JPH0737406B2 - 2−クロロプロピオンアルデヒドの製造方法 - Google Patents

2−クロロプロピオンアルデヒドの製造方法

Info

Publication number
JPH0737406B2
JPH0737406B2 JP61217300A JP21730086A JPH0737406B2 JP H0737406 B2 JPH0737406 B2 JP H0737406B2 JP 61217300 A JP61217300 A JP 61217300A JP 21730086 A JP21730086 A JP 21730086A JP H0737406 B2 JPH0737406 B2 JP H0737406B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
reaction
solvent
chloropropionaldehyde
rhodium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP61217300A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6372642A (ja
Inventor
博司 小野
隆晴 春日
真二 清野
Original Assignee
三井東圧化学株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 三井東圧化学株式会社 filed Critical 三井東圧化学株式会社
Priority to JP61217300A priority Critical patent/JPH0737406B2/ja
Publication of JPS6372642A publication Critical patent/JPS6372642A/ja
Publication of JPH0737406B2 publication Critical patent/JPH0737406B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、次の反応式(1) CH2=CHCl+CO+H2→CH3−CH Cl−CHO (1) に従った塩化ビニル、一酸化炭素および水素を原料とす
る2−クロロプロピオンアルデヒドの製造方法に関す
る。
2−クロロプロピオンアルデヒドは化学品および農医薬
等の有用な中間体として用いることができる。
(従来の技術) 塩化ビニル、一酸化炭素および水素を原料とする2−ク
ロロプロピオンアルデヒドの製造法は公知で、例えば、
フランス特許第1,397,779号や、ヘルベチカ・キミカ・
アクタ(HELVETICA CHIMICA ACTA),48巻,第5号,1151
頁〜1157頁に示されている。これらの方法はいずれもコ
バルトカルボニルを触媒として用い、例えば、前記フラ
ンス特許第1,397,779号によれば、反応温度110℃、反応
圧力200気圧の条件下において90分間反応を行わせ、塩
化ビニルの転化率57.4%、2−クロロプロピオンアルデ
ヒドの選択率86.2%の反応成績を得ている。
(発明が解決しようとする問題点) しかし、これらのコバルトカルボニルを触媒として用い
る方法ではコバルト当りの触媒活性は極めて低く、この
ために多量のコバルトカルボニルと160〜200気圧という
高い反応圧力を必要とする、その上に、反応温度75〜12
5℃のもとで90〜120分間にわたり反応を行わせる方法が
とられている。
目的生成物である2−クロロプロピオンアルデヒドは熱
的に不安定な物質で、このような反応温度と反応時間の
もとでは、かなりの割合が逐次反応で消費されて反応収
率を低下させるので、この方法は再現性に乏しく、更に
はこの逐次反応または他の副反応により塩化水素が副生
し、これが反応器の材料を激しく腐食する上に、コバル
トカルボニル触媒と反応して塩化コバルトとなるために
触媒の再使用にも支障をきたすという問題点を有してい
る。
(問題点を解決するための手段) 本発明者等は、これらの問題点の解決のための詳細な研
究を行った。その結果、塩化ビニル、一酸化炭素および
水素を、ロジウム化合物および塩基の存在下に反応させ
ると、従来のコバルトカルボニル触媒を用いる方法にく
らべ、より低温・低圧下で反応が進行し、かつ充分な目
的生成物への選択性が得られることを既に見出している
が、更にこの方法に関する詳細な研究を行ったところ、
反応溶媒として水に不溶性または難溶性の溶媒を用い、
反応をアルカリ水溶液による抽出下で行えば一層効率良
