JPH0737449B2 - 新規ピラゾール誘導体、その製造法および農園芸用殺菌剤 - Google Patents

新規ピラゾール誘導体、その製造法および農園芸用殺菌剤

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JPH0737449B2
JPH0737449B2 JP26661187A JP26661187A JPH0737449B2 JP H0737449 B2 JPH0737449 B2 JP H0737449B2 JP 26661187 A JP26661187 A JP 26661187A JP 26661187 A JP26661187 A JP 26661187A JP H0737449 B2 JPH0737449 B2 JP H0737449B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は一般式(I) (式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基ま
たは置換フェニル基を示し、R2は低級アルキル基、ハロ
アルキル基、アルコキシ基またはアルコキシアルキル基
を示し、R3は水素原子、アルキル基、アルケニル基、フ
ェニル基または複素芳香族基を示す) で表わされるピラゾール誘導体、その製造法およびそれ
らを有効成分として含有する農園芸用殺菌剤に関するも
のである。
〔従来技術〕
従来より農園芸上有用な有機合成化合物は多くの研究が
なされており、生理活性を示す化合物が多数見出され、
実用に供されている。アミド系化合物についてもきわめ
て多数の活性化合物を見出されており、除草剤あるいは
殺菌剤として使用されている化合物もある。例えば置換
ベンズアミド誘導体として、除草剤としてはエチルN−
ベンゾイル−N−(3,4−ジクロロフェニル)−2−ア
ミノプロピオネート(ベンゾイルプロップエチル)、殺
菌剤としては2−メチル−(3−イソプロポキシフェニ
ル)ベンズアミド(メプロニル)などが知られている。
またピラゾール系化合物としては除草活性を示す化合物
が知られている。たとえば4−(2,4−ジクロロベンゾ
イル)−1,3−ジメチル−5−(p−トルエンスルホニ
ルオキシ)ピラゾール(ピラゾレート)、あるいは4−
(2,4−ジクロロベンゾイル)−5−ベンゾイルエトキ
シ−1,3−ジメチルピラゾール(ピラゾキシフェン)は
水田用除草剤として国内では広く利用されている。殺菌
作用のある化合物としてはオーストラリアン ジャーナ
ル オブ ケミストリー(Aust.J.Chem.)第36巻135−4
7ページ(1983年)およびアグリカルチュラルバイオロ
ジカル ケミストリー(Agr,Biol.Chem.)第48巻45−50
ページ(1984年)によれば1,3−ジメチルピラゾールカ
ルボキシアニリド誘導体がリゾクトニア ソラニに対し
て弱い殺菌作用を示し、またそれによって引き起こされ
るワタ苗立枯れ病に対しても防除効果を示すことが記載
されている。しかし、これら1,3−ジメチルピラゾール
カルボキシアニリド誘導体の作用は既に一般的に知られ
ているメプロニル等カルボキシアニリド系化合物と同様
に担子菌類のみに活性を示すようである。
さらに複素環を有する置換アシルアミノアセトニトリル
誘導体としては特開昭57-167978号公報に除草剤および
殺菌剤が開示されているが、作物に対し薬害を示し問題
がある。該公開公報にはアシル既としては、ヘテロサイ
クリルカルボニル基は4−ピリジルカルボニル基、2−
フリルカルボニル基、5−エチニルカルボニル基、2−
チエニルカルボニル基、ベンゾ(b)フラン−2−イル
カルボニル基が開示されているに過ぎない。
従来、農園芸用殺菌剤としては様々の化学構造を有する
化合物が実用に供されており、それら合成化合物の植物
病害虫防除、ひいては農業の発展に果たした役割は計り
知れないものがある。しかし、それら従来の合成化合物
として決して十分な防除作用、あるいは安全性をもつと
は言いがたい薬剤も見受けられるのも事実である。例え
ば、各種作物の疫病およびべと病に対してはカプタホ
ル、TPN、キャプタンあるいはジチオカーバメート系薬
剤が広く一般に使用され、作物増産に寄与してきた。し
かしこれらの化合物はいずれも疫病およびべと病に対し
て予防的な効果が主であり、治療的な効果は全く期待で
きない。その為、病害の発生が認められたときには既に
十分な効果が期待できないという大きな欠点を有してい
る。実現に作物病害防除の為の薬剤散布を考えると多か
れ少なかれ病害発生後に散布することになり、これらの
化合物は防除効果を示す濃度も極めて高く、防除薬剤の
安全使用の面からも問題視されているし、また魚類に対
する毒性も無視できない薬剤も見受けられる。こうした
点を改良すべく新たな防除剤の研究が鋭意続けられ、例
えば藻菌類に対する病害防除剤として現在では治療効果
にも優れた効果を示すN−フェニルアラニンエステル誘
導体、例えばメタラキシル〔N−(2,6−ジメチルフェ
ニル)−(2−メトキシアセチル)アラニンメチルエス
テル〕等が開発され、世界的に実用に供されつつある。
しかしこれらN−フェニルアラニンエステル誘導体は既
