JPH0655703B2 - α−アシルアミノ−(1−シアノエトキシ)アセトニトリル誘導体、その製造法およびそれらを有効成分とする農園芸用殺菌剤 - Google Patents

α−アシルアミノ−(1−シアノエトキシ)アセトニトリル誘導体、その製造法およびそれらを有効成分とする農園芸用殺菌剤

Info

Publication number
JPH0655703B2
JPH0655703B2 JP3256685A JP3256685A JPH0655703B2 JP H0655703 B2 JPH0655703 B2 JP H0655703B2 JP 3256685 A JP3256685 A JP 3256685A JP 3256685 A JP3256685 A JP 3256685A JP H0655703 B2 JPH0655703 B2 JP H0655703B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
cyanoethoxy
acylamino
parts
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP3256685A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS61194058A (ja
Inventor
良典 田中
一也 逆井
河野  敏之
清一 渡辺
黄一 竹内
均 下鳥
俊一 稲見
Original Assignee
三井東圧化学株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 三井東圧化学株式会社 filed Critical 三井東圧化学株式会社
Priority to JP3256685A priority Critical patent/JPH0655703B2/ja
Publication of JPS61194058A publication Critical patent/JPS61194058A/ja
Publication of JPH0655703B2 publication Critical patent/JPH0655703B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は一般式(I) (式中、Rはハロゲン原子、低級アルキル基、低級ハロ
アルキル基、低級アルコキシ基、メチレンジオキシ基、
ニトロ基またはシアノ基を示し、nは1ないし5の整数
を示し、nが2以上の整数を示す場合はRは同一でも異
つてもよい) で表わされるα−アシルアミノ−(1−シアノエトキ
シ)アセトニトリル誘導体,その製造法およびこれを有
効成分として含有する農園芸用殺菌剤に関するものであ
る。
〔従来技術〕
ラクトニトリル誘導体の農園芸用殺菌剤としての利用は
これまで例がなく、一方農園芸上有用なアミド誘導体は
非常に多くの研究がなされており、特徴ある生理活性を
示す化合物が多数見出され、実用に供されている。例え
ば置換ベンズアミド誘導体として、除草剤としてはエチ
ル−N−ベンゾイル−N−(3,4−ジクロロフェニル)
−2−アミノプロピオネート(ベンゾイルプロップエチ
ル)、殺菌剤としては2−メチル−N−(3−イソプロ
ポキシフェニル)ベンズアミド(メプロニル)などが知
られている。またアミド置換アセトニトリル誘導体とし
ては特開昭57-167978号、57-176938号および58-69866号
公報に除草剤および殺菌剤が開示されている。その中で
特開昭57-176938号公報においてはアルコキシアセトニ
トリル誘導体が開示されているが、(1−シアノエトキ
シ)アセトニトリル誘導体について何ら記載はない。
また特開昭57-176938号公報においては、アルコキシア
セトニトリル誘導体の殺菌剤および除草剤としての用途
について触れられている。
特開昭57-176938号公報記載の化合物は、殺菌剤として
はブドウべと病、トマト疫病に効果を示すとされてい
る。各種作物の疫病およびべと病に対してはカプタホ
ル、TPN、キャプタン、あるいはジチオカーバメート系
薬剤が広く一般に使用され、作物増産に寄与してきた。
しかしこれらの化合物はいずれも疫病およびべと病に対
して予防的な効果が主であり、治療的な効果は全く期待
できない。その為、病害の発生が認められたときには既
に十分な効果が期待できないという大きな欠点を有して