くこの反応が進行することを見出し本発明に至った。
即ち、本発明は、ロジウム化合物、塩基および溶媒の存
在下に、塩化ビニル、一酸化炭素および水素を反応させ
て2−クロロプロピオンアルデヒドを製造するにあた
り、溶媒として水に不溶性または難溶性の溶媒を用い、
反応をアルカリ水溶液による抽出下で行う事を特徴とす
る2−クロロプロピオンアルデヒドの製造方法である。
ここに述べる塩基とは、一般に窒素、燐または砒素など
の周期律第VB族元素を含有するルイス塩基を意味する。
また、アルカリとは、上記のルイス塩基や、アルカリ金
属化合物もしくはアルカリ土類金属化合物等の中で水中
においてpH値が7以上の値を示すブレンステッド塩基を
意味する。
本発明の方法では、塩基としては三価の有機燐化合物、
三価の有機燐化合物のオキサイドまたはpKaが3〜11の
範囲にある含窒素化合物が好ましいが、とくに、三価の
有機燐化合物または三価の有機燐化合物のオキサイドの
少なくとも一種と、pKaが3〜11の範囲にある含窒素化
合物の少なくとも一種との組合せを用いることがさらに
好ましい。本発明の方法において好ましく用いられる三
価の有機燐化合物または三価の有機燐化合物のオキサイ
ドは次のように例示される。
即ち、三価の有機燐化合物としては、一般式P(R1R
2R3)(ここに、Pは燐原子を示し、R1、R2、R3はそれ
ぞれ同一もしくは異種のアルキル、アリール、シクロア
ルキル、アルコキシ、アリールオキシまたはシクロアル
コキシ基を示す)で表わされる三価の有機燐化合物が挙
げられ、具体的には、トリメチルホスフィン、トリエチ
ルホスフィン、トリプロピルホスフィン、トリブチルホ
スフィン、トリオクチルホスフィン、トリフェニルホス
フィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリベンジル
ホスフィンなどのホスフィン類や、トリメチルホスファ
イト、トリエチルホスファイト、トリプロピルホスファ
イト、トリブチルホスファイト、トリオクチルホスファ
イト、トリフェニルホスファイト、トリシクロヘキシル
ホスファイト、トリベンジルホスファイトなどのホスフ
ァイト類があげられる。
また、ホスフィン類の特殊なものとして、上記一般式P
(R1R2R3)で表わされるもののほかに、ビスジフェニル
ホスフィノメタン、ビスジフェニルホスフィノエタンな
どのジホスフィン類や、架橋ポリスチレンに結合したホ
スフィン類等も好ましく用いられる。
また、三価の有機燐化合物のオキサイドとしてはトリエ
チルホスフィンオキサイド、トリブチルホスフィンオキ
サイド、トリオクチルホスフィンオキサイド等のアルキ
ルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキ
サイド、トリトリルホスフィンオキサイド等のアリール
ホスフィンオキサイド、もしくはアルキル基とアリール
基とを合わせもつアルキルアリールホスフィンオキサイ
ド等が例示される。またこのほか、トリエチルホスファ
イトオキサイド、トリブチルホスファイトオキサイド、
トリフェニルホスファイトオキサイド等のアルキルもし
くはアリールホスファイトオキサイド類や、アルキル基
とアリール基とを合わせもつアルキルアリールホスファ
イトオキサイド類等も用いることができる。さらには、
ビス−1,2−ジフェニルホスフィノメタンジオキサイド
などの多座ホスフィンのオキサイド等も用いることがで
きる。
また、pKaが3〜11の範囲にある含窒素化合物の例とし
ては、一般に、アミノ基を含有する化合物、例えば、脂
肪族アミン類、芳香族アミン類、ジアミン類、トリアミ
ン類、アミノアルコール類、アミノ酸類、アミド類、尿
素化合物、グアニジン類、アミジン類あるいはこれらの
化合物の窒素原子または炭素原子等にアルキル基、アリ
ール基、カルボキシル基、ヒドロキシル基またはハロゲ
ンなどの置換基の入った含窒素化合物の中で、pKaが3
〜11の範囲にある化合物が挙げられる。また、このほ
か、窒素一原子以上を含む複素環式化合物の中で、pKa
が3〜11の範囲にある化合物も好ましい。中でも、pKa
が3〜11の範囲にあるピリジン化合物、キノリン化合
物、イミダゾール化合物またはモルホリン化合物の少な
くとも一種以上であることが更に好ましい。これらの塩
基は、具体的には次のように例示される。
すなわち、ピリジン化合物としては、一般式 (式中、R1、R2、R3、R4およびR5は、それぞれ、水素、
アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、ハロゲ