にその薬剤耐性菌の発生による殺菌剤の防除効果の低下
が問題視されている。
〔本発明が解決しようとする課題〕
本発明は上に記載した従来技術の欠点を克服し、農園芸
用殺菌剤として優れた特性を有する化合物、その製造法
およびそれらを有効成分とする植物病害の防除剤を提供
することを課題とする。つまり、農園芸用殺菌剤として
は各種作物の疫病、べと病等に対しては予防的、治療的
効果の両方を合わせもつ優れた防除効果を有する適用範
囲の広い化合物、または栽培植物に対しては薬害を示さ
ず、温血動物、あるいは魚類に対する毒性も少ない化合
物を提供すること、およびより簡易、かつ高収率なそれ
らの製造法、およびそれらを含有する有用な農薬組成物
を提供することを課題とする。
〔問題点を解決するための手段および作用〕
前記課題を解決するためアルシルアミノアセトニトリル
誘導体について鋭意研究した結果、それらのピラゾール
誘導体が、前記従来技術からは全く予測することのでき
ない生理活性を有するものであり、農園芸用殺菌剤とし
て優れた幅広い植物病害防除効果を有し、特に各種作物
の疫病、べと病等に対しては予防的にもまた、病害に感
染した後の治療的にも優れた防除効果を示すことおよび
作物に対する薬害も少なく魚毒性も低い優れた化合物で
あることを見出し本発明を完成した。
すなわち、本発明は一般式(I) (式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基ま
たは置換フェニル基を示し、R2は低級アルキル基、ハロ
アルキル基、アルコキシ基またはアルコキシアルキル基
を示し、R3は水素原子、アルキル基、アルケニル基、フ
ェニル基または複素芳香族基を示す) で表わされるピラゾール誘導体である。
本発明に係るピラゾール誘導体およびそれらの生理活性
については前記従来技術には開示も示唆もない。本発明
に係る一般式(I)で表わされるピラゾール誘導体は新
規な化合物である。
さらに前記一般式(I)で表されるピラゾール誘導体の
製造法についても鋭意検討した結果、高収率で目的物を
得る方法を見出し本発明を完成した。
すなわち、本発明は係るピラゾール誘導体の製造法は一
般式(II) (式中、R1およびR2は前記の意味を示す) で表わされる1,3−ジ置換ピラゾール−5−カルボン酸
クロリドと一般式(III) (式中、R3は前記の意味を示す) で表わされるアミノアセトニトリル類またはその塩とを
反応させることを特徴とする一般式(I)で表わされる
ピラゾール誘導体の製造法である。
以下に製造法についてさらに詳しく述べる。
本発明において用いられる1,3−ジ置換ピラゾール−5
−カルボン酸クロリド類(II)はオーストラリアン・ジ
ャーナル・オブ・ケミストリー(Aust.J.Chem.)36巻、
135ページ(1983年)に記載された方法に従い、反応図
式Aに示した経路でメチルヒドラジンとアシルピルビン
酸エステルから容易に製造することができる。またはベ
リヒテデル ドイッチェン ヘミッシェン ゲゼルシャ
フト(Berichte Der Deutschen Chemischen Ge−sellsc
haft)59巻、601ページ(1926年)に記載されている方
法に従い、反応図式Aに示したもう一つの経路でヒドラ
ジンとアシルピルビン酸エステルからも容易に製造する
ことができる。
(式中、Rは低級アルキル基を示す) また、アミノアセトニトリル類(III)は、反応図式B
に示した、いわゆるシュトレッカー反応またはシアンヒ
ドリンのアミノ化により容易に得ることができる。
(式中、R3は前記の意味を示す) すなわち、一般式(IV)で示されるアルデヒド類シアン
化水素(V,M=H)またはシアン化アルカリ金属(V,M=
アルカリ金属)、およびアンモニアまたは塩化アンモニ
ウムとを水中または水と有機溶剤の二層系中で反応させ
ることにより容易に得られる。この場合アルデヒド類
(IV)、シアン化物(V)およびアンモニアまたは塩化
アンモニウムを加える順序はいずれの組合わせでも可能
である。この反応は層間移動触媒を加えるとさらに効率
良く進行する場合が多い。またマンデロニトリルの場合
はメタクリレート中アンモニウムを吹き込むことにより
容易に得ることができる。得られたアミノアセトニトリ
ル類の中には不安定なものもあるため、直ちに次の工程
へ供することが望ましいが、鉱酸塩とすると安定な固体
となり、長期間保存することも可能である。
次に一般式(I)で表わされる本発明化合物の製造方法
を反応図式Cにより説明する。
本反応に不活性な溶媒中にアミノアセトニトリル類(II
I)を溶解し、当量またはやや過剰の塩基を加えたのち
ピラゾールカルボン酸クロリド類を徐々に滴下する。な
おアミノアセトニトリル類の塩を用いた場合はそれを中
和するに必要な塩基を追加する。不活性溶媒としてはジ
エチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒド
ロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ベンゼン、トル
エン、キシレン、リグロイン等の炭化水素類;ジクロロ
メタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化