いる。現実に作物病害防除の為の薬剤散布を考えると多
かれ少かれ病害発生後に散布することになり、これらの
化合物では完全な病害防除は困難である。こうした点を
改良すべく新たな防除剤の研究が鋭意続けられ現在では
治療効果にも優れた効果を示すN−フェニルアラニンエ
ステル誘導体、例えばメタラキシル〔N−(2,6−ジメ
チルフェニル)−N−(2′−メトキシアセチル)アラ
ニンメチルエステル〕等が開発され、世界的に実用に供
されつつある。しかしこれらN−フェニルアラニンエス
テル誘導体は既にその耐性菌が問題視されている。
〔発明が解決しようとする課題〕 本発明は上に記載した従来技術の欠点を克服し、農園芸
用殺菌剤として極めて優れた特性を有効成分化合物、そ
の製造法およびそれらを有効成分とする有害微生物防除
剤を提供することを課題とする。
つまり、殺菌剤として各種植物の疫病、べと病等に対し
ては予防的、治療的効果の両方を合せもち、また各種植
物の苗立枯病等土壌病害に対しても優れた防除効果を有
し、かつ薬害も少なく、魚毒性も低い、適用病害の範囲
の広い化合物を提供することを課題とする。
〔課題を解決するための手段および作用〕
前記課題を解決するためアミド置換アセトニトリル誘導
体について鋭意研究した結果、ラクトニトリル誘導体で
あるα−アシルアミノ−(1−シアノエトキシ)アセト
ニトリル誘導体が、前記特許例示化合物からは全く予測
することのできない生理活性を有するものであり、殺菌
剤としては各種植物の疫病、べと病等に対しては予防
的、治療的効果の両方を合わせもち、また各種植物の苗
立枯病等土壌病害に対しても優れた防除効果を示すこと
を見出し、本発明を完成させた。
本発明に係るα−アシルアミノ−(1−シアノエトキ
シ)アセトニトリル誘導体は、一般式(I) (式中、Rはハロゲン原子、低級アルキル基、低級ハロ
アルキル基、低級アルコキシ基、メチレンジオキシ基、
ニトロ基またはシアノ基を示し、nは1ないし5の整数
を示し、nが2以上の整数を示す場合はRは同一でも異
つてもよい) で表わされる新規な化合物である。
本発明はさらに前記一般式(I)で表わされるα−アシル
アミノ−(1−シアノエトキシ)アセトニトリル誘導体
の製造法をも提供する。すなわち一般式(II) (式中、Rおよびnは前記の意味を示す) で表わされる酸クロリドとアミノアセトニトリルとを反
応させて一般式(III) (式中、Rおよびnは前記の意味を示す) で表わされるアシルアミノアセトニトリルを得、これを
ハロゲン化剤で処理して一般式(IV) (式中、Rおよびnは前記の意味を示し、Xはハロゲン
原子を示す) で表わされる中間体を得、ついでこれをラクトニトリル
と反応させることを特徴とする一般式(I)で表わされる
α−アシルアミノ−(1−シアノエトキシ)アセトニト
リル誘導体の製造法を提供する。
本発明の製造法を反応図式に示し、以下に説明する。
反応図式 (式中、Rおよびnは前記の意味を示し、Xはハロゲン
原子を示す) 一般式(II)で表わされる酸クロリドとアミノアセトニト
リルとを反応させてアシルアミノニトリル(III)を得
る。これを適当な溶媒中にてハロゲン化剤で処理すると
ハロゲン化中間体(IV)を得る。これらの溶媒としてはジ
クロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,4−ジク
ロロエタン等の脂肪族ハロゲン化物、酢酸メチル、酢酸
エチル、酢酸イソプロピル、プロピオン酸エチル等の脂
肪族カルボン酸エステル類、二硫化炭素などを挙げるこ
とができるが、脂肪族カルボン酸エステル類、特に酢酸
エチルなどのエステル系溶媒を用いると良好な結果が得
られる。ハロゲン化剤としては臭素、塩素、オキシ塩化
りん、塩化スルフリル、三臭化リンなどを用いることが
できる。反応温度は0〜120℃の範囲の温度、好まし
くは室温で行なう。なお、本反応は不活性気体の雰囲気
下に反応させてもよい。ハロゲン化中間体(IV)は不安定
であるのでその調製直後に用いる。このハロゲン化化合
物(IV)をラクトニトリルと反応させる。この反応は酸受
容体の存在下で行ない得る。酸受容体の例には例えばト
リエチルアミン、ジメチルアニリン、ピリジン等の有機
塩基、アンモニア、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭
酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸アンモニウ
ムなどの無機塩基があるが、これらに限定されるもので
はない。この反応は溶剤または希釈剤中で行なうのが好
ましい。ピリジンは溶剤と酸受容体の両方として用い得
る。この反応は中間体の熱安定性がよくないため、あま
り高温下での反応は望ましくなく、また、発熱反応であ
るため冷却下に行なうことが望ましい。低温では反応中
間体が析出しやすく、反応速度が遅くなり実用的でなく
なるので−30〜50℃、好ましくは−20〜20℃で
行なうのが望ましい。かくして得た所望のα−アシルア
ミノ−(1−シアノエトキシ)アセトニトリル誘導体は
再結晶、カラムクロマトグラフィーなど常法によつて容
易に単離および精製することが可能である。
さらに本発明は本発明に係る前記一般式(I)で表わされ
るα−アシルアミノ−(1−シアノエトキシ)アセトニ
トリル誘導体を有効成分として含有することを特徴とす
る農園芸用殺菌剤を提供するものである。
本発明化合物を農園芸用殺菌剤として使用する場合は藻
菌類によつてひきおこされる各種作物の疫病およびべと
病に有効であるばかりでなく、他の種々の植物病原菌類
によつてひきおこされる病害に対しても有効である。
主な防除対象病害としてはジャカイモ疫病、トマト疫
病、タバコ疫病、イチゴ疫病、アズキ茎疫病、ブトウべ
と病、キュウリべと病、ホップべと病、シュンギクべと
病、あるいはアファノミセス属菌、ピシウム属菌等によ
る各種作物苗立枯病が挙げられる。
本発明化合物の施用方法としては種子消毒、茎葉散布、
土壌処理等があげられるが、通常当業者が利用するどの
ような施用方法にても充分な効力を発揮する。施用量お
よび施用濃度は対象作物、対象病害、病害の発生程度、
化合物の剤型、施用方法および各種環境条件等によつて
変動するが、散布する場合にはアール当り5〜200g
が適当であり、望ましくはアール当り10〜100gで
ある。散布濃度としては20〜1.000ppmが適当であり、
望ましくは50〜500ppmである。
本発明の農園芸用殺菌剤は他の生物活性を有する化合
物、たとえば他の殺菌剤や殺虫剤、除草剤、植物成長調
節剤等の農薬土壌改良剤または肥効性物質との混合使用
はもちろんのこと、これらとの混合製剤も可能である。
本発明の化合物は、そのまま施用してもよいが固体また
は液体の希釈剤を包含する担体と混合した組成物の形で
施用するのが好ましい。ここでいう担体とは、処理すべ
き部位へ有効成分の到達を助け、また有効成分化合物の
貯蔵、輸送、取扱いを容易にするために配合される合成
または天然の無機または有機物質を意味する。
適当な固体担体としてはモンモリロナイト、カオリナイ
トなどの粘土類、ケイソウ土、白土、タルク、バーミキ
ュライト、石こう、炭酸カルシウム、シリカゲル、硫安
などの無機物質、大豆粉、オガクズ、小麦粉などの植物
性有機物質および尿素などがあげられる。
適当な液体担体としてはトルエン、キシレン、クメンな
どの芳香族炭化水素、ケロシン、鉱油などのパラフィン
系炭化水素、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロエタ
ンなどのハロゲン化炭化水素、アセトン、メチルエチル
ケトンなどのケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ンなどのエーテル類、メタノール、プロパノール、エチ
レングリコールなどのアルコール類、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシド、水などがあげられる。
さらに本発明化合物の効力を増強するために、製剤の剤
型、適用場面等を考慮して目的に応じ、それぞれ単独
に、または組合わせて以下のような補助剤を使用するこ
ともできる。
乳化、分散、拡展、湿潤、結合、安定化等の目的ではリ
グニンスルホン酸塩などの水溶性塩基、アルキルベンゼ
ンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステルなどの非イオン
性界面活性剤、ステアリン酸カルシウム、ワックス等の
滑剤、イソプロピルヒドロジエンホスフェート等の安定
剤、その他メチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース、カゼイン、アラビアゴムなどがあげられる。しか
し、これらの成分は以上のものに限定されるものではな
い。
本発明化合物の組成物の有効成分量は、通常粉剤では0.