ン、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、シクロアルコキシ基、カルボキシル基またはアセチ
ル基を示す)で表わされる化合物の中でpKaが3〜11の
範囲のピリジン化合物があり、これらの例としては、ピ
リジン、ピコリン、エチルピリジン、2,4−ルチジン、
α−コリジン、フェニルピリジン、シクロヘキシルピリ
ジン、ベンジルピリジン、3−ピリジノール、メトキシ
ピリジン、フェノキシピリジン、アミノピリジン等があ
る。このほか、2,2′−ビスピリジンなどの多核ピリジ
ン類もピリジン化合物の一例として挙げられる。
また、キノリン化合物の例としては、キノリンのほかに
2−メチルキノリン、4−メチキノリン、ジメチルキノ
リン、2−エチルキノリン、フェニルキノリン、メトキ
シキノリン等があり、このほか各種のイソキノリン化合
物も使用できる。
一方、イミダゾール化合物としては、一般式 (式中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ、水素、アル
キル基、アリール基またはシクロアルキル基を示し、ま
た、R3およびR4がイミダゾール環の4,5位の炭素を含む
環を形成する縮環イミダゾールを形成していてもよい)
で示される化合物の中でpKaが3〜11の範囲にあるもの
があり、これらの例としては、イミダゾール、N−メチ
ルイミダゾール、N−エチルイミダゾール、2−メチル
イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、
2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾー
ル、N−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2,4,5−
トリフェニルイミダゾール、ベンゾイミダゾール、2−
メチルベンゾイミダゾール、2−フェニルベンゾイミダ
ゾール等が挙げられる。
更に、モルホリン化合物の例としては、モルホリンのほ
かに、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリンな
どが挙げられる。
本発明の方法に用いるロジウム化合物としてはロジウム
の酸化物、鉱酸塩、有機酸塩またはロジウム錯化合物等
がある。これらの各種ロジウム化合物の中でも、特に、
ハロゲンを含まないロジウム化合物が好ましい。これら
の例としては、酸化ロジウム、硝酸ロジウム、硫酸ロジ
ウム、酢酸ロジウム、トリアセチルアセトナートロジウ
ム、ジカルボニルアセチルアセトナートロジウム、ドデ
カカルボニルテトラロジウム、ヘキサデカカルボニルヘ
キサロジウム等が挙げられ、また、これら以外に、ロジ
ウムと他の塩基とで錯化合物を形成したものも好ましく
用いられる。該塩基としては本発明の方法において好ま
しく用いられる塩基であっても良いが、他の塩基でも良
い。これらの例としては、例えば、ヒドリドカルボニル
トリストリフェニルホスフィンロジウム〔RhH(CO)(P
Ph3〕、ニトロシルトリストリフェニルホスフィン
ロジウム〔Rh(NO)(PPh3〕、η−シクロペンタジ
エニルビストリフェニルホスフィンロジウム〔Rh(C5H5
(PPh3〕等が挙げられる。
また、塩化ロジウム、臭化ロジウム、沃化ロジウムまた
はジクロロテトラカルボニルジロジウム等のハロゲン含
有ロジウム化合物を用い、反応系内にこれらのハロゲン
原子に対し等量以上のアルカリ性化合物、例えば、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、トリメ
チルアミン、トリエチルアミン等を加えることも、ハロ
ゲンを含有しないロジウム化合物を反応系内において生
成させる手段として用いることができる。
本発明の方法では、前記ロジウム化合物は、反応系内の
水に不溶性または難溶性の溶媒1リットルあたりロジウ
ム原子として、0.0001〜1000ミリグラム原子、好ましく
は、0.001〜100ミリグラム原子の範囲に相当する量で使
用される。また、本発明の方法で使用される前記塩基
は、それぞれロジウム1グラム原子に対し0.1〜500モ
ル、好ましくは0.5〜100モルの範囲で使用される。
本発明の方法は、水に不溶性または難溶性の溶媒の存在
下で行う。ここに述べる水に不溶性または難溶性の溶媒
とは、反応条件下に於いて水相への溶解度が5容量%以
下、特に好ましくは0.5容量%以下の溶解度である溶媒
を意味する。このような溶媒の中で反応に悪影響を及ぼ
さないものが好ましく用いられる。このような溶媒とし