水素類;酢酸エチル、プロピオン酸エチル等のエステル
類;N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、1,3−ジメチルイミダゾリジノン等の非プロトン性
極性溶媒などが挙げられる。また、ピリジンは上記の塩
基と溶媒をかねて使用することができる。塩基の例には
例えばトリエチルアミン、ジメチルアニリン、ピリジン
等の有機塩基;アンモニア、炭酸カリウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化
カルシウム、炭酸アンモニウム等の無機塩基が挙げられ
るが、こらに限定されるものではない。反応温度は0〜
100℃の間にあり、好ましくは0〜30℃である。本反応
は発熱反応であるのでピラゾールカルボン酸クロリド類
(II)を滴下する間は氷水浴で冷却し、発熱を制御する
ことが望ましい。滴下終了後は反応を完結させるため氷
水浴を除去して室温で攪拌を続ける。反応時間は反応温
度により異なるが、通常0.5〜4時間の範囲である。反
応終了後、常法に従い反応粗製物を得た後カラムクロマ
トグラフィ、または再結晶等の方法によって容易にピラ
ゾール誘導体を単離および精製することが可能である。
さらに、本発明は本発明に係る前記一般式(I)で表わ
されるピラゾール誘導体を有効成分として含有すること
を特徴とする農園芸用殺菌剤を提供するものである。本
発明化合物を農園芸用殺菌剤として使用する場合は広い
範囲の植物病害に対して防除効果を示すが、特に藻菌類
によってひきおこされる各種作物の疫病およびべと病に
有効である。主な防除対象病害としてはジャガイモ疫
病、トマト疫病、タバコ疫病、イチゴ疫病、アズキ茎疫
病、ブドウべと病、キュウリべと病、ホップべと病、シ
ュンギクべと病、あるいはアファノミセス属菌、ピシウ
ム属菌等による各種作物苗立枯病が挙げられる。
本発明化合物の施用方法として種子消毒、茎葉散布、土
壌処理等が挙げられるが、通常当業者を利用するどのよ
うな施用方法にても十分な効力を発揮する。施用量およ
び施用濃度は対象作物、対象病害、病害の発生程度、化
合物の剤型、施用方法および各種環境条件等によって変
動するが、散布する場合にはアール当り2〜100gが適当
であり、好ましくはアール当り5〜50gである。散布濃
度としては5〜500ppmが適当であり、望ましくは20〜20
0ppmである。
本発明の農園芸用殺菌剤は他の殺菌剤や殺虫剤、除草
剤、植物成長調節剤等の農薬、土壌改良剤または肥効性
物質との混合使用は勿論のこと、これらとの混合製剤も
可能である。
本発明の化合物は、そのまま施用してもよいが固体また
は液体の希釈剤を包含する担体と混合した組成物の形で
施用するのが好ましい。ここでいう担体とは、処理すべ
き部位へ有効成分の到達を助け、また有効成分化合物の
貯蔵、輸送、取扱いを容易にするために配合される合成
または天然の無機または有機物質を意味する。
適当な固体担体としてはモンモリロナイト、カオリナイ
トなどの粘度類;ケイソウ土、白土、タルク、バーミキ
ュライト、石膏、炭酸カルシゥム、シリカゲル、硫安な
どの無機物質;大豆粉、鋸屑、小麦粉などの植物性有機
物質および尿素などが挙げられる。
適当な液体担体としてはトルエン、キシレン、クメンな
どの芳香属炭化水素類;ケロシン、鉱油などのパラフィ
ン系炭化水素類;四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロ
エタンなどのハロゲン化炭化水素類;アセトン、メチル
エチルケトンなどのケトン類;ジオキサン、テトラヒド
ロフランなどのエーテル類;メタノール、プロパノー
ル、エチレングリコールなどのアルコール類;ジメチル
ホルムアミド;ジメチルスルホキシド;、水などが挙げ
られる。
さらに本発明化合物の効力を増強するために、製剤の剤
型、適用場面等を考慮して目的に応じてそれぞれ単独
に、または組合わせて以下のような助剤を使用すること
もできる。
乳化、分散、拡展、湿潤、結合、安定化等の目的ではリ
グニンスルホン酸塩などの水溶性塩基、アルキルベンゼ
ンスルホン酸塩等のアニオン界面活性剤;アルキル硫酸
エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポ
リオキシアルキレンアルキルアリールエーテル、ポリオ
キシアルキレンアルキルアミン、ポリオキシアルキレン
アルキルアミド、ポリキシアルキレンアルキルチオエー
テル、ポリキシアルキレン脂肪酸エステル、グリセリン
脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキ
シアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシプ
ロピレンポリオキシエチレンブロックポリマー等の非イ
オン性界面活性剤;ステアリン酸カルシウム、ワックス
等の滑剤;イソプロピルヒドロジエンホスフェート等の
安定剤;その他メチルセルロース;カルボキシメチルセ
ルロース;カゼイン;アラビアゴム等が挙げられる。し
かし、これらの成分は以上のものに限定されるものでは
ない。
本発明化合物の組成物の有効成分量は、通常粉剤では0.