5〜20重量%、水和剤では10〜90重量%、粒剤で
は0.1〜20重量%、乳剤では5〜50重量%、フロワ
ブル剤では10〜90重量%である。
〔実施例〕
本発明に係る一般式(I)で表わされるα−アシルアミノ
−(1−シアノエトキシ)アセトニトリル誘導体の代表
例を表−1に示す。
次に、本発明化合物の製造方法を合成例をあげて具体的
に説明する。
合成例1 α−ベンゾイルアミノ−(1−シアノエトキシ)アセト
ニトリル(化合物番号−1)の合成 ベンゾイルクロリドとアミノアセトニトリルより常法に
て合成したベンゾイルアミノアセトニトリル4.0gの酢
酸エチル200m溶液に室温下、臭素40gを一度に
加えた。反応溶液中の臭素の色が消失したら反応液を0
〜5℃とし、ラクトニトリル2.2gを加えたのち、トリ
エチルアミン5.6gを滴下した。滴下終了後さらに30
分、室温下反応を続けた。トリエチルアミン臭素酸塩を
別し、液を減圧下蒸留して溶媒を除去した。残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。
ヘキサン−酢酸エチル系より溶出し、α−ベンゾイルア
ミノ−(1−シアノエトキシ)アセトニトリルを固体と
して4.2g得た。収率73.4%。
m.p.85〜87℃ 合成例2 α−(3,5−ジクロロベンゾイルアミノ)−(1−シア
ノエトキシ)アセトニトリル(化合物番号−4)の合成 3,5−ジクロロベンゾイルアミノアセトニトリル4.0gの
酢酸エチル100m溶液に室温下、臭素2.8gを一度
に加えた。反応溶液中の臭素の色が消失するまで攪拌し
たのち反応液を0〜5℃に冷却した。ラクトニトリル1.
7gを加えたのち、トリエチルアミン3.5gを滴下した。
滴下終了後さらに、氷冷下にて30分反応を続けたの
ち、水100mを加え析出したトリエチルアミン臭素
酸塩を溶解した。油層を分液し、水洗、乾燥ののち溶媒
を減圧下に留去した。残渣にエチルエーテルを加える
と、所望のα−(3,5−ジクロロベンゾイルアミノ)−
(1−シアノエトキシ)アセトニトリルが白色固体とし
て4.6g得られた。収率74.8% m.p.133〜135℃ 次に本発明の農園芸用殺菌剤の製剤法を製剤例により説
明する。
有効成分化合物は前記表−1の化合物番号で示す。
「部」は「重量部」を表す。
製剤例1 粉剤 化合物(1):3部、ケイソウ土:20部、白土:30部
およびタルク:47部を均一に粉砕混合して、粉剤10
0部を得た。
製剤例2 水和剤 化合物(2):30部、ケイソウ土:44部、白土:20
部、リグニンスルホン酸ナトリウム:1部およびアルキ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム:2部を均一に粉砕混
合して水和剤100部を得た。
製剤例3 乳剤 化合物(3):20部、シクロヘキサノン:10部、キシ
レン:50部およびソルポール(東邦化学製界面活性
剤)20部を均一に溶解混合し、乳剤100部を得た。
製剤例4 粒剤 化合物(4):1部、ベントナイト:78部、タルク:2
0部およびリグニンスルホン酸ナトリウム:1部を混合
し、適量の水を加えて混練した後、押し出し造粒機を用
いて通常の方法により造粒し乾燥後、粒剤100部を得
た。
製剤例5 粒剤 化合物(10):7部、ポリエチレングリコールノニルフェ
ニルエーテル:1部、ポリビニルアルコール:3部およ
びクレー:89部を均一混合し、加水造粒後、乾燥し粒
剤100部を得た。
製剤例6 粉剤 化合物(6):2部、炭酸カルシウム:40部およびクレ
ー:58部を均一に粉砕混合し、粉剤100部を得た。
製剤例7 水和剤 化合物(5):50部、タルク:40部、ラウリルリン酸
ソーダ:5部、アルキルナフタレンスルホン酸ソーダ:
5部を混合し、水和剤100部を得た。
製剤例8 水和剤 化合物(6):50部、リグニンスルホン酸ソーダ:10
部、アルキルナフタレンスルホン酸ソーダ:5部、ホワ
イトカーボン:10部、ケイソウ土:25部を混合粉砕
し、水和剤100部を得た。
製剤例9 フロアブル剤 化合物(7):40部、カルボキシメチルセルロース:3
部、リグニンスルホン酸ナトリウム:2部、ジオクチル
スルホサクシネートナトリウム塩:1部および水54部
をサンドグラインダーにて湿式粉剤し、フロアブル剤1
00部を得た。
