JPH0759559B2 - 新規ピラゾ−ル誘導体、その製造法および農園芸用殺菌剤 - Google Patents

新規ピラゾ−ル誘導体、その製造法および農園芸用殺菌剤

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JPH0759559B2
JPH0759559B2 JP2623787A JP2623787A JPH0759559B2 JP H0759559 B2 JPH0759559 B2 JP H0759559B2 JP 2623787 A JP2623787 A JP 2623787A JP 2623787 A JP2623787 A JP 2623787A JP H0759559 B2 JPH0759559 B2 JP H0759559B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は一般式(I) (式中、Xはハロゲン原子、メチル基、メトキシ基、メ
チルチオ基、トリフルオロメチル基またはメチレンジオ
キシ基を示し、nは0〜2の整数を表わす。) で表わされるピラゾール誘導体、その製造法およびそれ
らを有効成分として含有する農園芸用殺菌剤に関するも
のである。
〔従来技術〕
従来より農園芸上有用な有機合成化合物は多くの研究が
なされており、生理活性を示す化合物が多数見出され、
実用に供されている。本発明化合物の骨格に含まれるア
ミド系化合物としてもきわめて多数の活性化合物が見出
されており、除草剤、あるいは殺菌剤として使用されて
いる化合物もある。例えば置換ベンズアミド誘導体とし
て、除草剤としてはエチル−N−ベンゾイル−N−(3,
4−ジクロロフェニル)−2−アミノプロピオネート
(ベンゾイルプロップエチル)、殺菌剤としては2−メ
チル−N−(3−イソプロポキシフェニル)ベンズアミ
ド(メプロニル)などが知られている。またピラゾール
系化合物としては除草活性を示す化合物が知られてい
る。例えばp−トルエンスルホン酸4−(2,4−ジクロ
ロベンゾイル)−1,3−ジメチルピラゾール−5−イル
(ピラゾレート)、あるいは4−(2,4−ジクロロベン
ゾイル)−5−ベンゾイルメトキシ−1,3−ジメチルピ
ラゾール(ピラゾキシフェン)は水田用除草剤として国
内では広く利用されている。殺菌作用のある化合物とし
ては、オーストラリアン ジャーナル オブ ケミスト
リー(Aust.J.Chem.),第36巻,135−47ページ(1983
年)およびアグリカルチュラル バイオロジカル ケミ
ストリー(Agr.Biol.Chem.),第48巻,45−50ページ(1
984年)によれば1,3−ジメチルピラゾールカルボキシア
ニリド誘導体がリゾクトニア ソラニに対して弱い殺菌
作用を示し、またそれによって引き起こされるワタ苗立
枯れ病に対しても防除効果を示すことが記載されてい
る。しかし、これら1−メチルピラゾールカルボキシア
ニリド誘導体の作用は既に一般的に知られているメプロ
ニル等カルボキシアニリド系化合物と同様に担子菌類の
みに活性を示すようである。
さらに、本発明に係る化合物と近縁のフェニルアセトニ
トリル誘導体としては、ブュレティン オブ ザ ケミ
カル ソサイエティ オブ ジャパン(Bull.Chem.Soc.