5〜20重量%、乳剤では5〜20重量%、水和剤では10〜9
0重量%、粒剤では0.1〜20重量%、フロワブル剤では10
〜90重量%である。
〔実施例〕 本発明に係る一般式(I)で表わされるピラゾール誘導
体の製造方法を合成例を挙げて具体的に説明する。
合成例1 2−(1,3−ジメチルピラゾール−5−イルカルボニル
アミノ)−4−メチル−3−ペンテンニトリル(化合物
番号−1)の合成 塩化アンモニウム8.3g、シアン化ナトリウム5.0gを水50
mlに溶解し、これにエチルエーテル15ml、28%アンモニ
ア水8.0mlを加えた。この混合物を氷浴にて5℃に冷却
し、攪拌下に3−メチル−2−ブテナール7.0gを滴下
し、さらに同温度で24時間攪拌した。反応終了後、エー
テル層を分液し、水層を三度エーテルで抽出した後エー
テル層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥した。エーテル
層を減圧下に濃縮し、残渣にエチルエーテル100mlを加
え0〜5℃に冷却した。次いでトリエチルアミン4.2gを
加えた後、攪拌下に1,3−ジメチルピラゾール−5−カ
ルボン酸クロリド3.9gを徐々に加えた。滴下後さらに一
時間同温度で攪拌を続けた。析出したトリエチルアミン
塩酸塩を濾別し、濾液を減圧下蒸留して溶媒を除去し
た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精
製した。ベンゼン−酢酸エチル系より溶出し、所望の2
−(1、3−ジメチルピラゾール−5−イルカルボニル
アミノ)−4−メチル−3−ベンテンニトリル3.7gを得
た。収率64.6% m.p.92.5〜94.0℃ 合成例2 α−(1,3−ジメチルピラゾール−5−イルカルボニル
アミノ)−(2−チエニル)アセトニトリル(化合物番
号−2)の合成 塩化アンモニウム10.0g、シアン化ナトリウム6.0gを水5
0mlに溶解し、これにエチルエーテル15ml、28%アンモ
ニア水9.5ml、トリエチルベンジルアンモニウムクロリ
ド1.0gを加えた。氷浴にて5℃に冷却し、攪拌下に2−
チオフェンアルデヒド11.2gを滴下し、さらに同温度で2
4時間攪拌した。反応終了後、エーテル層を分液し、水
層を三度エーテルで抽出した後エーテル層を合わせ、硫
酸ナトリウムで乾燥した。エーテル層を減圧下に濃縮
し、残渣にエチルエーテル100mlを加え0〜5℃に冷却
した。次いでトリエチルアミン4.2gを加えた後、攪拌下
に、1,3−ジメチルピラゾール−5−カルボン酸クロリ
ド3.9gを徐々に加えた。滴下後さらに1時間室温で攪拌
を続けた。析出したトリエチルアミン塩酸塩を濾別し、
濾液を減圧下蒸留して溶媒を除去した。残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィにより精製した。ベンゼン−
酢酸エチル系より溶出し、所望のα−(1,3−ジメチル
ピラゾール−5−イルカルボニルアミノ)−(2−チエ
ニル)アセトニトリル4.1gを得た。
収率63.8% m.p.111〜112℃ 合成例3 α−(1,3−ジメチルピラゾール−5−イルカルボニル
アミノ)−(3−チエニル)アセトニトリル(化合物番
号−3)の合成 塩化アンモニウム10.0g、シアン化ナトリウム6.0g、28
%アンモニア水80mlの混合物を氷浴にて5℃に冷却し、
攪拌下に3−チオフェンアルデヒド11.2gとメタノール4
0mlの混合物を滴下した。さらに5〜10℃の範囲で7時
間攪拌した。反応終了後、反応液に水40mlを加え、エー
テルで三度抽出した後エーテル層を合わせ、硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。エーテル層を減圧下に濃縮し、残渣に
エチルエーテル100mlを加え0〜5℃に冷却した。次い
でトリエチルアミン4.2gを加えた後、攪拌下に1,3−ジ
メチルピラゾール−5−カルボン酸クロリド3.9gを徐々
に加えた。滴下後さらに1時間同温度で攪拌を続けた。
析出したトリエチルアミン塩酸塩を濾別し、濾液を減圧
下蒸留して溶媒を除去した。残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィにより精製した。ヘキサン−酢酸エチル
系より抽出し、所望のα−(1,3−ジメチルビニルピラ
ゾール−5−イルカルボニルアミノ)−(3−チエニ
ル)アセトニトリル3.9gを得た。
収率61.0% m.p.107.5〜109.0℃ 合成例4 α−(1,3−ジメチルピラゾール−5−イルカルボニル
アミノ)−(2−フリル)アセトニトリル(化合物番号