次に本発明の農園芸用殺菌剤の殺菌剤としての効力を試
験例によつて説明するが、疫病およびべと病について
は、特開昭57-176938号公報に開示されている化合物の
中で、本発明に係る化合物に比較的構造が近いと思われ
る化合物アミド置換アルコキシアセトニトリル誘導体と
の比較試験を示した。
試験例1 ジャガイモ疫病防除試験(予防効果) 温室内でポットに育生したジャガイモ(品種、男シャ
ク、草丈25cm程度)に所定濃度の薬剤(供試化合物を
前記実施例1の方法にて水和剤となしこれを水で所定濃
度に希釈したもの)をスプレーガン(1.0kg/cm2)を使
用して3鉢当り50m散布し風乾した。予めジャガイ
モ切片上にて7日間培養したジャガイモ疫病菌より遊走
子のう浮遊液を調製し、更にこの浮遊液を7℃で3時間
保ち、遊走子浮遊液を調製した。この浮遊液を薬剤散布
したジャガイモ植物体上に噴霧接種し、被検植物を17
〜19℃、湿度95%以上で6日間保つた後、病斑の形
成程度を調査した。
各葉毎に病斑面積割合を観察評価し、発病度指数を求
め、それぞれの区について次式により罹病度を求めた。
なお、評価基準は次のとおりである。
発病程度指数0:病斑面積割合 0% 1: 〃 1〜 5% 2: 〃 6〜25% 3: 〃 26〜50% 4: 〃 51%以上 n0:発病程度指数0の葉数 n1: 〃 1 〃 n2: 〃 2 〃 n3: 〃 3 〃 n4: 〃 4 〃 結果を表−2に示した。
対照化合物 A:α−エトキシ−3−クロロベンゾイルアミノアセト
ニトリル B:α−エトキシ−ベンゾイルアミノアセトニトリル C:ジンクエチレンビス(ジチオカーバメート) D:テトラクロロイソフタロニトリル 対照化合物A及びBは、特開昭57-176938号公報に開示
されている化合物。C及びDはジャガイモ疫病、キュウ
リべと病防除剤として市販の薬剤。(以下の試験例にお
いて共通) 試験例2 ジャガイモ疫病防除試験(治療効果) 温室内でポットに育生したジャガイモ(品種:男シャ
ク、草丈25cm程度)に、試験例3と同様に調製したジ
ャガイモ疫病菌遊走子浮遊液を噴霧接種した。20時間
17〜19℃、湿度95%以上に保つたのち、所定濃度
の薬剤(供試化合物を製剤例2の方法に準じて水和剤を
調製し、これを所定濃度に希釈したもの)をスプレーガ
ン(1.0kg/cm2)を使用して散布した。風乾後、再び1
7〜19℃、湿度95%以上に5日間保つたのち、病斑
の形成程度を調査した。
評価基準及び罹病度表示方法は試験例3に示したとうり
である。
結果を表−3に示した。
試験例3 キュウリべと病防除試験(予防効果) 温室内でポットに育生したキュウリ(品種:相模半白、
本葉2枚展開)に所定濃度の薬剤(供試化合物を製剤例
2の方法にて水和剤となし、これを水で所定濃度に希釈
したもの)をスプレーガン(1.0kg/cm2)を使用して3
鉢当り30m散布し風乾した。べと病に罹病したキュ
ウリ葉病斑部よりべと病菌を採取し、脱塩水で胞子浮遊
液を調製しそれをスプレーし接種した。接種したポット
は直ちに18〜20℃、湿度95%以上の状態に24時
間保つたのち、温室(室温18〜27℃)に移し、7日
後、病斑の形成程度を調査した。
評価基準および罹病度表示方法は試験例1に示したとお
りである。
結果を表−4に示した。
試験例4 キュウリべと病防除試験(治療効果) 試験例5で用いたものと同様のキュウリにキュウリべと
病菌胞子浮遊液を調製し、噴霧接種した。24時間18
〜20℃、湿度95%以上に保つた後所定濃度の薬剤
(供試化合物を前記実施例1の方法にて水和剤となし、
これを水で所定濃度に希釈したもの)をスプレーガン
(1.0kg/cm2)を使用して3鉢当り30mを散布し
た。温室(温度18〜27℃)に移し、6日後、病斑の
形成程度を調査した。
評価基準および罹病度表示方法は試験例1に示したとお
りである。
結果を表−5に示した。
表2、3、4及び5に示した結果より、本発明化合物群
はジャガイモ疫病及びキュウリべと病に対して、現在市
販され広く用いられているジンクエチレンビス(ジチオ
カーバメート)、或はテトラクロロイソフタロニトリル
に比べ極めて低薬量で予防効果を示し、かつ上記2薬剤
のもたない治療効果も合わせ持つていることは明らかで
ある。
また本発明化合物群は比較的化学構造が近似していると
考えられる特開昭57-176938号公報に開示されている化