Japan),第41巻,1372ページ(1968年)およびブュレテ
ィン デ ラ ソシエテ シミーク デ フランセ(Bu
ll.Soc.Chim.Fr.),1184ページ(1956年)によればα−
(ベンゾイルアミノ)フェニルアセトニトリル誘導体が
化学合成の原料として記載されているがその生物活性に
ついては触れられていない。
従来、農園芸用殺菌剤としては様々の化学構造を有する
化合物が実用に供されており、それら合成化合物の植物
病害防除、ひいては農業の発展に果たした役割は計り知
れないものがある。しかし、それら従来の合成化合物と
て決して充分な防除作用あるいは安全性をもつとは言い
がたい薬剤も見受けられるのも事実である。例えば、各
種作物の疫病およびべと病に対してはカプタホル、TP
N、キャプタンあるいはジチオカーバメート系薬剤が広
く一般に使用され、作物増産に寄与してきた。しかしこ
れらの化合物はいずれも疫病およびべと病に対して予防
的な効果が主であり、治療的な効果は全く期待できな
い。その為、病害の発生が認められたときには既に十分
な効果が期待できないという大きな欠点を有している。
現実に作物病害防除の為の薬剤散布を考えると多かれ少
なかれ病害発生後に散布することになり、これらの化合
物では完全な病害防除は困難である。またこれら化合物
は防除効果を示す濃度も極めて高く、防除薬剤の安全使
用からも問題視されているし、また魚類に対する毒性も
無視できない薬剤も見受けられる。こうした点を改良す
べく新たな防除剤の研究が鋭意続けられ、例えば藻菌類
に対する疾病防除剤として現在では治療効果にも優れた
効果を示すN−フェニルアラニンエステル誘導体、例え
ばメタラキシル〔N−(2,6−ジメチルフェニル)−N
−(2′−メトキシアセチル)アラニンメチルエステ
ル〕等が開発され、世界的に実用に供されつつある。し
かし、これらN−フェニルアラニンエステル誘導体は既
にその薬剤耐性菌の発生による殺菌剤の防除効果の低下
が問題視されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は上に記載した従来技術の欠点を克服し、農園芸
用殺菌剤として優れた特性を有する化合物、その製造法
およびそれらを有効成分とする有害微生物防除剤を提供
することを課題とする。つまり、農園芸用殺菌剤として
は各種作物の疫病、べと病等に対して予防的、治療的効
果の両方を合わせ持つ優れた防除効果を有する適用範囲
の広い、また栽培植物に対しては薬害を示さない化合
物、また混血動物、あるいは魚類に対する毒性もない化
合物を提供すること、およびより簡易、かつ高収率なそ
れらの製造法、およびそれらを含有する有用な農薬組成
物を提供することを課題とする。
〔課題を解決するための手段および作用〕
前記課題を解決するためアシルアミノアセトニトリル誘
導体について鋭意研究した結果、本発明に示すピラゾー
ル誘導体が、前記従来技術からは全く予測することので
きない生理活性を有するものであり、農園芸用殺菌剤と
して優れた幅広い植物病害防除効果を有し、特に各種作
物の疫病、べと病等に対しては予防的にもまた、病害に
感染した後の治療的にも優れた防除効果を示すこと、ま
た作物に対する薬害も少なく魚毒性も低い優れた化合物
であることを見出し本発明を完成した。
すなわち、本発明は一般式(I) (式中、Xはハロゲン原子、メチル基、メトキシ基、メ
チルチオ基、トリフルオロメチル基またはメチレンジオ
キシ基を示し、nは0〜2の整数を表わす。) で表わされるピラゾール誘導体である。
本発明に係るピラゾール誘導体およびそれらの生理活性
については前記従来技術には開示も示唆もない。本発明
に係る一般式(I)で表わされるピラゾール誘導体は新
規な化合物である。
本発明はさらに前記一般式(I)で表わされるピラゾー
ル誘導体の製造法についても鋭意検討した結果、高収率
で目的物を得る方法を見出し本発明を完成した。
すなわち、本発明に係るピラゾール誘導体の製造法は次
式(II) で表わされる1,3−ジメチルピラゾール−4−カルボン
酸クロリドと一般式(III) (式中、Xおよびnは前記の意味を示す) で表わされるアミノアセトニトリル類またはその塩類と
を反応させることを特徴とする一般式(I)で表わされ
るピラゾール誘導体の製造法である。
以下に製造法についてさらに詳しく述べる。
本発明において用いられる1,3−ジメチルピラゾール−
4−カルボン酸クロリド(II)はオーストラリアン ジ
ャーナル オブ ケミストリー(Aust.J.Chem.),第36
巻、135ページ(1983年)に記載された方法に従い、反
応図式Aに示した経路でメチルヒドラジンとアセトピル