−4)の合成 塩化アンモニウム8.3g、シアン化ナトリウム5.0gを水50
mlに溶解し、これにエチルエーテル15ml、28%アンモニ
ア水8ml、トリエチルベンジルアンモニウムブロミド1.0
gを加えた。氷浴にて5℃に冷却し、攪拌下に2−フリ
ルアルデヒド8.0gを滴下し、さらに同温度で25時間攪拌
した。反応終了後、エーテル層を分液し、水相を三度エ
ーテルで抽出した後エーテル層を合わせ、硫酸ナトリウ
ムで乾燥した。エーテル層を減圧下に濃縮し、残渣に酢
酸エチルエステル100mlを加え0〜5℃に冷却した。次
いでトリエチルアミン4.2gを加えた後、攪拌下に1,3−
ジメチルピラゾール−5−カルボン酸クロリド3.9gを徐
々に加えた。滴下後さらに2時間同温度で攪拌を続け
た。水50mlを加え、析出したトリエチルアミン塩酸塩を
溶解した。酢酸エチル層を分液し、水洗、硫酸ナトリウ
ムで乾燥した。酢酸エチル層を減圧下蒸留して溶媒を除
去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィによ
り精製した。ヘキサン−酢酸エチル系より溶出し、所望
のα−(1,3−ジメチルピラゾール−5−イルカルボニ
ルアミノ)−(2−フリル)アセトニトリル4.1gを得
た。
収率68.3% m.p.105〜106℃ 合成例5 α−(1,3−ジメチルピラゾール−5−イルカルボニル
アミノ)−(2−フリル)アセトニトリル(化合物番号
−5)の合成 5−1.α−(2−フリル)−アミノアセトニトリル塩酸
塩の合成 フルフラール250gに酢酸ナトリウム0.1gを加え、氷浴に
て0.5℃に冷却した。攪拌下に内温が10℃を超えないよ
うに注意しながら、約3時間を要してHCN145mlを滴下
し、さらに12時間、同温度で攪拌を続けた。反応終了
後、室温にて窒素ガスを導入し、過剰のHCNを追い出
し、粗α−シアノフルフリルアルコールを得た。メタノ
ール1,000mlを−5℃に冷却し、アンモニアガスを導入
飽和させ、同温度にて攪拌下に、先に調製したα−シア
ノフルフリルアルコールのメタノール溶液300mlを滴下
した。滴下終了後さらに同温度でアンモニアガスを3時
間導入した。減圧下に溶媒を留去し、残渣にエチルエー
テル2,000mlを加え、攪拌しながら塩化水素ガスを導入
した。析出した結果を濾別し、エチルエーテルにて洗浄
の後乾燥した。所望のα−(2−フリル)−アミノアセ
トニトリル塩化塩を230g得た。
収率61.2% m.p.145〜152℃(分解) 5−2.α−(1,3−ジメチルピラゾール−5−イルカル
ボニルアミノ)−(2−フリル)アセトニトリルの合成 α−(2−フリル)−アミノアセトニトリル塩酸塩3.18
gを酢酸エチルエステル100mlに懸濁し、氷冷下にトリエ
チルアミン4.5gを加えた。次いで0〜5℃で攪拌下に1,
3−ジメチルピラゾール−5−カルボン酸クロリド3.82g
を徐々に加えた。滴下後さらに2時間室温で攪拌を続け
た。水50mlを加え、析出したトリエチルアミン塩酸塩を
溶解した。酢酸エチル層を分液し、水洗、硫酸ナトリウ
ムで乾燥した。酢酸エチル層を減圧下蒸留して溶媒を除
去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィによ
り精製した。ヘキサン−酢酸エチル系より溶出し、所望
のα−(1,3−ジメチルピラゾール−5−イルカルボニ
ルアミノ)−(2−フリル)アセトニトリル4.2gを得
た。
収率85.5% m.p.105.0〜106.0℃ 合成例6 2−(1,3−ジメチルピラゾール−5−イルカルボニル
アミノ)−ペンタンニトリル(化合物番号−5)の合成 塩化アンモニウム7.9g、シアン化ナトリウム6.6g、28%
アンモニア水47ml、メタノール23mlの混合物に攪拌下、
n−ブチルアルデヒド3.6gとメタノール10mlの混合物を
25〜30℃の範囲で滴下し、さらに同温度で5時間攪拌し
た。反応終了後、水100mlに排出し、エーテルで三度抽
出した後エーテル層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し
た。エーテル層を減圧下に濃縮し、残渣にエチルエーテ
ル100mlを加え、0〜5℃に冷却した。次いでトリエチ
ルアミン4.2gを加えた後、攪拌下に1,3−ジメチルピラ
ゾール−5−カルボン酸クロリド3.9gを徐々に加えた。
滴下後さらに一時間同温度で攪拌を続けた。析出したト
リエチルアミン塩酸塩を濾別し、濾液を減圧下蒸留して
溶媒を除去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトフラ
フィにより精製した。ヘキサン−酢酸エチル系より溶出