て特に好ましいのは炭化水素類である。具体的には、ヘ
キサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等の飽和
炭化水素や、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素などが好ましく用いられ、また、炭化水素類の
混合物として工業的に得られるリグロイン、ケロシン、
軽油、ディーゼル油なども、これらの例に含まれる。こ
のほか、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテルなどの
エーテル類、ジイソブチルケトン、ホロンなどのケトン
類、酪酸ブチル、安息香酸ブチル等のエステル類なども
好ましい溶媒の例として挙げられる。
本発明の方法においては、反応をアルカリ水溶液による
抽出下で行う。アルカリ水溶液による抽出下とは、反応
時にアルカリ水溶液によって2−クロロプロピオンアル
デヒド等の反応生成物を抽出する操作を行いながら反応
を行うことを意味するが、場合によっては反応直後にこ
の操作を行い、抽出後の触媒成分を含有する水に不溶性
または難溶性の溶媒を再び反応に供する方法も含まれ
る。このような方法をとることにより反応成績が向上す
るとともに触媒を連続して再使用することができる。
本発明の方法において用いるアルカリとは、前記のルイ
ス塩基や、アルカリ金属化合物もしくはアルカリ土類金
属化合物等の中で水中においてpH値が7以上の値を示す
ブレンステッド塩基を意味するが、このような化合物と
しては、アミン類、アルカリ金属もしくはアルカリ土類
金属の酸化物、水酸化物または弱酸塩が好ましい。具体
的には、アンモニア、モノメチルアミン、ジメチルアミ
ン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルア
ミン、トリエチルアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナト
リウム、炭酸水素カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリ
ウム、水酸化カルシウム、酢酸カルシウム等が例示され
る。
本発明の方法において用いるアルカリ水溶液は、これら
のアルカリを通常0.1〜10重量%含有する水溶液である
ことが好ましい。また、本発明の方法において好ましく
用いられる。pKaが3〜11の範囲にある含窒素化合物が
水溶性の場合にはこれも上記のアルカリ水溶液に溶解し
た形で用いることが好ましい。本発明の方法において用
いる抽出用アルカリ水溶液の量は反応器容積1リットル
あたり1時間に0.1〜10リットルの範囲にあることが好
ましい。
本発明の方法は、反応を連続反応装置で行うことが好ま
しいが、この時、抽出は反応器内または反応器と別に設
けた抽出器にて行われる。
反応器内で抽出を行う場合には、反応器内に触媒成分を
含有する溶媒を仕込みこれに原料の塩化ビニルと一酸化
炭素および水素を連続的に供給する。触媒成分を含有す
る溶媒は、一定量を反応器に保持しておいて新たな触媒
の供給なしに反応を継続することができる。また、反応
器に触媒成分を含有する溶媒を連続的に供給し、これに
見合った分を連続的に反応器から抜出す方法も可能であ
る。このような方式によって反応を行いながら反応器の
上方からアルカリ水溶液を連続的に供給し2−クロロプ
ロピオンアルデヒド等の反応生成物を水相に抽出し反応
系外に取り出す。
また、抽出を反応器と別に設けた抽出器で行う場合には
反応器に触媒成分を含有する溶媒、塩化ビニル及び一酸
化炭素および水素を連続的に供給し反応器から出てくる
反応液を抽出装置の下部に設けた反応液供給口に導く。
抽出装置の上部からはアルカリ水溶液を連続して供給し
2−クロロプロピオンアルデヒド等の反応生成物を水相
に抽出し、一方、反応液は反応器にリサイクルして再使
用に供される。
本発明の方法は、通常、反応温度20〜150℃、反応圧力1
0〜200Kg/cm2ゲージの範囲、好ましくは30〜150Kg/cm2
ゲージの範囲で行われる。反応温度は生成する2−クロ
ロプロピオンアルデヒドの熱安定性の面から低温ほど好
ましく、このため20〜100℃が特に好ましい温度範囲で
ある。また、原料の一酸化炭素および水素の混合モル比
は、通常10〜0.1の範囲であり、好ましくは4〜0.2の範
囲である。一酸化炭素および水素は前記の組成比で両成
分を含有する混合ガスであれば良く、水性ガスや、水性
ガスにメタン、窒素などの反応に不活性なガス、または