ビン酸エチルから容易に製造することができる。またベ
リヒテデル ドイッチェン ヘミッシェン ケゼルシャ
フト(Berichte der Deutschen Chemishen Gesellschaf
t),第59巻、601ページ(1926年)に記載されている方
法に従い、反応図式Aに示したもう一つの経路でヒドラ
ジンとアセトピルビン酸エチルからも容易に製造するこ
とができる。
またアミノアセトニトリル類(III)は反応図式Bに示
した、いわゆるシュトレッカー反応またはシアンヒドリ
ンのアミノ化により容易に得ることができる。
すなわちベンズアルデヒド類(IV)をシアン化水素
(V、M=H)またはシアン化アルカリ金属(V、M=
アルカリ金属)、およびアンモニアまたは塩化アンモニ
ウムとを水または水と有機溶剤の二層系中で反応させる
ことにより容易に得られる。この場合ベンズアルデヒド
類(IV)、シアン化物(V)、およびアンモニアまたは
塩化アンモニウムを加える順序はいずれの組合わせでも
可能である。この反応は層間移動触媒を加えるとさらに
効率良く進行する場合が多い。またマンデロニトリルの
場合はメタノール中アンモニアを吹き込むことにより容
易に得ることができる。
得られたアミノアセトニトリル類の中には不安定なアミ
ノアセトニトリル類もあるため、直ちに次の工程へ供す
ることが望ましいが、鉱酸塩とすると安定な固体とな
り、長期間保存することも可能である。
次に反応図式Cにより一般式(I)で表わされる本発明
化合物の製造方法を説明する。
本反応に不活性な溶媒中にアミノアセトニトリル類(II
I)を溶解し、当量またはやや過剰の塩基を加えた後、
1,3−ジメチル−4−ピラゾールカルボン酸クロリド(I
I)を徐徐に滴下する。なおアミノアセトニトリル類の
塩を用いた場合はそれを中和するに必要な塩基を追加す
る。不活性溶媒としてはジエチルエーテル、ジイソプロ
ピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエ
ーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、リグロイン
等の炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩
化炭素等のハロゲン化炭化水素類;酢酸エチル、プロピ
オン酸エチル等のエステル類、N,N−ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチルイミダゾ
リジノン等の非プロトン性極性溶媒が挙げられる。ま
た、ピリジンは上記の塩基と溶媒を兼ねて使用すること
ができる。塩基としては、例えばトリエチルアミン、ジ
メチルアニリン、ピリジン等の有機塩基およびアンモニ
ア、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウムおよび炭酸ア
ンモニウムなどの無機塩基が挙げられるが、これらに限
定されるものではない。反応温度は0〜100℃の間にあ
り、好ましくは0〜30℃である。本反応は発熱反応であ
るのでピラゾールカルボン酸クロリド類(II)を滴下す
る間は氷水浴で冷却し、発熱を制御することが望まし
い。滴下終了後は反応を完結させるための氷水浴を除去
して室温で撹拌を続ける。反応時間は反応温度により異
なるが、通常0.5〜4時間の範囲である。反応終了後、
常法に従い反応粗製物を得た後、カラムクロマトグラフ
ィーまたは再結晶等の方法によって容易にピラゾール誘
導体を単離および精製することが可能である。
さらに、本発明は本発明に係る前記一般式(I)で表わ
されるピラゾール誘導体を有効成分として含有すること
を特徴とする農園芸用殺菌剤を提供するものである。
本発明化合物を農園芸用殺菌剤として使用する場合は、
広い範囲の植物病害に対して防除効果を示すが、特に藻
菌類によって惹き起こされる各種作物の疫病およびベと
病に有効である。主な防除対象病害としてはジャガイモ
疫病、トマト疫病、タバコ疫病、イチゴ疫病、アズキ茎
疫病、ブドウべと病、キュウリべと病、ホップべと病、
シュンギクべと病あるいはアファノミセス属菌、ピシウ
ム属菌等による各種作物苗立枯病が挙げられる。
本発明化合物の施用方法としては種子消毒、茎葉散布、
土壌処理等が挙げられるが、通常当業者が利用するどの
ような施用方法でも十分な効力を発揮する。施用量およ
び施用濃度は対象作物、対象病害、病害の発生程度、化
合物の剤型、施用方法および各種環境条件等によって変
動するが、散布する場合にはアール当り5〜200gが適当
であり、望ましくはアール当り10〜100gである。散布濃