し、所望の2−(1,3−ジメチルピラゾール−5−イル
カルボニルアミノ)−ペンタンニトリルを油状物として
4.1g得た。
収率75.6% 合成例7 α−(1,3−ジメチルピラゾール−5−イルカルボニル
アミノ)−フェニルアセトニトリル(化合物番号−6)
の合成 マンデロニトリル1.6gをメタノール30mlに溶解し、攪拌
下に原料のマンデロニトリルが消失するまでアンモニア
ガスを吹き込んだ。反応物を減圧下に濃縮し、残渣にエ
チルエーテル50mlを加え、次いでトリエチルアミン2.5g
を加えた。氷浴にて5℃に冷却し、攪拌下に1,3−ジメ
チルピラゾール−5−カルボン酸クロリド1.6gを徐々に
加えた。滴下後さらに1時間同温度で攪拌を続けた。析
出したトリエチルアミン塩酸塩を濾別し、濾液を減圧下
蒸留して溶媒を除去した。残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィにより精製した。ヘキサン−酢酸エチル系
より溶出し、所望のα−(1,3−ジメチルピラゾール−
5−イルカルボニルアミノ)−フェニルアセトニトリル
1.7gを得た。
収率67.0% m.p.135〜136℃ 次に本発明に係る一般式(I)で表わされるピラゾール
誘導体の代表例を物性値とともに表−1に示す。
原料として用いた1,3−ジアルキルピラゾール−5−カ
ルボン酸クロライドは“オーストラリアン ジャーナル
オブ ケミストリー”(Aust.J.Chem.)、第36巻、13
5〜147頁(1983)に記載されている方法を参考にして
α,γ−ジケトエステルをアルキルヒドラジンと反応さ
せて得られた1,3−ジアルキルピラゾール−5−カルボ
ン酸エステルを常法により加水分解し、1,3−ジアルキ
ルピラゾール−5−カルボン酸とした後、常法に従って
酸クロライドとした。以下参考例により1,3−ジアルキ
ルピラゾール−5−カルボン酸エステルの合成法を示
す。
参考例 1,3ジメチルピラゾール−5−カルボン酸エステルの合
成 エタノール150mlの中にアセトピルビン酸53gを加え、氷
浴にて5℃に冷却する。攪拌下にメチルヒドラジン16.8
gを内温5〜10℃の範囲内で滴下する。その後70〜80℃
で1.0時間攪拌を続け反応を終了した。反応物を室温ま
で冷却し減圧下に溶媒を除去した。得られた残渣をカラ
ムクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン−酢酸
エチル系より溶出させ、所望の1,3−ジメチルピラゾー
ル−5−カルボン酸エステルを25.6g得た。
収率42.3% δ CDCl3 TMS 1.46(3H,t,J=7.0Hz),2.38(3H,s),4
18(3H,s),4.39(2H,g,J=7.0Hz),6.65(1H,s) 以下、同様にして本発明に用いる他のピラゾールカルボ
ン酸エステルも合成した。
上記の方法で得られるエステル類を常法により加水分解
し、対応するカルボン酸とした。
このようにして得られるピラゾール−5−カルボン酸類
の代表例を表−2に物性値とともに示す。
次に本発明に係る農園芸用殺菌剤を製剤例により説明す
る。
有効成分化合物は前記表−1の化合物番号で示す。
「部」は「重量部」を表わす。
製剤例1 粉剤 化合物(1):3部、ケイソウ土:20部、白土:30部および
タルク:47部を均一に粉砕混合して、粉剤100部を得た。
製剤例2 水和剤 化合物(2):30部、ケイソウ土:47部、白土:20部、リ
グニンスルホン酸ナトリウム:1部およびアルキルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム:2部を均一に粉砕混合して水和
剤100部を得た。
製剤例30 粒剤 化合物(4):1部、ベントナイト:78部、タルク:20部お
よびリグニンスルホン酸ナトリウム:1部を混合し、適量
の水を加えて混練した後、押し出し造粒機を用いて通常
の方法により造粒し乾燥後、粒剤100部を得た。
製剤例4 粒剤 化合物(3):5部、ポリエチレングリコールノニルフェ
ニルエーテル:1部、ポリビニルアルコール:3部およびク
レー:91部を均一混合し、加水造粒後、乾燥し粒剤100部
を得た。
製剤例5 粉剤 化合物(6):2部、炭酸カルシウム:40部およびクレー:
58部を均一に混合し、粉剤100部を得た。
製剤例6 水和剤 化合物(5):50部、タルク:40部、ラウリルリン酸ナト
リウム:5部およびアルキルナフタレンスルホン酸ナトリ
ウム:5部を混合し、水和剤100部を得た。
製剤例7 水和剤 化合物(1):50部、リグニンスルホン酸ナトリウム:10
部、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム:5部、ホ