二酸化炭素や水分などが含有されたものが用いられる。
もう一方の原料である塩化ビニルは、ガス状、液状、あ
るいは反応に用いる溶媒に溶解した溶液の形で使用され
る。
(作用および発明の効果) 本発明の方法により、塩化ビニル、一酸化炭素および水
素を原料として、従来法に比して低温・低圧下において
高収率で2−クロロプロピオンアルデヒドを製造するこ
とができる。特に、本発明の方法により、従来よりも高
い触媒活性のもとで触媒を連続して使用することができ
る。
(実施例) 以下、実施例により本発明の方法を更に具体的に説明す
る。
実施例1 10段の翼の撹拌機および温水ジャケットを備えた耐圧10
0Kg/cm2ゲージの反応器1(SUS 316L製、内径25mm、高
さ350mm、実容積約170cm3で、下部に内径25mm、高さ150
mmの静置分離槽2を付属している)に、ヒドリドカルボ
ニルトリストリフェニルホスフィンロジウム0.5ミリモ
ル、トリフェニルホスフィン1ミリモルおよび反応溶媒
としてトルエン50mlを仕込み、反応温度45℃、反応圧力
75Kg/cm2ゲージの条件下において、該反応器の下部に設
けた導入管4および5から塩化ビニル4.5g/時、および
モル比1:2の一酸化炭素および水素の混合ガス約24/
時をそれぞれ連続的に供給した。同時に、苛性ソーダ水
溶液貯槽3から1リットルあたり5gの苛性ソーダを溶解
したアルカリ水溶液を反応器上部に設けた液導入管6か
ら150g/時の割合で供給した。反応器下部に設けた静置
分離槽2の下方に液取り出し管7が設置されており、反
応器内の液面が一定に保たれるように該液取り出し管7
から反応生成物の2−クロロプロピオンアルデヒドを含
んで苛性ソーダ水溶液より成る水相が連続的に反応器外
へ取り出され、一方、反応器上部に設けられたガス抜出
し管8からは反応器1内の圧力が一定に保たれるように
未反応塩化ビニル、ならびに未反応一酸化炭素および水
素を含有するガスが連続的に抜出された。該水相には苛
性ソーダの他に3.5g/時の2−クロロプロピオンアルデ
ヒドと少量の塩素イオン、プロピオン酸イオンおよび0.
7ppmの濃度のロジウムが存在していることが確認され
た。
このような方法で6時間にわたって反応を継続したが反
応開始後6時間目でも触媒性能には実質的な変化は見ら
れなかった。
なお、該水相からは、圧力50mm水銀柱、缶温度60℃で操
作されているガラス製の回分式蒸溜装置にかけることに
より反応生成物である2−クロロプロピオンアルデヒド
(約10%含水物)が単離されることが確認された。
実施例2 実施例1において苛性ソーダの代わりに1リットル当り
炭酸カルシウム10gおよびイミダゾール5gを溶解したア
ルカリ水溶液を用いた以外は同様の方法で反応を行わせ
た。反応開始後6時間にわたって液取り出し管7からの
水相には2−クロロプロピオンアルデヒドが毎時4.8gの
割合で生成していた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例を説明する工程図である。図
中、1は反応器、2は静置分離槽、3はアルカリ水溶液
貯槽を示す。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロジウム化合物、塩基および溶媒の存在下
    に、塩化ビニル、一酸化炭素および水素を反応させて2
    −クロロプロピオンアルデヒドを製造するにあたり、溶
    媒として水に不溶性または難溶性の溶媒を用い、反応を
    アルカリ水溶液による抽出下で行う事を特徴とする2−
    クロロプロピオンアルデヒドの製造方法。
  2. 【請求項2】塩基が三価の有機燐化合物または三価の有
    機燐化合物のオキサイドである特許請求の範囲第1項記
    載の方法。
  3. 【請求項3】塩基が三価の有機燐化合物または三価の有
    機燐化合物のオキサイドの少なくとも一種と、pKaが3
    〜11の範囲にある含窒素化合物の少なくとも一種の組合
    せである特許請求の範囲第1項または第2項記載の方
    法。
  4. 【請求項4】pKaが3〜11の範囲にある含窒素化合物
    が、pKaが3〜11の範囲にあるピリジン化合物、キノリ
    ン化合物、イミダゾール化合物またはモルホリン化合物
    の少なくとも一種以上である特許請求の範囲第3項記載
    の方法。
  5. 【請求項5】水に不溶性または難溶性の溶媒が、炭化水
    素である特許請求の範囲第1項ないし第4項記載の方
    法。
  6. 【請求項6】アルカリがアルカリ金属もしくはアルカリ