度としては10〜500ppmが適当であり、望ましくは20〜20
0ppmである。
本発明の農園芸用殺菌剤は他の殺菌剤や殺虫剤、除草
剤、植物成長調節剤等の農薬、土壌改良剤または肥効性
物質との混合使用は勿論のこと、これらとの混合製剤も
可能である。
本発明の化合物は、そのまま施用してもよいが固体また
は液体の希釈剤を包含する担体と混合した組成物の形で
施用するのが好ましい。ここでいう担体とは、処理すべ
き部位への有効成分の到達を助け、また有効成分化合物
の貯蔵、輸送、取扱いを容易にするために配合される合
成または天然の無機または有機物質を意味する。
適当な固体担体としてはモンモリロナイト、カオリナイ
トなどの粘土類;ケイソウ土、白土、タルク、バーミキ
ュライト、石膏、炭酸カルシウム、シリカゲル、硫安な
どの無機物質;大豆粉、鋸屑、小麦粉などの植物性有機
物質;および尿素などが挙げられる。
適当な液体担体としてはトルエン、キシレン、クメンな
どの芳香族炭化水素類;ケロシン、鉱油などのパラフィ
ン系炭化水素類;四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロ
エタンなどのハロゲン化炭化水素類;アセトン、メチル
エチルケトンなどのケトン類;ジオキサン、テトラヒド
ロフランなどのエーテル類;メタノール、プロパノー
ル、エチレングリコールなどのアルコール類;ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシド、水などが挙げら
れる。
さらに本発明化合物の効力を増強するために、製剤の剤
型、適用場面等を考慮して目的に応じてそれぞれ単独
で、または組合わせて以下のような補助剤を使用するこ
ともできる。
乳化、分散、拡展、湿潤、結合、安定化等の目的ではリ
グニンスルホン酸塩などの水溶性塩基、アルキル硫酸エ
ステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩等のアニオン界
面活性剤;ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポ
リオキシアルキレンアルキルアリールエーテル、ポリオ
キシアルキレンアルキルアミン、ポリオキシアルキレン
アルキルアミド、ポリオキシアルキレンアルキルチオエ
ーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ソルビ
タン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリ
オキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキ
シプロピレンポリオキシエチレンブロックポリマー等の
非イオン性界面活性剤;ステアリン酸カルシウム、ワッ
クス等の滑剤;イソプロピルヒドロジエンホスフェート
等の安定剤;その他メチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース、カゼイン、アラビアゴム等が挙げられ
る。しかし、これらの成分は以上のものに限定されるも
のではない。
本発明化合物の組成物の有効成分量は、通常粉剤では0.
5〜20重量%、乳剤では5〜20重量%、水和剤では10〜9
0重量%、粒剤では0.1〜20重量%、フロワブル剤では10
〜90重量%である。
〔実施例〕
次に本発明に係る一般式(I)で表わされるピラゾール
誘導体の製造方法を合成例を挙げて具体的に説明する。
合成例1. α−(1,3−ジメチルピラゾール−4−イルカルボニル
アミノ)フェニルアセトニトリルの合成(化合物番号−
1) α−アミノ−フェニルアセトニトリル3gおよびピリジン
2.3gを酢酸エチル20mlに溶解し、この液に1,3−ジメチ
ルピラゾール−4−カルボン酸クロリド3gを含む酢酸エ
チル20mlを室温でかきまぜながら徐々に加えた。滴下後
さらに30分同温度でかきまぜ反応を続けた結果、反応液
を水洗し、有機層を分液して、硫酸ナトリウムで乾燥
後、減圧下蒸留して溶媒を除去した。残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィーにより精製した。酢酸エチル
−クロロホルム系より溶出し、所望のα−(1,3−ジメ
チルピラゾール−4−イルカルボニルアミノ)フェニル
アセトニトリル3.6gを得た。
収率75% m.p.165〜166℃ 合成例2. α−(1,3−ジメチルピラゾール−4−イルカルボニル
アミノ)−(3−クロロフエニル)アセトニトリルの合
成(化合物番号−6) α−アミノ−(3−クロロフェニル)アセトニトリル1.