ワイトカーボン:10部およびケイソウ土:25部を混合粉砕
し、水和剤100部を得た。
製剤例8 乳剤 化合物(1):15部、テトラヒドロフラン:10部、キシレ
ン:55部およびソルポール(東邦化学製界面活性剤)20
部を均一に溶解混合し、乳剤100部を得た。
製剤例9 フロワブル剤 化合物(6):40部、カルボキシメチルセルロース:3
部、リグニンスルホン酸ナトリウム:2部、ジオクチルス
ルホサクシネートナトリウム塩:1部及び水54部をサンド
グラインダーで湿式粉砕し、フロワブル剤100部を得
た。
次に本発明化合物の農園芸用殺菌剤としての効力を試験
例によって説明する。なお、試験例において以下の化合
物を対照として用いた。
対照化合物 A:α−(2,6−ジクロロピリジン−4−イルカルボニル
アミノ)−2−フリルアセトニトリル B:α−(2−フリルカルボニルアミノ)−(2−フリ
ル)アセトニトリル C:4−(2,4−ジクロロベンゾイル)−5−ベンゾイルメ
トイキシ−1,3−ジメチルピラゾール〔ピラゾキシフェ
ン〕 D:ジンクエチレンビス(ジチオカーバメート)〔ジネ
ブ〕 E:テトラクロロイソフタロニトリル〔TPN〕 対照化合物AおよびBは前出特開昭57-167978号公報に
記載の化合物、Cは水田用除草剤として市販の、またD
およびEはジャガイモ疫病、キュウリベと病等の防除剤
として市販の薬剤である。
試験例1 ジャガイモ疫病防除試験(予防効果)温室内
でポットに育成したジャガイモ(品種:男爵、草丈25cm
程度)に所定濃度の薬剤(供試化合物を前記製剤例7の
方法に準じて水和剤を調製し、これを水で所定濃度に希
釈したもの)をスプレーガン(1.0Kg/cm2)を使用して
3鉢当り50ml散布し風乾した。予めジャガイモ切片上に
て7日間培養したジャガイモ疫病菌より遊走子浮遊液を
調製した。この浮遊液を薬剤散布したジャガイモ植物体
上に噴霧接種し、被検植物を17〜19℃、湿度95%以上で
6日間保った後、病斑の形成程度を調査した。
各葉ごとに病斑面積割合を観察評価し発病度指数を求
め、それぞれの区について次式により罹病度を求めた。
なお、評価基準は次のとうりである。
発病程度指数0:病斑面積割合 0% 〃 1: 〃 1〜5% 〃 2: 〃 6〜25% 〃 3: 〃 26〜50% 〃 4: 〃 51%以上 n0:発病程度指数 0 の葉数 n1: 〃 1 〃 n2: 〃 2 〃 n3: 〃 3 〃 n4: 〃 4 〃 N=n0+n1+n2+n3+n4 結果を表−3に示した。
試験例2 ジャガイモ疫病防除試験(治療効果) 温室内でポットに育成したジャガイモ(品種:男爵、草
丈25cm程度)に予めジャガイモ切片上にて7日間培養し
たジャガイモ疫病菌より遊走子浮遊液を調製し、噴霧接
種した。20時間17〜19℃に保ったのち、所定濃度の薬剤
(供試化合物を前記製剤例8の方法に準じて水和剤を調
製し、これを水で所定濃度に希釈したもの)をスプレー
ガン(1.0Kg/cm2)を使用して3鉢当り50ml散布し風乾
した。再び17〜19℃、湿度95%以上に6日間保った後、
病斑の形成程度を調査した。
評価基準および罹病度表示方法は試験例1に示したとう
りである。
結果を表−4に示した。
試験例3 キュウリべと病防除試験(予防効果) 温室内でポットに育成したキュウリ(品種:相模半白、
本葉2枚展開、2〜3本植え)に所定濃度の薬剤(供試
化合物を前記製剤例8の方法に準じて水和剤を調製し、
これを水で所定濃度に希釈したもの)をスプレーガン
(1.0Kg/cm2)を使用して3鉢当り30ml散布し風乾し
た。べと病に罹病したキュウリ葉病斑部よりべと病菌を
採取し、脱塩水で胞子浮遊液を調製し、それを噴霧接種
した。接種したポットは直ちに18〜20℃、湿度95%以上
の状態に24時間保ったのち、温室(室温18〜27℃)に移
し、7日後、病斑の形成程度を調査した。
評価基準および罹病度表示方法は試験例1に示したとう
りである。
結果を表−5に示した。
試験例4 キュウリべと病防除試験(治療効果) 試験例3で用いたものと同様のキュウリにキュウリべと
病菌胞子浮遊液を調製し、噴霧接種した。接種したポッ
トは直ちに18〜20℃、温度95%以上の状態に24時間保っ
たのちに所定濃度の薬剤(供試化合物を前記製剤例7の
方法に準じて水和剤を調製し、これを水で所定濃度に希
釈したもの)をスプレーガン(1.0Kg/cm2)を使用して
3鉢当り30ml散布し風乾した。さらにそのポットを温室
(室温18〜27℃)に移し、7日後、病斑の形成程度を調
査した。
評価基準および罹病度表示方法は試験例1に示したとう
りである。
結果を表−6に示した。