    土類金属の水酸化物または弱酸塩である特許請求の範囲
    第1項ないし第5項記載の方法。
JP61217300A 1986-09-17 1986-09-17 2−クロロプロピオンアルデヒドの製造方法 Expired - Lifetime JPH0737406B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61217300A JPH0737406B2 (ja) 1986-09-17 1986-09-17 2−クロロプロピオンアルデヒドの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61217300A JPH0737406B2 (ja) 1986-09-17 1986-09-17 2−クロロプロピオンアルデヒドの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6372642A JPS6372642A (ja) 1988-04-02
JPH0737406B2 true JPH0737406B2 (ja) 1995-04-26

Family

ID=16701978

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP61217300A Expired - Lifetime JPH0737406B2 (ja) 1986-09-17 1986-09-17 2−クロロプロピオンアルデヒドの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0737406B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6372642A (ja) 1988-04-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI473785B (zh) 使用金屬螯配位體催化劑用於醋酸之生產的羰基化方法
AU614172B2 (en) The production of formate salts of nitrogenous bases
JPS6388150A (ja) 低揮発性/有機可溶性ホスフインリガンドを用いるヒドロホルミル化
JPS5850234B2 (ja) 第8族貴金属固体錯体の取得方法
EP0183199B1 (en) Preparation process of 2-chloropropionaldehyde
CZ283697A3 (cs) Způsob přípravy roztoku komplexu rhodia a jeho použití
JP4048317B2 (ja) 非水性イオン溶媒中でのオレフィン系不飽和化合物のヒドロホルミル化改善方法
JP2984950B2 (ja) 第二アミンの製造方法
JPH0737406B2 (ja) 2−クロロプロピオンアルデヒドの製造方法
JPH06211722A (ja) アルデヒドの製造方法
EP0649851B1 (en) Process for preparation of hydridocarbonyltris (triorganophosphorus) rhodium compound
JPH0627088B2 (ja) 2−クロロプロピオンアルデヒドの製造法
US4885400A (en) Production process of 2-chloropropionaldehyde
JPH06713B2 (ja) 2−クロロプロピオンアルデヒドの製造法
JPH0720907B2 (ja) 2−クロロプロピオンアルデヒドの製造法
JPH0720905B2 (ja) 2−クロロプロピオンアルデヒドの製造方法
JPH0720904B2 (ja) 2−クロロプロピオンアルデヒドの製造法
JPH0720906B2 (ja) 2−クロロプロピオンアルデヒドの製造方法
JPS61126046A (ja) 2−クロロプロピオンアルデヒドの製造方法
JPH0145A (ja) 2−クロロプロピオンアルデヒドの製造方法
JPS62273939A (ja) Dl−アラニンの製造方法
JPS62277335A (ja) 2−クロロプロピオンアルデヒドの製造法
JPS6372643A (ja) 2−クロロプロピオンアルデヒドの製造方法
JPS6210038A (ja) 2−クロロプロピオンアルデヒドの製造方法
US7847130B2 (en) Ionic additive for catalysis in biphasic reaction systems