合物群、つまりα−エトキシ−3−クロロベンゾイルア
ミノアセトニトリル、或はα−エトキシ−ベンゾイルア
ミノアセトニトリル等からは予想できない優れた防除効
果を有していることは明らかである。
〔発明の効果〕
以上の説明より明らかなように、本発明に係るα−アシ
ルアミノ−(1−シアノエトキシ)アセトニトリル誘導
体は農園芸用殺菌剤として各種作物の藻菌類による各種
病害に対して、従来の市販薬剤では効果が期待できない
ような低薬量、低濃度で予防効果を示し、治療効果も合
わせ持つ優れた防除特性を有する。
また、従来アセトニトリル誘導体の製造方法として提案
されている方法はハロゲン化工程においてニトリル基の
加水分解反応が生起し、カルバモイル誘導体となるた
め、ハロゲンを例えばアルコキシル化した後、カルバモ
イル基を脱水することにより目的のアセトニトリル誘導
体を得ると言う長い工程を経なければならず、収率も低
かつた。
本発明に係るα−アシルアミノ−(1−シアノエトキ
シ)アセトニトリル誘導体の製造方法はハロゲン化工程
でニトリル基は加水分解を受けないため、得られたハロ
ゲン化中間体にそのまま反応原料を加えることにより実
質的に短い工程で容易に、かつ、高収率で目的物を得る
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 西川 和子

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) (式中、Rはハロゲン原子、低級アルキル基、低級ハロ
    アルキル基、低級アルコキシ基、メチレンジオキシ基、
    ニトロ基またはシアノ基を示し、nは1ないし5の整数
    を示し、nが2以上の整数を示す場合はRは同一でも異
    つてもよい) で表わされるα−アシルアミノ−(1−シアノエトキ
    シ)アセトニトリル誘導体。
  2. 【請求項2】一般式(II) (式中、Rはハロゲン原子、低級アルキル基、低級ハロ
    アルキル基、低級アルコキシ基、メチレンジオキシ基、
    ニトロ基またはシアノ基を示し、nは1ないし5の整数
    を示し、nが2以上の整数を示す場合はRは同一でも異
    つてもよい) で表わされる酸クロリドとアミノアセトニトリルとを反
    応させて、一般式(III) (式中、Rおよびnは前記の意味を示す) で表わされるアシルアミノアセトニトリルを得、これを
    ハロゲン化剤で処理して一般式(IV) (式中、Rおよびnは前記の意味を示し、Xはハロゲン
    原子を示す) で表わされるハロゲン化中間体を得、ついでこれをラク
    トニトリルと反応させることを特徴とする一般式(I) (式中、Rおよびnは前記の意味を示す) で表わされるα−アシルアミノ−(1−シアノエトキ
    シ)アセトニトリル誘導体の製造法。
  3. 【請求項3】一般式(I) (式中、Rはハロゲン原子、低級アルキル基、低級ハロ
    アルキル基、低級アルコキシ基、メチレンジオキシ基、
    ニトロ基またはシアノ基を示し、nは1ないし5の整数
    を示し、nが2以上の整数を示す場合はRは同一でも異
    つてもよい) で表わされるα−アシルアミノ−(1−シアノエトキ
    シ)アセトニトリル誘導体を有効成分として含有するこ
    とを特徴とする農園芸用殺菌剤。
JP3256685A 1985-02-22 1985-02-22 α−アシルアミノ−(1−シアノエトキシ)アセトニトリル誘導体、その製造法およびそれらを有効成分とする農園芸用殺菌剤 Expired - Lifetime JPH0655703B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3256685A JPH0655703B2 (ja) 1985-02-22 1985-02-22 α−アシルアミノ−(1−シアノエトキシ)アセトニトリル誘導体、その製造法およびそれらを有効成分とする農園芸用殺菌剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3256685A JPH0655703B2 (ja) 1985-02-22 1985-02-22 α−アシルアミノ−(1−シアノエトキシ)アセトニトリル誘導体、その製造法およびそれらを有効成分とする農園芸用殺菌剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS61194058A JPS61194058A (ja) 1986-08-28