試験例5 トマト疫病防除試験(土壌灌注処理) 温室内でポットに育成したトマト(品種:世界一、草丈
20cm程度)のポット(直径7.5cm)の株元に所定量の薬
剤(供試化合物を前記製剤例7の方法に準じて水和剤を
調製し、これを水で290ppmの濃度に希釈したもの)をピ
ペットを使用して1鉢当り2mlを灌注し、5日間温室内
に保った。予めジャガイモ切片上にて7日間培養したト
マト疫病菌より遊走子浮遊液を調製した。この浮遊液を
薬剤処理したトマト植物体上に噴霧接種し、被検植物を
17〜19℃、湿度95%以上で6日間保った後、病斑の形成
程度を調査した。
評価基準および罹病度表示方法は試験例1に示したとう
りである。
結果を表−7に示した。
表−3ないし表−7に示した結果より本発明化合物群は
ジャガイモ疫病、トマト疫病、キュウリべと病等、藻菌
類が引き起こす植物病害に対して散布のみならず、土壌
灌注処理でも高い防除効果を示していることは明らかで
ある。また本発明化合物群と比較的類似していると考え
られる対照化合物A、BあるいはCがこれら病害に対し
て極めて弱い防除効果しか示さないか、あるいは全く防
除効果を示さないこととは対照的である。またこれらの
植物病害に対して現在市販され、広く用いられているジ
ンクエチレンビス(ジチオカーバメート)あるいはテト
ラクロロイソフタロニトリルが上記試験例に示すように
本発明化合物群が防除効果を示すように低薬量では効果
を示さないにもかかわらず、本発明化合物群は低薬量で
予防効果を示し、かつ上記2薬剤のもたない治療効果お
よび土壌灌注処理による防除効果も合わせもっているこ
とは明らかである。
〔発明の効果〕
以上の説明より明らかなように、本発明に掛かるピラゾ
ール誘導体は農園芸用殺菌剤として各種作物の藻菌類に
よる各種病害に対して、従来の市販薬剤では効果が期待
できないような低薬量、低濃度で優れた防除効果を有す
る。また治療効果を有することから作物が罹病した後に
薬剤散布しても防除効果が期待できるため、本発明化合
物により農園芸作物の病害防除体系を大きく変える事が
でき、栽培者にとって大きな省力化となることは明らか
である。このように本発明に係るピラゾール誘導体を含
有する農薬は農園芸用殺菌剤として優れた特性を具備し
有用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 405/12 231 409/12 231

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) (式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基ま
    たは置換フェニル基を示し、R2は低級アルキル基、ハロ
    アルキル基、アルコキシ基またはアルコキシアルキル基
    を示し、R3は水素原子、アルキル基、アルケニル基、フ
    ェニル基または複素芳香族基を示す) で表わされるピラゾール誘導体。
  2. 【請求項2】一般式(I)において、R1およびR2がメチ
    ル基であり、R3がn−プロピル基、2−メチル−1−プ
    ロペニル基、フェニル基、チエニル基またはフリル基で
    ある特許請求の範囲第(1)項記載の化合物。
  3. 【請求項3】一般式(II) (式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基ま
    たは置換フェニル基を示し、R2は低級アルキル基、ハロ
    アルキル基、アルコキシ基またはアルコキシアルキル基
    を示す) で表わされる1,3−ジアルキルピラゾール−5−カルボ
    ン酸クロリドと一般式(III) (式中、R3は水素原子、アルキル基、アルケニル基、フ
    ェニル基または複素芳香族基を示す) で表わされるアミノアセトニトリル類またはその塩とを
    反応させることを特徴とする一般式(I) (式中、R1、R2およびR3は前記の意味を示す) で表わされるピラゾール誘導体の製造法。
  4. 【請求項4】一般式(I) (式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基ま
    たは置換フェニル基を示し、R2は低級アルキル基、ハロ
    アルキル基、アルコキシ基またはアルコキシアルキル基
    を示し、R3は水素原子、アルキル基、アルケニル基、フ
    ェニル基または複素芳香族基を示す) で表わされるピラゾール誘導体を含有することを特徴と
    する農園芸用殺菌剤。
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