熱膨張率を有する材料が好ましい。
【0019】また、本発明は、従来のチップ型積層セラ
ミックコンデンサ製造ラインをそのまま有効に利用でき
安価な積層セラミックコンデンサを供給できるという効
果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の斜視図である。
【図2】図1の断面図である。
【図3】本発明の実施例2の断面図である。
【図4】(a)は従来のチップ型積層セラミックコンデ
ンサの断面図である。(b)は従来の金属キャップ付き
積層セラミックコンデンサの断面図である。
【図5】従来のチップ型積層セラミックコンデンサに基
板に実装したところの断面図である。
【符号の説明】
1 積層セラミック素子 2 内部電極 3 外部電極 4 導電性接着剤 5 金属キャップ 6 接着剤 7 基板 8 はんだ 9 薄板 10 クラック 11 間隙

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性の内部電極を被着形成した誘電体
    シートを内部電極取り出し部が相対向するよう複数枚交
    互に積層し、さらにその上下に保護層となる誘電体シー
    トを積層して一体化した積層セラミック素子の相対向す
    る内部電極取り出し面に外部電極を設けてなるチップ型
    積層セラミックコンデンサにおいて、すくなくともその
    実装面側に薄板が密着せずに重ね保持されていることを
    特徴とするチップ型積層セラミックコンデンサ。
  2. 【請求項2】 前記チップ型積層セラミックコンデンサ
    と前記薄板とが前記外部電極の一部によって保持されて
    いる構造を有することを特徴とする請求項1記載のチッ
    プ型積層セラミックコンデンサ。
  3. 【請求項3】 前記チップ型積層セラミックコンデンサ
    と前記薄板とが接着剤によって保持されている構造を有
    することを特徴とする請求項1記載のチップ型積層セラ
    ミックコンデンサ。
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