7gおよびピリジン1.2gを酢酸エチル10mlに溶解し、この
液に1,3−ジメチルピラゾール−4−カルボン酸クロリ
ド1.6gを含む酢酸エチル10mlを室温でかきまぜながら徐
々に加えた。滴下後さらに30分同温度でかきまぜ反応を
続けた後、反応液を水洗し、有機層を分液して、硫酸ナ
トリウムで乾燥後、減圧下蒸留して溶媒を除去した。残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し
た。酢酸エチル−クロロホルム系より溶出し、所望のα
−(1,3−ジメチルピラゾール−4−イルカルボニルア
ミノ)−(3−クロロフェニル)アセトニトリル2.2gを
得た。
収率76% m.p.155〜157℃ 合成例3. α−(1,3−ジメチルピラゾール−4−イルカルボニル
アミノ)−(2−メチルフエニル)アセトニトリルの合
成(化合物番号−9) α−アミノ(2−メチルフェニル)アセトニトリル1.5g
およびピリジン1.2gを酢酸エチル10mlに溶解し、この液
に1,3−ジメチルピラゾール−4−カルボン酸クロリド
1.6gを含む酢酸エチル10mlを室温でかきまぜながら徐々
に加えた。滴下後さらに30分同温度でかきまぜ反応を続
けた後、反応液を水洗し、有機層を分液して、硫酸ナト
リウムで乾燥後、減圧下蒸留して溶媒を除去した。残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し
た。酢酸エチル−クロロホルム系より溶出し、所望のα
−(1,3−ジメチルピラゾール−4−イルカルボニルア
ミノ)−(2−クロロフェニル)アセトニトリル2.1gを
得た。
収率78% m.p.181〜183℃ なお、原料として用いた1,3−ジメチルピラゾール−4
−カルボン酸クロリドはオーストラリアン ジャーナル
オブ ケミストリー(Aust.J.Chem.),第36巻、135
〜147ページ(1983)に記載の方法に準じて1,3−ジメチ
ルピラゾール−4−カルボン酸を合成し、得られたカル
ボン酸を常法に従って一般式(II)で表わされる酸クロ
リドとして用いた。なお、1,3−ジメチルピラゾール−
4−カルボン酸は再結晶することなく、そのまま常法に
従って酸クロリドとした後、一般式(III)と反応させ
て得られた粗製物をカラムクロマトグラフィー精製する
事により、所望する一般式(I)の化合物を得ることが
できる。
本発明に係る一般式(I)で表わされるピラゾール誘導
体の代表例を物性値とともに表−1に示す。
次に本発明の農園芸用殺菌剤の製造法を製剤例により説
明する。
有効成分化合物は前記表−1の化合物番号で示す。
「部」は「重量部」を表わす。
製剤例1 粉剤 化合物(1):3部、ケイソウ土:20部、白土:30部および
タルク:47部を均一に粉砕混合して、粉剤100部を得た。
製剤例2 水和剤 化合物(2):30部、ケイソウ土:46部、白土:20部、リ
グニンスルホン酸ナトリウム:2部およびアルキルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム:2部を均一に粉砕混合して水和
剤100部を得た。
製剤例3 粒剤 化合物(3):5部、ポリエチレングリコールノニルフェ
ニルエーテル:1部、ポリビニルアルコール:3部およびク
レー:91部を均一混合し、加水造粒後、乾燥し粒剤100部
を得た。
製剤例4 水和剤 化合物(5):50部、タルク:40部、ラウリルリン酸ナト
リウム:5部、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウ
ム:5部を混合し、水和剤100部を得た。
製剤例5 水和剤 化合物(1):50部、リグニンスルホン酸ナトリウム:10
部、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム:5部、ホ
ワイトカーボン:10部、ケイソウ土:25部を混合粉砕し、
水和剤100部を得た。
製剤例6 乳剤 化合物(1):15部、テトラヒドロフラン:10部、キシレ
ン:55部およびソルポール(東邦化学製界面活性剤)20
部を均一溶解混合し、乳剤100部を得た。
製剤例7 フロワブル剤 化合物(6):40部、カルボキシメチルセルロース:3
部、リグニンスルホン酸ナトリウム:2部、ジオクチルス
ルホサクシネートナトリウム塩:1部および水54部をサン
ドグラインダーで湿式粉砕し、フロワブル剤100部を得
た。
次に本発明化合物の農園芸用殺菌剤としての効力を試験
例によって説明する。なお、試験例において以下の化合
物を対照として用いた。
対照化合物 A:α−(フェニルカルボニルアミノ)フェニルアセトニ
トリル B:α−(4−メチルフェニルカルボニルアミノ)フェニ
ルアセトニトリル C:4−(2,4−ジクロロベンゾイル)−5−ベンゾイルメ
トキシ−1,3−ジメチルピラゾール〔ピラゾキシフェ