JPH0655703B2 true JPH0655703B2 (ja) 1994-07-27

Family

ID=12362457

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3256685A Expired - Lifetime JPH0655703B2 (ja) 1985-02-22 1985-02-22 α−アシルアミノ−(1−シアノエトキシ)アセトニトリル誘導体、その製造法およびそれらを有効成分とする農園芸用殺菌剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0655703B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPS61194058A (ja) 1986-08-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0378383B2 (ja)
EP0171768A1 (en) Substituted propargyloxyacetonitrile derivatives, process for production thereof, and herbicide and agricultural-horticultural fungicide comprising said derivatives as active ingredients
KR900001196B1 (ko) 피라졸 유도체의 제조방법
JPH0768220B2 (ja) 新規ピラゾ−ル誘導体、その製造法およびそれらを含有する農園芸用殺菌剤
JPH0635450B2 (ja) チオシアノピリミジン誘導体、その製造法および農園芸用殺菌剤
JP2723155B2 (ja) 農園芸用殺菌剤組成物
JPH0655703B2 (ja) α−アシルアミノ−(1−シアノエトキシ)アセトニトリル誘導体、その製造法およびそれらを有効成分とする農園芸用殺菌剤
JPH0655705B2 (ja) アシルアミノバレロニトリル誘導体、その製造法およびそれらを含有する除草剤および農園芸用殺菌剤
JPH0559900B2 (ja)
KR900003390B1 (ko) 피라졸 유도체, 그의 제조방법 및 농원예용 살균제
JPS62103067A (ja) ピラゾ−ル誘導体、それらの製造法およびそれらを含有する除草剤および農園芸用殺菌剤
JPH0149344B2 (ja)
JPS62106093A (ja) N−(α−シアノフルフリル)ニコチン酸アミド誘導体、その製造法およびそれらを含有する除草剤および農園芸用殺菌剤
JP2648621B2 (ja) 農園芸用殺菌組成物
JPH0623155B2 (ja) 置換プロパルギルオキシアセトニトリル誘導体、その製造法およびそれらを含有する除草剤および農園芸用殺菌剤
JPS60228451A (ja) ジフエニルエ−テル誘導体およびこれを含有する有害生物防除剤
JPH0776202B2 (ja) アシルアミノブテニルニトリル誘導体、その製造法およびそれらを含有する除草剤および農園芸用殺菌剤
JPH04112872A (ja) イソニコチン酸アミド誘導体を有効成分とする藻菌類による植物病害防除剤
JPH0655704B2 (ja) アシルアミノプロピオニトリル誘導体、その製造法およびそれらを含有する除草剤および農園芸用殺菌剤
JPS60169405A (ja) 農園芸用殺菌剤
JPS62209056A (ja) ベンズアミド誘導体、その製造法およびそれらを含有する除草剤および農園芸用殺菌剤
JPS60255765A (ja) ピロ−ル誘導体、製造法及びそれらを含む除草及び殺菌剤
JPS61212553A (ja) アシルアミノ誘導体、その製造法およびそれらを含有する除草剤および農園芸用殺菌剤
JPS625949A (ja) アシルアミノ誘導体,その製造法およびそれらを含有する除草剤および農園芸用殺菌剤
JPH0737449B2 (ja) 新規ピラゾール誘導体、その製造法および農園芸用殺菌剤