ン〕 D:ジンクエチレンビス(ジチオカーバメート)〔ジネ
ブ〕 E:テトラクロロイソフタロニトリル〔TPN〕 対照化合物AおよびBは前出のブュレティン デ ラ
ソシエテ シミーク デ フランセ(Bull.Soc.chim.F
r.)に記載の化合物であり、DおよびEはジャガイモ疫
病、シュウリべと病等の防除剤として、Cは水田用除草
剤として市販の薬剤である。
試験例1 ジャガイモ疫病用防除試験(予防効果) 温室内でポットに育成したジャガイモ(品種:男爵、草
丈25cm程度)に所定濃度の薬剤(供試化合物を前記製剤
例4の方法に準じて水和剤を調整し、これを水で所定濃
度に希釈したもの)をスプレーガン(1.0Kg/cm2)を使
用して3鉢当り50ml散布し風乾した。予めジャガイモ切
片上で7日間培養したジャガイモ疫病菌より遊走子浮遊
液を調製した。この浮遊液を薬剤散布したジャガイモ植
物体上に噴霧接種し、被検植物を17〜19℃、湿度95%以
上で6日間保った後、病斑の形成程度を調査した。
各葉ごとに病斑面積割合を観察評価し発病度指数を求
め、それぞれの区について次式より罹病度を求めた。
なお、評価基準は次のとおりである。
発病程度指数 0:病斑面積割合 0% 〃 1: 〃 1〜5% 〃 2: 〃 6〜25% 〃 3: 〃 26〜50% 〃 4: 〃 51%以上 n0:発病程度指数0の葉数 n1: 〃 1 〃 n2: 〃 2 〃 n3: 〃 3 〃 n4: 〃 4 〃 N=n0+n1+n2+n3+n4 結果を表−2に示した。
試験例2 キュウリべと病防除試験 温室内でポットに育成したキュウリ(品種:相模半白、
本葉2枚展開、2〜3本植え)に所定濃度の薬剤(供試
化合物を前記製剤例4の方法に準じて水和剤を調整し、
これを水で所定濃度に希釈したもの)をスプレーガン
(1.0Kg/cm2)を使用して3鉢当り30ml散布し風乾し
た。べと病に罹病したキュウリ葉病斑部よりべと病菌を
採取し、脱塩水で胞子浮遊液を調製し、それを噴霧接種
した。接種したポットは直ちに18〜20℃、湿度95%以上
の状態に24時間保ったのち、温度(室温18〜27℃)に移
し、7日後、病斑の形成程度を調査した。
評価基準および罹病度表示方法は試験例1に示したとう
りである。
結果を表−3に示した。
表−2ないし表−3に示した結果より本発明化合物群は
ジャガイモ疫病、トマト疫病、キュウリべと病等、藻菌
類が引き起こす植物病害に対して高い防除効果を示して
いることは明らかである。また本発明化合物群と比較的
類似していると考えられる対照化合物A、B、あるいは
Cがこれら病害に対して極めて弱い防除効果しか示さな
いか、あるいは全く防除効果を示さないこととは対照的
である。また、これらの植物病害に対して現在市販さ
れ、広く用いられているジンクエチレンビス(ジチオカ
ーバメート)あるいはテトラクロロイソフタロニトリル
が上記試験例に示すように本発明化合物群が防除効果を
示すような低薬量では効果を示さないにもかかわらず、
本発明化合物群は低薬量で予防効果を示し、植物病害防
除剤として極めて有用であることは明らかである。
〔発明の効果〕
以上の説明より明らかなように、本発明に係るピラゾー
ル誘導体は農園芸用殺菌剤として各種作物の藻菌類によ
る各種病害に対して、従来の市販薬剤では効果が期待で
きないような低薬量、低濃度で優れた防除効果を有す
る。このように本発明に係るピラゾール誘導体を含有す
る農薬は農園芸用殺菌剤として優れた特性を具備し有用
である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) (式中、Xはハロゲン原子、メチル基、メトキシ基、メ
    チルチオ基、トリフルオロメチル基またはメチレンジオ
    キシ基を示し、nは0〜2の整数を表わす。) で表わされるピラゾール誘導体。
  2. 【請求項2】一般式(I)においてnが0である特許請
    求の範囲第(1)項記載の化合物。
  3. 【請求項3】式(II) で表わされる1,3−ジメチルピラゾール−4−カルボン
    酸クロリドと一般式(III) (式中、Xはハロゲン原子、メチル基、メトキシ基、メ
    チルチオ基、トリフルオロメチル基またはメチレンジオ
    キシ基を示し、nは0〜2の整数を表わす。) で表わされるアミノアセトニトリル類またはその塩類と
    を反応させることを特徴とする一般式(I) (式中、Xおよびnは前記の意味を示す)で表わされる
    ピラゾール誘導体の製造法。
  4. 【請求項4】一般式(I) (式中、Xはハロゲン原子、メチル基、メトキシ基、メ
    チルチオ基、トリフルオロメチル基またはメチレンジオ
    キシ基を示し、nは0〜2の整数を表わす。) で表わされるピラゾール誘導体を含有することを特徴と
    する農園芸用殺菌剤。
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